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you
- 10/12/25(土) 21:39 -
「人多いなーー。」
ここは、市立図書館。
夏休み中ということもあって、勉強をしにきている中高生や、紙芝居を読んでる親子や難しいそうな文献と睨めっこしている老人などで、寂れた図書館も賑やかだった。
俺は、実家での生活があまりにも暇すぎて、家にいても親が何かとうるさいので、
よく高校生の頃に受験勉強しに来ていた図書館に来ていた。
いくつか気になる小説を立ち読みし、机へと持っていった。
高校のときに良く使っていた席に座った。
この席は、窓の景色が良く見える。
とても懐かしい気持ちになる。
ミーンミーーンミン・・・・。
ミンミンゼミの鳴き声が外の景色をより鮮やかにしてくれる。
昔、誰かに聴いたことがある。都会にはミンミンゼミは少なく、アブラゼミが多いと・・・。
確かに、京都じゃアブラゼミの泣き声しか聞いたことないよな。
なんて考えながら、外の景色を見ると、大きな入道雲が夏を喜んでいるかのように広がっていた。
(夏だな〜〜〜〜。)
小説を読みふけっていたら、もう二時間経過していた。
俺は、借りない本を戸棚に返しに向かった。
すべての本を戸棚に返し、席へ戻ろうとしたとき、旅行雑誌コーナーに目が行ってしまい、立ち止まった。
そこには『夏の京都』と題された雑誌が何冊か置いてあった。
ふと、表紙に目が止まった・
嵐山の竹林がアップになっていた。
「夏の嵐山、二人でいこうな。」
「そうっすね!!!夏の嵐山、俺好きなんですよ〜〜。竹林の雰囲気が。」
孝太さんとの会話を思い出してしまう・・・。
(心配してるかな・・・孝太さん・・・。)
そう思い、携帯を開く。
でも、やはり電話もメールもできなかった。
俺は、目の前にある嵐山が表紙のガイドブックに手を伸ばした。
まるで、孝太さんに触れるように・・・。
と、その時、同じタイミングで同じ雑誌を取ろうとした人と手が重なってしまった。
「す、すいません。どうぞ」
俺は赤面して、下を向きながらその本を先に譲った。
しかし、その人も
「いや、ただ興味があっただけなんで、どうぞ。」
そんなこと言われたら、どうぞどうぞな状況になって困るじゃんか
なんて思いながら、とりあえず顔を上げた。
そこには見覚えのある顔があった。
「あ・・・。もしかして、磯崎コーチ!?」
その人も顔を上げると、驚いたように
「おお!!昇じゃないか!!」
「コーチ、久しぶりです!!めっちゃ久しぶりですね!!」
「ホントだな。お前が中学校卒業していらだから7年ぶりくらいか・・・。
大人になったな〜〜〜。うん。」
「コーチこそ、全然変わりませんね!!今でも続けてられるんですか?」
「もちろん!!もう昔みたいにスイスイ泳げないがな・・。」
そう照れ笑いする姿も昔と全然変わっていない。
磯崎コーチは俺が、小中と通っていたスイミングスクールのコーチで、
特に中学校の三年間はこのコーチにみっちりと扱かれた。
外見は、白熊のように白くて、水泳のコーチなのでそこまで絞まっておらず、
よく「白クマさん」と言って、からかっていた事がある。
垂れ目でいつもニコニコしているだけあって、性格も超温厚で、
スクール引退式のときに、スクール生よりもワンワン泣いていた。
そんなコーチが俺は大好きで、コーチからもとても可愛がってもらった。
俺らは、近くのベンチに座って昔話に花を咲かしていた。
「昇、なんで高校でも続けなかったんだよ」
「やだな〜〜、何回も言ったじゃないですか。新しい競技に手を出してみたくなったって。教えてくださった磯崎コーチには悪かったですけど。」
実際、もう俺のタイムは県レベルでも通用しないとこまで下がっていた。
本当は、磯崎コーチのもとで続けたかったのだが、これ以上 タイムがあがらないまま泳ぐのも嫌だったし、タイムが出る度に磯崎コーチが一生懸命メニューを作ってくれるのも、それでも結果が出ず
「次、がんばろうな」
と笑顔で励ましてくれるコーチの顔を見るのが辛くて仕方なかった。
だから、中学卒業とともに辞めた。
相当、コーチからは止められたのだが・・・。
と、コーチの薬指にキラリと光るものが見えた。
「コーチ、結婚されたんですか??」
おぉと気づき、指輪を遠い目で見るように話した。
「俺ももう29歳だからね。いつまでも独り身は寂しいし。子供もできた。」
「子供まで!?てか、磯崎コーチ29歳だったんですか!!全然見えない!!」
「そうか〜〜。もう世間ではオッサンの年だよ(笑)
そうだ、昇、いつまでこっちにいるんだ?」
「え、まだ決めてないですけど。そんなに長くないっすよ。」
「じゃあ、近いうちに飲もう!!家に呼んでやるよ!!」
「いいすね!!ぜひ、飲みましょう!!俺、コーチとお酒飲むのが夢だったんですよね!」
「うれしいこと言ってくれるじゃないか!てか、昇がお酒飲める年とか、俺も老いたな〜〜」
「やめてくださいよ、夏に合わない湿っぽい話(笑)」
「そうだな!!」
コーチはガハハと笑い、俺も一緒になって笑った。
帰り際に、連絡先を交換して俺は図書館を後にした。
バスで来たが歩いてもいける距離なので、俺は歩いて帰ることにした。
7月の下旬ということもあって5時を過ぎているのに、まだ明るい。
少年たちが、笑いながら自転車をこいでる。
「いつまでも独り身は寂しい・・・か。」
磯崎コーチの声が頭をよぎる。
いつからだろう。。。
祖母の老いを感じてから
就活をしてから
両親の見えない圧力を感じてから
周りの友達と将来について話すようになってから
今後の人生について考えてしまう。
俺は、あと数年後何してるんだろう?
子供は?
そもそも、こんな不安定なセクシャリティの奴が結婚なんて考えていいのか、、、
そんなことを考えながら、少年たちを見つめる。
あの頃に、
なんにも不安なんて、将来なんて考えてなかったあの頃に戻りたいな・・・。
立ち止まり、空を見上げる。
まだ空は明るく、雲が伸び伸びと動いていた。
「やめた!!!!こんなこと考えたら、鬱になるわ!!
とりあえず、目先の問題から解決しなっ!!」
俺は、リュックをしっかりと背負って、家まで思いっきり走り出した。
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you
- 10/12/25(土) 22:21 -
ひんさん、みやびさん、なりさん、タクさん、そしてダイスケさん
コメントありがとうございます。
ずっと、更新できなくてすいませんでした。
今日はクリスマスですけど、返上で描いてみました。
読んだ方、どうでしたか。
新たな登場人物に、繋がってきた人物図、
そして、今後を匂わせる布石をおいときました。
年末までに終わらせてやる!!
は、どうも予定的に無理そうになったので。。。
まさかこんなにも物語が進むと思っていなくて(笑)
これからも長く(かな?)お付き合いくださると、光栄です。
軽いコメントでもやる気出るんで、お待ちしております。
では、メリクリ!!
Toダイスケさん
いつもコメントありがとうございます。
僕も、昨日ショックなことがあったんですけど、逆に今日はよい事がありました!!
ですんで、明日は明日の風が吹く!じゃないですけれども、そんなに落ち込まずにやっていきましょう(^_^)
ごめんなさい、ポジティブすぎて(汗)
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.13) Gecko/20101203 Firefox/3.6.13 ( .NET CLR 3.5.30729) @FLH1Adl010.szo.mesh.ad.jp>
なんか同い年なんでその気持ちわかるすわー笑
やぱこの歳なったら友達とかとそゆ話する機会多くなりますよね苦笑
ってかやぱ嵐山は夏気持ちいいすよね!
まあ言うて冬でも好きなんすけどね笑
続きがんばってください!
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すごくいいです!!
本当にありがとうございます!!
<KDDI-SH38 UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.3.351 (GUI) MMP/2.0 @07012330183097_hg.ezweb.ne.jp>
孝太さんが凄い気になります〜!!!
楽しみです☆
年末年始は海外ですが、海外からも見れるように携帯を海外パケ放にしました(^_-)-☆
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you
- 10/12/26(日) 14:05 -
>なりさん
共感してもらえて、うれしいです!あれ、俺の心境も入ってたりするんですよね〜〜(笑)
季節外れで、こんな寒い中、想像するの難しいかと思いますが、
夏の竹林を思い浮かべながら読んでくださると、幸いです!!
>けんさん
初コメ?ありがとうございます!
これからもよろしくお願いしますね!
>たくさん
孝太さんが、いつ、どこで出てくるか楽しみにしててくださいね(笑)
海外パケホハイってくれたんですか!?
なんか、申し訳ないです(笑)
年末も頑張って更新していこうと思うんで、よろしくお願いします。
今日は、拓斗編と実家編を一話ずつくらいアップしたいと思うんで、
年末の掃除がてらに楽しんでもらえると光栄です!!
p.s 今高校駅伝が京都市内でやっています。僕の家の隣もコースになってて、賑やかですよ(^_^)
you from KYOTO
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裕貴(ゆうき)
- 10/12/28(火) 13:31 -
「図書館での恋」をいつも読んでます。楽しくワクワクそしてドキドキをしてどんな恋の展開や孝太さんの複雑化になってしまう…展開が大きく揺れていたなと感じました。
やはり好きな人が出来たら彼女には付き合えないとか説明をするのはなかなか言えにくいし難しいところがあると思います。ただ、好きな人が出来たらだからと言って何でも彼女とすることがないと思います。だからまずはお互いがよく話し合ってじっくりと僕のこととかあなたの気持ちがどうなるかをはっきりと言った方が良いと思います。
でも良かったですよ!ボクもね、ノンケが恋をしたことがあるから気持ちも複雑もあるからね。
早く彼氏を見つけたくてね…(笑)。今ね、27歳だけど来年の1月で28歳になりますけどもうそろそろ恋の実りを弾けたいですね。
1ヶ月位でこんなに続くのはスゴイと思いました。是非、続けて頑張って下さい。展開のことが気になりますから(笑)。
<DoCoMo/2.0 P906i(c100;TB;W24H15;ser353707020844414;icc8981100000622046532F) @proxy10052.docomo.ne.jp>
カラオケに来て二時間が経とうとしている。
「叶いもしな〜〜い!この〜〜〜願い〜〜〜♪」
ショータはぶっ通しで歌いっぱなしだ。
時々、俺も曲を入れるのだが・・・
「なんだよ、拓斗。今日、全然歌わないじゃんか!」
と、何杯目であろうウーロン茶を飲み干すと俺に尋ねてきた。
「お前なー、そんなことよく言えるよな。
お前の歌ってる曲、失恋ソングばっかで歌いにくいわ!」
「えー、そうか。」
「えー、そうか。じゃねえよ!
この先の予約曲見てみろよ!!First Loveにnaoって・・・。王道まっしぐらじゃないかよww」
俺はDAMの機会を指差した。
すると、ショータは、急に今にも泣きそうな顔になって
「だって・・・だって・・・。」
俺は、こいつが泣くと厄介なのを知っているので慰める気持ちで、トーンを下げて言った。
「なんかあったんじゃないの?話、聞くし。
歌ってるばっかじゃ、気も晴れないよ」
と、声をかけると
「うっ。。う。。。、たくとぉ〜〜〜〜」
案の定、泣き出してしまった。
今夜、長くなりそうな匂いがした・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「それで・・・お前の大好きな昇先輩が、コンビ二で男と仲良くしてて、昇先輩をその男に取られたと思った。と・・・。
正直、それだけじゃあ、ただのショータの勘違いだって!心配して、損したわ。」
俺は、ジョッキ半分残ったハイボールを勢いよく飲み干した。
カラオケだとゆっくりと語れないということで、居酒屋に移動し、
女子会ならぬ男子会を始めていた。
「だって、『昇、好きだよ』オーラが出てたんだって!!
しかも、それだけじゃないって!!俺、その男に威嚇されたもん!!」
「威嚇って?」
酒の弱いショータは、梅酒のソーダ割をギュッと握り締めながら、グラスの中身を見ながら話した。
「俺が、昇さんがチーカマ食べれないんで買わないでくださいって、その男に言ったら・・・威嚇された。」
「どんな?」
「睨む・・・というか、すごい眼差しで俺を見てきたんだって!!
だから、俺もにらみ返してやったけどさ!」
「はあ。。。」
俺はため息をつくと、話し始め。
「ショータ、それはただのゲイの被害妄想だよ。
だいたいな、そんなに悩むんだったら昇先輩に告白すればいいじゃんか!
俺は、昇先輩に会ったことはないけれども、ショータの話聞く限りではスゲー面倒見のいい先輩だし、
本当のこと打ち明けても、その事実はちゃんと受け止めてくれると思うよ。
結果はどうであれ・・・。」
するとショータは、ボソッと
「無理だよ・・・。
やさしいからこそ、言えない。
きっと、昇さんのことだから受け止めてくれるけど・・・それであの人に気を使わせたくないし、そもそも、今の関係が崩れてしまうのも、嫌だ!!
だったら、ずっと片思いしていたほうが、気が楽だ・・・」
「そういうもんなのかな〜〜。
まあ、だいたいノンケに恋するってのが、辛いよな〜〜」
「ホンマに。」
俺らは、冷め切ったポテトをほお張りながら、お互い物思いにふけってしまった。
「でもまあ、好きになる相手が昇先輩でよかったな!」
「まあね。昇さん、やさしすぎなんだもんな〜〜」
と、さっきまで泣きそうになっていた奴が、照れくさそうにグラスを眺めた。
「でも、やっぱし、あのコウタって男、怪しすぎる。
絶対、昇さんのこと狙ってるに違いない!!」
「コウタ!?
その男の人、コウタっていうの?」
俺は、まさかと思いつつも、そんな偶然はないよなと思いながら聞いた。
「そうだよ、素性はよく知らないけど、院生らしいよ。
ちょっと背が高いくらいで、いい気になりやがって・・・」
まさか、そんなことはないよな。
でも、ショータと昇さんが通っている大学は確か一緒なはず。
美咲姉が通っている大学院もショータと一緒の大学・・・。
となると・・・
ショータ⇒昇さん⇒コウタさん?⇒美咲姉⇒俺
という関係で、繋がっている??
いや、まさかそんなことはないよな。
コウタなんてそこらじゅうに沢山いるしな・・・。
「なーに、ボーっとしてるんだよ」
ショータがマドラーで俺を突っついた。
「いや、ただ考え事。」
「あ、Hな事考えてただろ?」
「お前と一緒にするな(笑)」
と、二人でクスクス笑いあいながら、届いた熱燗で乾杯した。
「ところで、拓斗。明日何にもないっしょ!?」
「特に用事はないけど。」
「じゃあ、これ飲んだら、久しぶりに祇園のゲイバー行こうよ!!」
「久しぶりって、俺まだ一回しかいったことないんだけどね・・・」
「そうだっけ!?とりあえず、この話をママにも聞いてもらわなきゃ!
拓斗も、付き合ってくれるよな!?」
「はいはい、りょ〜〜かい。」
一気に飲み干すと、熱燗がのどを焼きつけた。
本当に今夜は、長くなりそうだ。
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.13) Gecko/20101203 Firefox/3.6.13 ( .NET CLR 3.5.30729) @FLH1Adl010.szo.mesh.ad.jp>
まってました!!!!
毎回凄く楽しみにしています(^ω^)
展開も面白くなってきたし
ますます楽しみです
頑張ってください!!!応援してます。
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ゆうきさん、よしさん、ゆうさんコメントありがとうございます。
そして、皆さん 遅れましたが
明けましておめでとうございます。
youです。
年末から卒論に追われており、全く更新ができてませんでした。
すいません。
そして、今も追われています。
間に合うのかな・・・(笑)
うまくいけば(というか、うまくいってもらわないと困るんですが)、1/12くらいにまた更新スタートできると思うので、
しばらくお待ちください(=゜-゜)(=。_。)
それでは、本年もよろしくお願いします。
京都、激寒っ!!!
you
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あけおめです!!!
卒論大変ですね(>_<)
頑張ってください!!!
気長に更新待ってます。
楽しみにしてますね(*^^*)
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あー、卒論すか!
お疲れ様です!!
ゆっくりでいいんでがんばってください!
ってかマジ京都寒いすよねー汗
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家に着くと、そのままの勢いで部屋まで走り、ベッドにダイブした。
いつもそうだ。
いろいろ考えてしまうと、嫌な方向にいってしまうのは目に見えているから、避けて考えないようにしている。
-----今が楽しければ、それでいいじゃん。
先のことなんて、考えたって仕方ないよ。------
でも、
今のこと、これからのこと、もっと先の将来のこと、
いつかは考えて結論を出さないといけないことも分かっている。
「あ〜〜〜〜〜〜。」
頭をくしゃくしゃとかきむしって、枕に顔を押し付けた。
ふと、横を向くと勉強机の上にかりんとうが皿に盛られて置いてあった。
近くにいってみると手紙が置いてあった。
『図書館まで勉強おつかれさまです。
おやつに食べてください。
ばあより』
「ばあちゃん・・・・」
俺は何かこみあげてくるものを感じた。
共働きだった親にかわって、保育園の送迎から、俺の子守をずっとしてくれたばあちゃん。
ばあちゃんにはどんなにわがまま言っても一度も怒られたことはなく、俺が何をしても、親からどんなに反対されてもばあちゃんはいつも
「昇ちゃんの好きなようにしなさい」
と言って、俺の味方をしてくれた。
短い文章であるが、ばあちゃんの気持ちが伝わってきて、
とても暖かい気持ちになる。
さっきまでいろいろ考えていたので、
不意に涙が出そうになった。
俺は、強く鼻から空気を吸うと
「ばあちゃんに、お礼、言ってこよ」
と、部屋を出ようとした。
〜〜♪♪
メールの受信音が丁度よく鳴ったので、確認すると
さっき別れた磯崎コーチからであった。
『今日は、久しぶりに昇に会えてうれしかったよ!
急なんだけれども、明日の夜とか空いているかな?家で飲まないか?』
明日は、特に予定もないし、丁度明後日くらいに京都に帰ろうと思っていたので、俺は
『急ですね(笑)
もちろん、いいですよ!お邪魔させていただきます。』
と返事を返した。
すると、すぐに
『じゃあ、明日の7時に家に来てくれ。場所はあのスイミングスクールのすぐ隣にある〜〜マンションだから。』
コーチ、あんなところに住んでいたんだ、と思いつつも「分かりました」と返して、メールを切った。
「そういえば、お子さんいるっていってたけど何歳くらいなんだろ〜〜。なんか手土産持っていかんきゃな。」
と、考えながら俺は階段を降りていった。
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.1; ja; rv:1.9.2.13) Gecko/20101203 Firefox/3.6.13 @p7208-ipbfp01kyoto.kyoto.ocn.ne.jp>
卒論お疲れです。どんなテーマなんですか?
久しぶりの更新でうれしいです!また新たな展開の予感ですね!
<SoftBank/1.0/831SH/SHJ003/SN359401022391483 Browser/NetFront/3.5 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1 @w62.jp-t.ne.jp>
『あの』図書館に缶詰になること2週間!!
たさん、ゆうさん、なりさん、そしてダイスケさん。
励ましのコメントありがとうございました。
無事に卒論終えることができました!
いや〜、よく間に合ったと自分でも驚いてますミ・
さて、今日からまた更新がんばっていきたいと思いますので、また読んでくださると幸いです。
なかなか展開的にも面白くなると思うので、ご期待(とは言いすぎで、恐縮ですが)ください。
p.s. ダイスケさん、卒論は行政関係でしたよ〜。
法律関係ではやっぱし書けませんでした(笑)
you sent in a graduation thesis!!
<KDDI-SN3I UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.3.352 (GUI) MMP/2.0 @05001032050832_mi.ezweb.ne.jp>
りょうた
- 11/1/13(木) 22:50 -
はじめまして。ずっと楽しみに読んでました。
卒論の気晴らしに読んでたのに作者が卒論で書けなかったとは(笑)
とりあえず卒論お疲れ様です!
これからも楽しみにしてるんで頑張ってください!
<KDDI-CA3E UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.2.234 (GUI) MMP/2.0 @05004012422113_vr.ezweb.ne.jp>
「だったら、告白しちゃえばいいじゃない。」
「だ〜か〜ら〜、それができないんだから困ってるんだって、ママ〜〜」
「ホンっと、学生の恋って、くだらないわね。
そんなの悩んでるんだったら、違う男探して寝たほうが、ずっと時間の有効利用よ!!」
「うう・・・・。」
〜〜〜♪
〜〜♪〜〜〜♪〜〜
〜〜〜〜♪〜〜〜〜♪〜
踊る君を見て 恋が始まった
あなたの髪にふれ 私ができること
何だかわかった
〜〜♪〜〜〜〜♪〜〜〜〜
〜〜〜〜♪〜〜〜〜
〜♪〜〜〜〜
薄暗い店内で、globeのCan't Stop Fallin' In LoveがBGMとして流れている。
さっきから90年代の曲しか流れていない。
きっとママのチョイスで、ママが全盛期だったころの曲を流しているんだろう。
ショータには「過去のことなんか忘れて、次見つけなさい!!」的なことを言っているが、ママだって昔に浸っている。
きっとショータに言っていることは、ママも自分に言い聞かせるように言っているんじゃないか。
そう思ってしまったら、熱弁しているママの姿が可愛らしく見えた。
「ちょっと、拓斗。なに、あんた、人の顔見てニヤニヤ笑ってんのよ。
気色悪いわね〜〜。」
「いや、別に。ただの思い出し笑い。」
「大丈夫かね、この子は。ほら、ショータ!あんたも拓斗見習ってシャキっとしなさい!!」
「うーーー」
「駄目だわ、この子。しばらく放ってきましょう。
ところで、拓斗は最近なんかないの??」
踵を返すように、今度の標的は俺になったみたいだ。
「ないよ。俺は・・・。」
ジントニックをマドラーでカラカラとかき回す。
「あんた、前来た時も、なんにもないって言ってたけど。
学生なんだから、好きな人くらいはいるんじゃないの?」
すると、ショータがむくっと起き上がり
「ママ、こいつにその手の話振っても面白くないよ!
好きだった男にヤリ捨てされてから、恋愛恐怖症なんだって!!」
「ショータ、余計なこと言うな!!」
「あら、そんな面白そうな話題があったの!?なによ、聞かせてよ!」
ママが身を乗り出しながら、聞いてくる。
俺らはカウンター席に座っているのだが、あまりのママのハシャギぶりに他のお客さんもこちらを見ている。
「なんでもないよ。ただ、ショータが言ってるだけだから。」
それを聞いたショータは、はカウンターにうつ伏せになりながら
「恋愛恐怖症って言うけど、
ようするに、まだ前の人を忘れられないんでしょ・・・。」
と言って、眠りの世界に行ってしまった。
俺は、何も言えずに残ったジントニックを見つめた。
ママはそんな俺の表情を見ると、
「さ!今夜は久しぶりに拓斗が来てくれたんだから、歌うわよ〜〜。
ヒロキ、いつものあの曲いれてちょうだい!!」
と言って、話題をそらしてくれた。
結局、隣で寝てしまったショータを横目に、朝方までバーの人たちとカラオケなどで盛り上がってしまった。
翌朝5時、俺はショータをたたき起こして、店を後にした。
帰り道、ショータは
「なんで起こしてくれなかったんだよ〜〜。俺だけ除け者やんか〜〜。」
と、完全にふてくされていた。
でも、昨日 あれだけ喋って飲みつぶれたおかげで、どうやら少しは気が晴れたようだ。
「ママがまた遊びにおいで、だって。」
「あったりまえじゃん!!今度は、拓斗の話で盛り上がらなきゃな!!」
「俺の話はいいよ。。。」
すると、さっきまでヘラヘラしていたショータは急に
前を向いている俺の顔を覗いた。
「なー、まだ忘れられないのか・・・。あの人のこと。」
「・・・。なんだろうね・・・。こんなにも時間がたったのにな。」
「そんなに焦らなくていいんじゃね。ゆっくりさ。いい人、見つかるといいね。」
「そーだな。」
俺はまだタクシーしかいない朝方の静かな道路を見ながら、答えた。
すると、ショータは朝には似合わない大きい声で
「じゃあ、とりあえず腹減ったから、朝マック行こうぜ!!俺腹減ってしにそーー。」
相変わらず、テンションが読めない子だ。
そんなショータが、俺は好きなんだけど。
「お前って本当によく食うな〜〜〜(笑)」
と、いつもの調子で俺らはマックへと向かった。
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.1; ja; rv:1.9.2.13) Gecko/20101203 Firefox/3.6.13 @p7208-ipbfp01kyoto.kyoto.ocn.ne.jp>
さっそくありがとうございます!気になる伏線ばかりですね。楽しみです!
法なのに(ですよね?)卒論って珍しいくないですか?大変だったと思います。ほんとお疲れっした。
<SoftBank/1.0/831SH/SHJ003/SN359401022391483 Browser/NetFront/3.5 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1 @w12.jp-t.ne.jp>
「じゃあ、行ってくるから。」
そういうと、台所からドタバタと母さんが箱を持って走ってきた。
「あ〜〜、ちょっと待って。コーチにこれ渡して。
暑中見舞いでもらったゼリーのセット。ゼリーだったら小さい子でも食べれるから。
あんた、お子さんいるんだから迷惑にならないように早く帰ってきなさいよ」
「分かってるって。行ってきます。」
「はい、いってらっしゃい」
俺は、家から出るとチャリに乗ってコーチの家へ向かった。
コーチの家まで、というよりスイミングスクールまでは、だいたい車で10分程度。
しかし、裏道を使うと自転車でも15分かからずに行けてしまう距離だ。
俺は、高校以来に乗るマイ自転車をこいでスイミングスクールまで向かった。
案の定、久しぶりの道だったにも関わらず、10分少々で着くことができた。
腕時計に目をやると、7時前を指している。
さすがに、8月に入るといっても7時になるともう周りは暗い。
しかし、まだうっすらと夕暮れの明かりが残っていて、遠くの山まで確認できる。
俺は夏の夜が一番好きだ。
冬のように星空がキレイに見えるほど透き通った空気ではないが、
真っ暗ではなく、昆虫たちの泣き声をBGMにしながら
時間をゆったりと使える。
物思いにふけるには、一番いい時期、時間帯であると思う。
コーチのマンションの部屋まで来ると、オートロックのインターホンを鳴らした。
外見は、新しめのしっかりしたマンションだ。
コーチ業って、意外に儲かるのか?いや、きっと奥さんも共働きじゃなきゃ、こんなとこ住めないよな〜〜とか考えていると、コーチが出た。
「はい、もしもし。」
「昇です。今つきました。」
「おー、オンタイムだな。入れ入れ。」
ピーという電子音とともに、自動ドアが開いた。
俺はエレベーターに乗り込み8階を押した。
俺はエレベーターの中で
コーチの家について、奥さんに会ったときの挨拶を必死に考えていた。
「なんて言おう・・・。
コーチに昔お世話になった大前です。今夜はよろしくお願いします。
・・・よろしくお願いしますって、ちょっと変だよな〜〜」
つくづく、社会のマナーを何も知らないことに恥ずかしく感じる。
そうこうしているうちに8階についてしまった。
「まあ、なんとかするしかないな!!」
俺は部屋の前まで着くと、覚悟を決めてインターホンを鳴らした。
ガチャ。
「よく来たな。」
「良かった〜〜。しょっぱなコーチで(笑)」
「ん?まあ、いいや。入れよ」
「お邪魔しま〜〜〜す!!」
Tシャツにジャージといたってラフな格好をしているコーチは、そそくさと廊下の奥、リビングの方に消えてしまった。
俺は丁寧に靴を並べると、ふと写真たてが目に入った。
ディズニーランドでミッキーと三人の家族が写っている。
子供はまだ二歳くらいだろうか・・・。
笑顔がその子を抱きかかえているコーチの笑顔と、うり二つである。
その隣の奥さんも笑っている。
「幸せそうな家族だなー。」
微笑ましいと同時に、何か悲しくなる自分もいた。
「まだ、そんなとこにいたのか。早く入ってこいよ。」
「あ、すいません!!」
俺は、我に返り廊下の奥へと進んだ。
リビングのドアを開き
「お邪魔しまーす」
と、子供もいるので驚かせないように、大きすぎない声で言った。
しかし、そこには想像していた光景はなかった。
「・・・あれ??」
「ん?どうかしたか?」
ダイニングでグラスやらを準備しているコーチが不思議そうにこっちを向いた。
いや、不思議がるのこっちの役なんだが。
だって、どこを見ても、隣の寝室も電気は暗いがドアは空いているので、少し覗いても、
いるはずの人がいないのだ。
「あの〜〜、コーチ。奥様は??」
俺は、もしかしたらここからでは隠れて見えていないのかもしれないと思い、
小声で恐る恐る聞いた。
「あ〜〜、嫁ならいないよ。」
「え!?まさか・・・離婚とか!?」
「・・・そうなんだよ。
ついこの間、息子を連れて出て行っち待ってな・・・」
コーチはグラスを持ったまま、下を向いて答えた。
「えっ・。すいません。その、、、あの知らなくて。・・・。」
とんでもないことを口にしてしまったと思った。
しかし、
「昇・・・。
嘘に決まってるだろ。プハハハ。」
と、コーチは腹を抱えながら豪快に笑った。
「へ!?」
俺は間抜けな顔をして、まだ笑っているコーチに目を向けた。
「悪い悪い。昇の反応があまりにも面白くてさ。。。
離婚はしてないよ。安心しろ!!」
「マジっすか!!??
もー、やめてくださいよ。変な嘘つかないでくださいよ(笑)
でも、ところで奥さまは??」
「あ〜、嫁なら、第二子を授かっちゃって、家にいても俺があんまり面倒も見られないから、今実家に子供と一緒に帰ってるよ!!
というわけで、今夜は俺とお前、二人っつーわけだ。」
「そーだったんですか!!てか、二番目のお子さんもできたんですね。
それは、おめでとうございます!!」
「ありがとうな。ちょっと、予定外だったけどな(笑)」
「恐ろしいこと言わないでくださいよ、コーチ。」
俺は苦笑いしながら、荷物を置くとコーチのいるダイニングに向かった。
「コーチ、自分もなんか手伝います。」
俺は、勝手に蛇口をひねり、手を洗った。
「お前、女房より気が利くな。
惚れ直したぞ。」
「変な言い方しないでくださいよ。これくらい誰でもできますから。」
俺は、赤面しつつ答えた。
「じゃあ、とりあえず俺が食器に料理を盛り付けるから、リビングの机に持って行ってくれ。」
「分かりました。
すごい!!この料理、コーチが作ったんですか??!!」
見ると、ダイニングにはアボガドの春巻きなど数種類の料理が用意されてあった。
「まあ、スーパーで買ったものもあるけど、大抵つくったよ。」
ちょっと照れくさそうに答えるコーチはやんちゃな小年ぽくて可愛かった。
「すごいなー。コーチって見かけによらず〜〜の典型例ですね!!」
「それって、褒められてるのか?」
「褒めてますよ〜〜(笑)」
俺は、盛り付けた皿をリビングへ何回も往復して運びながら、
コーチとじゃれ合うように楽しんでいた。
俺は、
新婚さんてこんな感じなのかなと考え、
ふと孝太さんのことを思い出したが、
コーチとのお喋りを楽しみ、食事の用意を進めた。
「昇〜〜、嫁も子供もいないから、今晩はがっつり飲むぞ〜〜!!」
と、ダイニングからコーチに言われ
「合点承知です!コーチ!!」
と、昔のコーチと教え子時代の時のように返事をした。
しかし、
また昔のような二人の関係に戻れるとはいかなかった。。。。
チリン、チリン。
長い夏の夜の始まりを知らすように、ベランダの風鈴の音が響いた。
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>りょうたさん
りょうたさんも卒論組でしたか!
もう、卒論のほうは終わりましたか?
また、時間つぶしにでも読みに来てくださいね(^_-)
>ダイスケさん
いつもコメありがとうございます!!
卒論、大変でしたよ〜〜。
4年にして、初めて大学生っぽいことした感じです(笑)
今週は更新もコンスタントにいけると思うので、また感想等よろしくお願いしますね!!
you
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.1; ja; rv:1.9.2.13) Gecko/20101203 Firefox/3.6.13 @p7208-ipbfp01kyoto.kyoto.ocn.ne.jp>
卒論お疲れ様です!!
そして怒涛の更新ありがとうございます\(^o^)/
ってかもしかしてこの展開は…笑
更新楽しみにしてます!
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「ゆりちゃん、体調悪いんだし、もう帰っていいよ。」
「ゴホゴホ・・・。でも、今日店長休みですし、
私抜けたら拓斗さん、一人になっちゃいますよ。」
俺は、コーヒーメーカーのメンテをしながら、古びた掛け時計に目をやった。
午前1時になろうとしていた。
「大丈夫、あと一時間で閉店だし、火曜だから誰も人なんて来ないって。
店長のことは心配しなくていいから。
一応、俺ここで一番古いバイトだから、後でうまく言っとくよ。」
「っゴホ。でも・・・ゴホッ。」
ふー。
見た目に似合わず全く頑固な娘だ。
「そんなんじゃ、客にも移しちゃうし、拗らせて明日バイト休まれる方が迷惑だから。
な?」
強く言うつもりはなかったが、言った後に言い過ぎてしまったんではないかと後悔した。
ゆりちゃんは、俯いてしまったものの少ししてから顔を上げた。
「・・・分かりました。
じゃあ、今日はお言葉に甘えて、帰ります。」
「よしよし、イイ子だ」
と、俺は笑顔で帰した。
ゆりちゃんは、エプロンを脱ぎ、帰りの支度が終わると、
ドアに手をかけ振り返った。
「私、拓斗さんのそのやさしさ、誰よりも、ほんまに好きですから。
じゃあ、お先に失礼します。」
と、一礼してから出て行った。
「参ったな〜〜」
と、めんどくさい事になるなよ〜と思いながら、頭をかいた。
「さ〜て、なにすっかな〜」
俺は、とりあえずメンテの終わったコーヒーサーバーから離れ、布巾でカウンターを拭き始めた。
ここは、俺がもう3年もバイトしているカフェである。
三条京阪の居酒屋街の片隅にある小さなカフェ。
よくリーフとかで出てくるようなお洒落な町屋カフェではない。
店内は薄暗い照明に、カウンター席といくつかのテーブル席という至ってシンプルなつくり。
俺がシフトに入るのは、大抵夕方からなので、飲み会帰りに立ち寄ってコーヒーを飲んでいく客がほとんどである。さすがに、それだけでは儲からないので、キャバクラなどに軽食のデリバリーもしているが、ここ最近ではそれも止まってしまった。
やっぱり、世間は不景気なんだな。
親の仕送りで、ほぼ生活しているような世間知らずの学生には、こういう時に社会の厳しさを感じてしまう。
テーブルを一通り拭き終わると、仕事がなくなってしまった。
時計を見ると、一時を回っていた。
「閉店まであと、一時間か・・・。
ここからが長いんだよな。」
誰もいない店内。
ほんのかすかに流れるBGM。
こういう時、ふと昔の事を思い出してしまう。
あの人は、今どこで、何をしているんだろう。
最初は、そんな気持ちなんてなかった。
お互い時間作って会って、寝て。。。
そういう関係だとも自分でわかっていた。
でも、だんだん惹かれてしまって、好きになってしまった。
絶対叶わない恋だと分かっていても、
我慢できなくて・・・。
自分には勝算があるんじゃないかって思った。
セックスの成り行きだったかもしれないけど、
確かに、好きって言われた。
「彼女に会わずに、拓斗に会いに来たよ」
だって、言ってくれた。
だから、告白した。
でも、
結果は想像通りだった。
「男は恋愛対象にみれない」
その場で涙を抑えることで精一杯だった。
放心状態のまま帰ってきて、
ショータが来てくれて
「人生の痛みを知れた、いい経験だったな。
よく告白した。お前はえらいよ!!」
って、言われた瞬間、
人生で初めて大泣きした・・・・。
それから、一年がたった。
あの人のことを忘れようと違う人を見つけては遊ぶようにしていたけど、
結局は、すべてが傷を舐めてもらうだけ、寂しさを紛らわしているだけだった。
そんな俺だから、
もちろんショータには、まだ未練タラタラなのがバレている。
タイムマシンがあったら、あの人と出会う前まで戻って、どうにかして俺と出会わないようにしてやりたい。
それでも、今でも逢いたい気持ちは変わらない。
でも、逢って何がしたいのかと言われたら・・・。
話したいの?
手をつなぎたいの?
抱きしめたいの?
Hがしたいの?
・・・・・。
「あ〜。暇になると、ろくな事考えない!!」
俺は、暖かいおしぼりを出してくると、グシャグシャと顔を拭いた。
チリンチリン。
と、その時、
ドアの鐘が響き、一人の人が店内に入ってきた。
そして、その人の顔を見て俺は自分の目を疑った。
そこに立っていたのは、
俺が好きだった人
正確に言うと、ビックリするくらい似ている人が入ってきたからだ。
「すいません、まだ店やってますか」
その人は、俺に目を向けると、静かな声で言った。
「大丈夫ですよ。どうぞ。」
俺は、自分の心臓の爆音にびっくりしながら答えた。
その人は、カウンターの席に座ると
「すいません、コーヒーをください。」
とだけいって、下を向いてしまった。
どうやら、相当酔っているみたいだ。
俺はコーヒーの準備をしながら、その人のほうに目をやった。
下を向いているものの、やっぱし顔が似ている。
肌の白さや、鼻の高さ、そして、さっき見た瞳の透き通るような透明度。
店内には
コーヒーの香ばしい匂いと、
それとは別に不思議な空気が漂っていた。
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▼なりさん:
更新遅れてすいません!!
なんか家のパソコンから全然投稿できなくて・・・・汗
昇君、どうなっちゃうんでしょうね(笑)
拓斗君も気にしておいてくださいね(爆)
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待ってました!!!
毎回展開楽しみすぎて
ついついガッツリ読んでしまいます。
ゆっくりでもいいんで
気長に更新してください!
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▼のぶさん:
コメントありがとうございます!!
もっとがっつり読んでもらえるようにがんばりますね!
ただ、次回は表現する部分が多いんで(笑)、なかなか進まなくて・・・うん、がんばります。
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すごく上手です!
毎回楽しみにしてます!
ありがとうございます!!
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この話好きだったので続き読みたいです!!
気長〜に待ってますので、ぜひヨロシクお願いします。。。
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久しぶりに読み返しちゃったけど面白いです。
時間あるときにでも続き書いて下さい!
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