Page 272 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼まさかの気持ち≪壱≫ 有紀 04/1/13(火) 20:36 ┣Re(1):まさかの気持ち≪壱≫ ヒロシ 04/1/14(水) 13:55 ┣Re(1):まさかの気持ち≪壱≫ [名前なし]? 04/1/14(水) 16:04 ┗まさかの気持ち≪弐≫ 有紀 04/1/14(水) 17:37 ┣ドラマみたい… ケン 04/1/15(木) 4:10 ┣Re(1):まさかの気持ち≪弐≫ ヒロシ 04/1/15(木) 11:20 ┗まさかの気持ち≪参≫ 有紀 04/1/15(木) 18:16 ┗素敵すぎっすよ・・・。 こんのすけ 04/1/17(土) 2:20 ─────────────────────────────────────── ■題名 : まさかの気持ち≪壱≫ ■名前 : 有紀 ■日付 : 04/1/13(火) 20:36 -------------------------------------------------------------------------
| 俺は182cm/68kg/17歳。 至って普通の男子高校生。 同級生の奴等の中でも背は高い方で、顔立ちも大人びていた。 それなりに女受けも良かった。 女との初体験を12歳で済ませ(←相手21歳)、それからは本気で恋愛に溺れる事はなかった。 恋愛なんてただのゲームだと思っていたし、性欲が発散出来ればいいなんて事まで心の中には存在した。 もちろん、嫌がる女を無理矢理抱いたり、本気で告白してくる女と遊ぼうなんて思わない。 言い寄って来る軽い女、つまり遊びで付き合ってもいいと言う女のみ、俺の恋愛対象になっていた。 「あいつ」に逢うまでは・・・。 俺は高校1年の途中で転校する事になった。 前の学校には寮もあり、そこに入るかという話も出たが、別に前の学校に執着するものがなかったので、俺はあっさりと転校を受け入れたのだ。 転校初日。 前夜に、明け方まで遊んでいた俺は、母親の心配通り、案の定遅刻した。 遅刻と言っても、朝のSHRの途中で教室に入った。 ドアを開けると教室内がしん、と静まり返り、全員の視線が俺に注がれた。 担任は一瞬目を疑ったようだったが、一つ咳払いをしてから俺を教室に迎え入れた。 教室の生徒が小さく話す声が俺の耳にも届いている。 「ガラ悪そう」 一言で説明すればその言葉が一番適当だ。 俺は長身で目立つのに加え、髪は金と茶の間くらいの色、ピアスは左右の耳合わせて7個。 制服なんてきっちり着た記憶もない。 その所為なのか、俺は転校先の学校での印象が綺麗に二つに分かれた。 学校内でもオシャレ系というか、そういう系の奴等は俺に近付いて仲良くなろうとしてきた。 大人しい系の奴等は見事に俺を避けようとしている風だった。 転校してから2週間。 それなりに溶け込んでいた俺だったが、特に親しいダチもいなかった。 放課後の付き合いは全部断っていたからだ。 と言っても別に行きたくなかったわけではない。 誘われた時には運悪くか良くか、sexだけの女からの連絡が入っていたからだ。 そんなある日。 俺はいつものように校門まで迎えに来ている一人の女の車に乗ろうとしていた。 女が車を発進させようとした時、窓が空いていたので遠くから叫んでいる声が聞こえた。 「待って!室生君!」 室生は俺の名字。 呼んでいるのは確か同じクラスにいたような気がする・・・名前は知らない。 「ごめん、ちょっと止めて」 無視すれば良かったのだ。 けれどその時の俺はなぜかそいつの言葉に耳を傾けていた。 俺が車から下りると、そいつは俺にかけよって息を整えてから話し出した。 「引き止めちゃってごめん。でも、室生君にどうしても頼みたい事があって」 「頼み?」 「うん。いつも話そうとしたんだけど何か近寄り難くて・・・」 「・・・・・」 多分、この時の俺はこいつを睨むようにして見ていたと思う。 近寄り難くて・・・そんな偏見は昔から言われていた。 それが大嫌いだったのだ。 「あ、あのね、室生君ってさ、背高いじゃない?だからバスケ部に興味ないかな?」 「バスケ?」 「そう。僕バスケ部のマネージャーしてるんだ」 俺の転校先の学校が男子校。 そう言えばこいつは聞いた事がある。 ≪バスケ部の部長とマネージャーはデキている≫ 俺にはそんな事どうでも良かった。 もちろん、その日はこいつの言う事なんて無視してさっさと女とホテルへ行った。 翌日。 学校へ行くと、バスケ部のマネージャーが俺に近付いて来た。 「おはよ」 無視していると、ちょっと躊躇った後にそいつは話し出した。 「あの、ね?今日、見学に来ない?見るだけでも・・・」 俺はなぜか苛々して、机を思いっきり殴り倒していた。 教室中の視線を集めてしまった。 「お前うざい。馴れ馴れしい」 吐き捨てるように言った俺は、そのまま教室を出て屋上へと向かっていた。 屋上には誰もいない。 絶好の昼寝日和。 苛々した気持ちを落ち着かせようと、俺は煙草を吸いながら寝転んだ。 煙草を吸い終わってうとうとしていると、本当に寝てしまい、起きた頃には既に放課後だった。 カバンを教室に取りに行こうとして、俺は足が竦んだ。 教室から変な声が聞こえる。 「あっ・・・先輩ッ・・・んっ」 明らかに喘ぎ声。 ただし、ここは男子校。 善がっているのは男の声にしか聞こえない。 そっと教室を覗き込むと、バスケ部のマネージャーが淫らに乱れているのが見えた。 噂は本当だったのだ、と確信しかけた時。 「っ先輩!やめて下さいって言ってるでしょ!?」 どうやら話を聞いていると無理矢理だったらしい。 そいつが叫んだのに驚いたらしく、3年の部長はそそくさと走り去って行った。 その時、俺と目が合ったが、思いっきり逸らされた。 俺が教室に入ると、そいつは俺を驚いた目で見つめて来た。 「・・・室生、君・・・」 「カバン取りに来ただけ。服着ろよ」 「・・・・・」 黙り込むそいつに、俺はまた苛立ちを覚えた。 「んな格好してると襲っちまうぞ?いいのか?」 笑いを含んだようにそいつの顎を持ち上げると、不思議にもそいつは俺の首に腕を回して来た。 「いいよ、室生君なら。僕・・・室生君が好き」 俺は自分の耳を疑った。 男に告白されるのなんて生まれて初めての経験だ。 「好き、って・・・」 さすがの俺も焦った。 「こういう意味で好き」 そいつはいきなり俺にキスをしてきた。 しかも舌まで入れてくる濃厚なキス。 俺は思わずそいつを自分から引き剥がした。 「・・・やっぱり気持ち悪い?」 まさか。 むしろ嫌じゃない自分に驚いているくらいなのだから。 俺が放心状態でいると、そいつは小さく笑って教室を出て行った。 残された俺はどうしていいか分からず、その場に座り込んでしまった。 当分、立ち上がる気力もなかったかもしれない。 やっとの思いで家につくと、時刻は既に夜になっていた。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows 98)@FLA1Aaa029.nra.mesh.ad.jp> |
| 何かものすごい体験談でしたね。かなりショックだったんじゃ無かったですか? 何か続きが知りたくなってきたよ。続きはあるのかい?ていうか同い年だ! メル友にならないかい? ▼有紀さん: >俺は182cm/68kg/17歳。 >至って普通の男子高校生。 >同級生の奴等の中でも背は高い方で、顔立ちも大人びていた。 >それなりに女受けも良かった。 >女との初体験を12歳で済ませ(←相手21歳)、それからは本気で恋愛に溺れる事はなかった。 >恋愛なんてただのゲームだと思っていたし、性欲が発散出来ればいいなんて事まで心の中には存在した。 >もちろん、嫌がる女を無理矢理抱いたり、本気で告白してくる女と遊ぼうなんて思わない。 >言い寄って来る軽い女、つまり遊びで付き合ってもいいと言う女のみ、俺の恋愛対象になっていた。 >「あいつ」に逢うまでは・・・。 > >俺は高校1年の途中で転校する事になった。 >前の学校には寮もあり、そこに入るかという話も出たが、別に前の学校に執着するものがなかったので、俺はあっさりと転校を受け入れたのだ。 >転校初日。 >前夜に、明け方まで遊んでいた俺は、母親の心配通り、案の定遅刻した。 >遅刻と言っても、朝のSHRの途中で教室に入った。 >ドアを開けると教室内がしん、と静まり返り、全員の視線が俺に注がれた。 >担任は一瞬目を疑ったようだったが、一つ咳払いをしてから俺を教室に迎え入れた。 >教室の生徒が小さく話す声が俺の耳にも届いている。 >「ガラ悪そう」 >一言で説明すればその言葉が一番適当だ。 >俺は長身で目立つのに加え、髪は金と茶の間くらいの色、ピアスは左右の耳合わせて7個。 >制服なんてきっちり着た記憶もない。 >その所為なのか、俺は転校先の学校での印象が綺麗に二つに分かれた。 >学校内でもオシャレ系というか、そういう系の奴等は俺に近付いて仲良くなろうとしてきた。 >大人しい系の奴等は見事に俺を避けようとしている風だった。 > > >転校してから2週間。 >それなりに溶け込んでいた俺だったが、特に親しいダチもいなかった。 >放課後の付き合いは全部断っていたからだ。 >と言っても別に行きたくなかったわけではない。 >誘われた時には運悪くか良くか、sexだけの女からの連絡が入っていたからだ。 >そんなある日。 >俺はいつものように校門まで迎えに来ている一人の女の車に乗ろうとしていた。 >女が車を発進させようとした時、窓が空いていたので遠くから叫んでいる声が聞こえた。 >「待って!室生君!」 >室生は俺の名字。 >呼んでいるのは確か同じクラスにいたような気がする・・・名前は知らない。 >「ごめん、ちょっと止めて」 >無視すれば良かったのだ。 >けれどその時の俺はなぜかそいつの言葉に耳を傾けていた。 >俺が車から下りると、そいつは俺にかけよって息を整えてから話し出した。 >「引き止めちゃってごめん。でも、室生君にどうしても頼みたい事があって」 >「頼み?」 >「うん。いつも話そうとしたんだけど何か近寄り難くて・・・」 >「・・・・・」 >多分、この時の俺はこいつを睨むようにして見ていたと思う。 >近寄り難くて・・・そんな偏見は昔から言われていた。 >それが大嫌いだったのだ。 >「あ、あのね、室生君ってさ、背高いじゃない?だからバスケ部に興味ないかな?」 >「バスケ?」 >「そう。僕バスケ部のマネージャーしてるんだ」 >俺の転校先の学校が男子校。 >そう言えばこいつは聞いた事がある。 >≪バスケ部の部長とマネージャーはデキている≫ >俺にはそんな事どうでも良かった。 >もちろん、その日はこいつの言う事なんて無視してさっさと女とホテルへ行った。 > >翌日。 >学校へ行くと、バスケ部のマネージャーが俺に近付いて来た。 >「おはよ」 >無視していると、ちょっと躊躇った後にそいつは話し出した。 >「あの、ね?今日、見学に来ない?見るだけでも・・・」 >俺はなぜか苛々して、机を思いっきり殴り倒していた。 >教室中の視線を集めてしまった。 >「お前うざい。馴れ馴れしい」 >吐き捨てるように言った俺は、そのまま教室を出て屋上へと向かっていた。 >屋上には誰もいない。 >絶好の昼寝日和。 >苛々した気持ちを落ち着かせようと、俺は煙草を吸いながら寝転んだ。 >煙草を吸い終わってうとうとしていると、本当に寝てしまい、起きた頃には既に放課後だった。 > >カバンを教室に取りに行こうとして、俺は足が竦んだ。 >教室から変な声が聞こえる。 >「あっ・・・先輩ッ・・・んっ」 >明らかに喘ぎ声。 >ただし、ここは男子校。 >善がっているのは男の声にしか聞こえない。 >そっと教室を覗き込むと、バスケ部のマネージャーが淫らに乱れているのが見えた。 >噂は本当だったのだ、と確信しかけた時。 >「っ先輩!やめて下さいって言ってるでしょ!?」 >どうやら話を聞いていると無理矢理だったらしい。 >そいつが叫んだのに驚いたらしく、3年の部長はそそくさと走り去って行った。 >その時、俺と目が合ったが、思いっきり逸らされた。 >俺が教室に入ると、そいつは俺を驚いた目で見つめて来た。 >「・・・室生、君・・・」 >「カバン取りに来ただけ。服着ろよ」 >「・・・・・」 >黙り込むそいつに、俺はまた苛立ちを覚えた。 >「んな格好してると襲っちまうぞ?いいのか?」 >笑いを含んだようにそいつの顎を持ち上げると、不思議にもそいつは俺の首に腕を回して来た。 >「いいよ、室生君なら。僕・・・室生君が好き」 >俺は自分の耳を疑った。 >男に告白されるのなんて生まれて初めての経験だ。 >「好き、って・・・」 >さすがの俺も焦った。 >「こういう意味で好き」 >そいつはいきなり俺にキスをしてきた。 >しかも舌まで入れてくる濃厚なキス。 >俺は思わずそいつを自分から引き剥がした。 >「・・・やっぱり気持ち悪い?」 >まさか。 >むしろ嫌じゃない自分に驚いているくらいなのだから。 >俺が放心状態でいると、そいつは小さく笑って教室を出て行った。 >残された俺はどうしていいか分からず、その場に座り込んでしまった。 >当分、立ち上がる気力もなかったかもしれない。 >やっとの思いで家につくと、時刻は既に夜になっていた。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; istb 644)@YahooBB218127048248.bbtec.net> |
| 激しく共感できる部分がたくさんありました。 女の考え方が同じです。つつ゛き楽しみです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1)@p8009-ipad86marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp> |
| 翌日。 俺は学校へは行けなかった。 昨日の夜から行く気はなかったが、朝起きると更に行く気が失せていた。 あいつのキスと告白の所為なのは間違いない。 俺は頭の中がまとまらず、結局昼過ぎまでベッドの中で過ごしてしまった。 気付くと、学校では放課後の時間。 その時、ふと俺の脳裏にあいつが浮かんだ。 「見学に来ない?」 この一言と一緒に浮かんだ。 俺は普段着に着替えると、足を学校の体育館へと向けていた。 体育館。 入り口の辺りでこっそりと館内の様子を覗った。 館内ではバスケ部とバレー部が練習に励んでいる。 (馬鹿馬鹿しい) 俺の正直な感想。 何の為にここにいるのか分からなくなり、俺は帰ろうとした。 その時。 「室生?」 後ろから呼び止める聞いた事もない声。 振り返るとそこにはバスケ部の部長が立っていた。 俺は黙ったまま部長を見ていると、部長は性懲りもなしに喧嘩を売って来た。 「お前みたいな奴にバスケなんてしてほしくないな。前の学校で何回停学になった?」 馬鹿にしたようなこいつに俺はキレそうになった。 確かに前の学校では喧嘩が原因で停学になった事は数え切れない。 けれど俺だって自分から喧嘩を売るほど馬鹿じゃない。 売られた喧嘩を買っただけだ。 綺麗に言えば『自己防衛』。 ただ喧嘩をした事には変わりはないのだから、別に俺は言い訳をするつもりもない。 大体、人に喧嘩を売るならもっと強くなってから来て欲しいもんだ。 そもそもこいつだって喧嘩を売ってるわりに強そうにも見えない。 「停学の回数なんて数えてる奴いんの?」 馬鹿にした言い方のこいつに、俺は挑発するように言い返した。 いい加減、こういう馬鹿には飽き飽きだったのだ。 案の定、こいつは俺の挑発に乗って来た。 「聖に誘われたんだってな?いい気になるのもガラが悪い所為か?」 つくづく腹の立つ野郎だ。 「聖?」 「うちのマネージャーだよ!」 「ああ。あんたが襲い掛かって拒否した奴」 この挑発には我慢の限界だったらしく、そいつはいきなり俺に殴りかかって来た。 試合前の大事な時期、部長が暴力沙汰を起こすなんて根っから馬鹿馬鹿しいにも程がある。 とは言ってもそいつの殴り方は殴り慣れていない。 おそらく喧嘩なんてした事はないのだろう。 痛くないと言えば嘘になるが、頭に響くほど痛くはなかった。 そいつが俺を殴った瞬間、他の部員達が一斉に部長を押さえ込み、俺に謝って来た。 「すまん!大丈夫か!?」 「俺達がちゃんと言っとくから許してやってくれ!」 2年に部長を押さえ込ませている間に、3年の先輩は俺に頭を下げる。 後ろでは部長が俺に向かって暴言を吐いている。 黙っていた俺が口を開こうとした時。 「どうした?騒がしいぞ」 俺の後ろからバスケ部の顧問がやって来た。 3年部員達の顔色が一気に青ざめる。 さすがの部長も今まで暴言を吐いていたのは嘘かのように大人しくなる。 「ん?室生?どうした、ここ」 顧問は俺の口元が切れているのに気付いた。 「別に」 「・・・・・。喧嘩か?」 一旦黙った後、顧問は険しい顔と声でそう言った。 部員の動きは凍ったように固まる。 「部員達に怪我はない。とすると・・・誰にやられた?」 俺に向けられた言葉。 部員の3年達はもはや声も出ない。 この時、俺が言えば確実にこいつ等は試合に出場停止。 なのに俺は・・・ 「こいつ等の所為じゃない。ボールがぶつかっただけ」 「ボールが?」 「悪かったな、邪魔して」 それだけ言い残して俺は体育館を後にした。 もうこれ以上この場にいたくなかったのかもしれない。 (来なきゃ良かった) 心の底からそう思う俺。 けれど俺が壁を殴りかけた瞬間、聖の声がした。 「室生君!」 俺が振り返ると聖はまた息を整えている。 「あの、ありがとう。言わないでくれたんでしょ?」 「別に。言ったって俺には何の利もねぇし」 「そんな言い方・・・でもありがとう」 俺は聖の笑顔が嫌いじゃない。 キスも嫌じゃなかった。 背が低いこいつが悪い。 口唇の柔らかいこいつが悪い。 無邪気なこいつが悪い。 俺に隙を見せるこいつが一番悪いんだ。 俺は聖を壁に押し付け、無理矢理に口唇を奪っていた。 「んっ・・・ッ」 いきなりすぎて訳の分かっていない聖の口から洩れる声。 その声が俺をさらに獣へと堕として行く。 口唇を放すと、聖はかくん、として俺の方へ凭れ掛かった。 「む、室生君?何?今僕達・・・」 体中の力が抜けたように無防備な聖。 不意にも可愛いと思ってしまった俺は相当の重病だ。 「有紀でいい」 聖の存在を確かめるように、俺は無意識の中で聖をぎゅっと腕の中におさめた。 聖の混乱は未だに続いている。 「ゆう、き?」 名前を呼ばれた瞬間、俺は我に返った。 今自分がした事、口走った事。 その全てが走馬灯のように脳裏を駆け抜けた。 俺は聖を自分から引き剥がし、口を押さえて後悔した。 (俺は今何をした?こいつに何を言った?) 心臓がドクン、と脈打つのがはっきりと感じ取れる。 恥ずかしいわけでもときめいているわけでもない。 自分が信じられなかったのだ。 「・・・悪い」 その俺の言葉に、聖はきょとんとして俺の顔を見つめる。 「何かの、間違いだ。こんなのおかしい・・・」 聖が混乱の中に追い込まれている事すら今の俺には気遣ってやれなかった。 俺は聖をそこに一人残し、家へと帰った、 歩いているはずの足が物凄く重い。 俺はきっと、聖を傷付けた。 それだけははっきりと自覚している。 なぜなら、俺は聖の気持ちを知っていたからだ。 俺の中にあるもやもやとした想い。 今までに一度も感じた事のない感情。 どう受け止めればいいのかさえ分からない。 『人を愛する事を知らない俺が、女ではなく男にこんな感情を抱くはずがない』 心のどこかでそう言い聞かせている自分がいたのかもしれない。 大体、人を愛するというだけでも俺には信じられない感情なのだ。 その相手が女ではない。 そんな気持ちを簡単に受け止められるはずがないのだ。 きっとこの想いは何かの間違い。 そう、間違いであってくれと俺は願った。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows 98)@FLA1Aaf169.nra.mesh.ad.jp> |
| ドラマみたいですね。なんとなく生きてきたのに自分ではするとは思ってもいなかった恋をしてしかもその相手が男だったなんて。オレはやるだけの女はいないし彼氏もいないしこの世界のことよく知らないけどメールして下さい。メールで詳しい内容を聞きたいです。170*58*16の高1です。お願いします。 <DoCoMo/1.0/SO505i/c20/TB/W21H09@proxy108.docomo.ne.jp> |
| 何かすごい展開になってきたなぁ。まるでドラマみたいな感じでリアル感があるって言う感じ?(意味不明だ〜)良かったらメール下さいよ。俺は、160・50・17で高2ですよ。アドレスは上に書いてあるんで良かったらメールして下さいな。よろしく! ▼有紀さん: >翌日。 >俺は学校へは行けなかった。 >昨日の夜から行く気はなかったが、朝起きると更に行く気が失せていた。 >あいつのキスと告白の所為なのは間違いない。 >俺は頭の中がまとまらず、結局昼過ぎまでベッドの中で過ごしてしまった。 >気付くと、学校では放課後の時間。 >その時、ふと俺の脳裏にあいつが浮かんだ。 >「見学に来ない?」 >この一言と一緒に浮かんだ。 >俺は普段着に着替えると、足を学校の体育館へと向けていた。 > >体育館。 >入り口の辺りでこっそりと館内の様子を覗った。 >館内ではバスケ部とバレー部が練習に励んでいる。 >(馬鹿馬鹿しい) >俺の正直な感想。 >何の為にここにいるのか分からなくなり、俺は帰ろうとした。 >その時。 >「室生?」 >後ろから呼び止める聞いた事もない声。 >振り返るとそこにはバスケ部の部長が立っていた。 >俺は黙ったまま部長を見ていると、部長は性懲りもなしに喧嘩を売って来た。 >「お前みたいな奴にバスケなんてしてほしくないな。前の学校で何回停学になった?」 >馬鹿にしたようなこいつに俺はキレそうになった。 >確かに前の学校では喧嘩が原因で停学になった事は数え切れない。 >けれど俺だって自分から喧嘩を売るほど馬鹿じゃない。 >売られた喧嘩を買っただけだ。 >綺麗に言えば『自己防衛』。 >ただ喧嘩をした事には変わりはないのだから、別に俺は言い訳をするつもりもない。 >大体、人に喧嘩を売るならもっと強くなってから来て欲しいもんだ。 >そもそもこいつだって喧嘩を売ってるわりに強そうにも見えない。 >「停学の回数なんて数えてる奴いんの?」 >馬鹿にした言い方のこいつに、俺は挑発するように言い返した。 >いい加減、こういう馬鹿には飽き飽きだったのだ。 >案の定、こいつは俺の挑発に乗って来た。 >「聖に誘われたんだってな?いい気になるのもガラが悪い所為か?」 >つくづく腹の立つ野郎だ。 >「聖?」 >「うちのマネージャーだよ!」 >「ああ。あんたが襲い掛かって拒否した奴」 >この挑発には我慢の限界だったらしく、そいつはいきなり俺に殴りかかって来た。 >試合前の大事な時期、部長が暴力沙汰を起こすなんて根っから馬鹿馬鹿しいにも程がある。 >とは言ってもそいつの殴り方は殴り慣れていない。 >おそらく喧嘩なんてした事はないのだろう。 >痛くないと言えば嘘になるが、頭に響くほど痛くはなかった。 >そいつが俺を殴った瞬間、他の部員達が一斉に部長を押さえ込み、俺に謝って来た。 >「すまん!大丈夫か!?」 >「俺達がちゃんと言っとくから許してやってくれ!」 >2年に部長を押さえ込ませている間に、3年の先輩は俺に頭を下げる。 >後ろでは部長が俺に向かって暴言を吐いている。 >黙っていた俺が口を開こうとした時。 >「どうした?騒がしいぞ」 >俺の後ろからバスケ部の顧問がやって来た。 >3年部員達の顔色が一気に青ざめる。 >さすがの部長も今まで暴言を吐いていたのは嘘かのように大人しくなる。 >「ん?室生?どうした、ここ」 >顧問は俺の口元が切れているのに気付いた。 >「別に」 >「・・・・・。喧嘩か?」 >一旦黙った後、顧問は険しい顔と声でそう言った。 >部員の動きは凍ったように固まる。 >「部員達に怪我はない。とすると・・・誰にやられた?」 >俺に向けられた言葉。 >部員の3年達はもはや声も出ない。 >この時、俺が言えば確実にこいつ等は試合に出場停止。 >なのに俺は・・・ >「こいつ等の所為じゃない。ボールがぶつかっただけ」 >「ボールが?」 >「悪かったな、邪魔して」 >それだけ言い残して俺は体育館を後にした。 >もうこれ以上この場にいたくなかったのかもしれない。 >(来なきゃ良かった) >心の底からそう思う俺。 >けれど俺が壁を殴りかけた瞬間、聖の声がした。 >「室生君!」 >俺が振り返ると聖はまた息を整えている。 >「あの、ありがとう。言わないでくれたんでしょ?」 >「別に。言ったって俺には何の利もねぇし」 >「そんな言い方・・・でもありがとう」 >俺は聖の笑顔が嫌いじゃない。 >キスも嫌じゃなかった。 >背が低いこいつが悪い。 >口唇の柔らかいこいつが悪い。 >無邪気なこいつが悪い。 >俺に隙を見せるこいつが一番悪いんだ。 >俺は聖を壁に押し付け、無理矢理に口唇を奪っていた。 >「んっ・・・ッ」 >いきなりすぎて訳の分かっていない聖の口から洩れる声。 >その声が俺をさらに獣へと堕として行く。 >口唇を放すと、聖はかくん、として俺の方へ凭れ掛かった。 >「む、室生君?何?今僕達・・・」 >体中の力が抜けたように無防備な聖。 >不意にも可愛いと思ってしまった俺は相当の重病だ。 >「有紀でいい」 >聖の存在を確かめるように、俺は無意識の中で聖をぎゅっと腕の中におさめた。 >聖の混乱は未だに続いている。 >「ゆう、き?」 >名前を呼ばれた瞬間、俺は我に返った。 >今自分がした事、口走った事。 >その全てが走馬灯のように脳裏を駆け抜けた。 >俺は聖を自分から引き剥がし、口を押さえて後悔した。 >(俺は今何をした?こいつに何を言った?) >心臓がドクン、と脈打つのがはっきりと感じ取れる。 >恥ずかしいわけでもときめいているわけでもない。 >自分が信じられなかったのだ。 >「・・・悪い」 >その俺の言葉に、聖はきょとんとして俺の顔を見つめる。 >「何かの、間違いだ。こんなのおかしい・・・」 >聖が混乱の中に追い込まれている事すら今の俺には気遣ってやれなかった。 >俺は聖をそこに一人残し、家へと帰った、 >歩いているはずの足が物凄く重い。 >俺はきっと、聖を傷付けた。 >それだけははっきりと自覚している。 >なぜなら、俺は聖の気持ちを知っていたからだ。 > >俺の中にあるもやもやとした想い。 >今までに一度も感じた事のない感情。 >どう受け止めればいいのかさえ分からない。 >『人を愛する事を知らない俺が、女ではなく男にこんな感情を抱くはずがない』 >心のどこかでそう言い聞かせている自分がいたのかもしれない。 >大体、人を愛するというだけでも俺には信じられない感情なのだ。 >その相手が女ではない。 >そんな気持ちを簡単に受け止められるはずがないのだ。 >きっとこの想いは何かの間違い。 >そう、間違いであってくれと俺は願った。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; istb 644; (R1 1.3))@YahooBB218127048248.bbtec.net> |
| あくる日。 幸いにも土曜、日曜と続き学校は休みだった。 俺は内心、心底ほっとしていたと思う。 聖に会わなくてよかったからだ。 今、あいつの顔は見たくない。 いや、見る事が出来ないだろう。 俺は昨日起こった事を鮮明に思い出していた。 <どうして俺は聖にキスをしたのか> <どうして俺は聖を引き剥がしたのか> 自問自答を繰り返す俺をよそに、いきなり携帯が鳴った。 画面には女の名前。 むしゃくしゃしている俺にとっては好都合で絶妙なタイミング。 俺は迷わずその女と待ち合わせ、ホテルへと向かった。 「有紀・・・」 女は淫らな表情で俺の頬を触り、口唇を深く重ねる。 俺はただ見を任せるままにベッドに腰掛けていた。 上半身の服は前が肌蹴ており、口唇から離れたキスが下へと移動する。 女は自分で服を脱ぎ、下半身の下着一枚という格好。 普通の男ならここで誘われるように欲情するが、俺にはどうでもいい事だった。 性欲さえ発散させられるのなら。 女は俺のモノをズボンから取り出すと、口内へと遠慮なく含む。 sexの相手はおそらく俺だけじゃないこの女。 舌使いは上手い。 なのでいつもならこの辺で俺のモノは反応を始めていた。 けれどこの日は中々反応を見せない。 自分でも今日は無理だと自覚出来た。 「悪い。今日無理っぽい」 女も渋々sexは承諾してくれたが、イカせろと言う。 仕方なく俺は指やホテルにあった玩具を使ってその女をイカした。 俺が自分から女をイカしたのは初めて。 普段は相手が勝手にヤッて俺もイッて、それで終わり。 『愛』なんてものは微塵(ミジン)も感じられないsex。 けれど、それが俺。 最寄の駅まで送ってもらった俺は、そこから家までの路を辿る。 むしゃくしゃした気持ちは治まる様子がない。 俺は煙草を口に咥え、火を点ける。 一息煙を吐くと、どこから現れたのか、俺の進行方向に3人の男が立ちはだかる。 見覚えのない男達。 俺に用じゃないと思った俺は、そいつ等を素通りしようとした。 けれどまさかそんなはずもなく、男達が俺の肩を捕まえる。 「−−高校の室生有紀?」 この質問をされる時は、大抵喧嘩を売られる時だ。 sexで駄目なら喧嘩でウサ晴らしでもしようと思った。 案の定、そいつ等は前の学校で恨みを買ったらしい奴のいる族の奴等だった。 弱い奴ほど根に持つ。 俺は煙草を消すと、殴りかかって来るそいつ等の相手をした。 この時、俺一人なら充分余裕に勝てた。 なのに「あいつ」がいた。 「有紀!?」 聖だ。 部活帰りの聖がそこに立っている。 俺が聖に気をそらした時、相手の奴の拳を見事に喰らってしまった。 「ッテェ・・・」 「有紀!大丈夫!?やめて!」 あろう事か聖は俺と男3人の間に割り込んで来た。 もちろん、腕に自信がありそうにも見えないし、期待もしていない。 こんなに細い腕で人なんて殴れないだろう。 「お前ッ・・・どけ!」 俺は怒鳴りつけながら聖の首根っこを掴むと、勢い良く後ろへ投げ捨てた。 聖は尻餅をついていたが、今はそんな事に構っていられない。 俺の所為で聖にまで怪我をさせるわけにはいかなかったからだ。 マネージャーとは言え、聖も一応バスケ部員なのだから。 結局、聖はそのままただ呆然と俺の喧嘩を見つめているだけだった。 男3人は負けを認めたらしく、そそくさと退散して行った。 「ごめん・・・」 「・・・何でお前が謝るんだよ?ι」 俺は意外な聖の言葉に肝抜かれた。 「だって、有紀がからまれてると思って助けに行ったつもりが、有紀強いんだもん・・・」 「あいつ等が弱かっただけだろ」 俺は素っ気無くそう言うと、そのまま何事もなかったように家に帰ろうとした。 聖は何か話があったらしく、俺を呼び止める。 けれど俺は足を止めなかった。 こいつの言う事は、何も聞きたくなかったのだ。 聞けば自分の気持ちに何らかの答えが出てくるような気がしたからだ。 答えなんて、今は知りたくなかった。 それでも聖は意を決したように声を大にして俺に叫ぶ。 「有紀!どうして自分の気持ちをない物にするの!?」 図星をつかれた。 俺の足はぴたっと止まる。 「僕にキスしてくれたよね?それって、有紀も僕の事・・・」 「自惚れんなよ」 嬉々っぽく話そうとしている聖の言葉を、俺の冷ややかな言葉が遮る。 その瞬間、聖の言葉も凍りついてしまった。 今にも泣きそうな表情で俺を見つめてくる。 「俺は人を好きにはならない。女も男も。キスやsexくらい誰とでも出来る」 きっと聖にとっては衝撃的な事だとは思う。 けど、聖の知っている『俺』は一体どんな人物なのだろうか。 聖は『俺』を知らない。 だから好きだと言えるんだ。 「何なら、俺とヤルか?今から」 最低だ。 こんな事言うつもりじゃなかった。 俺は聖を傷つけて傷つけて、何をしたかったんだろう。 俺の言葉に、はっきり言って聖は泣くと思っていた。 そうでなければこの場を立ち去るか、俺を引っ叩くか。 けれど聖は信じられない行動に出た。 「いいよ。しようよ」 「・・・・・」 「sexしたら、僕の事好きになるかもしれないじゃない」 開いた口が塞がらないとはこの事だ。 まさか聖の口からこんな事を聞くなんて思いもしなかった。 しかもこの時の聖の表情は、今までの子供っぽさなんて微塵もない。 むしろ大人びて見えるほどに。 俺達はそのまま聖の家へと向かった。 俺は女を抱いた事はあるけれど、男との経験なんてもちろんない。 聖が初めてだ。 「遠慮なんてしなくていいから・・・好きにしていいから」 慣れた口調の聖に、俺は一つ疑問を持った。 (こいつは男とするのは初めてじゃないのか?) 俺は覚悟を決めてそのままを訊ねてみる。 「・・・僕は女の子と出来ないんだ。男に抱かれて善がってる奴」 俺はまたもや肝抜かれた。 そんな俺に聖は密着しながら聞いてくる。 「やっぱり、こんな僕は嫌い?」 「・・・いや・・・」 どうしていいか分からず、俺は聖のベッドに座ったまま。 聖を抱き締めるわけでもなく、引き剥がすわけでもない。 「俺」 服を脱ぎ始める聖に、俺はさっきの事を話した。 「さっき女と寝ようとした。でも、俺の勃たなかった」 聖は正直驚いた表情を見せた。 そして、くすっと小さく笑って俺の股間に顔を埋める。 「僕が勃たせてあげるよ」 聖の口内に咥えられた瞬間。 今までに感じた事のない快感を身体中で感じてしまった。 さすがに声は出さなかったが、すぐに俺のモノは準備万端になる。 「すごい・・・こんなに大きくなってる・・・」 聖は少々息を乱しながら、ごくりと咽喉を鳴らす。 物欲しそうな表情で俺を見上げる。 「ねぇ・・・入れてよ、僕に有紀の」 聖は言いながら、俺をベッドに横にさせ、自分のアナルを解し出す。 男が自分のアナルを弄っている所など、俺は初めて見た。 ショックのような、興奮のような、わけのわからない感情。 理性のぐらついた俺は、聖と身体を入れ替えた。 驚いたように見たのも一瞬、聖は俺の首に腕を回し、自分から躊躇いがちに足を開く。 その足を、俺は遠慮なく大きく開き、自分のモノを聖のアナルにあてがった。 「んっ・・・」 聖が小さく唸る。 少しずつ聖の顔色を見ながら、俺は中への挿入を続けた。 「痛くないか?」 「ん。大丈夫・・・もっと、いいから・・・ッ」 途切れ途切れの聖の声。 紅潮した聖の頬と口唇。 その全てで俺を誘う。 聖の中に全部を収めた俺は、あまりの熱さにさらに興奮した。 こんなに興奮したのは初めてだった。 欲しいなんて思う事も、初めてだった。 俺は聖の中に入ったモノの抜き差しを始める。 腰が自然に動いた。 聖も苦しがる様子は見せず、自分からも腰を振る。 俺は行為の最中、自然に聖にキスを落としていた。 もうこれは間違いなんかじゃない。 −−−こいつに惚れた・・・ 自覚した瞬間、もっと聖が欲しいと思う。 一度イッても聖を離せず、結局何回したんだろうか。 sexが終わった後、聖はぐったりとしている。 肩で息をしながら、瞳に涙を浮かべ、俺を見つめてくる。 「悪い。大丈夫か?」 「うん・・・有紀激し過ぎ・・・」 どこかからかうように言う聖が愛おしく思える。 俺はこの気持ちを素直に聖にぶつければいいのに、なぜか躊躇ってしまう。 「・・・何で俺なんだよ?」 「え?」 「別にお前、俺じゃなくても他に男いるんだろ?」 「・・・・・」 聖は黙り込むと、ゆっくりと起き上がった。 そしてゆっくりと話を始める。 「有紀は・・・優しいから」 「は?」 「sexの最中、何だかんだ言って優しかった。僕に負担掛からないようにしてくれてた」 優しいなんて言われたのは初めてだった。 こいつといると初めての事が多い。 (・・・あれ?) そういえば、と、俺はふと考え込んだ。 そういえば、俺は前にも一度、ある奴から優しいと言われた事がある。 小学生の時、よく泣いていた奴に言われた。 「ゆーくんって優しい。 誰も僕に話し掛けてくれないのにゆーくんだけは僕と仲良くしてくれるんだね」 俺はハッとした。 今、聖が言ったのだ。 「お前・・・」 「そう。僕と有紀、小学校一緒なんだよ。2年生で僕転校しちゃったけど」 聖・・・・・俺はやっと思い出した。 小学生の頃に毎日泣いていた奴の名前も確か「ひじり」。 背が低くて人見知りが激しく自分の気持ちをはっきりと口に出して言えない臆病者。 それが俺の印象。 そんな性格の所為で「ひじり」はクラスからいじめられていた。 いつも一人でいる「ひじり」を、俺はなぜか放っておけなかった。 泣き虫なこいつに苛々したし、もっと言いたい事を言えばいいのにと思った事も少なくない。 実際、面と向かって言った事がある。 「何で言いたい事我慢するんだよ?俺には何でも話すじゃない」 「言いたい事我慢してると本当に欲しい物は手に入らないぞ?」 はっきりと思い出した。 聖はあの時の「ひじり」だ。 「有紀がね、転校して来た時は本当にびっくりした。 僕は一日だって有紀の事を忘れた事はなかった。 久しぶりに会った有紀が僕の事なんて忘れてるって知った時はショックだったけど、 今度は有紀が言ったように、自分の気持ちを素直に伝えたいって思った。 だから僕はこんなにストレートに有紀に告白出来たんだよ?」 返事には困らなかった。 言葉の代わりに、俺は聖を腕の中に抱き締めた。 「sex慣れてたのはこの性格の所為。 中学でもいじめに遭っちゃって・・・それでヤられたんだ。 初めては有紀がいいって思ってたんだけど・・・」 笑顔を作る聖の表情が痛々しくて、俺は何も言ってやれなかった。 ただ、こいつに言いたい事ははっきり言えと言ったのが俺なのだから、俺も言いたい事をぶつけなきゃいけないと思った。 「惚れた」 その言葉に、聖はきょとんとして俺の顔を見つめた。 けれどすぐに俺の嫌いじゃなかった笑顔に戻る。 「本っ当に有紀ってストレートだよね♪その度に僕困ってたんだよ? ま、その直球に僕はやられたんだけど!」 どうやら聖には俺の気持ち、全部筒抜けのようだった。 俺は思う。 俺は一生聖には敵わない。 人を好きになるには、なろうとしてなれるもんじゃない。 本当に好きな奴は、知らずのうちに出来てしまうもの。 少なくとも俺はそうだった。 今までのsexの関係も、今までの俺の恋愛感覚も、全て聖の前では無となった。 「有紀の初恋って僕?」 にこにこ嬉しそうに言う聖。 虐めてやりたいと思い、俺は嘘をつく。 「いや?」 それでも聖には全部見透かされているようだ。 「僕の初恋は有紀だよ?11年越しの愛♪ ねぇ、有紀は?本当に僕じゃない?」 ちょっと拗ねたような聖に、褒美をあげるのも悪くない。 「そうだな。お前かも。ただし、まだ数分の愛だけどな」 まさか俺が『愛』を口にするとは思ってもみなかった。 けれど、聖のこの最高の笑顔を見る為なら悪くないと思う。 結局俺は、聖も「ひじり」も放っておけなかった。 意識していたのだろう。 もしかしたら、俺の初恋は「ひじり」で、11年越しの愛なのかもしれない。 ただし、今はまだこの事は聖には言わないでおこう。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows 98)@FLA1Aaf020.nra.mesh.ad.jp> |
| なんか、僕まで有紀さんに惚れそうっすよ!!!(鼻血ぶーーー!!!) <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98; Win 9x 4.90)@o200219.ap.plala.or.jp> |