途中コンビニに寄ることにした。
二人で、チューハイやおつまみを選んでいた。
孝太さんは、衛生用品のところに行くと、
「これも買っていくか!?」
と、ニコニコしながらコンドームを手に取って俺に見せてきた。
「か、勘弁してくださいよ〜〜(笑)」
本当に勘弁してほしい。
孝太さんは、見た目に似合わず時々本当に子どものような顔をして、冗談を言って俺を笑わせてくる。
仲良くなったからこそ知った部分なのだが、この無邪気な一面も俺が好きになってしまったところだ。
この人は、いったいどこまで俺を困らせたいのだろう・・・。
そうして二人で笑顔でじゃれながら選んでいると、恋人同士みたいなのにな〜と感じてしまい、そして、同時にむなしくなってしまう。
-----ノンケに恋しても、いいことないよ。
彼は、彼女もいるんだし、仲良くなって後で後悔するのは、自分だよ。お前 だって、その位気づいてるだろ。----
と、頭のどこからか聞こえてくる。
そんなことを考えながらも、笑顔で孝太さんと喋っていると
「あれ、昇さんじゃないですか??」
振り向くと、そこには祥大(しょうた)が立っていた。
こいつは、サークルの後輩でもあり、居酒屋のバイト先の後輩だ。
身長は、本人曰く170cmくらいあると言い張っているのだが、とても元気がよく、ちょこまかちょこまか動いているので、とても幼く見えてしまう。
入部当時は、その可愛らしいマスクで上回のマネージャーからキャピキャピはやし立てられていた。
ハンドボール未経験というのに、うちのサークルに入ったという珍しい奴でもあるが、もちまえの運動神経のよさと、サークル皆出席という努力者である。そういうやつだからこそ、バイトを探していると相談されたときに、迷わず俺のバイト先を紹介してやった。
「おお、ショータ。何してんだよ。」
「今、バイト帰りですよ!今日、早番なんで。最近、昇さん、サークルにも全然来てくれないし、バイトも入ってくれないから、僕、いじる人がいなくて寂しいんですけど〜〜。」
「すまんすまん。今、試験前で急がしくてさ。てか、先輩をいじり者にするな!!」
と、頭をクシャクシャとしてやると、ショータはイヒヒと笑いながら
「やめてくださいよ〜〜。てか、先輩こそ、ここでなにしてはるんですか?」
「え。えっと、俺は、、今から飲み行くんだよ。ここにいる先輩と。」
と、目で隣にいた孝太さんに、すいませんとばかりに目線を送った。
孝太さんは笑顔で会釈してくれた。
すると、ショータは俺の手を頭から離して、体制を整えると
「誰ですか、この人。」
と、俺に聞いてきた。
「この人じゃない!口の効き方に気をつけろ。この方は、院生の孝太さん。」
孝太さんは、優しい笑みで
「どうも。大学院にいってる滝本孝太です。今日は、昇君と家で飲むんだよ。」
右手を出して、ショータに握手を求めていた。
ショータは、一瞬戸惑ったものの、それに応じ、右手を出して軽く握手した。
「ど、どうも、昇さんの後輩の菊崎です。先輩がお世話になってます。」
「ということで、俺は今から飲みだから、お前は、早く帰れよ。」
「えー。俺も飲みに行きたいな〜〜。」
俺は孝太さんが余計な返答をしてしまう前に、
「ダメだ!お前来たらうるさい。また、誘ってやるから今日は大人しく帰れ。」
と、強めに言った。
他の奴にはしないのだが、俺の前だと、すぐにダダをこねるので、これだけでは去ってくれないじゃないかと思ったが、ショータは
「えーー、じゃあ今度先輩の家に飲みに行きますから!」
と、割かしすんなりと引き下がった。
「分かった分かった。いつでもこい。」
めんどくさそうに答えると、ショータは観念したらしく、「それじゃあ、失礼しまーーす」と言って立ち去ろうとした。
しかし、2歩くらい歩いたところで立ち止まり、振り向くと
俺の隣にいる孝太さんに向かって
「滝本さん。先輩は、チーカマ好きじゃないんで、良かったらそれ戻してあげてください。」
と言ってきた。
あいつ、余計なことを。
孝太さんは、
「あ〜、そうだったんだ。ごめんごめん。戻しておくよ。」
「いいっすよ。食べますから。ショータ、余計なことを言うな。」
「だって、本当のことじゃないっすか」
と、ニヤニヤと笑いながら答えた。
孝太さんは、ショータに向かって
「おしえてくれて、ありがとう。菊崎君。」
と笑顔で言うと、ショータも
「いえいえ、こちらこそ。」
と答えた。
笑顔で二人とも口にしたものの、その後の一瞬だけ、ほんの3秒くらいだけだったが、二人の間に沈黙が続いた。二人とも真顔でお互いを見つめあっていた。
横からその光景を見ていた俺は、何か、その数秒の沈黙がとても長く感じた。
「それじゃ、今度こそ失礼します。」
と言って、ショータは去って行った。
「なんか、すいませんでした。礼儀のなってない後輩で。」
「昇君て、後輩からとても慕われているんだね。」
「そんなことないっすよ。あいつだけ、馴れ馴れしくて。」
孝太さんは、俺には目を合わさず、去ってしまったショータのほうをずっと見つめていた。
俺らは、その出来事の後、間もなくしてアパートに向かった。
孝太さんの部屋は、いたってシンプルだ。
白の壁紙に黒を基調としたテーブルや小物達。
本棚には、参考書などがキレイに陳列されてある。
冷たい感じもするが、やはり知的な孝太さんのイメージにピッタしだ。
「キレイに片付いてますね〜。普段から、こんなにきれいなんですか?」
「違う違う。いつもはもっと汚いよ。昨日、たまたま掃除したんだよ。」
と、『たまたま』の部分を強調して、照れ臭そうに答えた。
孝太さんは、友達からもらったいう白ワインとコップをテーブルに置くと、エアコンのスイッチを入れた。
「この時期になると、夜でも熱いな〜〜。」
「そうっすね。俺も、毎晩エアコンつけっぱで寝ちゃいますよ」
「だよな〜。俺も、ほぼ裸みたいな格好で寝るよ(笑)まだ、エアコン効かないな〜〜」
と、孝太さんはパタパタとTシャツを扇ぎ、風を送っている。
チラッと見せるお腹と、袖から見える脇の茂み。
すべてが艶めかしく見える。
こんなことでは、お酒飲んだら歯止めが利かなくなってしまうじゃないだろうかと、とても心配になった。
しかし、俺以上にムラムラしていたのは孝太さんの方だったことを、この後思い知らされる。
「じゃあ、飲むか!」
「そうっすね!飲みましょう!!」
と、コルクをキュポンと抜き、孝太さんは俺のグラスにワインを注いでくれた。
「そういえば、昇君。来週から試験だろ?誘ってしまったけど、今日、飲んでも大丈夫だった??」
「大丈夫っすよ。来週から試験期間ですけど、来週は般教しかないんで、山場は再来週っす!!」
「そっか、じゃあ今夜はがっつり飲めるんだな!?」
笑顔で聞かれたので、俺もノリの良い笑顔で
「もちろんすよ、兄さん!!今夜は付き合いますよ!!」
と、同じくらいの笑顔で返してやった。
1時間位たっただろうか。時刻を見ると11時を過ぎていた。
二人ともほろ酔い気分になっていた。
「良い感じに酔ってきたな〜〜。昇くん、顔赤いぞ〜〜。酔ってるだろ〜〜」
「俺は全然大丈夫っすよ。それより孝太さんのほうこそ大丈夫っすか?!」
俺は、酒を飲むと顔が赤くなるが、そんなに酔わない。
孝太さんはというと、どうも俺の逆らしくて、顔にはそんなにでていないが目が座ってきている。
「おう。まだ大丈夫。あ〜〜、エアコンつけてるのに暑いな〜。」
団扇で、扇ぎながら言うと
「そうだ。着替えるわ。ジーンズじゃ暑いから、短パンに履き替える。悪い。」
「どうぞどうぞ。ここ、孝太さんちですし。」
というと、孝太さんはベッドの上に脱ぎ捨ててあったパジャマにしているだろうハーフパンツに履き替え始めた。
何もためらうことなくベルトに手をかけ、ジーンズを脱ぎ始める。
男同士だから、当たり前なのだが、目が釘付けになってしまう。
孝太さんはおぼつかない足取りでジーンズを下まで下した。
白と黒のシマ模様のローライズが現れる。こちらを向いて着替えているので、股間の部分が丸見えだ。パンツ越しでも、孝太さんのアソコはデカいことが確認できた。竿の部分がシルエットとして、はっきりと上を向いている。
酔っているからだろうか。少し起っているような感じがする。俺は、孝太さんの視線も気にせず、アソコと、白くてとてもキレイな足に見入ってしまった。
孝太さんは、俺の視線に気づくわけもなく、マイペースに足にかかったジーンズを脱ごうとしていた。
しかし、酔っているため片足で立って、もう片足を上げてジーンズを脱ぐという作業が上手くいかなく、片足でフラフラしている。
俺は見かねて
「孝太さん、大丈夫っすか!?ベッドに座って脱いだらどうっすか?」
と聞くと、
「だいじょうーぶ・・だから」
と、こちらに垂れた目を向けて笑顔で返答した。
と、その瞬間
「あっ!!」
顔あげたせいで、バランスを崩してしまい、そのまま前に倒れてきた。
「っ!!」
咄嗟の事だったので、俺も支えることができず
孝太さんは俺に覆いかぶさるように倒れてしまった。