「ジャンケン、ポン」
静まり返った秘密基地に、再びお互いの震える拳が突き出される。
結果は、私の負け。こうじの勝ち。
手のひらでの極限の寸止めを喰らい、地面に突っ伏してガタガタと震えていたこうじに、非情にも攻守の交代が告げられた。
私は、自ら完全に引き下げたブリーフの奥から、剥き出しになった自分の鉄の棒を、上からそっと覆っているハンドタオルの存在を意識していた。生肌に直に触る度胸のないこうじのために用意した、最後の防波堤。
私は、こうじのその大きくない手が、タオルの上から触れてくるのをじっと待った。
羞恥心が快楽に完全に負けているこうじは、今度は迷わなかった。
彼は無言のまま、私の塊を覆うハンドタオルの上から、その大きくない手をガチッと力任せに回してきた。
「っ……!」
その瞬間、私の身体に、予想もしなかった強烈な衝撃が走った。
それは、これまでのブリーフ越しや、私の手のひらでこうじを扱いていたときの、あのヌルヌルとした分泌液の滑らかな刺激とは、全く違う種類のものだった。
乾いたハンドタオルの、織り目の粗い、ザラザラとした繊維の質感が、布地を介してダイレクトに私の鉄の棒を襲う。
特に、包皮に包まれたままの、一番敏感な先端部分(亀頭)に対して、そのタオルのザラついた感触が、擦れるたびにピンポイントで強烈な摩擦となって突き刺さってきた。
ス、ス、と、タオルが私の熱い皮と擦れる、乾いた、けれど重い摩擦音。
オナニーを経験済みで、自分の限界をよく知っているはずの私だったが、この「タオルのザラザラとした微妙な刺激」は、あまりにも新鮮で、そしてあまりにも破壊的すぎた。何度も連続して負け、すでに限界の淵まで熱を溜め込んでいた私の肉体は、こうじの手によってタオルの上から数回激しく擦り上げられただけで、一瞬にして臨界点を突破しようとした。
(アカン、これ、本気でいってしまう――!)
脳裏に真っ白な火花が散る。ブリーフの中ではなく、剥き出しのままタオルの下で、全てをぶちまけてしまうカウントダウンが、一秒にも満たない速度で跳ね上がった。
私は我慢できなくなり、タオルの上から私の芯を必死に扱き上げていたこうじの手首を、再びガシッと力任せに掴んで、その動きを強引に「止めた」。
ピタリと、タオルの摩擦が止まる。
「はぁ……っ、はぁ、っ、く……、ふぅ……!」
私は、掴んだこうじの手首に指が食い込むほど力を入れながら、天を仰いで必死に決壊を食い止めるための短い呼吸を繰り返した。タオルの下にある私の塊は、ドクドク、ドクドクと、狂ったような速度で、皮膚を突き破らんばかりに大きく拍動している。あと一擦りでもされていたら、確実に終わっていた。
手首を掴まれて動きを止められたこうじは、荒い息を吐きながら、朦朧とした瞳でタオルの下にある私の塊を見つめ、それからゆっくりと私の顔を見上げてきた。
お互いにジャージを膝まで下げ、片やブリーフのウエストから直接手を入れられ、片や剥き出しの塊にハンドタオルを被せられた姿のまま。
寸止めに次ぐ寸止め。お互いの「鉄の棒」が、もうどちらも皮膚一枚、一擦りの猶予もないほどパンパンに膨れ上がり、山の冷たい空気の中で、2人の狂ったような熱い吐息だけが、これ以上ないほど濃密に重なり合っていた。
「ジャンケン、ポン!」
私の勝ち、こうじの負け。
タオルのザラザラした強烈な刺激から辛うじて生き延びた私は、すぐさま攻守を入れ替えた。息を荒く乱したまま、こうじの白いブリーフのウエストのゴムから、再び右手を深く潜り込ませる。
もう、一切の手加減はなかった。手のひら全体で、先走りの液に塗れたこうじの生肌をガチッと掴み、その鉄の棒を激しく上下に擦り上げる。寸止めを繰り返されて狂いそうになっているこうじは、直の刺激が戻ってきた瞬間、「ひあッ……! ん、んんーっ!」と声を押し殺して、激しくのけぞった。
そして、間髪を入れずに突き出された、次のジャンケン。
「ポン!」
またしても、こうじの負けだった。
お互いに限界のその先へと足を踏み入れ、私の脳裏からも、これまでの建前や躊躇は完全に消え去っていた。前開きから指を入れるのも、ウエストから手を滑り込ませるのも、もう生ぬるい。
私は右手の5本の指を、こうじの白いブリーフのウエストのゴムに深く引っ掛けた。そして、それを下へと一気に引きずり下ろそうとした。
あの時、ジャージを脱がそうとした私を、こうじは必死になって拒絶した。「これ以上は、ダメだ」と、友達の関係が壊れる恐怖に震えていた。
けれど、今は違う。
何度も極限の寸止めを繰り返され、未経験の濁流に脳まで焼き切られようとしているこうじの中に、もうその手を止めようとする「理性」なんて、ひとかけらも残っていなかった。羞恥は、完全に快楽に負けていた。
「あ……、く……」
こうじは無言のまま、私の手の動きに合わせて、自ら小さく「腰を浮かせて」きた。
これ以上剥き出しになる恐怖よりも、早くその先へ連れていってほしいという本能。一刻も早く、この限界の檻から解放されたいという切実な昂ぶり。言葉は一言もなかったけれど、その腰を浮かす従順な動きこそが、こうじの最大の意思表示だった。
私の作業に協力するように腰を浮かせたこうじの身体から、白いブリーフが滑り落ちていく。
太ももを通り過ぎ、膝のあたりでジャージと一緒に無様に固まった下着。
どんよりとした曇り空の下、山の冷たい空気の中に、ついにこうじのすべてが、完全に「曝け出された」。
鉄の棒のようにガチガチに硬くなった、けれどまだ成長途中の、包皮を被った少年の塊。
先走りの熱い液が先端から溢れ、根本までヌルヌルと濡れそぼったその本当の姿が、今、私の目の前で、何一つ遮るもののない状態でドクンドクンと激しく脈打っている。
お互いにすべてを脱ぎ捨て、私はハンドタオルを被せ、こうじは完全に剥き出しになった姿で、私たちはただ、爆発寸前の熱い吐息をぶつけ合っていた。