トイレでの出来事があった後、ついにその日の昼休みに動きがあった。
こうじから「図書室行こうぜ」と、軽い調子で誘われたのだ。
私たちの学校は、全校生徒を合わせても100人に満たない小さな中学校だった。昼休みともなれば、男子も女子も大半は校庭へ出てボールを追いかけるか、教室に集まってだべっている。古い木造校舎の片隅にある図書室は、ただでさえ普段から利用者が少ないのに、この時間は完全に盲点だった。
案の定、図書室の扉を開けると、中には誰もいなかった。
完全な2人きりの空間。
私たちはカモフラージュのために、本棚から適当に選んだ分厚い本を1冊ずつ手に取り、部屋の中央にある木製のどっしりとした大きな机へと向かった。そして、そこにある同じく木製の椅子を並べて、横並びに腰掛けた。
開いたページの文字なんて、最初から目に入っていなかった。
窓の外からは、校庭で騒ぐみんなの遠い歓声がかすかに聞こえてくる。その賑やかさが、かえってこの静まり返った図書室の孤立感を際立たせていた。
机の上に本を広げ、アリバイのように視線を落とす。
すると、机の下で、並んで座るこうじの気配がかすかに動いた。
こうじの手が、ゆっくりと私の太もものあたりから、股間の方へと伸びてきた。
がっしり掴むわけではない。衣服の上から、触れているのか触れていないのか、本当に指先がかすかに掠れるかのような、じれったいほど微妙なタッチだった。
木製の机が目隠しになって、お互いの上半身はただ本を読んでいるようにしか見えない。けれど、机の下では、こうじの指先が私のジャージの生地をなぞるように、ゆっくりと、確実に目的の場所へと近づいていた。
「触れていない」と言い張ることもできるような、ギリギリの距離感。
だからこそ、その指先のわずかな摩擦が、かえって心臓に直接響くような生々しい刺激になった。
私は本を見つめたまま、身体を硬くしてじっと耐えていた。机の下で、こうじの指先が私の股間に触れるか触れないかの、じれったいタッチを繰り返している。
本を見つめる私の身体は、すでにジャージの上からでもはっきりと形が分かるほど、熱く、完全に立ち上がっていた。
あの雨の日の公民館で、こうじは自分が硬くなりかけた瞬間に、急に恥ずかしがって私の手を止めて「ごめん」と俯いた。
だからこそ、私はここで自分の右手を動かそうとはしなかった。こうじの手を無理に引っ張るようなことは一切しない。ただ、完全に硬くなった自分の状態を隠そうともせず、そのまま机の下に晒し続けた。
「俺は、こうなっても全然恥ずかしくない」
言葉には出さないけれど、ただじっと動かずにいること自体が、私からこうじへの強いメッセージだった。
ここから触るのか、それとも引くのか。すべてはこうじの好きにさせようと思った。
私のその無言の態度を察したのか、こうじの指先がかすかに震えた。
そして、ジャージ越しに完全に変化した私の熱い塊に向けて、こうじは自らの意思で、ゆっくりと手のひらを伸ばし、ぴったりとそれを覆うように触れてきた。
私は、ただ本に視線を落とし机の下で起きていることのすべてをこうじの好きにさせていた。手のひらを通じて、私のドクドクとした拍動と熱量がこうじに伝わり、同時に、彼の体温が私の中へと流れ込んでくる。
誰も来ない昼休みの図書室。どっしりとした木製の机の上では、私たちはただ静かに並んで座る同級生だった。けれど机の下では、私が差し出した熱い変化を、こうじが彼の意思のままに確かめていた。言葉での会話など何もなかったけれど、お互いの求めているものが完全に重なり合っていることが、その静寂の中で痛いほど伝わってきた。
机の下で、こうじの手が私の硬くなった熱を確かめるのを、私はしばらくそのまま触らせておいた。動かない私の右手をよそに、こうじはジャージ越しに伝わる感触を、自らの意思でじっと受け止め続けている。
最初はただそっと手を置いただけだった。
こうじは、私の硬くなった熱の上に手を置き、揉むでもなく、ただ確かめるようにゆっくりとさすっているだけだった。彼のその控えめな動きから、まだどこか初々しい戸惑いが伝わってくる。
けれど、私は違った。
置いたままにしていた私の右手に、ぐっと力を込めた。まずは手のひら全体で、こうじの股間の膨らみをグリグリと円を描くように回しもみした。衣服の布地越しに、彼の肉体の輪郭がよりはっきりと手のひらに浮き上がってくる。
そこから、私は容赦なく指先を沈めていった。
徐々に、その硬い棒をしっかりと指全体で掴み取る。
逃がさないようにホールドしながら、その太さ、長さ、そしてどこまで硬くなっているのかを、手のひらの肉厚でじっくりと確かめるように握り締めた。
「掴む」という私の明確な意志が伝わった瞬間、こうじの身体が硬直したのが分かった。しかし、もう彼が手を振り払うことはなかった。
私はさらに一歩、境界線を踏み越えた。
ただ掴んで確かめるだけでは終わらせない。ジャージの生地ごと、その完全に立ち上がったこうじの勃起を、手のひらの中でゆっくりと上下に扱き始めたのだ。
衣服の擦れる密やかな音が、机の下からかすかに湧き上がる。
さすっているだけのこうじの手とは対照的に、私の手は容赦なく彼の熱を刺激し、激しく揺さぶっていく。扱き出すたびに、こうじの呼吸がどんどん浅くなり、木製の椅子がかすかにきしむほどの熱が、二人の間に急速に満ちていった。
互いの熱だけが充満する時間のなかで、ふと、私も自分の右手を動かした。
お返しをするように、横に並ぶこうじの股間へと、静かに自分の手を伸ばす。
揉むとか、強く掴むとか、そういう生々しい動作ではなかった。ただ、そっと静かに、彼のジャージの上に自分の手のひらを置いただけだった。
その瞬間、私の手のひらに、はっきりと硬いものの感触が伝わってきた。
それは、あの雨の日の公民館で、恥ずかしさのあまりに隠そうとしていたものとは全く違っていた。こうじの身体もまた、私と同じように、ジャージを内側から押し返すほどに熱く、しっかりと立ち上がっていたのだ。
私の手が触れた瞬間、こうじの身体がかすかにびくついたのが分かった。けれど、やはり手は離さない。
どっしりとした木製の机の下で、お互いの手が、お互いの完全に硬くなった変化の上に置かれている。
机の上では、相変わらず適当に広げた本を見つめる二人の中学生。けれど机の下では、誰にも言えない秘密を共有するように、互いの成長していく肉体の熱と硬さを、ただじっと手のひらで確かめ合っていた。
全校生徒が100人もいない、小さな田舎の学校の昼休み。
誰も来ない図書室の片隅で、私たちは言葉を一切交わさないまま、手のひらから伝わるドクドクとした拍動だけで、お互いの気持ちが完全に繋がっていることを確信していた。