夜になると、また掲示板を開く。
誰にも見られていないのに、視線だけが落ち着かない。
女装した男が責められている投稿を眺めて、途中で閉じる。
しばらくして、また開く。その繰り返し。
下着の広告を見ても指が止まる。
買う理由を考えて、消す。
昔より興味は薄れたと思おうとしても、検索履歴だけ残る。
豊橋日中の静かな部屋を想像しても、そこに自分を置くところで止まる。
年齢を理由に戻ろうとするけれど、戻るたびに同じ場所を見るようになる。
投稿主は多くを言わない。
ただ、こちらが隠そうとする動きを見ている。
急かさない。試すような言葉もない。
ただ、逃げる時だけ少し黙る。その沈黙が残る。
やり取りだけでもいい。
そう言われると余計に閉じづらくなる。
女装なんて自分には関係ないと思いながら、鏡の前で服を当てる時間だけ消えない。呼吸だけ妙に浅くなる。
また閉じて終わる。そのまま戻るだけになる。
豊橋日中の光の中で、初めて誰かに見られた瞬間、自分で止めていたものが静かに崩れる。
説明は、そこで終わる。