自分たちが扱っていたのは少額案件。個人が多重債務に陥ってとか、小さな会社の支払いが滞ってとか、騙されたから弁済させてくれとかの小口が多かった。
それで、AV出演とか、売り専とかとんなのである程度回収できていたけど、大型案件になるとそんなのでは到底支払いは無理でした。大型扱うのは上の人達で、俺には小物案件ばっかきてました。
それが逆に俺にとっては楽チンでした。あの893さんが最後に楽な仕事回してくれたんだなと感謝したころでした。
前回書いた若い社長さんが一番、印象に残っているけど、他にも印象的な人は結構居た。
ドヤンキーみたいなトビ職で若いのを何人か雇ってた社長。自分の飲み食いに金使って給料払わない。社員が借金して回収対象は社員だったが、事情聞くとその親方が給料払わず、小遣い程度だけ渡して、辞めることもさせない。辞めると言ったら山奥連れてって暴行、鎖に繋いで監禁とかそんな輩だった。
俺の手に負えるのかなと思いながら、2人程強い奴借りて回収に。
金は全部使ったと言い張って、家探しでもなんでもせえと言うのでしても、実際金目の物はほぼなかった、商売道具も他所が先に回収していて、親方辞めて、人夫として働くから従業員の給料は払わん。廃業と言って一切払う気なかった。じゃあ、人夫で働いた分を押さえると言ったけど、それも嫌だと。辞めた後は関係ないと。
ほんなら体で稼いで貰おうかっていう話をする。
「出来るわけ無いやろ」
「出来るできないじゃない、やれ」
「誰に口きいとんじゃ?」
と刃の長いもの出してきたんで、仕方ないので捕まえて連れ帰った。しばらく頑丈な檻に入れておいた。
年齢は28か29、見た目はちょっと年いったドヤンキーだし何個かあたったけど、どのメーカーもNGだった。売り専で真面目に働く訳ないし、困ったなと思って、上に相談すると、心当たりはあるけど、俺は関わり合いたくないから繋ぐだけ繋ぐと言われ、会ったのが、なんと、売り専時代に俺が掘っていた、893さんだった。
お互い気まずい感じだった。こっちはもう知らない体で、はじめまして何々と申しますっていうところから、全く、あなたは知りませんよという態度で挑んだ。
話を聞くと、そういうのをハード調教して楽しみたい趣向の人間に1回幾らで売るという話なら出来るという話でした。そういう世界が薄っすらとあることは知っていたけど、つながることはそれまでなかった。ずっと家の檻に保管しておくわけにもいかないので、そこに貸出することにした。檻に入れておくのはいいけど、生き物なので飯は要求するし、糞尿の処理もしないといけないし、面倒だった。
直ぐに運んで越させると覗き込んで
「こりゃ良いわ。この感じなら◯さんに紹介しよう」
「お願いします」
檻の中のドヤンキー親方は流石に焦り始めて居て、警察がどうだこうだ言っていたが、無視して、引き渡した。
1日、2日で返ってくるかなと思ったけど、そこから又貸ししても良いかと聞かれ、金額次第とお答えすると、良い金額だったので、オッケーを出した。
結局、又貸し希望が続いて、約一ヶ月帰ってこなかった。心配にはなったが、定期的に入金があるのでまだ生きてるんだなという生存確認はできていた。
他の従業員の他社への借金の債権を安く買い取とって、全部処理することにしたので、いつまでも又貸ししてもいいですよと言っておいた。
仕事で出来上がったナチュラルな筋肉となかなか学習しない、反抗っぷりと、体の頑丈さと根性の強さで人気でどんどん又貸しされていった。
帰ってきたのは2ヶ月後だった。その間に、安く買い叩いた債権は直ぐに償却できて、未払の給料のごく僅かだけど、本人たちに渡して、後は家の収入に。もっと貸し出してもよかったけど、そろそろ失踪届だされそうな話があったので戻してもらった。
戻ってきたドヤンキー親方は丸坊主になっていて、体は傷跡だらけの中々な状態だった。ピットブルから借りてきたネコくらいに変わってた。乳首とかヘソにはピアスがついていたし、鼻にもピアスというか、鼻輪ついてたし、チンコは行く前は仮性包茎だったのに、戻ってきたら剥けていた。
包茎手術を麻酔なしで最後あたりにやられてしまったようだった。最後の貸出しになったのは、それやったから、次にプレーするにはかなり経ってからじゃないとできないからってことだった。
俺の顔見てほっとしたのか、腰が抜けたようだった。また次のところに又貸しされるのかと思ったららしい。詳しくは何も聞かないのがルールな世界なので聞かなかったけど、ちょっとかわいそうになって、本人の抱えてた借金の債権を安く買い叩いて、家で払ってやることにして、それを伝えると、ありがとうございますと言ってたけど、かなり塞ぎ込んでたので、3日位、檻の中だけど、家に住まわせてから帰らせた。
帰る頃には大分復活していて、その後は、地道に人夫仕事はじめたとか。また金なくなったら紹介するよと言うと、ブンブン首振って絶対行かないと言っていたので、相当だったのだろう。
、紹介してくれた方に菓子折りと残った手数料を持ってご挨拶にいくと受け取られなかった。
「代わりに、久々にやってもらおうか。お前が飛んでからろくな売り専がおらんから。欲求不満だ。会っても何も言わないお前の姿勢も立派だ」
「どこかでお会いしましたか?」
「ハハハ」
気に入られてしまった。やるが側緊張するSMプレーとかを定期的に引き受けさせられた代わりに、ドヤンキー物件などがでると、客をしょうかいしてくれるようになった。
客の名前は一切聞かない。どこに言ってきたかも聞かない姿勢が気に入られて、その現場に招待されることになった。