本来なら金曜日は出頭日。しかしながら、私には出頭要請が掛からず。悲しい金曜日。奴隷になりたいわけではない私。でも、コレクションの1人になり、愛でられたい私。
この矛盾した私の心。ふぅ。もう良いと解放されてからポッカリと空いた穴。
Мになりたいわけではないのに、何故か分からない寂しさ。
その寂しさを埋めるために、以前、飼っていたМ君を久々に呼び出して調教してみた。
調教しながら、そのМ君を自分に置き換えて考えてしまう私。
ああ、もっと責めて欲しいんだろ、ここなんだろ、こうされたいんだろ。こんな事されたら苦しくてたまらないだろ、でも、されたいだろと。
気がつくとМ君は昇天していた。
「久々でしたけど、凄い何かレベルアップしてませんか?」
「そう?」
「ほんと、凄かったです。また定期的に調教して欲しいです」
「どうかな」
「え?」
「お前の態度次第だな」
「。。。」
「お前、すっぽかすし、ワガママだし」
「そうですよね…」
「まあ、また気が乗ったら調教してやるよ」
「はい。お願いします」
「お願いする時はどうするんだっけ?」
まるで、Tさんが私を躾ける時のようなやり口。
静かに正座する彼。
「またお願いします」
頭を踏む私。
「頭は」
「嬉しいんだろ?」
「はい」
「何でまたチンコ勃ってるんだ?」
「分かりません」
「分からない分けないだろ」
「分かりません。教えて下さい」
「お前が変態だからだよ」
「。。。」
はぁ。Tさんに言われたことそのまま使う私。パクリです。
「もう一回」
「しかたないな」
1ラウンド目よりもハードな調教に涙目の彼。
「痛いです」
「気持ちいいんだろ?」
「痛いです」
「気持ちいいんだろ?」
「い、、、はい。きもちいです」
「よく言えたな」
ハグして頭を撫でてやる。全く同じことをする私。
潤んだ目で私を見る彼。
「奉仕しろ」
「はい」
1ラウンド目の自分の好きなことしかされたくないМから、立派に奉仕するМに変化していた。以前はせっかく捕まえたМ君だから、逃げられないように気つかっていたけど、そもそも、私の技量がなく、М君を自ら奉仕するように躾けできていなかったと気がついた私。
私がたやっていたのはただの乱暴だったと自覚。とほほです。
そこからの彼の興奮っぷりと奉仕っぷりは成長著しく、ボール取ってこいなんてとてもやる子じゃなかったはずですが、ボール遊びも、恥ずかしい発言遊びも、顔真っ赤にしながら興奮してやっておりました。
私も嬉しく、たっぷりと可愛がってやることができて、М君はとても満足して帰っていきました。
そして、私も、あっち側に…行きたい…。なんて思っていた火曜日。
翌日、スーツの仮縫いができたとのご連絡で、Tさんのコレクションの一匹のテーラーの彼のところに。先日、調教されたばかりなので、顔合わせるのが恥ずかしい私。
彼は全くそんな素振りはなく、店員と客の関係。とても丁寧に対応いただく。スーツの方は終わったので、やっと世間話タイム。
「貞操帯無し生活はどうですか?」
「気が抜けてしまいました」
「そうですよね。3年位ずっとつけてたので、無くなった時はソワソワしてました」
壮大なマウント。僅か2、3週間の私に、3年という数字でマウントとてくる若造。
「ずっとだったら色々と大変じゃないですか?人前で脱がないといけないとか」
「ある程度したら鍵を渡されますので。鍵渡されても外さないですけどね」
「なるほど」
「Tさんの機嫌損ねたら終わりですから。本当に必要な時には事前にスケジュールをご報告して、脱着時に連絡をとってました」
「なるほど」
「まあ、もう脱落なさった方にこんな話しても」
ぐはっ。酷い若造だ。
「Tさんがご執心の彼ってまさきでしょ?」
「違いますよ。まさき君の事は本当に可愛がってますけど、コレクションとしてじゃないですよ。本当に仲良しなんだなという感じで年の差あるのに楽しそうに普通に仲良く遊ばれてましたよ」
「そうなんですか。てっきり彼かと」
「Tさんはちょっと不良気質な子がタイプですから」
「なるほど。あなたみたいに」
「はい」
はいとハッキリいうところが憎らしい。
「かなり反抗的だったんですか?」
「はい。うるせージジイとか言ってましたから」
「なるほど。俺も言ってみようかな」
「普通に埋められますよ。ブチ切れて」
「。。。」
「言っていい人と悪い人がありますから」
タイプじゃないと言っても無理ってことね。この若造嫌い。
「今度はいつ来るんですか?調教されに」
「分かりません」
「僕がみっちり躾けてあげますよ。Tさん好みに。そしたら、コレクション化への道も開けるかもしれませんよ」
「Tさんにしていただきたいんです」
「じゃあ、無理ですね。一回駄目ってなったら駄目な人ですから」
「あなたが躾けてからコレクション化された人はいるんですか?」
「まだいません。なおやさんが最初になるかもしれませんよ。僕ほどTさんの好み知ってる人はいないんじゃないですかね」
「なるほど」
「僕が貞操帯管理してあげましょうか?」
「いや。年下にされるのは」
「年齢がどうこう言ってる時点でTさんの好みじゃないですね。なんでもオッケーじゃないと」
「俺の事、からかってます?」
「いいえ、親身にアドバイスしてますよ」
一緒にランチしているが、ランチでする会話でないと気がつく私。
でも、少しだけ、彼に躾けられてみてもいいかなと思う私。
「どうします?貞操帯はめますか?はめませんか?」
「はめーーーません」
「ファイナルアンサーですか?」
「はい」
「残念でした」
「え?」
「Tさんから言われてたんですよ。僕に従うならまだ可能性あるから、口説いて見てと」
「はめます」
「ハハハ。もう遅いです。回答は1回限り。残念でした」
「さっきのは無しで」
「ずるは駄目ですよ。僕はTさんに忠実なので、嘘はつかないです。起こったことそのままを報告します」
「そこを何とか」
「駄目です。では」
絶対うそだ。私を弄んでただけで、Tさんからそんな指示はでてなかっただろと思いつつ、追いかける私。
「貞操帯管理してください」
多目的トイレにて、いきなり装着される私。Tさんの指示は嘘だと思っていたが、実際に貞操帯を持っているということはそういう指示があったってことだと理解した私。
「報告は?」
「全部します。1回目は断り、ネタバレしたら靡いたと。かなりの減点ですから、しっかりと挽回しましょうね。僕がしっかり躾けてあげます。毎日報告、連絡、相談してくださいね」
「はい」
装着後、彼の顔が少し悪い顔に。
「馬鹿だな」
「え?」
「全部ウソだよ」
「え?」
「じゃーな」
「ちょっと待って。鍵」
「なんてね。ちゃんと調教してあげますから安心してください」
安心できねーよ。
「返事は?」
「はい」
「よく出来ました」
頭を撫でられ不愉快な私の広角を手であげさせる彼。
「スマイル」
「はい」
そして、連絡するも既読スルー。連絡を怠るとお叱りの連絡。
「基本報告は見る。返事はしない。これが基本」
「はい」
「また減点」
「すみません」
なんか、私、騙されてる気分。そして金曜日。呼び出しがない。
恐る恐る連絡を入れる私。
「今日は気が乗らない」
なんですと…。完全にTさんではなく、若造の玩具にされてる私。選択をあやまったようだ。なんて思ってると呼び出しが。
Tさんの自宅ではなく、Tさんが別に持っている物件の方に呼び出し。行くとテーラーの彼ともう一人居た。
「今日は2人でやるから」
「そちらと俺がМで」
「違う。こっち2人でお前を調教するんだよ。うれしいだろ?」
「止めておきます」
「今更?」
「さすがに年下2人にされるのは。まだ」
なんていう私をささっと、スッ転がして(私も強いんですよ相当)拘束具つける2人。
私も強いんですよ(2回目)、でも新たな若者は手練れの者の様子。合気の人。スッと引かれて、すっと倒される私。
「合意無いのにやったら不同意性行為にだ!」
そう言うと、外された。
「つまらね。だからTさんに気に入られないんだよ」
吐き捨てる新しい若者。
「そもそも、Tさんが本当に2人に任せてるの?信じられない」
そう言うと、スマホ繋がれる。
「不同意性行為だなんだかんだ言ってやらないそうです」
「あ、そう。まあ、本人望んでないなら止めてやれよ」
「はーい。せっかくやる気まんまんだったのに」
「悪かったな。何かで埋め合わせするかから」
「はーい。お肉がいいです」
「分かった分かった」
という会話。私畏まってきいてたけど、Tさんの声聞いただけで、おチムチムが反応してしまった。
「じゃあ、帰って。これ交通費。Tさんから貰ってたんで」
「あ、え、はい、2人はどうされるんですか?」
「2人で絡み合う」
「絡まねえよ」
「じゃあ、俺がお前を調教する」
「何で僕がされないといけないんだよ。俺の方が先輩」
「年下の分際で生意気」
「コレクションに成ったのは俺が先。先輩」
じゃれ合う、ヤンチャで美しげな2人。
顔が似てるわけじゃないですが、雰囲気でいえば、佐藤健と水嶋ヒロみたいなコンビ。Tさんのお好みなんでしょう。テーラーが佐藤健で、もう一人が水嶋ヒロ。めいちゃんの執事のお二人みたいな雰囲気ですな。私、圧倒されておりました。
「3Pします?」
突然な提案に戸惑う私。
「えーと。私がタチでいいなら」
「嫌だ」
あっさり断られる私。何でだよ。顔もそんなに悪くない(と思う)し、体もいい(と思う)のに。年だからか、そうだ私は中年だよ。くそと心のなかで叫ぶ私。