「お背中流しましょうか(笑)」
ショウがいたずらっぽく笑いながら、おれの背後に座って、体の各部を泡でこすってくる。イケメンに触られたので慌てたが、やめろと言うのも気が引けて、おれはショウのされるままになった。
「コウさん、なんかスポーツしてる?」
「まあ、体型維持のためにジムとかは行ってるけど」
「胸筋とかけっこうすごくない? めちゃ固いやん」
そう言いながら、ショウは女のおっぱいを揉むようにおれの胸の上で手を動かす。
「ちょ、触り方エロいって」
「あはは。コウさん敏感」
ショウの手はおれの腹筋に移り、そこを撫でるようにすると、さらに下のほうへ伸びてきた。
「あ、もういいよ、そろそれ流すから。ありがと」
おれは急いでショウの手を制し、シャワーで泡を洗い流した。
イケメンに触られたので、おれの股間のモノは反応を起こしかけていた。それがバレるのはまずいと思ったのだ。
次にショウが体を洗い始めた。
「今度はおれが洗ってやるから」
そう言いながら、おれはショウの後ろに座って、ボディソープを手に取った。お返しという口実で、ショウの体に触れるチャンスだった。
10代特有の、精巧な筋肉でキュッと引き締まった体つき。細い腰のほうへ向けて絞られいくウェストラインには扇情的な色気がある。
「コウさんも触り方エロいっすよ、、」
若々しい筋肉を堪能するように触っていたせいか、ショウが恥ずかしそうな声音で言う。
6つの小さな隆起のある腹筋に触れたあと、下腹部に手を伸ばした。
足を洗ってやるつもりだったが、おれの手は硬く変化している、意外な部位に触れた。
ショウは腰にタオルを置いていたが、性器を隠している部分が、あきらかに突起していた。
ショウは羞恥に顔を少し赤らめてうつむいていた。
「最近全然セックスしてなくて、触られるだけで反応しちゃったっていうか、、」
ショウは弁解するような口調で言った。
「気にすることないよ、、おれが変な触り方しちゃったから」
「男の手で勃っちゃうとかヤバいすよね、、」
「溜まってんなら抜いてやろうか?」
それはほとんど冗談のつもりだった。ありえないすよーとか言うショウの反応を期待して。おれも軽い変態を演じて、ショウの羞恥を中和してやろう、くらいの意図だった。
「じゃあ、やって」
「え?」
「おさまらないから、抜いて」
ショウの冗談かと思った。だが、覗き込んだ彼の顔は真顔だった。引いてはいけないとおれは直感し、腰のタオルを取り去った。
ムダな毛が少しもない体のなかで、そこだけ黒い逆三角形を描く陰毛から、20センチ弱くらいの真っすぐに伸びたペニスがそそり立っている。細身の体と比べて少しアンバランスなデカさが、きれいな形を際立たせていた。
「んっ、、」
ペニスを握っただけで、ショウは小さく喘いで腰をかすかに引いた。体と筋肉と同様に、若々しい硬度が手に伝わってくる。
「はあっ、、ん、、あっ、、」
手をピストンさせると、今度は快感に耐えるような吐息を漏らしはじめた。引き締まった腹筋が呼吸とともにうごめく。
さらなる刺激を与えてみたくなって、おれはもう片方の腕をショウの胸にまわし、そこの小さなピンクの突起をいじった。
「ああっ」
ショウははっきりと声を出して、体をびくりと反応させた。
「あ、、それヤバ、、ヤバいって、、」
ペニスと乳首を同時に責めると、ショウが余裕のなさそうな熱っぽい声を漏らす。
おれの手の動きもサディスティックな速さを増していく。ショウがなすままになっていく様子に、おれの興奮も増していった。
しばらくして、ショウはのけぞらせた顔をおれの耳元にもってきて、ささやくように言った。
「コウさん、、挿れる、、?」
「えっ」
「男に挿入ってできる、、?」
一瞬、耳を疑ったが、どうやっても聞き間違いようのない言葉だった。
「うん、、できるよ」
「じゃあ、、挿れて、、」
だが、家族風呂の残り制限時間はもう本当に少なかった。当然、ローションも持っきていない。
「ここでやる時間はない。おれの部屋でしよう。そこまで待てる?」
「わかった。出よう、すぐ」
急いで服を来て、銭湯を出る。
あまりに焦った様子だったので、鍵を返すときに受付のおばさんが怪訝な顔をした。
アパートまでの約10分間がやたら長く感じた。高まった熱が冷めないかが心配だった。
ショウってノンケじゃなかったのか?という混乱に近い疑問が頭に浮かんでいたが、彼を抱きたいという欲求の前ではどうでもよかった。
アパートに着くと、荒々しく鍵をあけて、ショウをおれの部屋に押しこんだ。
【続く】