Page 2846 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼犬にも起きた奇跡 雄太 06/6/6(火) 10:17 ┣Re(1):犬にも起きた奇跡 ☆ 06/6/7(水) 7:22 ┗Re(1):犬にも起きた奇跡 まさき 06/6/11(日) 11:52 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 犬にも起きた奇跡 ■名前 : 雄太 ■日付 : 06/6/6(火) 10:17 -------------------------------------------------------------------------
| 「犬が起こした奇跡」を書いた雄太です。ヂェーンにも起きた奇跡とヂェーンが起こした奇跡としか言いようがないことを書かせてください。 俺「ヂェーン、行ってくるね。」 眠たそうに上目使いで、尻尾を回しながらこっちを見る。 「さっさと帰ってきなさいよ」 はいはい… キャンパスにはもう冬の匂いが漂っていて、どことなく空も濁ってはいるが、朝の空気が鼻を抜けて、慢性的な疲労を一時的に麻痺させる。 いつものコーヒーショップで買ったコーヒーとパン屋で買ったデニッシュをかじりながら早足で歩いて行った。 涼「おはよーございまーす」 スウェットにニット帽、便所サンダル。究極の手抜き、寝起きスタイル。 俺「半分いる?」 涼「いただきまーす。優しいねぇ相変わらず。なんだこれモッサモサじゃん。コーヒー」 俺「ん」 ずずーっ。 俺「コーヒーに食べカス沈めたら、池に落とすからね」 涼「そのへん抜かりなしだね。ワラ」 しばらく無言で歩く。 涼「おまえはさ〜パッと見冷たくて無愛想だからみんな仲良くなろうとはしないけど、ちょっと踏み込めば優しいのに…もったいないね〜」 俺「ほっとけ」 いつものように授業を受けて、帰宅。 この日は出勤まで時間があったので、前からやろうと思ってた本棚を作ることにした。 ベランダに新聞紙を満遍なく張って、買っておいた材料をマホガニーとオーク混じりのペイント材で塗り始めた。ヂェーンはプランターの中のバジルをくんくんやっている。 「ねー!」 向かいから声がする。 後期から編入してきた卓也だ。 ボンボンで授業中もうるさいし、やたら金回りがいいし、とにかく家事の類が何もできないし香水が臭い。はっきり言って好きじゃない。 卓也「ナポリタンってどうつくるのー?」 よし。ヂェーンも 「やれ、雄太」 俺「麺茹でてケチャップぶちまけんの」 卓也「えー?聞こえなーい!」 だから… 俺「ケチャップで麺を茹でればはいできあがり!!!」 卓也「ありがとー!」 「ナイスプレイ」 長いピンクの舌をだらし無く垂らしながらヂェーンはにやりと笑った。ワラ 木材に塗った塗料が渇くまでに、浴室のタイルを張り替えたり、布団を冬ようにしたり、ドライクリーニングに出した、ヂェーンが足跡だらけにしたコートをクリーニング屋さんに取りに行きつつ、ヂェーンの散歩に行った。 夕食時に渇いた木材を組み立てて、ニスを塗っておいた。 ちゃんとしたナポリタンを作って、シャワーを浴びて、ヂェーンと一緒に出勤。ヂェーンを部屋に置いて出勤したせいで、洋服のドライクリーニング代と、かじられた家具の修復代が跳ね上がってしまったと店長に行ったら 「看板犬にしよう!」 ということで、いつも行くときは赤いバンダナを首に巻いて、ちゃんと店晩をしている。レジに人が来て、誰も気がつかないと 「ワン」 と吠える。そのたびに店長はビスケットを片手に「働き者だなぁヂェーン」とのそのそやってくる。 で、俺は今期からサークルに入ったんだけど…卓也も入って来た…。 万年妄想恋愛中毒の俺は、サークルの三年の先輩、大貫くんに片思い。実は(妄想の中で)キスもエッチも済ませた。ワラ マジ岡田准一に激似。 いつも白いフュージョンに乗って来る。後ろに乗りたいって思うけど、、卓也が「家まで乗せてって〜」って小池撤平似の小悪魔顔の上目使いは、ゲイじゃなくても、老若男女、落ちる。 サークルに行っても、大貫くんにベタベタの卓也。 「!!」 大貫くんのほっぺに…た…卓也がキス…そして大貫くんもふざけながら喜んでる。回りも和やか。 片付けのときもいちゃいちゃしてる。 俺「どいたどいたどいたどいた!」 得点板を片付けるフリして二人の間を切り裂く! 帰り際、大貫くんが声をかけてきた。 大貫「雄太って料理得意なんだよね?炊飯器が壊れてさ〜米が炊けないんだけど」 俺「土鍋があれば炊けますよ。」 大貫「マジ!じや今日お前の家行くから教えて☆」 俺「あ、はい。じや駅前で待ち合わせします?」 大貫「は?なんで?俺の後ろ乗っていけばいいじゃん。」 今日は卓也の予約はないみたい。 俺「でもメットがない…」 大貫「事故らなきゃ平気だよ!」 半ば強引に乗ることに。 違反はあまり好きじゃない。元々マナーとか気にかけるタイプだったけどヂェーンと二人で暮らすようになってから更にそうなった。犬連れの社会は朗らかに見えて、実は多くの暗黙の了解がある。それは人間社会でも同じ。「事故らなきゃ平気」ってのは事故ったら平気じゃないってこと。その辺の愛のなさに少しがっかりしたけど、風邪になびく襟足や上着がカッコイイ。信号で止まる度にくだらない話をしては、お巡りさんがいないかと、初めてピンポンダッシュをしたときと似た気持ちで家に着いた。 |
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