運転する櫻井くんの背中でさっきの出来事を思いだし、色々と考えてしまった。
ノンケがゲイに告白するなんて前代未聞だ。
映画でも観たことがないし、夢でも見ているのだろうか?
でも間違いなく俺の脳裏には、櫻井くんのあの言葉が焼き付いてる。
『俺じゃダメなのか?』って、言った言葉が、。
櫻井くんは、どんな気持ちで言ったんだろうか?
それに俺の方が悪いのに、自分から「ゴメン」と言ってくれた。
俺を連れ出すのにも色々考えたのかも知れない。いや絶対に考えたはずだ。
俺は感傷に浸りながら櫻井君の背中から腕を強く回し、
冷たい夜風で鼻水をすする振りをして必死に涙を堪えた。
すると急にバイクが止まった。
「どうしたの?」
「ゴメン、屁が出そう」そう言って一発かました。
「臭う、窒息死しそう、ぐ、ぐるじい、、」俺はオーバーに言って涙を隠した。
「しょうがないじゃん、自然現象は抑えられないし」櫻井くんはただ笑うだけ。
俺は被ってるメットで、櫻井くんの背中をゴツンと叩いて仕返しをした。
「あぁ〜何すんだよ、ヒロトって意地悪だな、事故ってしまうよ〜いいのかぁ〜〜」
途中でラーメンを食べ空腹を満たす。味噌ラーメンが冷え切った身体を温めてくれる。
トイレに入ったら自分でもビックリする位、酷い顔。
こんな顔、櫻井くんに見られていたのだろうか?
俺は冷たい水で何回もゴシゴシと顔を洗った。身も心もスッキリした。
部屋に着くと、櫻井くんが無口になってしまった。
風呂に入る事になっても、いつものパン一にならないで大人しくしてる。
「どうしたの?」と聞いても「なんでもない」と言う。
俺が風呂からでてきても、風呂からあがった櫻井くんがボンヤリしてる。
「寒くないの?」
「暖房ついてるし、」
「なんか、温ったかいもの飲む?」
「う〜ん、どうしようかな?」
「もう時間も遅いし、そのままだと風ひいちゃうよ?」俺はそう言ってベッドに入った。
今日の疲れもあってか、俺はいつの間にかウトウトと眠ってしまった。
どれ位、経ったのだろうか?んぅあれっ? な、なんかすんげぇ背中の方がゴソゴソする。
なんだろう?眠い目をこすって目を開けると、電気スタンドが点いている。
背中越しに振り向くと、櫻井くんが俺の背中をギュっと抱きしめるようにくっついている。
って、えええぇぇ、な、なん、なんだよこの状況は〜?
櫻井くん、なにしてるんだよ〜、俺を女と勘違いしてんのかよ?
ん、ってか、あ、当たってる〜〜。確かに櫻井くんのチンコが俺のケツに当たってる。
はぁ〜櫻井くん、何してるんだ? 俺、知らないよ、自分のしてる事分ってんの?
ってか、ケツに当ってるチンコが気になるし、ドキドキするし、眠れる訳ないじゃんw
ま、まさか今から俺と、?? んな訳ないよな??? どっちなんだよ!
俺はじっとしたままだった。いや動こうとしたけど動けなかった。
この先どうなるんだろ?そればかりが気になる。
すると「ヒロト・・」って、小さな声で恥ずかしそうに俺の名前を囁き、ギュっと力を強めた。
俺は自分のチンコを握りしめながら体を硬直させた。