「ジャンケン、ポン」で決まったこの時間は、勝った私だけのものだ。
このゲームには、制限時間なんてどこにも設けられていない。何分間触り続けてもいいし、どんなスピードで、どんなふうに攻めても文句は言われない。すべてはジャンケンに勝った私の胸三寸。そのルールの絶対的な優位性が、私の右手をさらに大胆にさせた。
私は手のひら全体で包み込んでいた手を一度離すと、親指と人差し指でカチカチに硬くなったこうじの根元をギチッと強く囲み、ひとつの「指の輪」を作った。
中学生の生白い棒の根元に、少し強めの圧力をかける。
「あ……っ、ん」
こうじがびくりと腰を浮かせ、息を呑む。
私はその指の輪にグッと力を込めたまま、根元から先端に向けて、中に溜まった熱を一気に絞り出すようにして、力強く上へとスライドさせた。
ギュウウウッ、と皮膚が引っ張られ、包んでいる皮が先端へと押し集められていく。
その強い圧迫と摩擦の刺激に、こうじの肉体が敏感に反応した。絞り上げられた指の輪が、きゅっとすぼまった皮の先端に到達した瞬間、押し出されるようにして、中から透明な新たな滑りが「とろり」と溢れ出てきた。
先ほどまでの乾きかけの気配を完全に吹き飛ばす、新しく、そしてさっきよりも明らかに濃い、熱い湿り気。
「う、あ……っ!」
こうじは顔を真っ赤にし、地面に突いた両手にギリギリと力を込めて耐えている。
指の輪を上へと引き抜くたびに、その溢れ出た新たな滑りが、私の指先とこうじの皮の表面をぬるぬると濡らし、秘密基地の静寂の中にグチュ、という生々しい音を響かせる。
制限時間のない、私だけの独占時間。
ズボン越しには絶対に届かなかったその柔らかい皮膚の伸縮と、指の輪で絞り出すたびに溢れてくる瑞々しい反応を、私は優越感に浸りながら、何度も、何度も飽きることなく繰り返し貪り続けた。それまでじっくりと根元から押し上げていた「ゆっくり絞り出す動作」を、私は一転して、キュッ、キュッと上下に往復させる「扱(しご)く動作」へと変化させた。
手の上下のスピードを、徐々に、そして確実に速めていく。
「は、あっ……! んんっ、んあ……っ!」
急にピッチの上がった生の刺激に、こうじの呼吸が完全に乱れた。
衣服の布地を一枚も挟まない、手のひらと包皮の皮膚同士が直接擦れ合うグチュ、グチュという水音が、狭い秘密基地の中に激しく響き渡る。
上下の速度を上げるにつれ、私の手の中で、こうじの塊が「みしり……」と一段と硬さを増していくのが分かった。内側からの内圧が極限まで高まり、ドクドクと狂ったように脈打つその弾力は、中学生の身体がもう完全に限界を迎えており、発射がすぐそこまで迫っていることを私の右手にダイレクトに知らせていた。
(もう、いく……!)
あとほんの数回、このままの速度で激しく扱き切ってしまえば、こうじの先端の皮からは一気に熱いものが弾け飛ぶだろう。
だが、私はもう少しのところで、手の上下の速度をフッと緩めた。握る強さも同時にきゅっと緩め、限界寸前の波をあえて引き潮のようにコントロールする。
本当なら、私もこうじのこの圧倒的な熱に当てられて、2回目の射精をしたいという欲求がふつうに頭をもたげていた。けれど、私はふと思ったのだ。
(焦って今、俺も一緒にいく必要はない。このゲームが続く限り、次の機会にだってきっとチャンスはあるはずや……)
そんな「次」への期待が胸をよぎり、今回はこの手の中で、こうじを最後までいかせてやることに決めた。
しかし、ただ従順にすぐいかせてやるつもりは毛頭なかった。
ここで完全に手を離してしまえば、そこには次の「ジャンケン」が待っている。私が勝てばいいが、もしまた負ければ、今度はさっきの拷問のような刺激が私の身に降りかかる。それに何より、この制限時間のない、こうじを完全に支配している優越感の時間を、もっと長く堪能していたかった。
手を離さなければ、ジャンケンは始まらない。こうじの「ジャンケンに負けた」という状態は、私がこうして触れ続けている限り、ずっと継続しているのだ。
発射寸前のピークに達した瞬間、私はこうじの塊を包む手のひらの力を「ほぼゼロ」にし、上下の運動をピタリと止めた。
「ッ……! ぁ、え……っ!?」
いきたくて堪らない絶頂の寸前で、突如としてすべての動きを止められたこうじは、まるでハシゴを外されたかのように目を見開き、切なげに身体をビクッと震わせた。
手を離さず、けれど動かさない。
じりじりとした生殺しの焦燥感が、こうじの剥き出しの太ももをガタガタと震えさせる。
そうして、限界まで高まりそうになると力を緩めて動きを止め、少し落ち着いたのを見計らっては、再び指の輪を強くして激しく扱き上げる――。
私はルールという絶対的な建前を盾に、強めては緩め、焦らしては昂ぶらせるという底意地の悪い反復を何度も繰り返し、私の手の中で翻弄される幼馴染の姿を、暗がりのなかでじっくりと見つめ続けていた。