直樹はもう来ていた
直樹と目が合う
直樹『あ…おはよ…』
オレ『……』
心が痛い…
直樹『なぁ、ちょっと話せるか?』
オレ『……』
直樹『ちょっと人が居ない所行こ』
直樹はそう言うと歩きだした
オレは着いて行く…
体育館の裏に来た
すると直樹はいきなり土下座をした
直樹『ホントにゴメン!!!…オレ欲に負けて…お前に酷い事した……帰った後にすごい罪悪感で…何でお前を助けなかったんだって、何でお前にあんな事したんだ、って……オレ…許してくれなくていいから!!!!ただ…一緒に居させて……』
ヤメロ…
オレの心を惑わすな…
オレ『………』
オレは黙って歩きだした
直樹『おいっ!!!待ってくれよ!!!』
直樹は立ち上がり
オレの肩を掴んだ
その瞬間
昨日の事がフラッシュバックした
オレ『触るな!!!!』
オレは直樹の手を払いのけた
オレ『もう……お前なんか要らないから』
オレはそう冷たく言い放つと教室に戻った
これでいい
オレは間違っていない
これでオレはもう傷つく事はない
でも何でかな?
さっきよりも胸が痛い気がする………
学校が終わり家に帰る
母さんは居なかった
学校でも1人
家でも1人
友達が居ないのって
孤独なのって
こんなに辛いんだ
これがオレの選んだ道なんだ
改めて実感した
それからオレは次第に学校に行かなくなった
みんなが楽しそうに話す声
明るく笑う顔
全てが苦痛だった
オレはまた逃げだした
でも母さんは何も言ってこなかった
1日声を出さない日なんて結構あった
そんな日が10ヵ月くらい続いた
その頃のオレは
昼に寝て夜に起きる
そんな生活になっていた
夜ベランダに出て月を見るのが日課になっていた………
暗闇を照らす月
オレはお前が嫌いだよ
次の日
いつものように夜目が覚めた
今何時だろ…
何て考えていると
手首に痛みが走った
何?
手首を見ると浅く切れていた…
どうやら寝ている間に何かで切れたみたいだ
オレはケンの言葉を思いだした
死ねよ?そしたら楽になるんじゃね?
そうか…
これは神様がオレに死ねって言ってるんだ
楽になれって言ってるんだ
もう苦しくないんだ
オレは部屋を出て
キッチンに行った
包丁を取りだし
自分の喉に当てた
これで解放される