Page 3226 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼後輩との関係22(第三章) 優 06/10/21(土) 20:39 ┣Re(1):後輩との関係22(第三章) 和樹 06/10/21(土) 21:23 ┣Re(1):後輩との関係22(第三章) タケ 06/10/22(日) 0:37 ┣Re(1):後輩との関係22(第三章) みかど 06/10/22(日) 3:10 ┣後輩との関係23 優 06/10/22(日) 3:57 ┣後輩との関係24 優 06/10/22(日) 15:21 ┗後輩との関係25 優 06/10/22(日) 16:23 ┣Re(1):後輩との関係25 和樹 06/10/22(日) 17:29 ┗Re(1):後輩との関係25 みかど 06/10/22(日) 23:41 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 後輩との関係22(第三章) ■名前 : 優 ■日付 : 06/10/21(土) 20:39 -------------------------------------------------------------------------
| 間が空いてすみませんでした><中間テストやら受験やらで・・・。まだ呼んでくださる方がいらっしゃるかわかりませんが、精一杯書きましたのでよかったら読んでやってください。今回から第三章(区切る意味ないけど)としますー。新学期の話なのでw感想とか貰えたら嬉しいです^^ 4月7日月曜日 桜の蕾がようやく淡い桃色に色付いてくる、そんな季節に俺の住む地域では入学式や始業式が行われる。この時期に桜が咲いたことなんて俺が知るところだと1度しかない。桜の蕾は、春の柔らかな日差しを一杯に受け縮こまっていた。今年は、もう2、3日で鮮やかな桃色を咲かせるのかもしれない。 ひび割れたアスファルトの上を偽短ラン(すごい短ランではない)・腰パンに膝まであるウォレットチェーンをぶら下げてゆっくりとウォークする。上2つ下1つ開けたボタンの間を抜けた暖かな風が俺の胸を撫でる。学ランの下は赤と黒のちょっと太めのボーダーラインのロンT、胸には歪な形をしたシルバーネックレスが揺れている。(言い忘れていたが、ちなみにこのときの俺の髪型は、ベースのショートレイヤーに長短をつけたカットをし、さらに根元からたっぷりセミングして、前髪はセンター付近を特に短くしてメリハリをつけてある。それをワックスでセットする。まぁ長く書いたが、ちょいやんちゃな少年っぽさが漂う髪型。分類はベリーショートだ。大会前には坊主なんだけどな。) 今朝、俺は歩いて学校へ行くことにした。新学期、しかもこの青空。そんな日はゆっくりと歩いてみるのもいいものだ。 次々と自転車に乗った生徒たちが俺を追い越していく。五人に一人の割合で「ゆーぅおはよっ!」と声を掛けて過ぎ去っていく。なかには「後ろ乗っけてってやろーか?」なんて言う奴もいたが、俺は心を込めて丁重に断った。「ばーかっ、お前の後ろになんか怖くて乗れねーよ!」ってね。いくらゆっくり歩いたって後10分もあれば着くんだ。 この春休みは本当に色々なことがあった。だけど、どんなことがあったって今こうして歩いているように、ゆっくりと少しずつ前に進んでいるんだ。俺はそう思う。 俺は、 本間との賭けをした翌日、いつも通り練習開始の1時間前に学校へ着くように家を出た。天気予報では降水確率は10%くらいだったけど、空はどんよりと曇っていて今にもぼたぼたとアスファルトが黒く塗りつぶされそうな感じだった。 体育館玄関を開けフロアに向かった。昨日はめちゃくちゃ怖かった廊下も、今は朝日が差し込み明るく清潔感に溢れた廊下に戻っている。体育館の扉の前に立つと、コートにボールが着く音がした。俺は深呼吸をしてから扉を開けた。誰がいるのかなんて開ける前からわかっていた。 「・・・おはようございます」と元晴が奥のコートから声を掛けてきた。他に誰もいないようだった。 俺は、手前のコートを横切り(本当はしちゃいけないんだけど)真っ直ぐに元晴のもとへと向かった。手前1メートルほどで止まり言った。 「昨日はごめんな・・・・あのさ、、俺、これからちゃんと頑張るから・・・今日一緒に帰ってくれるか?」 元晴は何も答えず自分の荷物が置いてあるところへ走っていってしまった。嫌われちゃったのか?!と俺が不安になり始めた頃、荷物に辿り着いた元晴が明るい声で言った。 「じゃあ、今日帰ったら一緒に映画見ましょうね!」元晴は何かをカバンから取り出し言った。「DVD借りてきましたからっ!!」 その場から走って逃げ出したくなった。パッケージに描かれている気持ち悪い奴(グチャグチャでほんっと気持ち悪い!!)が、俺のことを睨んでいた。 俺は、ため息をつきながら言った。 「わーったよ・・たくっ、、あーもう、早くその気持ち悪い奴閉まってくんない?」 こんなもの、見る気なんてさらさらなかったのに、こんな状況で言われたら見ないわけにはいかないじゃないか!!だけど、そんな風に一緒に帰る口実を作ってきてくれていた元晴が狂おしいほど愛しく思えた。 俺はその日の練習開始前に、部員全員に今までの無礼を謝り、これからはしっかりとメンバーを信じると伝えた。正直めちゃくちゃ照れ臭かったけど、しっかりとケジメみたいなもんをつけたかったんだ。 それから今日まで我武者羅に貪欲に練習に取り組んだ。そして、毎日のように元晴と一緒に帰り、ほとんどの日は俺の家で少しいちゃついたりした。映画を見ながら少しキスをして、また帰り際にする。そんな関係が続いていた。 別に、エッチが嫌いになったとかそんなことじゃなくて、これからゆっくりと関係を深めていってもいいんじゃないか、そんな風に考えたんだ。むしろ、健全な男子中学生がエッチなことを嫌いになるはずがないじゃないか。 春休み最終日に一回だけ元晴の家に行ったことがある。頭の片隅に『元晴の弟に会えるんじゃないか』ということが浮かんでいたが、家を訪れたときには誰もいなかった。 元晴曰く「あいつ春休みになってからいっつも夜遊び歩いてるんですよー、ったくもぅ・・・」と、そういうことらしい。 夕方になり元晴のお母さんが帰ってきて俺を見るなり「夕ご飯食べて食べていってね」と言ってくれた。 結局、食卓を囲んだのは元晴とお母さんと俺の三人だった。改めて見ると、元晴のお母さんはとても綺麗だった。元晴のお姉さんみたいですねっ、こんな綺麗なお母さんがいるなんて元晴羨ましいな!と言いながら元晴と元晴のお母さんを見比べていた。『ふむぅ、元晴はお母さん似らしい』 元晴のお母さんは、とても明るい人で中学生の俺でも話しやすかった。部活での元晴はどうだとか、家での元晴はこうだとか、俺の家庭の話と、あとは、スーパーの食品の値段の話。『あそこのスーパーよりあっちのスーパーのほうが〜〜』そんなことを話していたら、元晴が「・・・中学生がする話じゃないっすよ」とボソっと言った。 こんな楽しい食事は久しぶりだった。うちの家庭は家族揃って食事をすることなんて年に数える程しかない。しかも、そういうときはいつも外食だから、自宅ではないにしろ『家』というところでワイワイと話しながら食事をするのは数年振りのことだった。 元晴のお母さんの料理はどれもおいしく俺の作ったことがない料理がばかりだった。自他ともに認める料理自慢の俺でもここまで手の込んだ料理は作れない。どうやって作るのかがどうしても気になって、元晴のお母さんに今度教えてもらえるように頼んだところ、「あら、嬉しいわぁ、うちの子たちは料理なんてしないから張り合いがないのよぉ。今度部活が休みのときに遊びにきてね」と快く引き受けてくれた。 その後、デザートを食べ少し休んでから元晴の家を後にした。ぶらぶらと誰もいない真っ暗な自宅に帰った。 明日は始業式ということもあり、俺は風呂に入り早めに寝床に着いた。もちろん春休みの宿題なんて何一つやっちゃいないわけだけど。 もうあと1,2分で学校に着くというところで、脳天に衝撃が走った。辺りには気持ちがいいほどの音が響いていた。 「いってぇぇえええ!!」俺は後頭部を両手で押さえしゃがみ込んだ。 すると、頭上から反省の色がこれっぽっちもみえない声が降ってきた。 「ゆうっ、はっぴーにゅーいぁやー!」 こんなことをする奴は俺の知っているところでは一人しかいない・・・。眼を上げると、陸上で綺麗に焼けた顔をニヤニヤとさせた直樹がチャリの上から俺を見下ろしていた。 こいつとは保育園時代からの腐れ縁。陸上で日焼けした顔に日焼けして茶色がかった髪をシャープなフォルムに仕上げたソフトモヒカンにしている。2002年のベッカムヘアーを想像してくれればいいと思う。 自転車に乗っているところを見ると、漕いできたスピードのまま俺の頭をぶっ叩いたと見える。 「馬鹿かよおまえ!!・・っいってぇ、、てか今は新年じゃねーっつーの」 「細かいこと気にすんなよー、そんなことより・・・」直樹は全く悪びれた様子もなく言った。「また俺たち同じクラスだぜっ!」 |
| いつも楽しく拝見させていただいてます。優さんと元晴くんのHシーンで何回も抜かせていただきました(笑)最後に無理せず頑張ってくださいね。 |
| どもっ!!今日の朝もぅ優さん続きかかなぃのかなってふと思ってたところでしたぁ。。受験ですか ぁ。俺も昨日テストがやっと終わってホント勉強嫌だなって再認識しました(笑)勉強大変だろうけど頑張って完結さして下さいね〜♪応援してます(≧∇≦)g゛ |
| まーーってましたぁ(‾^‾) この話めっちゃ大好き! 楽しみにしてます |
| 早起きしすぎた(笑)感想ありがとうございます><ちゃんと最後まで書きたいと思ってますので、よかったらお付き合いお願いしますね^^今回の話は、途中で区切りました。文字数がいっぱいだったので・・・。 新3年でごった返している正面玄関を抜ける時に、おまえ宿題やったか?と直樹に聞いたところ「ぜーっんぜん!」という答えが返ってきた。 宿題白紙組の俺と直樹が1組の教室に入ると、もうすでに4分の3の生徒が登校していた。一学年280人と言ってもほぼ全員の顔はわかる。 直樹は早速仲の良い奴らに飛び掛っていった。面倒くさくてクラス発表を見に行かなかった俺は、教室の中を端から端まで眺め回す。 そこに、俺と同じく面倒くさくて発表を見に行かなかった本間とミッチー+数人が教卓の向こうに輪を作っていた。 ミッチーは、肌白くて身長176くらいでバスケ部のムードメイカー兼センターレギュラーだ。入部当初は、同学年で唯一バスケ経験がなかった俺よりも下手だった。まぁミッチーも小学校対抗試合に出ていただけだからほとんど経験はなかったんだけど。それでも、めちゃくちゃ努力してレギュラーを勝ち取った。まぁいつも、『ほんまぁ〜』とか言って本間にベタベタしているけれど、実はとっても努力家でいい奴なんだ。 本間にベタベタしていたミッチーが俺に気付き声を上げた。 「よぉ!優、宿題終わったかぁ?!」 俺は通学鞄(ダサいから大嫌い)と部活動具を入れてる鞄を教卓の上に投げ出しながら首を振った。 「ぜーっんぜん!昨日は10時間ぐっすり寝たぜー」 「おーそうかそうかぁ」ミッチーはニヤリとして、右手に持った物をパタパタと振った。「コレ、見てぇか?」 おぉ!持つべき友は優秀な友達思いの奴に限る!!決して朝っぱらから後頭部を強打するような無礼者なんかじゃなくて。 俺は駆け足で輪の中に突っ込み、まるで、松坂牛のステーキを目の前にした犬のように上目遣いにミッチーを見た。尻尾をフリフリしてるのが見えそうだ。 「待て待て、タダじゃ見せねーよ」ミッチーは右手を俺から届かないところに上げ、左手で俺を制して言った。「お前んちで歓迎会やっていーなら見せてやってもいいぜ」 歓迎会というのは、新入部員歓迎会のことだ。うちの部では、3年生が新1年生と新2年生数名を招待して友好を深めようというお泊り会が伝統としてある。まぁ去年はなかったんだけど。 そのお泊り会の会場として俺の家が持って来いってわけだ。部屋は広いし、親は帰ってこない。まぁここだけの話、酒も飲み放題。顧問にバレたらさすがにヤバイ。 それしきのことで、富士山登頂のような漠然とした宿題を見せてもらえるのなら大歓迎である。 俺は、迷うことなくウンウンと首を縦に振った。尻尾があるとしたら千切れんばかりの勢いで振っていたことだろう。 始業式は、体育館に身長順に横並びで整列する方式で行われる(俺は背が低いほうだから結構左寄り)。うちのクラスは1組だから3年で一番前の列である。 今は、長ったらしい校長のありがったーいお話。俺は、あまりのつまらなさに周囲の奴とケラケラと話していた。 俺が、笑い声を抑えようと口に手を当てた、その時である。目の前に黒い影が立ちはだかった。やヴぇと思ったときには、時既に遅し。パンッと衝撃が走り、頭の中がグランと揺れていた。 「新学期早々まぁーたお前か!」と、目の前に立っている奥田先生こと奥ティーがギロリと俺を睨みながら言った。「ったく、その格好は何なんだ」 奥ティーは、俺が2年のときに赴任してきた元ヤンなんじゃねーかって生徒の間で噂の30歳妻子持ちの陸上部顧問の先生。2年のときの理科を持たれているから俺のことはよーく知っている。めちゃくちゃ怖いけど、めちゃくちゃフレンドリーで良い先生だ。 ちなみに、俺はバスケ部だから廊下で先生と擦れ違えば必ず大きな声で挨拶する。だから、先生たちへの受けは悪くない。 俺は、首をすくめ、頭を擦りながら答えた。 「・・・せんせーおはようございます、コレ、知らないの?今流行の俺のこだわりファッション。ほら、ベルトが白で・・・・・いってぇぇえ!!」と、思わず大声を上げてしまった。通路を挟んで前にいる2年生がザッと振り返った。 ベルトに手を当て説明している俺の頭を今度はグーにしたデケー拳が襲ったのだ。俺は、頭を抑えながらのた打ち回った。周囲からクスクスと笑い声が聞こえてくる。笑い事じゃねーよっ!めちゃくちゃいてぇえ・・・。 「だぁーれがファッションの説明しろと言った!ちゃんと校長先生の話を聞け、」と、奥ティーはそこで言葉を区切りニヤリとして言った。「それとも指導室来るか?」 指導室という言葉を聞いた瞬間、背筋にブルブルと寒気が走った。 そこには、俺のマイホームと言っていいほどこの2年間で通った。理由は、服装のことが10割を占めていた。と言っても、注意される理由はボタンを開けているからなんだ。まぁ本当は短ランも腰パンもベルトの色も悪いんだけれど、短ランはぎりぎり引っかからない程度だし、腰パンだって下げすぎるとダサイから適度にやっている。ベルトはまぁ、大目に見てもらってる。 俺は、ピッと背筋を伸ばして体育座りして言った。 「いやぁー、校長先生のお話を聞かせていただきますぅー」と、俺はペコペコしながら言った。続けて「いいお話ですね!!」と言ったら、パコンと平手で頭を叩かれた。また周囲からクスクスと笑い声が上がる。俺は、『ったく、おいしいじゃねーか』と思いながら、大人しく校長先生のありがったーいお話に度々出てくる「えー」という言葉を数え始めた。 |
| あまり本編には関係ない話かもしれませんが、このことを書いたほうがより各人物のことが伝わるかなぁ・・・と思って書きました。本編(元晴や本間のこと)は、もうすぐ書けると思いますので^^; ではでは、もし読んでやるよという方がいらっしゃいましたら読んでやってください^^ 始業式を終え、クラスに帰りHRがあった。 担任は、2年のときと同じ清水先生ことみっちゃん(女・国語教師だ。去年担当したクラス全ての平均点が他担当より10点以上上だったという伝説を持っている。ちなみにうちのクラスは他クラス平均より19点も上だった。)だった。みっちゃんは、26歳だけど結構可愛い顔をしている。だからと言って鼻に付くようなところがなく、明るくて接しやすいから学年男女問わず生徒に大人気だ。可愛くて、それでいて冗談もわかって、誰もが一度は欲しいと夢抱く、可愛くて気さくなお姉さんって感じだ。 ここだけの話、みっちゃんは去年卒業した3年3人組に襲われそうになったことがある。 話が脱線するが読んでほしい。これは、直樹とみっちゃん、脇役に俺と奥ティー、4人の冬の寒さに負けないほどの暖かな話である。 あれは、2学期期末テストが全て終わり、皆が浮かれに浮かれていたときのことだった。先生にHRで使う道具を運んでくれるように頼まれていた俺と直樹が教務室に行ったところ、先生が机に肘を付き、手で顔を覆っていた。 「先生(この事件がきっかけでみっちゃんと呼ぶようになった)どうしたんだよ?」と直樹が聞いた。先生は、「何でもないわよ」と言い笑みを浮かべたけれど、その顔はどうみても何かに悩んでいるような顔だった。 そのとき、俺より一回りデカイ直樹が急に先生の腕を取り教務室から引っ張り出し、何があったのかを激しく問い詰めた。そこでようやく、先生は口を開いた。 要約すると、テストが終わり教務室に戻る途中に3年生のある生徒から声を掛けられ、相談があるから部活が終わったら(先生はソフトテニス部の副顧問だった)学校の近くにある公園に来てほしいと言われた。学校じゃ出来ない話なの?と聞いてみたところ、その生徒が涙目になりながら「出来ない、先生のこと信頼しているから誰にも言わないで」と答えたそうだ。困った先生は、同僚の先生に相談しようと思ったが、もし何でもなかったとき生徒を裏切ることになる。それで思い悩んでいたそうだ。 それを聞いた俺は、3年の奴の名前を聞き出して背筋に寒気が走ったのを覚えている。『塚本』。こいつは、どこの学校にも一つはある不良グループのリーダー格だった。こんな奴がただの相談なんかするはずがない。そう思った俺と直樹は先生に、部活が終わったら迎えに行くから行くなら一緒に行こう、何かあったら絶対俺らが守るから、と言ったのだ。俺らの可愛い先生を傷つけようとしている輩が、例え学校一の不良グループのリーダー格だとしても許せなかった。 塚本単独でない限り、相手の人数が自分たちより多いことはわかっていた。部活の仲間やクラスの奴らに救援を頼もうと思ったが、もし暴力沙汰になったとき迷惑は掛けられない。それと、この話をあまり広げたくなかったのだ。 部活が終わるとすぐに学ランに着替え、俺と直樹だけで先生の下に走った。俺らの武器と言ったら、ウォレットチェーンと部活動具の入った重い鞄だけだった。 先に直樹が公園を確認しに行くと、塚本一人だけがいたということだった。でも、物陰に仲間が隠れているかもしれない。先生には何かあったら大声を上げるように言い、俺らは物陰に隠れて見守った。 案の定、先生が塚本の前に立ち話し始めてしばらくすると、木の陰から2人が飛び出してきた。 俺と直樹は、ウォレットチェーンだけを持って駆け出していた。公園に入る頃には、先生は背後から来た二人に口を塞がれ押し倒される瞬間だった。 俺らに気づいた塚本が変な声を上げたが、先生を押さえつけて今にも犯そうとしている二人が顔を上げた時には、先に辿り着いた直樹が走ってきた勢いのまま先生の上に乗ってるマヌケ顔の脇腹につま先蹴りを入れていた。続けて俺が先生の手と口を塞いでいる奴の脇腹をつま先で蹴り上げた。ナイキのダンクのつま先が相手の肉にめり込むのがわかった。 二人は、グホッ、ゲフッと息を一気に吐き、くの字になって地面を転がり回った。すると、ようやくスイッチの入った塚本が直樹に殴りかかった。だが、直樹はぎりぎりのところでそれを避け、塚本の腹に思いっきり拳をぶち込んでいた。塚本の吐く息が俺の耳に届き、俺は、ウォレットチェーンを握り締め体制を崩した塚本の足を目掛けて振り下ろした。そのときの音は今でも忘れられないほど鮮明でリアルな音だった。塚本は、絶叫しながら足を抑えて倒れ込んだ。 直樹が近くに倒れていた奴の足を2、3度蹴り上げた後、無言で塚本の太股を何度も蹴り上げていた。俺は、もう一人の太股の裏に一発蹴りを入れてから直樹を止めに入った。直樹は体を押さえようとする俺を振りほどき、手で頭を抱え縮こまっている塚本の尻に蹴りを入れ続けた。俺が直樹の名を叫んで、そこでようやく我に返ったようだった。 俺は、震える半身を起こして呆然と直樹と倒れている塚本を見ていた先生に手を貸した。そこで、足の速い(陸上部で短距離をやっている)直樹に奥ティーを呼ぶように頼んだ。信頼出来る先生で、今この時間に学校に残ってるとしたら奥ティーくらいしかいなかったのだ。 直樹が戻ってくるまでの時間は、実際には6、7分だったと思うが、1時間にも2時間にも思えた。塚本たちが立ち上がり反撃してくるのが怖かったのだ。一度だけ俺が最初に蹴った奴が立ち上がろうとしたが、再び太股に蹴りを入れて地面に這いつくばらせた。 息を乱した奥ティー(高校時代には短距離でインターハイに行っている)を連れた直樹が戻ってきた。奥ティーは現場を見た瞬間、ポカンとした表情になった。 後で聞いた話なのだが、直樹は車に乗り込もうとしていた奥ティーに「塚本たちに優が襲われてる!助けてくれ!!」と言ったそうだ。当然、奥ティーは俺がボコられているものだと思った。 それから、先生が奥ティーに事情を話し(ほとんど俺と直樹が話したようなもんだけど)、自分じゃ歩けない不良3人を学校に連れていった。奥ティーが3人の話を聞き、その間に教務室にいた他の先生が3人の怪我の具合を見た。話を聞き終わった奥ティーは、3人の保護者を呼んだ。 事情を話さなきゃいけない俺と直樹も残ることになった。奥ティーは直樹の家に遅くなる理由を「ちょっと友達が事故に遭いまして付き添っているので遅くなります」と嘘の話を電話で伝えた(俺の家は誰もいないから電話をしなくていいと言った)。 3人の母親3人と父親1人が駆け付け、2時間近くに渡る話し合いが行われた。 先生は、大事にしたくないと言った。3人の将来もあるし、何よりも自分の不注意のせいだ、と泣きながら謝ったのだ。3人の保護者も先生に頭を下げたため、3人を5日間(正確には自分で歩けるようになるまで)の自宅謹慎にするということで話が着いた。 もちろん、俺と直樹は奥ティーに頭を叩かれた。「やりすぎだバカもん!!」と一喝した後、「よくやった」と頭を撫でて言ってくれた。そのときの奥ティーは、なんか優しい目をしていたんだ。 その後、奥ティーと保護者に連れられ3人は夜間でもやっている総合病院に連れて行かれた。後日、奥ティーに聞いたところ、幸い骨折などの大怪我はなかったが、脇腹の打撃がもう少し腹筋から離れていたら内臓が破裂してもおかしくないとのことだった。3人は、病院の行き帰りも自力で歩くことが出来なかったそうだ(その後、俺ら他の先生にみっちり絞られた。だけど、どの先生も最後に少しだけ誉めてくれた。) 21時頃、俺と直樹は清水先生に家まで送ってもらった。車の中で先生は涙目で俺と直樹に「本当にありがとう」と言ってくれた。そのとき、直樹が「じゃあ、これからはみっちゃんって呼ぶからな!」とそこで言葉を区切り、「だから、明日からも絶対学校来いよ!何かあったら俺らがまた守ってやるから!!」と明るく言った。みっちゃんは、溢れ出てきた涙を拭いながら、微笑み頷いた。 その一件があったため、俺と直樹は奥ティーに一目置かれるようになったし、みっちゃんとも今まで以上に仲良くなった。もちろん、生徒でこの事件の詳細を知っている奴はいない。ただ、「不良グループの3人が大怪我をして謹慎処分になった、隣の中学と喧嘩でもしたんだろう」ってことだけが学校中に広まった。 これは春休みに入ったばかりに直樹に聞かされた話である。 簡潔に言うと、直樹はみっちゃんのことが好き、そういうことだ。 俺は、直樹を陰ながら応援することにした、たとえ叶う見込みのない恋だとしても。 だって他に誰がいる?こんなに熱くて、かっこいい直樹を知っているダチは、俺だけだろ? |
| 受験勉強サボって書いてしまいました(笑)ほんと、本編と関係ない話で・・・。いや、一応関係あると言えばあるのかな・・・。1年間過ごしたこのクラスは俺にとって最高な場所だったので。それでは、もしよろしかったら読んでやってください><26は少し間が空くかもしれません・・・。夜はテレビを見るので(ぉぃ) 話が長くなってしまった。そして、この話も長くなってしまった。もう少し簡潔に書けるように心掛けなきゃだ。 俺は廊下側から4列目の前から3番目だった。ベストポジション!!しかも辺りを見回すと、隣には今でも唯一俺が頭が上がらない幼馴染の夏姫(『なつき』と読む。珍しい名前だが、小学生のときに夏姫に名前の由来を聞いて思わず笑ってしまった。「お父さんたら、女の子が生まれたら姫さまー姫さま〜って育てたかったんだって、夏に生まれたから夏の姫にしたんだってさ」ということらしい。前から思っていたが面白いお父さんだ。高校1年になってある小説を読むことになるのだが、びっくらこいたことがある。昨日は映画、今夜はテレビであるらしい。ちなみに、俺はその作家の大ファンだ。これも何かの縁なのかもしれない。夏姫とのことはまた後で書こうと思う。)、俺の右斜め後ろにはミッチー、通路を挟んで俺の左斜め前に本間、そして例年通り、俺の前の席には直樹が座っている。 そう、俺と直樹は苗字が一緒なんだ。小学校からずーっと同じクラスで直樹が俺の前だ。この世に神様がいるとしたら、そいつは相当なバカじゃないだろうか。 担任の挨拶をしているみっちゃんをミッチーがチャカしている。クラスみんながそれに笑い声を上げる。ミッチーは1年のときから常に笑いの渦の中心にいる。そんな奴なんだ。 直樹は・・・どうも椅子の座り方がわからないらしい。椅子ってモンは背もたれに背を預けるモンだろ?だけど、直樹は背もたれに胸を預けるんだ。小学校のときからいつもそうだ。 「お前初っ端から奥ティーに叩かれてやんのー」と直樹が言った。 「うっせーよ、お前も同じような格好してんジャン」俺はミッチーから借りた宿題を写しながら言った。「それより、前向けマエ、煩くてしょうがねぇ」 そうなのだ。俺と仲が良い奴らはたいてい偽短ラン・腰パン・ボタン3つ開け、その下におしゃれするってスタイルだ。 このスタイルの先駆けは3つ上の憧れの先輩だ。保育園のときから俺に良くしてくれた先輩がいて、その先輩(ちなみにバスケ部)がしていたファッションが小学6年生の俺の目にはすっごく格好良く見えた。中学に入ったら俺も絶対そうしよう!と思っていた。 そして、中学に入学して少しずつ崩れていったわけだ。 「いいじゃんかよー、宿題なんて休み時間に写せば」直樹は、椅子ごとピョンピョンと跳ねながら言った。「それよか俺とおしゃべりしよーぜぇ」 煩くて敵わない。俺は、バンッとノートを閉じて言った。 「ったく、そんなに俺とおしゃべりしたいのかよ」 「だってよぉ、お前3月の終わりから急に遊びに誘ってくれなくなったじゃんかー」と、俺の机にスライムのようにべたぁとなりながら言った。「寂しくて寂しくて死にそうだったぜぇ、彼女でもできたのかぁ?」 ふむ、なかなか鋭いなこいつ。まぁ彼女じゃなくて彼氏だけれどもと思いながら、できたできたと答えた。 「ひでぇぇよ!!何も教えてくれなかったジャンかっ、俺は何も隠し事してねぇのに!!俺らの友情ってそんなモンだったわけ?!」 「もぉーっ、うっせぇぇなぁ。もっと静かにしゃべろよっ」と俺は言った。「友情とか言ってる奴があんな強く頭殴るかよっ」 「あれは、俺の寂しさを伝えたかったんだよぉ」直樹は俺だけに聞こえるように声を小さくして言った。「で、彼女ってダレさ?」 いや、ダレさって聞かれても困る。答えられるはずがないじゃないか、彼氏だぞ。まぁ彼女みたいな奴だけど。 俺が答えに詰まっていると、みっちゃんが直樹の背後に黒く硬い出席帳を振り上げて立った。俺は、ククッと笑いを堪えながらバカな直樹の後ろを指差してやった。 直樹は、「え?」と疑問の表情を浮かべながら後ろを振り向こうとした。と同時に、みっちゃんの腕が振り下ろされ、パカンと音を鳴らして直樹の頭を打った。空っぽの音とクラス皆の大笑いが教室に響き渡った。 「いってぇぇええ!!」と、直樹は始業式のときの俺と同じように頭を抑えながら叫んだ。 「直樹君、前向きなさい!去年も注意したでしょっ」 クラスが爆笑に包まれている中、不覚にも俺は、怒った顔も可愛いなぁとみっちゃんの顔に見惚れてしまった。 「みっちゃんひでぇぇよ!俺がバカになったらみっちゃんのせいだぜぇ、絶対。そんときは俺をお婿に貰ってな!!」と、直樹が頭を擦りながら冗談混じりのプロポーズをしたので俺は、 「おまえ、元々バカだろっ、」とみっちゃんの顔から目をもぎ離し言ってやった。 「ばっ!俺はバカでも賢いバカだ!!いや、かっこいいバカだ!!」と、大バカな直樹君。 「はいはい、直樹君これから級長決めるから静かにしてね」みっちゃんは教壇に戻る途中振り返り満面の笑みを浮かべて言った。「それとも直樹君が級長やる?」 それを聞いた直樹は、ブンブンと音がしそうな勢いで首を横に振りながらしっかり前を向いて座った。『こいつ椅子の座り方知ってたんだ・・・愛の力は偉大だ』と思った俺の後ろの席から「かっこいいバカの直樹がやれよー!!」とミッチーの煽る声が響いた。 結果から言うと、ミッチーが級長になってしまった。そのときのミッチーの顔と言ったら最高に面白かった。 ミッチーは、自分が直樹を煽ったから皆直樹に票を入れると思い込んでいたが、それが大きな間違いだった。 票数は、ミッチー39票・直樹1票。もちろんこの1票はミッチーが入れた物だ。なんて団結力の強い素晴らしいクラスなんだろう!! ミッチーは「え、えぇぇえ?!?!!ちょ、皆おかしいだろ?!」とめちゃくちゃうろたえていた。さすが、いつも笑いの渦の中心にいる奴は違う。ここでもクラス全員の爆笑を簡単に手に入れてしまった。 まぁ、直樹が級長になっちゃったら学級崩壊が目に見えているから当たり前の結果と言えば当たり前だ。俺とみっちゃん以外誰一人として、あの最高にかっこいい直樹を知らないからな。 当の直樹と言えば、ミッチーを指差し馬鹿笑いしていた。やっぱりこいつは最高の馬鹿だ。 このクラスは最高のクラスになるかもしれない。いや、必ずなる、そう思った。だって、みっちゃんに、直樹に、本間に、ミッチーに、夏姫がいる。それに、34人の最高に面白い奴らがいる。そいつらの話が一人一人出来なくて本当に残念だ。話に出てくることがあったら暖かで柔らかなその眼で見守ってほしい+部活の仲間も。 |
| なんか爆笑しちゃいました(笑)みなさん元気があっていいですね |
| なんかさぁ。 感動させられたり 笑わされたり ぇろぃ気持ちにさせられたり…下手な小説作家より文才ぁるd(゜д゜ ) 続き気になって寝れなくなりそ_|‾|○ |