暗い部室の明かりはほとんど消されていた。窓の外は夜で、カーテンの隙間から差し込む街灯の光だけが、床に薄い線を引いている。
部活の終わった後、残ったのは男たちだけだった。みんな同じ体育会系の体つきをしている。肩幅が広く、太ももが太く、シャツの下で腹の筋肉がはっきり浮いている。普段はグラウンドで汗を飛ばし合っている連中が、今夜は誰も口を利かない。ただ、円になって座っている。
「……始めるぞ」
誰かが低い声で言った。誰の声かは、暗さのせいでよくわからない。隣の男の体温だけが、はっきりと伝わってくる。
みんな下を脱いでいる。すでに半勃ち、あるいは完全に硬くなったものが、それぞれの前に立っていた。誰も顔を上げない。視線は自然と、隣の男の股間に落ちる。
「隣のを、握れ」
命令めいた声に、手が一斉に動く。温かくて、少し汗ばんだ指が、隣の男のペニスを包む。自分のものは、反対側の隣に握られている。輪になっているから、誰もが誰かを扱き、誰かに扱かれている。
最初はぎこちない。指の力が強すぎたり、逆に弱すぎたりする。でもすぐに、リズムが生まれた。ゆっくりと上下に動かす手。親指で裏筋を擦る感触。先走りが少しずつ出て、指の動きが滑らかになる。
「……くっ」
誰かが喉の奥で音を漏らす。暗い中では、その声がどこから出たのかさえわからない。でも、握られている自分のものが、びくりと跳ねる。隣の男の手が、それを敏感に感じ取ったようで、動きが少し速くなる。
円の中は、じわじわと熱を帯びていく。息が荒くなり、時折くぐもった喘ぎが重なる。誰かの指が亀頭を重点的に擦り、誰かが根元をきつく握りしめ、誰かがゆっくりと皮を剥くように扱く。それぞれのやり方が違うせいで、刺激の質もばらばらだ。それがかえって、焦らされる。
「先に出した奴が負けだ……」
誰かが、息を弾ませながら呟く。その言葉が、輪の中に静かに広がる。負けたくない。でも、隣の手がうまく、容赦なく、敏感なところを的確に弄ってくる。自分も負けじと、握っているものを強く、速く扱き返す。
暗さの中で、誰かの腰がわずかに浮く。誰かの太ももが震える。先走りの量が増えて、手が湿っぽくなる音が、小さく聞こえる。
「……あ、くそ……」
低い呻きが漏れた瞬間、誰かの手が急に動きを速めた。負けまいとする必死さが、かえって相手を追い詰める。円は閉じたまま、ただ互いに相手を射精に追い込むための、息苦しい攻防が続いていた。
誰が最初に限界を迎えるのか。暗い部屋の中で、男たちの荒い息だけが、静かに重なり合っている。