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柔道魂1 25/7/13(日) 14:26
柔道魂2 25/7/13(日) 14:27
柔道魂3 25/7/13(日) 14:30
柔道魂4 25/7/13(日) 14:32

柔道魂1
   - 25/7/13(日) 14:26 -
第1章:試される柔道魂(導入〜初めての絞め)
柔道部の練習が終わる夕暮れ、涼太は畳の上に寝転がっていた。汗に濡れた道着を少しだけはだけさせ、呼吸を整える。夏の湿気と汗の蒸気が、古びた道場の空気をぬるく満たしていた。
「よく動けてたな、今日」
声をかけてきたのは、大学生になった元主将・圭吾だ。引退してからも時々道場に顔を出す圭吾は、涼太にとっては目標であり、憧れであり、少し怖い存在でもあった。
「えへへ、ありがとうございます。でも圭吾先輩と乱取りしたら、また秒で投げられましたけど」
「そりゃ、まだまだ俺の方が一枚上手ってことだな」
涼太は少しふてくされたように唇を尖らせるが、その顔はどこか嬉しそうだ。圭吾の目には、そんな涼太の表情が幼く、そしてどこか無防備に映っていた。
「ところでさ…お前、前にちょっと言ってたよな」
「え?何をですか?」
圭吾は少しだけ目を細めて、畳の隅に置いてあったバッグから黒いTシャツを取り出す。そのまま床に腰を下ろしながら、淡々と続けた。
「“自分、ちょっと変かもしれません”って。首絞められると変にドキドキするって言ってたろ?」
「……う、うっかり言っちゃったやつですね」
涼太の耳が赤くなる。あれは確か、軽くふざけた雰囲気の中でこぼしてしまった本音。力で制圧される感覚や、呼吸が奪われていく瞬間にゾクゾクすることがあると――。
「蓮に話したら、ちょっと面白がっててさ。柔術やってるし、一回試してみないかって」
「試すって……?」
そのとき、道場の裏手からもうひとつの影が現れた。蓮。細身でスタイリッシュな雰囲気の大学生。着ているのは、道着ではなく柔術用のラッシュガード。肌に密着した黒い生地が、肩や首のラインをくっきり浮かび上がらせる。
「やあ、涼太くん。緊張してる?」
「……蓮先輩まで」
「圭吾から聞いたよ。絞められるとドキドキするって。ねえ、だったら――ちゃんと落ちるまで、味わってみたいと思わない?」
蓮の声はどこか艶っぽく、挑発的だった。涼太は一瞬、喉の奥がカラカラに乾く感覚を覚える。
「もちろん、無理にはやらない。でも、俺たちは絞め技のプロ。合図を決めて、安全はちゃんと確保したうえで、柔術のテクニックを“プレイ”に使ってみるだけさ」
圭吾が言葉を継ぐ。「落ちる寸前、あるいは完全に意識が落ちるまで。それを体験したいなら、俺たちがきちんと導いてやる」
涼太は、喉を鳴らすようにして息を飲んだ。
静かにうなずいた。
絞めプレイ・開始
場所は道場の奥、柔術マットを敷いた練習スペース。道着の上着を脱いだ涼太は、ラッシュガード姿の蓮に導かれてマットの中央へ。
「じゃあまずは、後ろからのリアネイキッドチョーク、いわゆる“裸絞め”ってやつをやってみようか」
蓮がゆっくりと背後に回る。涼太は正座の状態から、すっと両腕を背中に回され、優しく抱き込まれる。
「力を入れる前に、まずはポジションに慣れよう」
蓮の腕が、滑らかに涼太の首に巻きつく。片腕が喉元を覆い、もう一方の腕がその手首をしっかりと固定していく。柔術の締め技独特の、無駄のない流れだ。
「……っ」
圧迫はまだほとんどない。それでも、自分の首に巻きついた“意志ある腕”の存在が、涼太の内側に熱を走らせる。
「合図はどうする?」
「指で2回、トントンで」
「了解」
そのやり取りを確認すると、蓮は微笑んだ。そして次の瞬間、ふっと力が込められた。
「――ん、ぐ……っ!」
一瞬で、視界がぐらつく。首の両側の頸動脈を精密に狙った絞め。喉に直接当てることなく、血流だけを止める。呼吸はできる、けれど――意識が、急速に遠ざかっていく。
「頑張って、もう少しだけ堪えてごらん?」
蓮の声が耳元で囁かれたその瞬間、涼太の脳が真っ白になった。
目の奥がチカチカと光を放ち、全身がゆっくりと脱力していく。
落ちる。
落ちる。
「――よし、今だ」
圭吾の声と同時に、蓮が腕を解いた。
涼太の身体が、重力に負けてマットに倒れ込む。その瞳はかすかに開いたまま、虚ろに揺れていた。
「……はぁっ、はっ……っ」
数秒後、息を吸い戻した涼太は、まるで水中から浮上したように深く息を吐いた。
意識が戻るその瞬間、彼の全身は震えていた。
圭吾がそっと近寄り、涼太の頬に手を添える。
「大丈夫か?」
「……だ、大丈夫……です。なんか……すごかった……」
口元が、どこかとろけるように緩む。羞恥と快感と恐怖と安心が、すべてない交ぜになった表情。
蓮が満足そうに笑う。「ね、悪くないだろ?」
涼太は、ふるふると小さくうなずいた。
そして、次のプレイが、静かに始まろうとしていた。

引用なし

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柔道魂2
   - 25/7/13(日) 14:27 -
第2章:絞めの快楽、二重の支配
柔道部の練習後、再び集まった三人。場所は変わらず、道場の柔術マット上。今夜の空気は、どこか最初よりも濃密だった。
一度「落ちる」感覚を知ってしまった涼太の身体には、すでに条件反射のような期待と興奮が滲んでいる。畳の冷たさすら、快楽の入口に思える。
「今日は、ちょっと凝ったことやってみようか」
蓮が手を叩く。圭吾も涼太の背中に手を当てながら、穏やかな声で続けた。
「俺と蓮、二人がかりでお前を締める。もちろん、ルールと合図は変わらない。でも――同時に、ふたつの方向から責められる感覚、味わってみたくないか?」
涼太は、喉を鳴らしながらうなずいた。
「お願いします……」

ポジショニング:マウント → トライアングルからのリアネイキッドチョーク
まず、涼太はマットの上に仰向けに寝かされた。
その胸の上に、ゆっくりと圭吾がマウントポジションを取る。両膝で涼太の腰を挟み込み、しっかりと乗る。
「うっ……けっこう重い……」
「まだまだこれからだ」
圭吾は柔らかく笑ったまま、道着の裾を掴み、ゆっくりと涼太の両手首を頭上に固定する。そのまま彼の胸を圧迫するように重心をかけると、涼太の呼吸がほんの少し、浅くなる。
「このまま、蓮。いけるか?」
「もちろん」
蓮は、涼太の頭側に移動していた。そして、そのまま彼の首に、三角形を描くように両脚を巻きつけてくる。
「えっ……あっ、あれ……これ、三角絞め……っ?」
「正解。三角絞め(トライアングルチョーク)っていう、柔術の代表的な絞め技だよ。しかも、俺の脚で」
蓮の右足が涼太の首に沿って通され、左膝の裏に差し込まれる。両腕のうち片方を巻き込んで、蓮がぎゅっと絞め始めると――
「くっ……!あ、あぁ……っ」
頸動脈が、両脚で完全に塞がれる。しかも、腕が巻き込まれていることで逃げ場はなく、重力で頭は固定されている。
そこに――
「まだ締まるぞ」
圭吾の手が、涼太の顎の下にそっと添えられた。そして、そのまま後ろから、リアネイキッドチョーク(裸絞め)が追加される。
「……う、そ、両方から……くる……の……っ」
圭吾の右腕が、蓮の脚の下を通して、涼太の首の反対側から回されていく。喉を避けるように、完璧に頸動脈を狙って。
二人の力が交差し、涼太の首をサンドイッチのように包み込んだ。
「……あっ、は、ん……んっ……!!」
視界が一気に暗転する。
耳がキーンと鳴り、頭の奥が浮くような感覚。絞められているはずなのに、どこか甘くて、心地よい。
意識が……どこかへ……。
だが、蓮と圭吾の連携は完璧だった。
「今」
蓮の声で、二人は同時に圧を緩めた。
涼太の身体がぐったりと、だらしなくマットに沈み込む。目を閉じたまま、呼吸だけが静かに戻っていく。
「……落ちたな」
圭吾がそっと、涼太の前髪をかきあげる。蓮も脚を外しながら、笑みを浮かべる。
「かなりギリギリまでいったね。でも、ちゃんとコントロールできてた。やっぱり柔術の技って、プレイにも応用できる。綺麗だったよ」
数秒後――
「……ぅ、あれ……? 俺……今……」
涼太がぼんやりと目を開ける。
圭吾が手を握る。「戻ってこい、涼太」
「……うん、ただいま、です……」
頬がほんのりと紅潮していた。落ちた直後の、恍惚とした表情。羞恥と高揚が交じった、無垢な反応。
蓮がニヤリと笑う。「まだまだ、これからだよ?」
第2章(後半):絞められる身体、馴染んでいく首
「大丈夫か?」
圭吾が水のボトルを差し出すと、涼太は首を軽く横に振った。
「ちょっと……ふわふわしてるけど、気持ち悪くはない……」
そう言って、彼は自分の首に手を当てた。ほんのり熱を持ち、皮膚の奥がじんじんと疼いている。その奥で、鼓動がかすかに跳ねていた。
「これが……締められた後の感覚、なんだ……」
「うん。それが“落ちきる”一歩手前だ。よく耐えた」
圭吾がそっと涼太の背中をさすった。横では蓮が、すでに次の構えに入っている。
「じゃあ、次。『フロントチョーク』いってみようか」
「フロント……?」
「正面から相手の首を挟み込む技だよ。柔術でもレスリングでも使われる。小手先じゃ効かないけど、しっかり体重と角度を使えば、すぐに意識飛ぶくらい強力」
蓮が涼太の前に座る。そして――
「仰向けになって、俺の脚の間に頭突っ込んで」
言われるがままにポジションをとると、蓮は素早く腕を差し入れた。片腕を涼太の首に巻きつけ、もう片方の手で自分の手首を掴むようにして固定。
「ここから一気に締めると――」
ぐぐっ……
「っ……!!」
涼太の身体がびくん、と反応する。蓮の前腕が喉の上ではなく、頸動脈のラインにしっかりと当たっている。
「苦しいのは、息ができないんじゃなくて、脳に血が回らないから。これ、ほんの数秒で落ちるよ」
蓮が言いながら、身体を倒すようにして重心を前方に預ける。腕だけで締めているのではない。肩、胸、腰――全体の体重で、涼太の首をねじ伏せていくように圧をかけていく。
「ん、ぐ……あ、かはっ……! く、うっ……」
口を開けても声が出ない。空気が吸えているようで、頭がぼんやりと白くなる。まるで濁った水の中に沈んでいくような、粘っこい苦しさ。
「蓮、ちょっと待て」
圭吾が手を挙げる。
蓮はすぐに締めを解いた。フロントチョークの腕を抜くと、涼太の顔がはっきりと見える。赤くなった頬、涙のにじんだ目。けれど――彼の表情には、怯えよりも快感がにじんでいた。
「……落ちそうだった。マジで。でも……嫌じゃなかった」
「だろ?」
蓮は微笑む。「あれが“喉の先で落ちる”って感覚」

テクニカル補足:フロントチョーク(ギロチン系)
技術的には「片手で頸動脈を塞ぎ、体重で圧を加える」。


絞まっている間、息はできるが、脳に酸素が行かないため意識が急速に薄れていく。


腕だけに頼らず、相手の背中を引き寄せるようにして背骨ごと固定すると、逃げられにくくなる。


絞まり方が速いため、加減を間違えると数秒で失神する。


涼太の胸が、上下に波打っていた。けれど不思議なことに、その苦しさを、彼の身体はどこか「悦び」として受け入れ始めていた。
「……もう一回だけ……やってもいいですか」
圭吾と蓮が顔を見合わせる。そして、圭吾が軽く頷いた。
「じゃあ、俺からいこう。俺の“アナコンダチョーク”、試してみるか」
「アナコンダ……?」
「名前の通り、絡みついて締める技。さっきのより、もっと深くて重い」
涼太の目に、ほのかな期待と不安が交差した。

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柔道魂3
   - 25/7/13(日) 14:30 -
第3章:首が覚える夜――繰り返されるスリーパーと三角の記憶
涼太が再び圭吾と蓮に会ったのは、その数日後の放課後だった。部活を終え、道着の上からパーカーを羽織って大学の道場を訪れると、二人はすでに畳の上でストレッチをしていた。
「よく来たな、涼太。首の調子は?」
「……ちょっと筋肉痛でした。でも、また来たくなって……」
圭吾がふっと笑う。「うん、よく頑張ってるよ。今日は“耐える力”をもう少し鍛えようか」
蓮もにやりと微笑む。「次第にクセになるって、言ったろ?」
涼太は軽く頷きながら、畳の上に正座した。胸の奥がざわつく。だが、それは恐怖ではなかった。不思議な高揚――自分が彼らに預けられていく感覚。

第一の訓練:リアネイキッドチョーク(スリーパーホールド)
「じゃあ、まずはスリーパーからな」
圭吾が背後から涼太の肩に手を置くと、自然に涼太は胡座をかいて背を預ける。
「力を抜いて。息、整えて」
首の後ろに、温かい腕が回る。片腕が喉元をすっと横切り、もう片方の腕が後頭部を押さえるようにして、涼太の首は完全に圭吾の胸に包み込まれた。
「行くぞ」
腕に力がこもる。肘の角度がわずかに締まり、頸動脈に圧がかかる。呼吸はできるのに、脳が酸素を渇望し始める。視界が揺れる。
「ん……ふ、っ、んん……!」
口が自然に開き、喉が苦しさを訴える。でも、どこかで安心している。圭吾の腕の強さは絶対で、それでいて限界は絶対に超えない。
「はい、戻すぞ」
解かれた瞬間、涼太はふっと上体を預けた。気を失う直前の、心地よい宙の感覚。ゆっくり戻ってくる血流に、全身がぽかぽかと温まる。
「……すごい、さっきより早く落ちかけました」
「身体が慣れてきた証拠だ。神経と血流の感覚が、ちょっとずつ繊細になってる」
「……もう一回……やってもいいですか」
圭吾は、そっと笑って頷いた。

第二の訓練:三角絞め(サンカクジメ)
「じゃあ、次は俺の番だね」
蓮が仰向けになり、涼太をその上に誘導する。「今日は“仕掛ける側”じゃなくて“食らう側”でな」
蓮が右脚を高く上げ、涼太の首と片腕をまたぐように絡める。そのまま左脚で自分の右足をロックし、股関節全体で涼太の首を締め上げる体勢――三角絞めが完成する。
「しっかりハマってると、10秒持たないよ。肘と首が一緒に閉じられるから、すごく絞まりが強い」
脚が閉じられると、涼太の頭が蓮の太腿に深く埋まった。しっかりとしたロック、そして内腿から圧が加わる。
「ぐ……う、あ、く……! かっ、ふ、ん……!」
喉が鳴る。頭の中で酸素の音が遠ざかっていく。蓮の脚はぴたりとした筋肉の壁となって、涼太の首を逃がさない。体を動かそうとしても、締まりの中心にすべて吸い寄せられるようで、なす術がない。
「落ちるぞ。3、2、1――はい、外す」
解かれた瞬間、涼太は小さく「あっ……」と声を漏らした。
落ちきる前の、絶妙な浮遊感。それが心の奥で、快感として結びついているのが自分でも分かる。
「どこかで……怖いはずなのに。なのに……気持ちいい……」
蓮が笑う。「それ、沼に片足突っ込んでる証拠ね」

インターバルの会話と信頼
「二人の技って……不思議と“怖い”って感覚が薄れてくるんですよね」
涼太がポカリのボトルを受け取りながら言うと、圭吾はうなずいた。
「うん、技っていうのは“殺すため”じゃなく“支配するため”にある。俺たちはそのギリギリを管理するから、安心して委ねられる。信頼がなかったら、こんな絞め方は絶対できないよ」
涼太は、自分の首をそっとなぞる。先輩たちの腕や脚の感触が、まだそこに残っている気がした。
「俺……もう少し、やってもいいですか」
その言葉に、圭吾と蓮の目がわずかに細まった。
「いいよ。でも、次はもう少し深くまで――行くぞ?」
涼太は、ごくりと喉を鳴らして、静かにうなずいた。

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柔道魂4
   - 25/7/13(日) 14:32 -
第4章:限界のその先で――アナコンダ、ダース、連続絞め
その日もまた、夕方の大学の道場。外は少し肌寒くなってきていたが、畳の上は熱を帯びていた。
涼太は、既に軽く汗を滲ませながら、上半身にラッシュガード、下は道着のズボン姿。呼吸を整えながら、圭吾と蓮の前に正座している。
「今日の目標は、“限界ギリギリを感じ続ける”ことだ」
圭吾の声は穏やかだが、その内容は厳しい。だが涼太は、怯むどころかほんの少し期待にも似た表情を見せて頷いた。
「もちろん……お願いします。最後まで耐えたいです」
その一言に、蓮が満足そうに微笑む。「じゃ、たっぷり付き合ってあげるよ。今日は“巻き絞め”のターンだから」

第一段階:アナコンダチョーク(Anaconda Choke)
蓮がマットの上にうつ伏せになり、涼太を誘導するようにして身体を巻き込む。首と腕をひとまとめにして、脇の下を通した腕を、逆の手でガッチリとクラッチ。
「アナコンダはな、身体ごと巻くから逃げ場がない。呼吸も圧迫も、一気に来る」
そのまま蓮は、身体をねじりながらロールして涼太を横に転がす。そしてロール後、脚で下半身をロックし、上体はクラッチしたまま締めていく。
「くっ……う、ん、ぐ、っ……! は、あ、っ、ぅ……!」
肺の中の空気が出ていくのに、次の一息が入らない。巻き込まれた体勢のまま、首と腕が強烈に圧迫される。
「まだ、いける?」
圭吾の声が横から飛ぶ。涼太はわずかに首を振り、合図のサインを出さない。
「じゃ、もうちょっとだけ……耐えて」
蓮がほんの少しだけ、クラッチの角度を締める。視界が斜めに揺れる。手足の力が抜けかけて、体温が下がっていくような錯覚。ギリギリの意識で、「これは……信じてる人にしか……できないな」と、思った。

第二段階:ダースチョーク(D’Arce Choke)
次は圭吾が入れ替わって、ダースチョークの形に組む。
「アナコンダと逆で、腕の通し方が逆になる。首と腕の間を、肩ごと締め上げる形な」
涼太の上半身を伏せさせ、そこに圭吾が潜り込む。左腕が首と脇の隙間を通り、右手で自分の二の腕を持ってクラッチ。そのまま頭を涼太の肩に密着させ、全体重で体を押し下げるように締め上げる。
「ぅ、あ……んん……ぐ、う、ぅ……」
技の締まりは、まるで首を内側から潰されるような圧力。圭吾の胸の重みが、酸素を全部持っていく。
「落ちそうか?」
「……っ、ま、だ……いけます」
それでも、涼太は答えた。首を預ける安心感。限界を見極めてくれる信頼。
圭吾は、涼太の首筋にそっと自分の頬を寄せるようにして言う。
「ちゃんと俺らが見てるから、安心して落ちそうになっていい」
そのままの体勢で、数十秒。限界の音が、内側で鳴っていた。ぎりぎりで合図を出すと、圭吾はすぐに解いた。
涼太の身体がふっと脱力し、畳の上に崩れ落ちる。全身が痺れのように揺れて、脳が空に浮かんでいた。

第三段階:連続絞め――首が覚える、信頼のリズム
「じゃ、今度は連続でいこうか。三角から、腕十字のフェイント、そこからまた三角、そして最後にスリーパー」
蓮と圭吾が入れ替わりながら、涼太の身体を導いていく。
──蓮の太腿に首を挟まれ、三角のロックで意識が遠のきかけたところで、
──腕十字を仕掛けられかけ、肘のテンションを感じてから
──そのままスイープされて再び三角。次第に、意識が曖昧に。
「……最後、スリーパーで決めるぞ」
圭吾が背後から優しく囁く。そして、腕が喉元に回る瞬間――涼太の身体は、自らその腕に頭を預けていた。
「いい子だな、涼太」
最後のスリーパーが決まる。もう声は出ない。ただ、涼太の身体は委ねきっていた。落ちる寸前、静かで、穏やかで、そして甘美な世界。
ゆっくりと戻される意識。先輩たちが、汗を拭き、ポカリを口元に運んでくれる。
「……信じてる。だから、全部……預けられます」
「俺たちも信じてるよ。お前が最後まで、俺たちの技を受けてくれるって」

涼太の身体はすっかり“覚えた”。
落ちるギリギリのラインで、技を“感じる”という快感。
それはもう単なる訓練ではなく、信頼を絞められながら交わす儀式だった。

引用なし

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