スマホの検索履歴を消した直後なのに、なぜかまた同じ言葉を打ち込んでしまうことがあるのではありませんか。
女装、責められる、男同士。誰かに見られるわけでもないのに一度消して安心し、それでも指はまた同じ検索欄へ戻っていく。
けれど実際のあなたの部屋には女装用の服は一着もなく、化粧品ももちろん置いていない。
鏡の前で女装した経験も一度もない。
ただ頭の中では、男に主導権を握られて静かに導かれる自分を何度も想像している。
掲示板も開くが、読むだけで閉じてしまう。
自分はまだ関係のない世界の人間だと整理して終わらせているのでしょう。
私はそういう未経験を軽く扱うつもりはありません。
準備が整っている男より、何も持たずに戸惑っている男のほうが、むしろ素直に委ねられることもあるからです。
焦って服を買う必要も、無理に変わる必要もありません。
ただ、まだ何も始めていない自分を見ないふりする段階は、そろそろ終わりに近づいているのではありませんか。
豊橋。日中。