島は離島、住人は…私だけ。
しかし以前住民が住んでいた民家は工場の近くに数カ所あった。
元住民に連絡を取るとほぼタダ同然に譲り受けることができた。
誰もこの島には戻って来ない…ということだろう。
島には東南アジア諸国から10代の若者を10名程集めた。
人選は英語が話せること、日本語を少しでも話す意欲があること、そして…私の個人的な容姿である。
それから1ヶ月間、系列の水産会社より研修のためベテラン職員を呼び寄せみっちりと指導を受けて貰った。
体育会系の部活動の寮ような中で、10代のやんちゃな若者たちは、ちょっとしたことがきっかけで喧嘩になることもしょっちゅうである。
それゆえに鬱憤を発散させる場も必要だろうと思い、営業マン時代にお世話になっていた店に事情を話し、月に一回、女性を連れてきて相手をしてもらうことを約束した。
その代わりに業務をしっかりと行うこと、争い事を行わないこと、お互いに教え合うことを約束させた。
この約束は思いのほか若者たちをやる気にさせ、仕事もメキメキと覚え、昼夜問わずのシフトにもかかわらず、トラブルを抱えることもなかった。
『性欲』を支配する…。
これは本当に有効な方法であった。
しかしこの方法ではコントロールできない者もいた。