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キーンコーンカーンコーン。
「やめ!!筆記用具を置いて速やかに・・・」
学生たちはざわつきながら教室を後にする。
「やっぱ、般教は一回生が多いな。てか、今年の一回生かわいい子多くね?!」
「お前は、テストの時も女しか見てないのかよ。。。」
俺は呆れたように貴志(たかし)に言った。
寿司ずめ状態の階段を下り、校舎から出ると
梅雨明けの少しムッとした空気と、アブラゼミの鳴き声が俺らを迎えてくれた。
「あっち〜〜〜!!とりま、学食行くべ!!」
と、背伸びしながらに貴志が言う。
「あのさ、前から言おうと思ってたんだけど、お前の使ってる『とりま』って何?」
「え!?『とりあえず、まあ』の略だよ。」
「そんな誰も理解できない略やめろよww」
「いいんだよ!流行らすんだよ!!俺がパイオニアになるんだよ!!」
俺らは笑いながら、学食へと向かった。
テスト期間というものの昼の時間帯なので、いくつもある学食のなかで一番大きい学食に行っても人でごった返していた。
「うげ〜〜、久しぶりに学食に来てみればこんなにも人が・・・。てか、やっぱし可愛い子多いな!!いつもこの人らは、大学来ずにどこで何をしてるんだろうか。」
「はいはい、そこまで!とっとと、飯食うぞ!」
あからさまに女の子を目で追っている貴志の腕引っ張り、俺らは列に並んだ。
やっとこさ二人座れる場所を見つけると、俺らは食べ始めた。
結局、俺も貴志も冷やし中華を注文した。
「生協の冷やし中華って、ちょっと割高だけど、氷入ってるのがいいよな!!」
と、スープを冷やす為に入れてある氷をガリガリ食いながら話した。
「お前、ホント自由だな(笑)」
苦笑しながら、俺もからしをつけすぎた冷やし中華をすする。
貴志は、なんというかポジティブ人間「すぎる」のだが、一緒にいて楽しいし、
相談しても「そんなん、気にスンナ!!」と俺を励ましてくれるので、サークルの同期以外でつるんでる唯一の親友だ。
でも、いつも一緒に行動し、こんなにも俺の相談を真剣に聞いてくれる貴志に、俺はこっちであることをカミングアウトしていない。
それがいつも俺を罪の念にさいなまさせる。
――――それって本当に「親友」って、呼べるのか。。−−−−
また、俺の心がつぶやく。
そうやってボーっと考えていると、貴志は
「昇、この後どうするーー?カラオケ行こうぜ――」
と言ってきた。
こいつは、実は、本当は、何も考えていないようなフリをしていて、
すごい空気を読める奴なんじゃないかと思う。
今もそうだ。
俺が考え込んでいたり悩んでいたりすると、それを言わなくても、すぐに話題を変えようとする。
もしかして・・・と、最近になってやっと感じるようになってきた。
「悪い。今日はパスで。」
「え!?なんで?」
「図書館に行く。」
「だって、債権のテストまであと4日はあるぜ。」
「おれ、まだ勉強が間に合ってなくてさ。」
「マジで〜〜。なんか昇、最近つれないな〜〜。また、今日も院の図書館行くの?」
「そ、そうだけど・・・」
嫌な予感がする・・・
「俺も行こうかな〜〜」
「お、お前はやめとけ!!どーせ来ても勉強しねーんだから。」
貴志といたら、孝太さんになんか申し訳ない気がした。
「。。。。それもそうだな(゜.゜)。じゃあ、俺は帰ってモンハンやるわ!!」
そんなやり取りをして、俺らは大学で別れた。
チャリを走らせ、院まで行く。
院まではずっと下りなので、灼熱地獄も風をきることで、涼しく感じてしまう。
途中、北野天満宮のバス停で大量の中学生が溢れていた。
京都は年中観光客が多いが、この時期は特に中学生などの修学旅行生が大半を占めている。
俺も中学の時に、修学旅行で京都にきて、その時に京都に憧れ、いつかは京都に住んでみたいと思っていた。
そして今、こうして京都にいる。
俺の叶った数少ない夢である。
そんな事を考えてながらよそ見をしていたら、
俺は赤信号に気づかずに横断歩道を渡っていた。。。。
ププー!!!
「はあっ」
クラクションが勢いよく交差点に鳴り響き、スローモーションのような
光景が流れた。
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you
- 10/12/11(土) 22:05 -
ガシャーーン
とはいかなかった。
ほんの一瞬の判断だった。
車も急ブレーキし、俺も咄嗟にチャリのハンドルを切ったのでギリギリ車に接触することはなかった。
しかし、ハンドルを切った瞬間にバランスを崩してしまい、自転車もろとも道路に倒れてしまった。
「いって〜〜〜。」
俺は腰をさすりながら、自転車を立ち上げると当たりそうになった車を見て驚愕した。
黒塗りのベンツ・・・・。
(やっちまった。)
俺は、親指一本で足りるのかな?!なんて恐ろしいことを考え始め、でも、当たってないから怒鳴られる程度だよな〜と、楽観的な妄想をしていた。
そんな妄想が頭をグルグルしていると、ベンツの運転席のドアが開いた。
俺は反射的に身構えた。
すると、俺の想像していた事とは全く違う事態となった。
「大丈夫ですか??」
俺は一瞬外国人に話しかけられたのかと思った。
だって、外見がどう見たって白人なのだ。
190cmくらいあるだろうか。綺麗な金髪をミディアムくらいまで伸ばしてあり、目鼻は本当に西洋人だ。黒のスーツがその顔立ちを際立たせている。
年は・・・正直分からない。28?くらいだろうか。
「あの、お怪我とかありませんか?」
俺は、我に返り
「だ、大丈夫です!!すいません。」
とだけ答えた。
「なら、よかった。ちょっと待ってて下さい。車を脇に移動してきます。」
「え!!でも・・あの・・・」
僕は大丈夫なんですけど・・までは続けられず、その人は車へと走って戻っていった。
俺もいつまでも横断歩道でつっ立っているわけにはいかないので、
仕方なくその人が移動した車のほうへと自転車を押した。
さっきの喋りで感じたこと。
その外国人っぽい人は、外国人にしては日本語が流暢すぎる。
もしかしてハーフなのかも。いや、でもハーフだったら日本の血が全く反映されていない気がする・・・。
でも、まあ怖い人じゃなくて良かったーー。
と考えているうちに、その人は車から出てきた。
「本当にお怪我はありませんか?」
物腰の低い、とても紳士な方だ。
「大丈夫です。こっちこそ、赤信号で飛び出してしまって、本当にすいませんでした!!」
俺は、深々とお辞儀する。
部活時代、毎日のように顧問や先輩へ謝るという特訓のおかげで、こういう時自然と対応ができるようになっていた。
「頭を上げてください。でも、心配なんで、一応病院には行ってもらえませんか??」
「いや、でも、ホントどこも打ってないんで(汗)大丈夫っす!!」
焦りながら答えた。
本当にどこも打っていないので、そこまで心配されたら逆にこっちも迷惑だ。
「でも、あんなこけ方をしていたので、どこかは打っているはずです。」
あんなこけ方って、そんな激しいこけ方したかなーと思いながら、
これは簡単に引き下がってくれなさそうだと感じ、俺は承諾することにした。
「分かりました。そこまで心配してもらったら、逆に行く義務がありますね。だいたい、僕が飛び出したのが悪かったんで。体になんにも異常がないことが分かったら、ご連絡します。」
すると、その人は顔がゆるみ
「なら、良かった!警察呼ばなかった分、私も後味が悪いんでね。」
警察も何も、俺は車に打つかってないので警察なんて呼ぶ必要はない。
続けて、その人は話した。
「じゃあ、これが私の名刺ですから。」
と渡された名刺には、なんの会社だかわからないカタカナの会社名に
【高崎 純】と書かれてあった。
日本名??俺はますます頭の中で、その顔とのギャップに悩まされた。
「一応あなたのお名前と連絡先も教えてください。」
「あ、はい。大前昇って言います。番号は・・・」
一通りの連絡が終わると、その高崎という男は
「では、連絡お待ちしております。申し訳ありませんが、この後、用事がありまして、ここで失礼します。病院に付き添えなくてすいません。」
「いえいえいえ!!付き添うなんて、大丈夫ですよ!!こちらこそ、本当にすいませんでした。」
高崎という男は、最後まで低姿勢を崩さずにベンツに乗って去って行った。
「参ったな〜〜。」
あまりにもあっという間の出来事だったので、
俺は、頭をポリポリとかきながら立ちすくしてしまった。
「ま、いっか。それより、図書館いかな!」
と、自転車に乗り、図書館へと向かった。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.1; Trident/4.0; GTB6.6; SLCC2; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30729; Media Center PC 6.0) @FL1-125-198-164-106.szo.mesh.ad.jp>
ダイスケ
- 10/12/11(土) 22:44 -
思いもよらない新展開ですね!新しい登場人物も現れて、まだまだお話は続きそうなので楽しみです。
リクエストにも答えて頂いたようでうれしいです。
<SoftBank/1.0/831SH/SHJ003/SN359401022391483 Browser/NetFront/3.5 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1 @w51.jp-t.ne.jp>
図書館につくと、真っ先に孝太さんを確認した。
いつもと同じ席で、孝太さんは参考書を山積みにして、黙々と勉強をしていた。
俺は気づかれないように、後ろから迫っていき、すぐ後ろから孝太さんを覗いた。
耳栓をしているので俺の存在には全く気付かず、淡々と鉛筆を走らせている。
姿勢もよく、真剣な顔つきで普段と全くギャップの感じないとても綺麗な字で論述している。
辺りを見渡すと、時間が昼過ぎのため人があまり見えない。
俺はそれを確認すると、孝太さんに頭に顔を近づけた。。。
シャンプーの良い香りがする。
抱きしめたい気持ちを抑え、俺は孝太さんの肩を叩いた。
孝太さんは、ゆっくりと後ろを向いて、耳栓を外した。
「あぁ、昇。もうテストは終わったんだ。」
孝太さんは疲れた顔をしていたものの、俺に微笑みかけてくれた。
「はい、さっき終わって、今来ました。」
あの日から、テストやらなんやらで孝太さんと会うのは二日ぶりである。
もちろん、メールで少しは連絡を取り合っていたし、二日という短い期間なのだが、孝太さんに会うのが本当に久しぶりの気がする。
「あれから、体調とか大丈夫?」
孝太さんは心配そうに俺に問いかけた。
「大丈夫っすよ。孝太さん、処女喪失したわけじゃないんだから、そんな心配いらないっすよ(笑)」
「それも、そうだな」
孝太さんは照れながら微笑んだ。
「でも、心配してくれてうれしいです。ありがとうございます。」
お互いに見つめ合いながら、沈黙が流れる。
心臓がドキドキする。
孝太さんの瞳から目を離せなくなる。
今すぐにでも抱きつきたい。
(あ〜、俺ってやっぱし孝太さんのことが好きなんだ・・・)
「俺、向こうで勉強しますね。」
「うん、分かった。分からにところがあったら、いつでも相談おいで。」
俺は、いろんな気持ちを我慢して、視界に孝太さんが入らない席に腰を下ろした。
************************************************************
************************************************************
「ふー、終わった〜〜。」
1単元の論述練習が終わり時計を見ると、2時間ほど経過していた。
ずっと座りっぱなしだったので、少し休憩がてらに図書館の一角にあるトイレに向かった。
ただでさえ人が少ない図書館なので、トイレは小便器3つに個室が2つという狭さ。やっぱし人は誰もいなかった。
俺は用をたし、手を洗っていた。
とそこへ、人が入ってきた。
鏡越しに見ると、それは孝太さんであった。
「奇遇だね。勉強順調?」
「うーーん、なんとかっす」
「そっか、あんまし根詰めちゃ駄目だよ。」
「は〜〜い」
孝太さんは、ジョロジョロと俺の後ろで用を足しながら話しかける。
俺はその少し間抜けな姿をして俺に話しかける孝太さんが面白くて吹き出してしまった。
「なんだよ、人の小便姿見て笑うなよ〜〜。触っちゃうぞー」
と、用を足した手を俺のほうに向けてきた。また、孝太さんの無邪気な面が現れた。
「勘弁してくださいよー。」
俺は、笑いながら孝太さんの腕をつかんで進行を止めた。
「冗談だよ。あれ、その腕のアザどうしたの!?」
笑っていた顔が急に冷める。
右腕を見ると、確かに出血はしていないものの青アザができていた。
「あ〜、これ。たぶんさっき事故ったときについちゃったんだと思います。」
「事故!?どうゆうこと!?」
俺の腕を掴む孝太さんの力が強くなる。
「あ、事故っていうか、俺が赤信号で飛び出しちゃって、車とぶつかりそうになって、避けたらこけちゃったんですよ。車とはぶつかってないし、大したことないっすよ。」
「何言ってるんだよ。こんなにもアザつくって・・・。警察は呼んだよな?」
あまりにも心配して俺の腕を見つめる孝太さんに、俺はバツが悪そうに
「・・・呼ばなかったです。。。」
「なんで!?」
「だって、車とは接触しなかったし、俺の完全な不注意だったんで・・・」
「だからって。呼ばないことはないだろう。昇も法律学んでるんだから、そういう時は、やらしく頭使わなきゃ駄目だろう。」
「す、すいません。。。」
「・・・ごめん、俺こそ言い過ぎた。痛かったのは昇なのにな。
でも、昇のことが心配でさ。」
また、胸がドキドキする。
と、孝太さんは俺の腕を引っ張り、奥の個室に連れて行き、鍵を閉めた。
そして、俺をギュッと強く抱きしめた。
「・・・後で、一緒に病院行こうな。。。。」
「。。。。はい」
俺は孝太さんの温もりを体のすべての神経で感じながら、答えた。
どのくらい抱き合っただろうか。
どちらからともなく、体を離した。
「誰か来たら、どーするんですか。」
「大丈夫だよ、絶対バレないから(笑)」
ニコッと俺に笑いかけてくれた。
「だから、キスもさせて。」
「えっ。。」
孝太さんは返事を待たずに俺の唇を奪った。
俺らは、会えなかった2日間を取り戻すかのように、激しくキスをした。
ガチャ!!
とその時、誰かがトイレに入ってきた。
孝太さんは一旦キスをやめ、人差し指をたてシ〜〜っとやってきた。
小便の音がなれる。
俺らは息を殺して、その人がいなくなるのを待っていた。
ところが、まだその人が用を足している最中に、孝太さんはニカっと笑い俺にキスをしてきた。
(ちょ、孝太さん、バレるって。。。)
さすがに、チュパチュパと音は出せないため、俺らを互いの息を共有するかのようなキスをした。
ハアハアと息しか感じれないが、逆にその状況が俺を興奮させた。
無事に、その用を足していた人がトイレから去った頃には、二人とも息を我慢していたこともあり、呼吸が荒々しくなっていた。
「はあはあ、、こう、たさん。。。はあ、バレたらどーすんるんですか。」
「大丈夫、だよ。。。ハア、絶対バレてなかったから、ハアハア。。。時にはスリルがあっていいだろ」
「まあ、確かにそうっすけど」
俺らは、互いに微笑む最後にもう一度キスをして、個室から出た。
お互い鏡の前で、乱れた髪を整えてトイレから出た。
トイレから出るとき、孝太さんは後ろから俺をやさしく抱いてくれ、
「昇、好きだよ」
と、耳元で囁いた。
俺は立ってるのがやっとだった。。。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.1; Trident/4.0; GTB6.6; SLCC2; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30729; Media Center PC 6.0) @FL1-125-198-164-106.szo.mesh.ad.jp>
ダイスケ
- 10/12/12(日) 1:24 -
相変わらず孝太さんは読者のツボをついてきますね。あんな風にされたら、もう死んでもいいや!と思っちゃいます。
続き期待してます!
<SoftBank/1.0/831SH/SHJ003/SN359401022391483 Browser/NetFront/3.5 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1 @w41.jp-t.ne.jp>
よしひろ
- 10/12/12(日) 22:07 -
いつもニヤニヤしながら読んでます!!!
続きめっちゃ楽しみにしてますね(´ω`)
<Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.2; ja-jp; SC-02B Build/FROYO) AppleWebKit/533.1 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/533.1 @s809053.xgsspn.imtp.tachikawa.spmode.ne.jp>
you
- 10/12/12(日) 22:26 -
みやびさん、ダイスケさん、よしひろさんコメントありがとうございますェ
ダイスケさん、毎回励ましのコメントで勇気づけられています。
京都の情景を描いてみましたが伝わったでしょうか?
登場人物も増えて、これからの展開への布石を置いときました。笑
みなさん、
どうかこれからも気長に付き合ってくださると幸いです。
更新のテンポもよくなってきて、さあこれから!という時なんですが、ここにきて緊急事態が発生しました!!
昨日から、僕のパソコン(正確にいうと、家のアクセスポイント)からここの掲示板に投稿できない状態が続いてます。
何回トライしても、エラー画面がでてしまいます。
試しに僕の携帯(au)から試してみたんですが、全く同じ状況でした。
他の方が投稿できているだけに、不思議でしてミ
(今は知人の携帯から投稿してます)
一応、管理人さんに連絡をしたんですが、現段階でどう対応してくれるか分かりません。
誰か原因わかる方いらっしゃいますかねミ
ということで、パソコンからのアップが復旧するまで、更新を一時ストップすることになりました
楽しみにしていた人(いたのかなミ)には、大変申し訳ないのですが
いつ復旧できるか謎ですが、しばらくお待ちください。
<KDDI-PT22 UP.Browser/6.2.0.10.1 (GUI) MMP/2.0 @05004031594764_mi.ezweb.ne.jp>
ダイスケ
- 10/12/14(火) 1:23 -
やはりリクエストに応えてくれたみたいで、すごくうれしいです。少なくともぼくは続きを楽しみにしてますよ!自分がコメントするなんてことは、数年来このサイトを見てきて初めてなのですが、そういう人で、続きを楽しみにしてるひとは、結構いるんじゃないかな?
ぼくもyouさんにコメントしようと思っても、サーバに異常がある旨のエラーになることがよくありました。翌朝には直ってるんだけど、youさんはまだうまくいきませんか?
どーでもいいけど、「知人の携帯から」というところが、どんな関係の人なのかちょっと気になってしまいました(笑)
<SoftBank/1.0/831SH/SHJ003/SN359401022391483 Browser/NetFront/3.5 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1 @w42.jp-t.ne.jp>
それから俺たちは、先週通りの生活が続いた。
朝、図書館に行き、昼食を孝太さんと一緒に食べ
そこから勉強し、夕飯を食べる(時々、美咲さんにつれてかれてしまうが)。
そして、閉館後に駐輪場まで送ってもらう。
「孝太さん、悪いんで、送ってくれなくてもいいですよ(汗)」
「だって、少しでも昇といたいからさ。。。。」
そう言って孝太さんは、手を繋いでくれた。
毎日、校舎から駐輪場までのたった2分程度の時間であるが、俺はその時間が一番幸せだった。
しかし、変化した点もある。
それは、図書館で座る席だ。
今までは、遠慮して孝太さんから離れた席に座っていたのだが、孝太さんが「近くにいたほうが、お互い良い刺激になって勉強も捗るから。」と、隣に移動するように言われた。
さすがに、隣は周りからの視線があるからと、俺は孝太さんの真向かいの席に引っ越した。
俺らの前には、つい立があるから顔を上げてもお互いの顔を見ることはできないのだが、机の下は繋がっていて、足を延ばすと孝太さんの足に当たってしまう。
孝太さんは、時々これを利用して、足を延ばしてきて俺の足をスリスリしてくるので俺は勉強どころではなかった。孝太さんはというと、何食わぬ顔をして鉛筆を走らせていた。なんという器用な人だろう。。。
俺がそのことを孝太さんに言うと、
「いいじゃないか、減るものじゃないんだし。
それより、もうジーンズは履かないでほしいな。下から弄るのが大変だから。」
と、俺に毎日短パンで来るように命じる始末だった。
俺はそんな幸せな毎日を、噛みしめるように過ごしていた。
本当はお互いの家に泊まったりしたかったのだが、
俺のテストが終わるまで泊まるのは止めようということになったので、
俺は、毎日の孝太さんのスキンシップの一つ一つで、すぐ興奮してしまう体になっていた。
そんな日が一週間続き、試験最終日を迎えた。
キーンコーンカーンコーン・・・・
「っしゃー、試験終わった〜〜〜〜!!!」
「そんなに、荒々しく言わなくてもいいことだろ(笑)昇にしちゃあ、珍しいリアクションだな。なんかいいことでもあんの?」
貴志に指摘され、俺はあからさまに顔を赤くしながら
「い、いや。特にないけど。国賠の勉強かなりやってきたから、その反動かな。」
と、全くうまくないウソをついた。
「ふ〜〜〜ん。まあ、いいや。俺も山はった判例が出たから、これで卒業が見えてきたよ!」
と、真夏の太陽にも負けないニコニコした笑顔で貴志は答え、続けた。
「試験も終わったことだし、今夜、パ〜〜っと飲みにでも行こうぜ!!ぐるナビで、良い店見つけたし!」
「悪い!!今夜はパスで。用事がある。」
「え!?なんの用だよ??」
「用事は、用だよ・・・。」
「ふ〜〜ん。」
貴志が横目で俺をにらみつける。
「な、なんだよ。」
「女だろ!?」
「ち、、ちげーよ!!」
まあ、確かに意味的には違う、はず。。
「最近、浮いた話がないかと思って安心してたら、俺に隠れてヤッてたわけね。どーりで、最近新婚さんみたいな幸せオーラが出てたわけだ。」
「だから、違うって!お前と一緒にすんなよ!!」
完全にムキになっている時点でバレバレである。
貴志は、またニコッと笑いながら
「まあ、いいよ。また、今度話聞かせろよな!!」
と、俺に言ってきた。
俺は、「おうよ!」と答えたものの、心のなかで
(貴志には一生相談できないんだろうな。こんなに仲のいい奴でも、一生、嘘ついていかなきゃいけないのか・・・。)
と、貴志の笑顔の反面、複雑な気持ちになって、俺らは大学で別れた。
午後7時
俺はシャワーから上がると、少し派手目のパンツを履き、着替えをし、
もしもの時用にと、コンドームをポケットに入れて、家を出た。
今夜は、試験が終わったということで、孝太さんちに泊まる約束をしていた。
孝太さんも今日は早めに切り上げてくれて、夕飯に一緒にカレーを作る予定になっていた。
俺は、実家から届いた地酒をチャリの籠に乗せ、走らせた。
孝太さんの家は、桜の名所でもある二条城の近くであり、この時間となると二条城の周りをランニングしている人達が何組もいた。
その人らを避けつつ、路地裏に入り、孝太さんのアパートへとやってきた。
孝太さんの部屋の明かりがついていることを確認すると、
俺は今夜のことを考えながら気色悪い笑みをして、エレベーターに乗り込んだ。
角部屋である305号室につき、インターホンを鳴らそうとしたが、その手を止め、
以前、孝太さんが「俺って家の鍵いっつもしめないんだよ〜」という話を思い出し、ドアノブに手をかけた。
ガチャ
やっぱり、今日も空いていた。
俺は、孝太さんを驚かせようとそうっとドアを開けた。
ドアを閉め、玄関に靴を脱ごうとすると、
そこには、見知らぬ靴が置いてあった。
ピンクのヒール。
明らかに女性の物である。
恐る恐る廊下を歩き、部屋のドアに手をかけた。
俺のなかで、嫌な連想がよぎった。しかし、(孝太さんなら、大丈夫!)と、彼を信じて勢いよくドアを開けた。
しかし、その光景は信じがたいものであった。
ガタン!!
俺は、あんなにも大事に持ってきた地酒を床に落とした。
「の、昇!??」
孝太さんは、ビックリした目で俺に言い放った。
俺は、何も言い返すことができない。
俺がドアを開けた時に飛び込んできたには、孝太さんと美咲さん。
そして、その二人は、両手をがっちりと握った状態で、今にもキスをしそうな顔の距離で見つめ合っていた。
「昇、これは・・・!」
唖然としていた俺に、孝太さんが何か言おうとし、俺はそれで我に返った。
「す、すいません!!お邪魔みたいで・・・・。帰ります!!」
俺は、その場から立ち去ろうと玄関に走った。
しかし、孝太さんに
「昇!!待てよ!!!」
と呼び止められ、立ち止まってしまった。
孝太さんが俺の方へと、向かおうとした。
ところが、その腕を美咲さんが止めた。
「孝太!!どこ行くの!?」
俺は、訴えかける美咲さんの方を見てから、孝太さんの方をみる。
ほんの一瞬、お互いの目が合う。
孝太さんは何か言おうとしたが、俺は玄関から飛び出し、駐輪場まで駆け降りると自転車を勢いよく走らせた。
俺は、涙をこらえながら、自転車を必死にこぎ続けた。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.1; Trident/4.0; GTB6.6; SLCC2; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30729; Media Center PC 6.0) @FL1-125-198-164-106.szo.mesh.ad.jp>
you
- 10/12/14(火) 13:44 -
ダイスケさん
毎回、コメントありがとうございます★
昨日、パソからアクセスできたので16話アップしました。
僕だけじゃなく、他の方も生じるトラブルだったんですね。
安心しました(⌒〜⌒)
これからもよろしくお願いします。
p,s 知人というのは、ただの友達ですよ〜。携帯借りて、こっそりcoolにアクセスしちゃいました(笑)
<KDDI-SN3I UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.3.352 (GUI) MMP/2.0 @05001032050832_mi.ezweb.ne.jp>
すごい入り込めます!
続き楽しみにしてるのでよろしくです☆
<DoCoMo/2.0 SH906iTV(c100;TB;W24H16;ser358037010549764;icc8981100010335077591f) @proxy30020.docomo.ne.jp>
ダイスケ
- 10/12/15(水) 0:11 -
孝太さんかなりイメージに反してけっこう積極的ですね!
二条城の周辺はかなりレンタサイクルで走り回りました(笑) 最近何人かの友達にカミングアウトしてるので、どんな関係なのかなって気になってしまいました。
<SoftBank/1.0/831SH/SHJ003/SN359401022391483 Browser/NetFront/3.5 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1 @w32.jp-t.ne.jp>
何だかオモシロい展開になってきましたね!!
これからも期待してます
ガンバって下さい(o^-')b
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; GTB6.6; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30729; .NET4.0C) @KD113159100227.ppp-bb.dion.ne.jp>
おー、自分も少し日本いなかったらこんなに進んでるとは( °Д° )
しかも孝太さんまさかそんなことするなんて!
あとベンツの人も気になりまーす笑
とりあえず忙しいと思いますが続きがんばってください!!
<Mozilla/5.0 (iPhone; U; CPU iPhone OS 4_2_1 like Mac OS X; ja-jp) AppleWebKit/533.17.9 (KHTML, like Gecko) Version/5.0.2 Mobile/8C148 Safari/6533.18.5 @pw126229001207.25.tik.panda-world.ne.jp>
車窓からみる富士山はとてもきれいだった。
富士山は冬のほうが雪化粧していてキレイという人がほとんどだが、
俺は夏の富士山のほうが、まんまの姿で、どっしりした感じがして好きだ。
ホームにつくと、夏休みということもあり浮き輪などを持った家族連れが目立っていた。
駅からバスに乗り継ぎ、家に着く。
「ただいま〜」
靴を脱ぎ、ダイニングへと向かった。
「あら、おかえりなさい。こんな時間につくんだったら、言ってくれたら駅まで迎えにいったのに。」
洗濯物を畳みながら、母親が言った。
「いいよ、別に。ちょうどバスがあったし。」
こんな田舎じゃ、車も一人一台が当たり前。よって、バスの本数も限られており、たまたまバスがあったので、久しぶりに乗ってしまった。
「そんなことより、あんた。おばあちゃん、部屋にいるから挨拶してきなさい!!」
「あ〜、そうだった。了解。」
俺は、荷物をとりあえず、その場に置くと廊下の奥にある祖母の部屋に向かった。
「ばあちゃん、ただいま〜〜〜!!昇だよ!!今、帰ってきた!!」
俺は、大きい声で話しかける。
部屋の真ん中にある椅子に座りながら、外の景色をボーっと眺めていた祖母は、こちらを向き、にっこりと笑った。
「昇ちゃん、おかえり。よお、帰ってきたね。」
「ただいま、ばあちゃん。体の調子はどう?」
久しぶりに合った祖母は、急に老け込んだ感じがした。
それもそのはず。今年の冬に癌の手術を受けたため、体の肉も大分落ちてしまい、前にまして小さくなった気がした。
「うんうん。大丈夫。ばあちゃんは元気だよ。」
「なら、良かった。じゃあ、俺二階に荷物もってくから」
「はいはい。
ばあちゃん、足が悪くて行けなかったから、お母さんに言って、
昇ちゃんの好きなかりんとう用意しておいたから。」
「・・・ばあちゃん。・・・ありがとう。」
小さいころ、共働きだった親にかわって俺の面倒を見てくれた祖母。
そんな祖母の老いを、最近つらく感じてしまう。
誰しも年をとって、死んでいく。
祖母も俺も。
いつまでもこの環境で過ごせたらいいのに、なんて本気で考えてしまう自分がとても悲しくなってしまう。
俺は、荷物を持ち二階の自分の部屋に向かった。
直前に空気を入れ替えてくれたのか、こもった嫌な感じはしない。
俺は、ボストンバッグを床に置くと、ベッドにダイブした。
「あ〜〜、やっぱ実家は落ち着くな〜〜」
寝返りをうち、仰向けになって天井を見上げる。
あの日、そう、まだ昨日のことである。
俺は涙をこらえながら自転車をこぎ家へと帰った。
孝太さんからは、何回も着信や「話したいことがあるから、誤解なんだ」とメールが来たけれども、すべて返さなかった。
そして、その晩、ちょうど母親から電話がかかってきて、ばあちゃんが会いたがってるから帰ってきたらと言われた。
実家には半年も帰ってなく、テストも終わり夏休みに入ったし、
なにより、孝太さんにも会いたくなかったので、その場で明日帰ると返答し、今日に至る。
携帯の画面を見る。
着歴には、昨日だけで孝太さんから10件はきている。
俺は、通話ボタンを押そうとした。
「無理だ・・・」
俺は携帯をベッドに置いた。
まだ、自分のなかで整理ができていない状況で孝太さんに電話するなんて
悪い方向にいってしまうに違いない。
「・・・とりあえず、かりんとう食べるか」
俺はベッドから起き上がると、一階へと降りていった。
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ダイスケ
- 10/12/24(金) 0:23 -
待ってました!
また読めてよかったです!更新ほやほやなところにアクセスできたみたいで、うれしいです!
<SoftBank/1.0/831SH/SHJ003/SN359401022391483 Browser/NetFront/3.5 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1 @w21.jp-t.ne.jp>
はじめまして!!
めっちゃ楽しみで待ってました☆
凄い大好きで、一日に何回もアクセスしちゃいます!!!
頑張ってくださいね★
<SoftBank/1.0/932SH/SHJ003/SN353700020805709 Browser/NetFront/3.5 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1 @w32.jp-t.ne.jp>
you
- 10/12/25(土) 18:27 -
最近、俺の周りの様子がおかしい。
「ただいま!!」
彼女は、づかづかと廊下を歩いてきて、ダイニングで掃除機をかけている俺を横目に
ソファにドサッと倒れこんだ。
うつ伏せに倒れながら、彼女は右手だけ上げると、
「拓斗!ウーロン茶!!」
「美咲姉、ちょっとは自分でやれよ。俺は、あんたの召使じゃないんだから・・・」
といいつつも、俺は掃除機を止め、冷蔵庫から麦茶を出し、コップに注ぎ美咲姉の所までもってきた。
「はい。」
「サンキューーーー。」
グビグビと飲み干すと、また、バタンとソファーに倒れこんだ。
「ひでー顔。なんかあったの??」
「うっさいわね。24才にもなれば、いろいろとあんのよ。」
と意味不明なことを言い放ち、着替えに部屋へと戻っていった。
俺は、大学三回。京都で大学生している。
もともとの出身は関西ではないんだが、大学進学とともに京都にやってきた。
で、先に京都で大学生していた美咲姉ちゃんと、安上がりだからということで
マンションを借りて、一緒に暮らしている。
本当は一人暮らしをしたかったし、第一 さほど仲良しでもない姉ちゃんと一緒に暮らすなんて嫌だった。
しかし、一回一緒に暮らしてみると、姉ちゃんは勉強で忙しくほとんど家にいないし、
俺もバイトやらサークルでほとんど家にいないので、お互い干渉することなく過ごせている。
そして、マンションを借りているので二人で使うには十分の広さなので、友達を呼んだりして宅飲みもできるし、案外この生活も気に入っている。
ただ、炊事洗濯は美咲姉がやってくれるはずだったんだが、大学院に進学してからは
「忙しい〜〜、むりーーー」
とかの連発で、掃除も洗濯も炊事もほとんど俺がやっている。
といっても、食事の時間は二人ともバラバラなので、あまり作ることはないが・・・。
そんなダメダメな美咲姉なんだが、最近 さらにダメダメ(結して嫌いなわけではない)になった気がする。
たぶん、男関係である。
弟の俺が言うのはかなり恥ずかしいんだが、美咲姉はめちゃくちゃキレイである。
大学時代もカットモデルを頼まれて、何回もホッ@ペッパーに載っていた。
そんな美咲姉もどうやら恋愛に苦戦しているみたいだ。
この前も、家に泣きながら帰ってきて
「コウタのばかやろ〜〜〜。アタシのどこが悪いのよ!!ちくしょ〜〜〜」
と、恐ろしいわめき声で部屋で泣いていた。
どうやら振られたらしい。
とうとう見た目だけじゃ通用しない人に出会ったのだと、俺は逆に安心してしまった。
と、姉ちゃんが着替えて出てきた。
「あんた、今日の予定は??」
「特に。」
「そう。私、帰り遅くなるから。」
「どっかいくの?」
「傷心女子会!!忘れてやるわ!!え〜〜、忘れられますとも!!
あんたも変な女にひっかかるんじゃないわよ!じゃあね!!」
と、鼻息荒く家から出て行った。
「・・・」
むしろ、あの姉ちゃんをあそこまで本気にさせた「こうたさん」という人に俺は会ってみたくなった。
(いったい、どんな人なんだろう・・・)
チャラチャラ〜〜♪
携帯が鳴った。
表示を見るとショータからだった。
ショータとは唯一仲良くしているこっちの友達だ。
SNSで仲良くなり、大学は違うものの同じ回生といこともあって、よく遊んだりしている。
とても明るい面白い奴なんだが、最近、こいつの様子もおかしい。
ノンケに恋をしているのだが、どうやらそれに、あんまし宜しくない進展があったらしい。
「もしもし。。」
「あ、拓斗?あのさ、今日暇??」
「まあ、暇っちゃあ、暇だけど。。。」
「じゃあ、買い物付き合って。てか、話聞いて!!最悪なんだって!!」
「まあ、いいけど・・・」
「じゃあ、決定!!今から30分後に高島屋前で!!」
「ちょ、ショータ!!」
既に通話は切られていた。
「どいつも、こいつも、なんだよ・・・・。」
俺は、髪の毛をセットしに洗面所へと向かった。
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ダイスケ
- 10/12/25(土) 18:50 -
すっげー(読者的には)おもしろいことになってますね!今日は凹んでたんで、ちょっと元気出ました!
<SoftBank/1.0/831SH/SHJ003/SN359401022391483 Browser/NetFront/3.5 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1 @w51.jp-t.ne.jp>
you
- 10/12/25(土) 21:39 -
「人多いなーー。」
ここは、市立図書館。
夏休み中ということもあって、勉強をしにきている中高生や、紙芝居を読んでる親子や難しいそうな文献と睨めっこしている老人などで、寂れた図書館も賑やかだった。
俺は、実家での生活があまりにも暇すぎて、家にいても親が何かとうるさいので、
よく高校生の頃に受験勉強しに来ていた図書館に来ていた。
いくつか気になる小説を立ち読みし、机へと持っていった。
高校のときに良く使っていた席に座った。
この席は、窓の景色が良く見える。
とても懐かしい気持ちになる。
ミーンミーーンミン・・・・。
ミンミンゼミの鳴き声が外の景色をより鮮やかにしてくれる。
昔、誰かに聴いたことがある。都会にはミンミンゼミは少なく、アブラゼミが多いと・・・。
確かに、京都じゃアブラゼミの泣き声しか聞いたことないよな。
なんて考えながら、外の景色を見ると、大きな入道雲が夏を喜んでいるかのように広がっていた。
(夏だな〜〜〜〜。)
小説を読みふけっていたら、もう二時間経過していた。
俺は、借りない本を戸棚に返しに向かった。
すべての本を戸棚に返し、席へ戻ろうとしたとき、旅行雑誌コーナーに目が行ってしまい、立ち止まった。
そこには『夏の京都』と題された雑誌が何冊か置いてあった。
ふと、表紙に目が止まった・
嵐山の竹林がアップになっていた。
「夏の嵐山、二人でいこうな。」
「そうっすね!!!夏の嵐山、俺好きなんですよ〜〜。竹林の雰囲気が。」
孝太さんとの会話を思い出してしまう・・・。
(心配してるかな・・・孝太さん・・・。)
そう思い、携帯を開く。
でも、やはり電話もメールもできなかった。
俺は、目の前にある嵐山が表紙のガイドブックに手を伸ばした。
まるで、孝太さんに触れるように・・・。
と、その時、同じタイミングで同じ雑誌を取ろうとした人と手が重なってしまった。
「す、すいません。どうぞ」
俺は赤面して、下を向きながらその本を先に譲った。
しかし、その人も
「いや、ただ興味があっただけなんで、どうぞ。」
そんなこと言われたら、どうぞどうぞな状況になって困るじゃんか
なんて思いながら、とりあえず顔を上げた。
そこには見覚えのある顔があった。
「あ・・・。もしかして、磯崎コーチ!?」
その人も顔を上げると、驚いたように
「おお!!昇じゃないか!!」
「コーチ、久しぶりです!!めっちゃ久しぶりですね!!」
「ホントだな。お前が中学校卒業していらだから7年ぶりくらいか・・・。
大人になったな〜〜〜。うん。」
「コーチこそ、全然変わりませんね!!今でも続けてられるんですか?」
「もちろん!!もう昔みたいにスイスイ泳げないがな・・。」
そう照れ笑いする姿も昔と全然変わっていない。
磯崎コーチは俺が、小中と通っていたスイミングスクールのコーチで、
特に中学校の三年間はこのコーチにみっちりと扱かれた。
外見は、白熊のように白くて、水泳のコーチなのでそこまで絞まっておらず、
よく「白クマさん」と言って、からかっていた事がある。
垂れ目でいつもニコニコしているだけあって、性格も超温厚で、
スクール引退式のときに、スクール生よりもワンワン泣いていた。
そんなコーチが俺は大好きで、コーチからもとても可愛がってもらった。
俺らは、近くのベンチに座って昔話に花を咲かしていた。
「昇、なんで高校でも続けなかったんだよ」
「やだな〜〜、何回も言ったじゃないですか。新しい競技に手を出してみたくなったって。教えてくださった磯崎コーチには悪かったですけど。」
実際、もう俺のタイムは県レベルでも通用しないとこまで下がっていた。
本当は、磯崎コーチのもとで続けたかったのだが、これ以上 タイムがあがらないまま泳ぐのも嫌だったし、タイムが出る度に磯崎コーチが一生懸命メニューを作ってくれるのも、それでも結果が出ず
「次、がんばろうな」
と笑顔で励ましてくれるコーチの顔を見るのが辛くて仕方なかった。
だから、中学卒業とともに辞めた。
相当、コーチからは止められたのだが・・・。
と、コーチの薬指にキラリと光るものが見えた。
「コーチ、結婚されたんですか??」
おぉと気づき、指輪を遠い目で見るように話した。
「俺ももう29歳だからね。いつまでも独り身は寂しいし。子供もできた。」
「子供まで!?てか、磯崎コーチ29歳だったんですか!!全然見えない!!」
「そうか〜〜。もう世間ではオッサンの年だよ(笑)
そうだ、昇、いつまでこっちにいるんだ?」
「え、まだ決めてないですけど。そんなに長くないっすよ。」
「じゃあ、近いうちに飲もう!!家に呼んでやるよ!!」
「いいすね!!ぜひ、飲みましょう!!俺、コーチとお酒飲むのが夢だったんですよね!」
「うれしいこと言ってくれるじゃないか!てか、昇がお酒飲める年とか、俺も老いたな〜〜」
「やめてくださいよ、夏に合わない湿っぽい話(笑)」
「そうだな!!」
コーチはガハハと笑い、俺も一緒になって笑った。
帰り際に、連絡先を交換して俺は図書館を後にした。
バスで来たが歩いてもいける距離なので、俺は歩いて帰ることにした。
7月の下旬ということもあって5時を過ぎているのに、まだ明るい。
少年たちが、笑いながら自転車をこいでる。
「いつまでも独り身は寂しい・・・か。」
磯崎コーチの声が頭をよぎる。
いつからだろう。。。
祖母の老いを感じてから
就活をしてから
両親の見えない圧力を感じてから
周りの友達と将来について話すようになってから
今後の人生について考えてしまう。
俺は、あと数年後何してるんだろう?
子供は?
そもそも、こんな不安定なセクシャリティの奴が結婚なんて考えていいのか、、、
そんなことを考えながら、少年たちを見つめる。
あの頃に、
なんにも不安なんて、将来なんて考えてなかったあの頃に戻りたいな・・・。
立ち止まり、空を見上げる。
まだ空は明るく、雲が伸び伸びと動いていた。
「やめた!!!!こんなこと考えたら、鬱になるわ!!
とりあえず、目先の問題から解決しなっ!!」
俺は、リュックをしっかりと背負って、家まで思いっきり走り出した。
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.13) Gecko/20101203 Firefox/3.6.13 ( .NET CLR 3.5.30729) @FLH1Adl010.szo.mesh.ad.jp>
you
- 10/12/25(土) 22:21 -
ひんさん、みやびさん、なりさん、タクさん、そしてダイスケさん
コメントありがとうございます。
ずっと、更新できなくてすいませんでした。
今日はクリスマスですけど、返上で描いてみました。
読んだ方、どうでしたか。
新たな登場人物に、繋がってきた人物図、
そして、今後を匂わせる布石をおいときました。
年末までに終わらせてやる!!
は、どうも予定的に無理そうになったので。。。
まさかこんなにも物語が進むと思っていなくて(笑)
これからも長く(かな?)お付き合いくださると、光栄です。
軽いコメントでもやる気出るんで、お待ちしております。
では、メリクリ!!
Toダイスケさん
いつもコメントありがとうございます。
僕も、昨日ショックなことがあったんですけど、逆に今日はよい事がありました!!
ですんで、明日は明日の風が吹く!じゃないですけれども、そんなに落ち込まずにやっていきましょう(^_^)
ごめんなさい、ポジティブすぎて(汗)
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.13) Gecko/20101203 Firefox/3.6.13 ( .NET CLR 3.5.30729) @FLH1Adl010.szo.mesh.ad.jp>
なんか同い年なんでその気持ちわかるすわー笑
やぱこの歳なったら友達とかとそゆ話する機会多くなりますよね苦笑
ってかやぱ嵐山は夏気持ちいいすよね!
まあ言うて冬でも好きなんすけどね笑
続きがんばってください!
<Mozilla/5.0 (iPhone; U; CPU iPhone OS 4_2_1 like Mac OS X; ja-jp) AppleWebKit/533.17.9 (KHTML, like Gecko) Version/5.0.2 Mobile/8C148 Safari/6533.18.5 @KD124211076168.ppp-bb.dion.ne.jp>
すごくいいです!!
本当にありがとうございます!!
<KDDI-SH38 UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.3.351 (GUI) MMP/2.0 @07012330183097_hg.ezweb.ne.jp>
孝太さんが凄い気になります〜!!!
楽しみです☆
年末年始は海外ですが、海外からも見れるように携帯を海外パケ放にしました(^_-)-☆
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you
- 10/12/26(日) 14:05 -
>なりさん
共感してもらえて、うれしいです!あれ、俺の心境も入ってたりするんですよね〜〜(笑)
季節外れで、こんな寒い中、想像するの難しいかと思いますが、
夏の竹林を思い浮かべながら読んでくださると、幸いです!!
>けんさん
初コメ?ありがとうございます!
これからもよろしくお願いしますね!
>たくさん
孝太さんが、いつ、どこで出てくるか楽しみにしててくださいね(笑)
海外パケホハイってくれたんですか!?
なんか、申し訳ないです(笑)
年末も頑張って更新していこうと思うんで、よろしくお願いします。
今日は、拓斗編と実家編を一話ずつくらいアップしたいと思うんで、
年末の掃除がてらに楽しんでもらえると光栄です!!
p.s 今高校駅伝が京都市内でやっています。僕の家の隣もコースになってて、賑やかですよ(^_^)
you from KYOTO
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.13) Gecko/20101203 Firefox/3.6.13 ( .NET CLR 3.5.30729) @FLH1Adl010.szo.mesh.ad.jp>
裕貴(ゆうき)
- 10/12/28(火) 13:31 -
「図書館での恋」をいつも読んでます。楽しくワクワクそしてドキドキをしてどんな恋の展開や孝太さんの複雑化になってしまう…展開が大きく揺れていたなと感じました。
やはり好きな人が出来たら彼女には付き合えないとか説明をするのはなかなか言えにくいし難しいところがあると思います。ただ、好きな人が出来たらだからと言って何でも彼女とすることがないと思います。だからまずはお互いがよく話し合ってじっくりと僕のこととかあなたの気持ちがどうなるかをはっきりと言った方が良いと思います。
でも良かったですよ!ボクもね、ノンケが恋をしたことがあるから気持ちも複雑もあるからね。
早く彼氏を見つけたくてね…(笑)。今ね、27歳だけど来年の1月で28歳になりますけどもうそろそろ恋の実りを弾けたいですね。
1ヶ月位でこんなに続くのはスゴイと思いました。是非、続けて頑張って下さい。展開のことが気になりますから(笑)。
<DoCoMo/2.0 P906i(c100;TB;W24H15;ser353707020844414;icc8981100000622046532F) @proxy10052.docomo.ne.jp>
カラオケに来て二時間が経とうとしている。
「叶いもしな〜〜い!この〜〜〜願い〜〜〜♪」
ショータはぶっ通しで歌いっぱなしだ。
時々、俺も曲を入れるのだが・・・
「なんだよ、拓斗。今日、全然歌わないじゃんか!」
と、何杯目であろうウーロン茶を飲み干すと俺に尋ねてきた。
「お前なー、そんなことよく言えるよな。
お前の歌ってる曲、失恋ソングばっかで歌いにくいわ!」
「えー、そうか。」
「えー、そうか。じゃねえよ!
この先の予約曲見てみろよ!!First Loveにnaoって・・・。王道まっしぐらじゃないかよww」
俺はDAMの機会を指差した。
すると、ショータは、急に今にも泣きそうな顔になって
「だって・・・だって・・・。」
俺は、こいつが泣くと厄介なのを知っているので慰める気持ちで、トーンを下げて言った。
「なんかあったんじゃないの?話、聞くし。
歌ってるばっかじゃ、気も晴れないよ」
と、声をかけると
「うっ。。う。。。、たくとぉ〜〜〜〜」
案の定、泣き出してしまった。
今夜、長くなりそうな匂いがした・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「それで・・・お前の大好きな昇先輩が、コンビ二で男と仲良くしてて、昇先輩をその男に取られたと思った。と・・・。
正直、それだけじゃあ、ただのショータの勘違いだって!心配して、損したわ。」
俺は、ジョッキ半分残ったハイボールを勢いよく飲み干した。
カラオケだとゆっくりと語れないということで、居酒屋に移動し、
女子会ならぬ男子会を始めていた。
「だって、『昇、好きだよ』オーラが出てたんだって!!
しかも、それだけじゃないって!!俺、その男に威嚇されたもん!!」
「威嚇って?」
酒の弱いショータは、梅酒のソーダ割をギュッと握り締めながら、グラスの中身を見ながら話した。
「俺が、昇さんがチーカマ食べれないんで買わないでくださいって、その男に言ったら・・・威嚇された。」
「どんな?」
「睨む・・・というか、すごい眼差しで俺を見てきたんだって!!
だから、俺もにらみ返してやったけどさ!」
「はあ。。。」
俺はため息をつくと、話し始め。
「ショータ、それはただのゲイの被害妄想だよ。
だいたいな、そんなに悩むんだったら昇先輩に告白すればいいじゃんか!
俺は、昇先輩に会ったことはないけれども、ショータの話聞く限りではスゲー面倒見のいい先輩だし、
本当のこと打ち明けても、その事実はちゃんと受け止めてくれると思うよ。
結果はどうであれ・・・。」
するとショータは、ボソッと
「無理だよ・・・。
やさしいからこそ、言えない。
きっと、昇さんのことだから受け止めてくれるけど・・・それであの人に気を使わせたくないし、そもそも、今の関係が崩れてしまうのも、嫌だ!!
だったら、ずっと片思いしていたほうが、気が楽だ・・・」
「そういうもんなのかな〜〜。
まあ、だいたいノンケに恋するってのが、辛いよな〜〜」
「ホンマに。」
俺らは、冷め切ったポテトをほお張りながら、お互い物思いにふけってしまった。
「でもまあ、好きになる相手が昇先輩でよかったな!」
「まあね。昇さん、やさしすぎなんだもんな〜〜」
と、さっきまで泣きそうになっていた奴が、照れくさそうにグラスを眺めた。
「でも、やっぱし、あのコウタって男、怪しすぎる。
絶対、昇さんのこと狙ってるに違いない!!」
「コウタ!?
その男の人、コウタっていうの?」
俺は、まさかと思いつつも、そんな偶然はないよなと思いながら聞いた。
「そうだよ、素性はよく知らないけど、院生らしいよ。
ちょっと背が高いくらいで、いい気になりやがって・・・」
まさか、そんなことはないよな。
でも、ショータと昇さんが通っている大学は確か一緒なはず。
美咲姉が通っている大学院もショータと一緒の大学・・・。
となると・・・
ショータ⇒昇さん⇒コウタさん?⇒美咲姉⇒俺
という関係で、繋がっている??
いや、まさかそんなことはないよな。
コウタなんてそこらじゅうに沢山いるしな・・・。
「なーに、ボーっとしてるんだよ」
ショータがマドラーで俺を突っついた。
「いや、ただ考え事。」
「あ、Hな事考えてただろ?」
「お前と一緒にするな(笑)」
と、二人でクスクス笑いあいながら、届いた熱燗で乾杯した。
「ところで、拓斗。明日何にもないっしょ!?」
「特に用事はないけど。」
「じゃあ、これ飲んだら、久しぶりに祇園のゲイバー行こうよ!!」
「久しぶりって、俺まだ一回しかいったことないんだけどね・・・」
「そうだっけ!?とりあえず、この話をママにも聞いてもらわなきゃ!
拓斗も、付き合ってくれるよな!?」
「はいはい、りょ〜〜かい。」
一気に飲み干すと、熱燗がのどを焼きつけた。
本当に今夜は、長くなりそうだ。
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.13) Gecko/20101203 Firefox/3.6.13 ( .NET CLR 3.5.30729) @FLH1Adl010.szo.mesh.ad.jp>
まってました!!!!
毎回凄く楽しみにしています(^ω^)
展開も面白くなってきたし
ますます楽しみです
頑張ってください!!!応援してます。
<Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.2; ja_jp; SC-02B Build/FROYO) AppleWebKit/530.17 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 NetFrontLifeBrowser/1.3 Mobile (Dragonfruit) @s512072.xgsspn.imtp.tachikawa.spmode.ne.jp>
ゆうきさん、よしさん、ゆうさんコメントありがとうございます。
そして、皆さん 遅れましたが
明けましておめでとうございます。
youです。
年末から卒論に追われており、全く更新ができてませんでした。
すいません。
そして、今も追われています。
間に合うのかな・・・(笑)
うまくいけば(というか、うまくいってもらわないと困るんですが)、1/12くらいにまた更新スタートできると思うので、
しばらくお待ちください(=゜-゜)(=。_。)
それでは、本年もよろしくお願いします。
京都、激寒っ!!!
you
<KDDI-SN3I UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.3.352 (GUI) MMP/2.0 @05001032050832_mi.ezweb.ne.jp>
あけおめです!!!
卒論大変ですね(>_<)
頑張ってください!!!
気長に更新待ってます。
楽しみにしてますね(*^^*)
<Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.2; ja-jp; SC-02B Build/FROYO) AppleWebKit/533.1 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/533.1 @s724242.xgsspn.imtp.tachikawa.spmode.ne.jp>
<SoftBank/1.0/830P/PJP20/SN353711026445291 Browser/NetFront/3.4 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1 @w41.jp-k.ne.jp>
あー、卒論すか!
お疲れ様です!!
ゆっくりでいいんでがんばってください!
ってかマジ京都寒いすよねー汗
<Mozilla/5.0 (iPhone; U; CPU iPhone OS 4_2_1 like Mac OS X; ja-jp) AppleWebKit/533.17.9 (KHTML, like Gecko) Version/5.0.2 Mobile/8C148 Safari/6533.18.5 @pw126225083069.31.tss.panda-world.ne.jp>
家に着くと、そのままの勢いで部屋まで走り、ベッドにダイブした。
いつもそうだ。
いろいろ考えてしまうと、嫌な方向にいってしまうのは目に見えているから、避けて考えないようにしている。
-----今が楽しければ、それでいいじゃん。
先のことなんて、考えたって仕方ないよ。------
でも、
今のこと、これからのこと、もっと先の将来のこと、
いつかは考えて結論を出さないといけないことも分かっている。
「あ〜〜〜〜〜〜。」
頭をくしゃくしゃとかきむしって、枕に顔を押し付けた。
ふと、横を向くと勉強机の上にかりんとうが皿に盛られて置いてあった。
近くにいってみると手紙が置いてあった。
『図書館まで勉強おつかれさまです。
おやつに食べてください。
ばあより』
「ばあちゃん・・・・」
俺は何かこみあげてくるものを感じた。
共働きだった親にかわって、保育園の送迎から、俺の子守をずっとしてくれたばあちゃん。
ばあちゃんにはどんなにわがまま言っても一度も怒られたことはなく、俺が何をしても、親からどんなに反対されてもばあちゃんはいつも
「昇ちゃんの好きなようにしなさい」
と言って、俺の味方をしてくれた。
短い文章であるが、ばあちゃんの気持ちが伝わってきて、
とても暖かい気持ちになる。
さっきまでいろいろ考えていたので、
不意に涙が出そうになった。
俺は、強く鼻から空気を吸うと
「ばあちゃんに、お礼、言ってこよ」
と、部屋を出ようとした。
〜〜♪♪
メールの受信音が丁度よく鳴ったので、確認すると
さっき別れた磯崎コーチからであった。
『今日は、久しぶりに昇に会えてうれしかったよ!
急なんだけれども、明日の夜とか空いているかな?家で飲まないか?』
明日は、特に予定もないし、丁度明後日くらいに京都に帰ろうと思っていたので、俺は
『急ですね(笑)
もちろん、いいですよ!お邪魔させていただきます。』
と返事を返した。
すると、すぐに
『じゃあ、明日の7時に家に来てくれ。場所はあのスイミングスクールのすぐ隣にある〜〜マンションだから。』
コーチ、あんなところに住んでいたんだ、と思いつつも「分かりました」と返して、メールを切った。
「そういえば、お子さんいるっていってたけど何歳くらいなんだろ〜〜。なんか手土産持っていかんきゃな。」
と、考えながら俺は階段を降りていった。
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.1; ja; rv:1.9.2.13) Gecko/20101203 Firefox/3.6.13 @p7208-ipbfp01kyoto.kyoto.ocn.ne.jp>
卒論お疲れです。どんなテーマなんですか?
久しぶりの更新でうれしいです!また新たな展開の予感ですね!
<SoftBank/1.0/831SH/SHJ003/SN359401022391483 Browser/NetFront/3.5 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1 @w62.jp-t.ne.jp>
『あの』図書館に缶詰になること2週間!!
たさん、ゆうさん、なりさん、そしてダイスケさん。
励ましのコメントありがとうございました。
無事に卒論終えることができました!
いや〜、よく間に合ったと自分でも驚いてますミ・
さて、今日からまた更新がんばっていきたいと思いますので、また読んでくださると幸いです。
なかなか展開的にも面白くなると思うので、ご期待(とは言いすぎで、恐縮ですが)ください。
p.s. ダイスケさん、卒論は行政関係でしたよ〜。
法律関係ではやっぱし書けませんでした(笑)
you sent in a graduation thesis!!
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りょうた
- 11/1/13(木) 22:50 -
はじめまして。ずっと楽しみに読んでました。
卒論の気晴らしに読んでたのに作者が卒論で書けなかったとは(笑)
とりあえず卒論お疲れ様です!
これからも楽しみにしてるんで頑張ってください!
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「だったら、告白しちゃえばいいじゃない。」
「だ〜か〜ら〜、それができないんだから困ってるんだって、ママ〜〜」
「ホンっと、学生の恋って、くだらないわね。
そんなの悩んでるんだったら、違う男探して寝たほうが、ずっと時間の有効利用よ!!」
「うう・・・・。」
〜〜〜♪
〜〜♪〜〜〜♪〜〜
〜〜〜〜♪〜〜〜〜♪〜
踊る君を見て 恋が始まった
あなたの髪にふれ 私ができること
何だかわかった
〜〜♪〜〜〜〜♪〜〜〜〜
〜〜〜〜♪〜〜〜〜
〜♪〜〜〜〜
薄暗い店内で、globeのCan't Stop Fallin' In LoveがBGMとして流れている。
さっきから90年代の曲しか流れていない。
きっとママのチョイスで、ママが全盛期だったころの曲を流しているんだろう。
ショータには「過去のことなんか忘れて、次見つけなさい!!」的なことを言っているが、ママだって昔に浸っている。
きっとショータに言っていることは、ママも自分に言い聞かせるように言っているんじゃないか。
そう思ってしまったら、熱弁しているママの姿が可愛らしく見えた。
「ちょっと、拓斗。なに、あんた、人の顔見てニヤニヤ笑ってんのよ。
気色悪いわね〜〜。」
「いや、別に。ただの思い出し笑い。」
「大丈夫かね、この子は。ほら、ショータ!あんたも拓斗見習ってシャキっとしなさい!!」
「うーーー」
「駄目だわ、この子。しばらく放ってきましょう。
ところで、拓斗は最近なんかないの??」
踵を返すように、今度の標的は俺になったみたいだ。
「ないよ。俺は・・・。」
ジントニックをマドラーでカラカラとかき回す。
「あんた、前来た時も、なんにもないって言ってたけど。
学生なんだから、好きな人くらいはいるんじゃないの?」
すると、ショータがむくっと起き上がり
「ママ、こいつにその手の話振っても面白くないよ!
好きだった男にヤリ捨てされてから、恋愛恐怖症なんだって!!」
「ショータ、余計なこと言うな!!」
「あら、そんな面白そうな話題があったの!?なによ、聞かせてよ!」
ママが身を乗り出しながら、聞いてくる。
俺らはカウンター席に座っているのだが、あまりのママのハシャギぶりに他のお客さんもこちらを見ている。
「なんでもないよ。ただ、ショータが言ってるだけだから。」
それを聞いたショータは、はカウンターにうつ伏せになりながら
「恋愛恐怖症って言うけど、
ようするに、まだ前の人を忘れられないんでしょ・・・。」
と言って、眠りの世界に行ってしまった。
俺は、何も言えずに残ったジントニックを見つめた。
ママはそんな俺の表情を見ると、
「さ!今夜は久しぶりに拓斗が来てくれたんだから、歌うわよ〜〜。
ヒロキ、いつものあの曲いれてちょうだい!!」
と言って、話題をそらしてくれた。
結局、隣で寝てしまったショータを横目に、朝方までバーの人たちとカラオケなどで盛り上がってしまった。
翌朝5時、俺はショータをたたき起こして、店を後にした。
帰り道、ショータは
「なんで起こしてくれなかったんだよ〜〜。俺だけ除け者やんか〜〜。」
と、完全にふてくされていた。
でも、昨日 あれだけ喋って飲みつぶれたおかげで、どうやら少しは気が晴れたようだ。
「ママがまた遊びにおいで、だって。」
「あったりまえじゃん!!今度は、拓斗の話で盛り上がらなきゃな!!」
「俺の話はいいよ。。。」
すると、さっきまでヘラヘラしていたショータは急に
前を向いている俺の顔を覗いた。
「なー、まだ忘れられないのか・・・。あの人のこと。」
「・・・。なんだろうね・・・。こんなにも時間がたったのにな。」
「そんなに焦らなくていいんじゃね。ゆっくりさ。いい人、見つかるといいね。」
「そーだな。」
俺はまだタクシーしかいない朝方の静かな道路を見ながら、答えた。
すると、ショータは朝には似合わない大きい声で
「じゃあ、とりあえず腹減ったから、朝マック行こうぜ!!俺腹減ってしにそーー。」
相変わらず、テンションが読めない子だ。
そんなショータが、俺は好きなんだけど。
「お前って本当によく食うな〜〜〜(笑)」
と、いつもの調子で俺らはマックへと向かった。
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さっそくありがとうございます!気になる伏線ばかりですね。楽しみです!
法なのに(ですよね?)卒論って珍しいくないですか?大変だったと思います。ほんとお疲れっした。
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「じゃあ、行ってくるから。」
そういうと、台所からドタバタと母さんが箱を持って走ってきた。
「あ〜〜、ちょっと待って。コーチにこれ渡して。
暑中見舞いでもらったゼリーのセット。ゼリーだったら小さい子でも食べれるから。
あんた、お子さんいるんだから迷惑にならないように早く帰ってきなさいよ」
「分かってるって。行ってきます。」
「はい、いってらっしゃい」
俺は、家から出るとチャリに乗ってコーチの家へ向かった。
コーチの家まで、というよりスイミングスクールまでは、だいたい車で10分程度。
しかし、裏道を使うと自転車でも15分かからずに行けてしまう距離だ。
俺は、高校以来に乗るマイ自転車をこいでスイミングスクールまで向かった。
案の定、久しぶりの道だったにも関わらず、10分少々で着くことができた。
腕時計に目をやると、7時前を指している。
さすがに、8月に入るといっても7時になるともう周りは暗い。
しかし、まだうっすらと夕暮れの明かりが残っていて、遠くの山まで確認できる。
俺は夏の夜が一番好きだ。
冬のように星空がキレイに見えるほど透き通った空気ではないが、
真っ暗ではなく、昆虫たちの泣き声をBGMにしながら
時間をゆったりと使える。
物思いにふけるには、一番いい時期、時間帯であると思う。
コーチのマンションの部屋まで来ると、オートロックのインターホンを鳴らした。
外見は、新しめのしっかりしたマンションだ。
コーチ業って、意外に儲かるのか?いや、きっと奥さんも共働きじゃなきゃ、こんなとこ住めないよな〜〜とか考えていると、コーチが出た。
「はい、もしもし。」
「昇です。今つきました。」
「おー、オンタイムだな。入れ入れ。」
ピーという電子音とともに、自動ドアが開いた。
俺はエレベーターに乗り込み8階を押した。
俺はエレベーターの中で
コーチの家について、奥さんに会ったときの挨拶を必死に考えていた。
「なんて言おう・・・。
コーチに昔お世話になった大前です。今夜はよろしくお願いします。
・・・よろしくお願いしますって、ちょっと変だよな〜〜」
つくづく、社会のマナーを何も知らないことに恥ずかしく感じる。
そうこうしているうちに8階についてしまった。
「まあ、なんとかするしかないな!!」
俺は部屋の前まで着くと、覚悟を決めてインターホンを鳴らした。
ガチャ。
「よく来たな。」
「良かった〜〜。しょっぱなコーチで(笑)」
「ん?まあ、いいや。入れよ」
「お邪魔しま〜〜〜す!!」
Tシャツにジャージといたってラフな格好をしているコーチは、そそくさと廊下の奥、リビングの方に消えてしまった。
俺は丁寧に靴を並べると、ふと写真たてが目に入った。
ディズニーランドでミッキーと三人の家族が写っている。
子供はまだ二歳くらいだろうか・・・。
笑顔がその子を抱きかかえているコーチの笑顔と、うり二つである。
その隣の奥さんも笑っている。
「幸せそうな家族だなー。」
微笑ましいと同時に、何か悲しくなる自分もいた。
「まだ、そんなとこにいたのか。早く入ってこいよ。」
「あ、すいません!!」
俺は、我に返り廊下の奥へと進んだ。
リビングのドアを開き
「お邪魔しまーす」
と、子供もいるので驚かせないように、大きすぎない声で言った。
しかし、そこには想像していた光景はなかった。
「・・・あれ??」
「ん?どうかしたか?」
ダイニングでグラスやらを準備しているコーチが不思議そうにこっちを向いた。
いや、不思議がるのこっちの役なんだが。
だって、どこを見ても、隣の寝室も電気は暗いがドアは空いているので、少し覗いても、
いるはずの人がいないのだ。
「あの〜〜、コーチ。奥様は??」
俺は、もしかしたらここからでは隠れて見えていないのかもしれないと思い、
小声で恐る恐る聞いた。
「あ〜〜、嫁ならいないよ。」
「え!?まさか・・・離婚とか!?」
「・・・そうなんだよ。
ついこの間、息子を連れて出て行っち待ってな・・・」
コーチはグラスを持ったまま、下を向いて答えた。
「えっ・。すいません。その、、、あの知らなくて。・・・。」
とんでもないことを口にしてしまったと思った。
しかし、
「昇・・・。
嘘に決まってるだろ。プハハハ。」
と、コーチは腹を抱えながら豪快に笑った。
「へ!?」
俺は間抜けな顔をして、まだ笑っているコーチに目を向けた。
「悪い悪い。昇の反応があまりにも面白くてさ。。。
離婚はしてないよ。安心しろ!!」
「マジっすか!!??
もー、やめてくださいよ。変な嘘つかないでくださいよ(笑)
でも、ところで奥さまは??」
「あ〜、嫁なら、第二子を授かっちゃって、家にいても俺があんまり面倒も見られないから、今実家に子供と一緒に帰ってるよ!!
というわけで、今夜は俺とお前、二人っつーわけだ。」
「そーだったんですか!!てか、二番目のお子さんもできたんですね。
それは、おめでとうございます!!」
「ありがとうな。ちょっと、予定外だったけどな(笑)」
「恐ろしいこと言わないでくださいよ、コーチ。」
俺は苦笑いしながら、荷物を置くとコーチのいるダイニングに向かった。
「コーチ、自分もなんか手伝います。」
俺は、勝手に蛇口をひねり、手を洗った。
「お前、女房より気が利くな。
惚れ直したぞ。」
「変な言い方しないでくださいよ。これくらい誰でもできますから。」
俺は、赤面しつつ答えた。
「じゃあ、とりあえず俺が食器に料理を盛り付けるから、リビングの机に持って行ってくれ。」
「分かりました。
すごい!!この料理、コーチが作ったんですか??!!」
見ると、ダイニングにはアボガドの春巻きなど数種類の料理が用意されてあった。
「まあ、スーパーで買ったものもあるけど、大抵つくったよ。」
ちょっと照れくさそうに答えるコーチはやんちゃな小年ぽくて可愛かった。
「すごいなー。コーチって見かけによらず〜〜の典型例ですね!!」
「それって、褒められてるのか?」
「褒めてますよ〜〜(笑)」
俺は、盛り付けた皿をリビングへ何回も往復して運びながら、
コーチとじゃれ合うように楽しんでいた。
俺は、
新婚さんてこんな感じなのかなと考え、
ふと孝太さんのことを思い出したが、
コーチとのお喋りを楽しみ、食事の用意を進めた。
「昇〜〜、嫁も子供もいないから、今晩はがっつり飲むぞ〜〜!!」
と、ダイニングからコーチに言われ
「合点承知です!コーチ!!」
と、昔のコーチと教え子時代の時のように返事をした。
しかし、
また昔のような二人の関係に戻れるとはいかなかった。。。。
チリン、チリン。
長い夏の夜の始まりを知らすように、ベランダの風鈴の音が響いた。
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>りょうたさん
りょうたさんも卒論組でしたか!
もう、卒論のほうは終わりましたか?
また、時間つぶしにでも読みに来てくださいね(^_-)
>ダイスケさん
いつもコメありがとうございます!!
卒論、大変でしたよ〜〜。
4年にして、初めて大学生っぽいことした感じです(笑)
今週は更新もコンスタントにいけると思うので、また感想等よろしくお願いしますね!!
you
<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.1; ja; rv:1.9.2.13) Gecko/20101203 Firefox/3.6.13 @p7208-ipbfp01kyoto.kyoto.ocn.ne.jp>
卒論お疲れ様です!!
そして怒涛の更新ありがとうございます\(^o^)/
ってかもしかしてこの展開は…笑
更新楽しみにしてます!
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「ゆりちゃん、体調悪いんだし、もう帰っていいよ。」
「ゴホゴホ・・・。でも、今日店長休みですし、
私抜けたら拓斗さん、一人になっちゃいますよ。」
俺は、コーヒーメーカーのメンテをしながら、古びた掛け時計に目をやった。
午前1時になろうとしていた。
「大丈夫、あと一時間で閉店だし、火曜だから誰も人なんて来ないって。
店長のことは心配しなくていいから。
一応、俺ここで一番古いバイトだから、後でうまく言っとくよ。」
「っゴホ。でも・・・ゴホッ。」
ふー。
見た目に似合わず全く頑固な娘だ。
「そんなんじゃ、客にも移しちゃうし、拗らせて明日バイト休まれる方が迷惑だから。
な?」
強く言うつもりはなかったが、言った後に言い過ぎてしまったんではないかと後悔した。
ゆりちゃんは、俯いてしまったものの少ししてから顔を上げた。
「・・・分かりました。
じゃあ、今日はお言葉に甘えて、帰ります。」
「よしよし、イイ子だ」
と、俺は笑顔で帰した。
ゆりちゃんは、エプロンを脱ぎ、帰りの支度が終わると、
ドアに手をかけ振り返った。
「私、拓斗さんのそのやさしさ、誰よりも、ほんまに好きですから。
じゃあ、お先に失礼します。」
と、一礼してから出て行った。
「参ったな〜〜」
と、めんどくさい事になるなよ〜と思いながら、頭をかいた。
「さ〜て、なにすっかな〜」
俺は、とりあえずメンテの終わったコーヒーサーバーから離れ、布巾でカウンターを拭き始めた。
ここは、俺がもう3年もバイトしているカフェである。
三条京阪の居酒屋街の片隅にある小さなカフェ。
よくリーフとかで出てくるようなお洒落な町屋カフェではない。
店内は薄暗い照明に、カウンター席といくつかのテーブル席という至ってシンプルなつくり。
俺がシフトに入るのは、大抵夕方からなので、飲み会帰りに立ち寄ってコーヒーを飲んでいく客がほとんどである。さすがに、それだけでは儲からないので、キャバクラなどに軽食のデリバリーもしているが、ここ最近ではそれも止まってしまった。
やっぱり、世間は不景気なんだな。
親の仕送りで、ほぼ生活しているような世間知らずの学生には、こういう時に社会の厳しさを感じてしまう。
テーブルを一通り拭き終わると、仕事がなくなってしまった。
時計を見ると、一時を回っていた。
「閉店まであと、一時間か・・・。
ここからが長いんだよな。」
誰もいない店内。
ほんのかすかに流れるBGM。
こういう時、ふと昔の事を思い出してしまう。
あの人は、今どこで、何をしているんだろう。
最初は、そんな気持ちなんてなかった。
お互い時間作って会って、寝て。。。
そういう関係だとも自分でわかっていた。
でも、だんだん惹かれてしまって、好きになってしまった。
絶対叶わない恋だと分かっていても、
我慢できなくて・・・。
自分には勝算があるんじゃないかって思った。
セックスの成り行きだったかもしれないけど、
確かに、好きって言われた。
「彼女に会わずに、拓斗に会いに来たよ」
だって、言ってくれた。
だから、告白した。
でも、
結果は想像通りだった。
「男は恋愛対象にみれない」
その場で涙を抑えることで精一杯だった。
放心状態のまま帰ってきて、
ショータが来てくれて
「人生の痛みを知れた、いい経験だったな。
よく告白した。お前はえらいよ!!」
って、言われた瞬間、
人生で初めて大泣きした・・・・。
それから、一年がたった。
あの人のことを忘れようと違う人を見つけては遊ぶようにしていたけど、
結局は、すべてが傷を舐めてもらうだけ、寂しさを紛らわしているだけだった。
そんな俺だから、
もちろんショータには、まだ未練タラタラなのがバレている。
タイムマシンがあったら、あの人と出会う前まで戻って、どうにかして俺と出会わないようにしてやりたい。
それでも、今でも逢いたい気持ちは変わらない。
でも、逢って何がしたいのかと言われたら・・・。
話したいの?
手をつなぎたいの?
抱きしめたいの?
Hがしたいの?
・・・・・。
「あ〜。暇になると、ろくな事考えない!!」
俺は、暖かいおしぼりを出してくると、グシャグシャと顔を拭いた。
チリンチリン。
と、その時、
ドアの鐘が響き、一人の人が店内に入ってきた。
そして、その人の顔を見て俺は自分の目を疑った。
そこに立っていたのは、
俺が好きだった人
正確に言うと、ビックリするくらい似ている人が入ってきたからだ。
「すいません、まだ店やってますか」
その人は、俺に目を向けると、静かな声で言った。
「大丈夫ですよ。どうぞ。」
俺は、自分の心臓の爆音にびっくりしながら答えた。
その人は、カウンターの席に座ると
「すいません、コーヒーをください。」
とだけいって、下を向いてしまった。
どうやら、相当酔っているみたいだ。
俺はコーヒーの準備をしながら、その人のほうに目をやった。
下を向いているものの、やっぱし顔が似ている。
肌の白さや、鼻の高さ、そして、さっき見た瞳の透き通るような透明度。
店内には
コーヒーの香ばしい匂いと、
それとは別に不思議な空気が漂っていた。
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▼なりさん:
更新遅れてすいません!!
なんか家のパソコンから全然投稿できなくて・・・・汗
昇君、どうなっちゃうんでしょうね(笑)
拓斗君も気にしておいてくださいね(爆)
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待ってました!!!
毎回展開楽しみすぎて
ついついガッツリ読んでしまいます。
ゆっくりでもいいんで
気長に更新してください!
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▼のぶさん:
コメントありがとうございます!!
もっとがっつり読んでもらえるようにがんばりますね!
ただ、次回は表現する部分が多いんで(笑)、なかなか進まなくて・・・うん、がんばります。
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すごく上手です!
毎回楽しみにしてます!
ありがとうございます!!
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この話好きだったので続き読みたいです!!
気長〜に待ってますので、ぜひヨロシクお願いします。。。
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久しぶりに読み返しちゃったけど面白いです。
時間あるときにでも続き書いて下さい!
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