「お邪魔します」
家の中はすでに暗くなっていて、リョウの言葉に返事をする声はない。
俺の親父は遠い地方に単身赴任していたが、家事の下手な人だったので母親が定期的に泊まりがけで世話に行っていた。その日は母が出発した日だった。
「安心しろ。親は泊まりで絶対帰ってこない」
そのまま、俺の部屋がある2階にリョウを連れて行く。
部屋のドアを閉めると、電気もつけないまま、俺は後ろからリョウに抱きついた。
「っ!」
リョウは声にならない声を出した。
「リョウ、俺もぶっちゃけていいか」
「なんだよ」
「あの修学旅行の夜から、おまえが男に抱かれてる姿がどうしても忘れられなくなった。あの時のおまえを思って何回もオナニーした」
「……」
心臓に触れてるわけじゃないのに、リョウの胸の鼓動があきらかに高まっているのを感じる。
「忘れたくて女とセックスしまくったけど、ダメだった。ますますリョウが欲しくなるだけだった」
「……」
「おまえに好きって言われて、俺もう、どうかなりそうになってる。リョウのことめちゃくちゃにしたい。許して」
「いいよコウキ。抱いて。俺もどうなってもいいから」
リョウは俺の腕を振りほどいて、正面から抱きついてきた。そのままキスをした。それはすぐに濡れた音を立てながら、舌を絡め合うものになった。
いったん口を離すと、俺たちは同時に自分の服を脱ぎ捨てた。服が邪魔でどうしようもないかのように、乱暴に学ランや下着を投げ捨てた。
全裸になった姿でリョウと向き合う。
ムダな部分なんて1つもないスリムなリョウの体。中性的な雰囲気の顔を裏切るように、胸や腹筋が引き締まった筋肉を形を示している。
スッとくびれた腰の下には小振りな尻があり、体のわりにややデカめなペ◯スがぶら下がっている。
「コウキ、体もかっこいいよ」
リョウが照れたように言う。自分でいうのもなんだが、俺はボクシングか格闘技をやってるのかと勘違いされるくらいに筋肉質な体型をしていた。その体をリョウからも褒められたことが嬉しくてしかたなかった。
俺たちは全裸で互いの肌を感じながら抱きあい、キスをしながらベッドに倒れ込んだ。
男の体にどう触れていいかわからなかったが、とにかく愛しいリョウの体のあらゆる場所に唇を這わせた。
「ん、ふっ、、」
リョウの口からこらえるような息が漏れ出す。その肌からは甘い匂いがして、俺の興奮のボルテージが上がっていく。
ふと女に触れているのと同じようにしてみようと思い、乳首を口で吸い上げた。
「あっ」
乳首は舌先でやっと感じとれるくらい小さかったのに、リョウはビクっと体を痙攣させるような反応を見せた。
「あっ、あっ、ああっ」
もだえる姿に手応えを覚えて吸い続けていると、俺はふいに自分のペ◯スが何かに覆われるのを感じた。リョウが硬くなったそれを手で握っていたのだった。
「めっちゃ勃ってるじゃん。でっか、、」
そう言うとリョウは突然起き上がって、体勢を入れ換えるように俺をベッドに寝かせた。
そして、イキりたった俺のペ◯スを一気に口でくわえ込んだ。
「……っ」
今度は俺が声を漏らしそうになった。女とは比べ物にならないくらい慣れた舌使いで、ジュボジュボと派手な音をたてながら俺のモノを舐めあげていく。
逃れられない快感で、俺は初めて責められる気持ちというものを味わった。
「んっ、ふっ、、」
リョウの舌の動きとともに快楽の波がペ◯スの中でうねっていく。長めのマッシュウルフの頭が、俺の股間の上で激しく上下する。
ダメだ、こんなの続けられたらすぐイッてしまう。
そう思った直後に、リョウは舌の動きを急に止めて頭を上げた。
「もう挿れる?」
俺は無言でうなづく。
するとリョウは腕を伸ばして、自分のカバンから小さなプラスチックのボトルを取り出した。
「男のケツは濡れないから、ちょっと準備がい るんだよ」
よく見ると、それはローションだった。
【続く】