確かに
オレは人の痛みを理解しようとせず
母さんに暴言をはき
必死に謝る直樹を突き放した
おばあちゃん
『雄貴は優しい子だからわかるでしょ?それに雄貴はまだ小さな世界しか見ていないの、雄貴の知らない街や知らない音楽、知らないスポーツ、まだまだ雄貴の知らない事なんて沢山ある、その中の何かに興味を持って何かを初めると新しい出会いがある、全てには色々な人が関わっているの、』
オレは黙って話しを聞いていた
おばあちゃん
『まだ雄貴は人に絶望するほど人を知らないの、まだそんな事決めちゃダメなの、1を見ただけで100を決めちゃダメなの、これから色々な人に出会うから、もっと知って、学んで、おばあちゃんくらいの年になった時に決めなさい』
おばあちゃんは続けた
おばあちゃん
『言葉で言うのは簡単だけど、行動に移すのは難しいの、でも人は本当に変わりたいと思うと何でもできるの、そんな強さを持ってるの、だから逃げないで、雄貴にもその強さがあるはずだから』
おばあちゃんはそう言うと微笑んだ
オレは逃げていた
兄ちゃんに頼り
直樹に頼り
自分では何もしてなかった
人は変われる、弱くなんかない
ホントは強い生き物なんだ
オレの中で何かが変わり始めた
1を知っただけで100を決めるな
オレはその言葉を胸に刻みこんだ
オレ『おばあちゃんは……今まで生きてきて…人って…どう思うの?』
おばあちゃん
『人はね……素晴らしい生き物よ、人生は素晴らしい物だと思ったわ』
オレ『…なんで?』
おばあちゃん
『それは今から雄貴が自分で学んで行くの、そして自分で決めるの、答えを焦っちゃダメよ』
それから色々と話し
オレは電車の中に居た…
おばあちゃんは何を見たんだろ?
何を感じたんだろ?
……
そんな事考えても仕方ないか…
駅に着き歩き出す
あたりはもう暗かった
家に着いた
オレ『ただいま〜』
バタバタバタ
母さんが走ったきた
母『雄貴!!!!……よかった…心配したじゃない!!!携帯も置いて出て…お母さんてっきり雄貴がまた………』
母さんの目は潤んでた
オレ『心配かけてゴメン……おばあちゃ……!!!!!』
オレは母さんの後ろに立ってる人を見て呆然とした
なんで?
なんで…居るの?
直樹………
タク……