「ねえ、これ……さっきより、もっとヤバイ感じしない?」
「うん、気持ちいい......」
僕は快感をさらに高めようと、晴希の体にすがりつくように抱きつき、股間を密着させた。晴希も僕の肩をギュッと掴んで体を支えながら、さらに必死になって腰を動かし、僕のペニスに自分のペニスを強く、何度も何度も擦り付けてきた。密着した腹部に挟まれ、石鹸の泡にヌルヌルと包まれた2本のペニス。
「やべぇ.....気持ちいい……」
夢中で擦り合っていたその時、晴希の身体が突然、硬直したようにビクビクッと痙攣し始めた。
「あっ、なんかシッコ……あぁ……出る……っ!」
彼がそう叫んで、慌てて体を離した次の瞬間だった。
「ビュッ、ビュッ、ビューッ!……」
晴希の亀頭の割れ目から、白濁した液体がものすごい勢いで噴き出してきた。
「うわぁ!」
僕は驚いて咄嗟にかわそうとしたが、背後はすぐ硬いタイルの壁で、狭いブースの中に逃げ場なんてなかった。放たれた熱い液体は、放物線を描いて向かい合っていた僕の腹や胸に、まともに飛んできた。
それが、彼にとって初めての射精であり、僕が初めて目撃する「精子」の放出だった。お互い未経験。眼前に起きた現象が何なのか、その時は二人ともさっぱり理解できていなかった。ただ、自分の体に熱いものが付着した感触に、僕は「オシッコを掛けられた」とパニックに陥り、必死に胸元を拭った。晴希の方も、自分の体から噴き出した正体不明の液体に、ただただ呆然としているようだった。
しかし、ふと足元に目を落とすと、黒っぽいタイルの上を、尿とは明らかに質の違う白くてドロリとした液体が、お湯に溶けきらずにゆっくりと流れていくのが見えた。
晴希のほうに視線を移すと、彼は先ほどまでの勢いが嘘のように、腰をガクガクと震わせていた。膝の力が完全に抜けてしまったようで、背後の冷たいタイル壁を支えに、ズルズルと崩れ落ちそうになっている。晴希は荒い肩で息をしながら、虚ろな目で宙を見つめていた。その表情には高揚感というより、自分の体に起きた異変への戸惑いと、魂を抜き取られたような空虚さが漂っている。あまりに尋常ではないその様子に、僕は彼が何かの病気の発作でも起こしたのではないかと、本気で焦り始めた。
「大丈夫?」
僕がおそるおそる声をかけると、彼はこちらを一瞬見て、ひどく気まずそうに顔を歪めた。そして、初めて知る感覚に自分自身でも驚いているような、消え入るほど小さな声で、
「……気持ちよかった」
とだけ答えた。
彼のチンコはまだ興奮が収まらないのか、根元からヒクヒクと脈打つように震えている。その先からは、まだ出し切れていない残りの白い液体が、断続的にタラタラと糸を引いて流れ出していた。
晴希はしばらく壁にもたれかかっていたが、やがておぼつかない足取りで体勢を起こすと、不思議そうに自分のペニスをまじまじと見つめた。
そして、まだ先端からタラリと垂れ下がっている白い液体にそっと指を伸ばした。彼はそれを指先で絡め取るようにして掬い上げ、目の高さまで持っていってじっと観察し始めた。
「なんだこれ……?」
晴希は困惑した表情でつぶやき、親指と人差し指でその液体を擦り合わせるようにして、ねっとりとした粘り気を確認していた。彼自身、自分の体からこんなものが出てくるとは思ってもみなかったのだろう。
「シッコじゃないよね?」
「うん、たぶん違う……」
「病気じゃない?」
「分かんないけど、出る時めちゃくちゃ気持ちよかった……病気かなぁ」
その時、薄いカーテンの向こうから「おい、お前ら遅いぞ!さっさと上がれ!」と、引率の人の怒鳴り声が響いた。僕らは弾かれたように我に返り、慌ててシャワーを全身に浴びて、体にこびりついた白い液体を洗い流した。言葉を交わす余裕もなく、逃げるようにブースを出た。