1回目の施術が終わり、ケンさんは満足そうだった。脱毛は数ヶ月通うもの。彼もその後、何度もサロンへ足を運んでくれた。 回を重ねるごとに、施術中の会話は増え、互いのプライベートな話もするようになった。彼が休日に何をしているか、どんな音楽を聴くのか。僕も仕事の話や最近あった出来事を話した。最初は「スタッフさん」と呼んでいたケンさんが、ある日、ふと「ユウセイ」と僕の名前を呼んだ。なんとなくうれしかった。 気づけば、僕たちはLINEを交換していた。その後はサロンの外でも頻繁に会うようになった。ご飯に連れて行ってもらったり、一緒に飲みに行ったり、二人で映画を見に行ったり。会う頻度は、日に日に増えていた。
ケンさんと一緒にいる時間は、とにかく心地よかった。彼はいつも落ち着いていて、決して羽目を外さない。酒に飲まれることもないし、下品な話もしない。それなのに、アクティブで多趣味。 それに彼はまだ31歳なのに、すでに部長。お抱えの運転手もいるらしい。 立場も経済力もあるのに、偉そうじゃない。それでいてまたイケメン。どこまで完璧なんだ。
ケンさんと知り合って4ヶ月。ある日、彼からVIO脱毛の予約が入った。たまたまその日はキャンセルが出て最後の枠が空いていたので、「当日でも大丈夫」という彼の返事を受け、その枠に入ってもらうことにした。予約リストに「VIO」の文字とケンさんの名前。いやらしい気持ちがなかったかと言えば嘘になる。
当日彼がやってきた。この日も相変わらずオシャレでカッコよかった。仕事帰りにジムへ寄ってきたそうだ。今日はVIO脱毛。まずはシャワーを浴びてもらう。
シャワーを浴び終え、ケンさんが腰にバスタオルを巻いて出てきた。鍛え上げられた身体は、腹筋がバキバキに割れている。「顔もカラダも性格も、本当に完璧だな」──心の中でそう呟いた。
「あー、ごめんなさい。事前に自分で毛を剃ってくるのが常識だよね」 ケンさんが申し訳なさそうに言う。 「あー、そうですね」僕は曖昧に笑った。 「ごめんなさい。今日、バタバタしてて、すっかり忘れちゃって」 「いえいえ、大丈夫ですよ。急なご予約でしたし。僕がやりますから」
事前にシェービングされてないのは、よくあることだ。結局、剃り残しがあるから、どうせ僕が仕上げ剃りをする必要がある。特に問題はない。
まずベッドに座ってもらい、施術の工程を説明する。そして仰向けに寝てもらう。「じゃあタオル取りますね。初めてだと、ちょっと恥ずかしいかもしれないですけど、男性同士なので気にしないでくださいね」と告げると、彼のタオルをゆっくり取った。そこには太めの仮性チンチンがぼてっと現れた。「わお、綺麗なチンチン」──心の中でドキっとする。この仕事の関係上、いろんな男性のチンチンを見ることにはもう慣れているが、イケメンさんだったりするといつもドキドキしてしまう。
彼と脱毛範囲を確認し、陰毛はペニスの上部に少しだけ残すことで合意した。
「では始めていきますね。まずは毛を剃っていきます」と、僕は施術を開始した。