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コウスケ20
 じゅんき  - 10/7/25(日) 17:22 -
「コウスケ……」

俺の声は雨の中に消え入りそうだった。
今俺の目の前にいる人間がコウスケなのか…
俺は確かめるようにつぶやいていた。

「……コウスケ?…」

「ジュンキ……」

俺は暗闇の中で一心にコウスケを見つめた。
コウスケと目が合う。
暗くて表情までは読み取れないが、驚いているのはわかった。

「…あ、俺、その…なんていうか、俺も…ここなんだ、大学…」

突然すぎて、俺は他に言うことができず、慌てて言った。
そりゃ驚くよな
俺は無理やり笑顔をつくった。

コウスケはまだ信じることができないようだ。
コウスケはただ俺をじっと見たまま止まっている。

「えっと…だから、俺……」

なんて言えばいいんだ?
あれだけ考えていたのに…
言葉が浮かんでこない。
いざ実際にコウスケを目の前にして、俺は嬉しいという感情よりも、空虚感に覆われて言葉に詰まる。

沈黙だ。

雨が激しくなってきた。

そうだ、謝らないと

俺は沈黙を破ろうと、再び口を開く。

「コウスケ…俺…」

「とりあえず、来いよ…ここだと、濡れるやろ……俺の家、すぐそこやから…」

片言でコウスケが言った。
やっぱり怒ってるのだろうか
その声の調子から、俺はそう思った。
コウスケは俺から目をそらして、寮がある方へ歩き出した。
俺は黙ってそれに従い、その背中についていく。
コウスケは振り返ることなく、無言で、足早に歩いていく。

コウスケの部屋に着いた。
コウスケは何も言わないまま、部屋の中に入っていき、タオルを2枚持ってきて、戻ってきた。
俺はどうしていいかわからず、玄関に突っ立っていた。

「タオル…」

そう言って、コウスケは俺にタオルを渡した。
その声はやはり片言だった。
部屋の明かりでコウスケが無表情なのがわかった。
俺をまっすぐに見ようとしない。

コウスケに何と思われてても、俺は謝らないと
俺はタオルを握ったままで、このままだと再び沈黙が訪れてしまう気がした。
俺は唾を飲み込んで、口を開いた。

「ごめん…コウスケ……」

引用なし


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コウスケ19
 じゅんき  - 10/7/25(日) 17:20 -
俺は勉強に励んだ。
その大学に行けば、コウスケに会える。
そのために勉強した。
そのためにランニングを続けた。
コウスケに会い、また一緒にランニングできるように。

それに……謝らないとな


3月になった。

俺は無事合格した。
大学は住宅地を離れた、ほどよく自然に囲まれたところにある。
部屋も見つかった。独り暮らしだ。
そこは良い街だった。
落ち着いた雰囲気で、都会とはいえないが、少し行けばオシャレな店もあるし、電車も混まない。なにより、道が広くて、ランニングには最適だった。
毎回新しいコースに見つけては、コウスケの姿を探した。

そして、入学式前日。

俺はいつものようにランニングするために夜8時に家を出た。
今日も俺は大学の周りを走ってみた。
そのコースは大学生の寮が並んでいて、大学の所有するテニスコートやサッカー場、そして野球場がある。
だから俺はもう何度もここを走っていた。
コウスケが本当にこの大学に進学しているのかなんて確信はなかったが、そう信じて走っていた。

ちょうど野球場のそばを走っていると、ポツポツと雨が降り出した。
雨が激しくなる前に帰ろうと思い、スピードを上げたその時だった。

野球場から足早に走ってくる人影がこちらに近づいてきた。
暗くてよく見えなくて、俺はそのまま通り過ぎるつもりだった。

しかし俺は足を止めた。
相手も同じように立ち止まった。

……コウスケだった。

引用なし


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コウスケ18
 じゅんき  - 10/7/25(日) 17:19 -
俺は3年になった。
塾もやめて、勉強に身が入らないまま高校最後の夏休みがとくに思い出もなく終わろうとしていた。

この時期にはもう進路についての話も具体的になり、担任との面談で俺はなんとなく、そこそこ名の知れた大学を希望した。

「お前、あの大学はけっこうレベル高いぞ。大丈夫か?」

俺の担任は野球部の顧問もしている。

「あ、はぁ」

俺は弱気な返事をした。

「まぁ、これからの頑張りしだいだな。そういえば、山本もあの大学行くって言ってたぞ。野球部におっただろ?転校してしまったけど…」

俺は顔を上げて、まっすぐに担任を見た。
山本なんて名前を聞くのも久しぶりだったし、それがコウスケのことだったから。

「…まぁアイツは体育学部のほうだけどな。それにしてもホンマにすごい奴だよ。この前野球部で県外の大会行ったら、アイツに会ってな、しっかりチームをまとめとったわ。天性の才能なんだろうな。みんなを惹きつける才能っていうんか。わしも見抜いとったけど…」

コウスケが俺と同じ?
あの大学に行くのか?

「先生、それ本当なんですか?」

俺は担任の目に浮かぶコウスケを見つめて言った。

「ん?もちろん。アイツの才能は初め見たときから…」

「そうじゃなくて、僕と同じ大学を目指してるんですか?山本」

「あ、ああ。あの大学は野球も強いからな。お!そうだそうだ。その時に山本もお前のこと聞いてきたぞ…」

そうか。一緒の大学か。また会えるのか?
ん?コウスケが俺のことを聞いてきた?

「…なんか真剣な顔で、吉田は元気にしてますか?って聞いてきたぞ。だからわしが今担任しとるって…」

コウスケ…
俺のこと覚えてるのか…
心配してくれてるのか?

俺の中で何かがじわりと沁み込んで、締め付ける。

たまらなく会いたくなった。

「…そしたらショートのやつがエラーするわ…」

「先生、俺、じゃなくて、僕、塾あるんでそろそろいいですか?」

俺は担任の返事を待たずに立ち上がった。

「失礼しました」

俺は担任に軽く頭を下げて職員室を出た。

この締め付けを緩めようと、深く息を吸ってみる。

やっぱり締め付けはおさまらない。

しかしそれはだんだんとある希望に変わっていった。

また会えるかもしれないという希望に。

引用なし


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コウスケ17
 じゅんき  - 10/7/25(日) 17:16 -
俺は結局、最後まで何もできなかった……

コウスケは俺を避けるようになった。
学校で見かけても、すぐにいなくなる。
目が合っても、俺は苦笑い、むこうはすぐにそらしてしまう。

声をかけたらどんな反応するだろうか?
その前に何て声かければいい?
俺が悪いんだよな…
なんて謝ればいんだろ?
今さら謝ってどうにかなるのか?
やっぱ俺にはどうすることもできんよ…

俺はコウスケを見るのが苦痛になった。

俺は塾のない日はランニングに行き、いつもどうりツタヤで待ってみるのだが、コウスケが現れることはあの日以来なくなった。
ひとりで走るのは、とてもつまらなくて、コウスケの気持ちがわかる気がした。

ひとりで走っても楽しゅうない

走ってるとき、俺の中で何度もその声が響いた。

そんな感じで、1日が過ぎ、1週間、2週間と日々は淡々と過ぎていき、3学期は終わり、春休みになっていた。

俺は結局、最後まで何もできなかった……

コウスケは転校した。

それは突然だった。

塾の帰りに、俺はいつもコウスケの家の前を通るのだが、その日、4階にあるコウスケの家の明かりは消えていた。

カーテンもなく、真っ暗だった。

車も、自転車もなくなっていた。

コウスケは去ってしまった。

俺が塾でつまらないことをしているうちに、去ってしまった。

俺がつまらないつよがりにしがみついているうちに、去ってしまった。

俺に何も言わずに、突然去っていった。

その次の日も、さらに次の日も、コウスケの家は真っ暗だった。

俺はマンションの前を通るたびに、コウスケがいないということを実感させられた。

俺はコウスケの存在をあたりまえだと思い込んでいた。

俺は塾をやめた。

ランニングはやめなかった。毎日走った。

それが償いになると思った。

毎日走れば、コウスケに会えるんじゃないか。そんなことを考えて。

俺は結局、最後まで何もできなかった……


p.s.
まだ終わりじゃありません。
この続きは、新しい項目で書こうと思います。
今度もよろしくです。

引用なし


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コウスケ16
 じゅんき  - 10/7/25(日) 17:14 -
「俺、転校することになった……」

耳を疑うってのは、まさにこういう状況を言うんだろう。
この状況に脳がついていけていない。

「前からそんな話は聞いてたんやけど……昨日、それが確実に決まってしもうた…」

その声はただの音のようだった。俺の耳に響くだけ。
音はだんだんと弱くなり、小さくなっていく。

「…3学期まではおれるらしい……3年からは…他の学校や……」

そうか。コウスケは転校するのか。
そんな気はずっと前からしてた。
でも、また急なんだな。
他の学校ってどこだろう?
野球部強けりゃいいけど。

俺の脳はしだいに状況を把握して、回転を増していく。

「…すまん、ジュンキ」

見下ろすと、弱々しくて真剣な目がこっちを見ている。
脳は誤った方向に俺を導いた。

「なんでコウスケが謝るんだよ(笑)決まったことはしょうがねぇし。なんとなく、そんな気してた。お前って、いつも突然いなくなるからな(笑)まぁ、コウスケなら他の学校でも大丈夫だろ。それに、俺がどうこう言ったって、変わんないしな(笑)」

苦しい笑いを含んで俺は言った。
なぜ俺はいつもこうなんだろう?
相手の気持ちはわかってるのに、つよがってしまう。
コウスケが今俺になんて言ってほしいか、わかってるのに。

嫌だ。行かないでくれ。俺にはコウスケが必要なんだ。嘘って言えよ。

俺にはどうしてもそんな甘えた言葉が許せなかった。つまらないつよがりのせいで。

「俺は……俺は嫌や。転校なんかしとうないし、ひとりでランニングしても楽しゅうない……」

コウスケは立ち上がり、俺の肩をつかんで言った。
目の前のコウスケの痛々しい眼差しが俺にぶつかる。
俺は耐えられず、目をそらす。

「しょうがねぇよ。決まったことだろ……」

俺の声にも力がない。

沈黙がつづいた。

俺の肩をつかむコウスケの手が弱まり、すっと離れる。

「やっぱ俺……ジュンキのこと、ようわからん……」

コウスケがゆっくりと離れていく。

その背中は今にも消え入りそうだ。

俺は口を開いたが、声は出なかった。

ジュンキのこと、ようわからん

ジュンキのこと、ようわからん

俺の中で、それは何度も繰り返される。

俺だって、わからんよ……

気付くと俺は、公園にひとり取り残されていた。

引用なし


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コウスケ15
 じゅんき  - 10/7/25(日) 17:12 -
俺たちの関係が恋愛と呼べるのかはわからないが、恋愛って良いことばかりじゃないんだと思う。

俺たちはあいかわらず、一緒に帰り、8時にランニングし、しょうもない話で盛り上がったりしていた。

でもそれも3学期になって、少々事情が変わってきた。
というのも、原因は俺にあった。

俺の成績が下がったことで、俺はほとんどの日を塾に費やさなければならなくなったのだ。
必然的にコウスケと過ごす時間は減っていた。

「もしかして、今日も塾か?」

放課後、コウスケが聞きにきた。

「ああ。明日も」

俺は苛立ちを隠しながら答えた。

「そうか。まぁ、俺は毎日走っとるから、もし早く終わったら来いよ。じゃあな」

「ああ。じゃあな」

俺がそう言うと、コウスケは少しつまらなさそうに部活へ向かっていった。

俺はここ最近ランニングに行ってない。塾が終わるのはだいたい9時を過ぎる。
だからランニングはコウスケ1人で、俺はたまに参加できるくらいだ。
それでもコウスケは毎日のように、今日は走れるかどうかを俺に聞いてくる。
正直俺は苛立っていた。
何のためなのかもよくわからない勉強を強いられ、そのためにコウスケからの誘いを何度も断らなければならない。
コウスケはそんなことおかまいなしに、俺を誘っては残念そうに去っていく。
好きな野球やランニングができて、気楽に生きるコウスケを俺はしだいにうらやましく、また疎ましくさえ思うようになっていた。

そしてこの苛立ちが俺とコウスケとの関係を少しずつぎくしゃくさせていった。

2月を過ぎた頃だった。

俺は5日ぶりにコウスケとのランニングに参加できた。
ランニングを終えて、俺たちは近くの公園で休むことにした。

「ハァ、走ったらやっぱ温まるな、体。それにしてもジュンキ、少し体力落ちたんやないか?」

俺たちは電灯にぼんやりと照らせれているベンチに座った。コウスケが隣で言った。

「そうかもな。5日ぶりだから。塾では走ることないし」

今日の俺はコウスケのペースについていくのがやっとだった。それをコウスケに気付かれないように走ったのだが、やっぱりバレてた。

「なぁ、塾ってそんなに楽しいか?ジュンキはそんなに勉強してどうしたいんや?」

コウスケはぼそりと言った。
それは俺の痛いところをかすめる。

「楽しいわけないだろ。でも、将来のためだし、大学とか……」

そんなこと俺にもわからない。

「でも俺、そんなに焦ってやらんでもええ思うけど。なんやジュンキ、無駄に焦っとるように見えるで」

それはまた痛いところをかすめた。
これが自分の望んでることじゃないことくらいわかってる。ただ周りに流されてるだけってことも。
俺は言い返す言葉が見つからない。

「塾、減らせよ。そうすればこうやってランニングできるやろ?一緒に」

またかすめる。
そんなこともわかってる。俺だってそうしたい。
俺はコウスケから目をそらした。

「……俺、最近のジュンキが、ようわからん…」

それはついに突き刺さった。

「…でも、わかっとるつもりや。ジュンキやってホンマは…」

「わかってない」

俺の口から言葉がこぼれる。それは冷たく、沈んでいく。

「……わかるわけないだろ…俺だってわかんないんだよ。好きなことだけやって、気楽に生きてるコウスケにはわからない……わかるはずない……」

「でもな、ジュンキ…」

「俺だって走りたい。でも今はそんなことより大事なことがあるんだよ……」

「大事なことって?俺はジュンキとこうやって走りたい。それじゃダメなんか?大事なことって何や?」

「それは………とにかく…俺を弱気にするようなこと言うのはやめてくれ……俺だっていろいろ考えてんだよ……もうこの話はやめよう」

俺は逃げ出したくてベンチから腰を上げた。コウスケの目は見れない。
すると、寂しそうな声がこう言った。

「俺、転校することになった……」

引用なし


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コウスケ14
 じゅんき  - 10/7/25(日) 17:10 -
「やっぱ狭くないか?俺、コウスケの後でええよ」

「大丈夫やって!ジュンキはここに立っときゃええ」

昨日のことは夢だったような気がする。寝起きのせいか、意識がぼんやりしてるからか。
でも確かに昨日俺はコウスケと寝た。
起きたらお互い全裸で寄り添ってたもんな。俺は昨日のことを思い出すと恥ずかしくなった。
俺が起きるとコウスケも起きて、昨日の汚れを洗い流すため、風呂に入ろうって話になった。
そして今コウスケと2人で、2人で入るには少し狭いバスルームに入ったところだ。
昨日は暗くてわからなかったが、コウスケの体は俺なんかよりはるかにムキムキで、動くたびにそれが現れる。そして、アソコもでかい。スネ毛とかは薄いのに、アソコの毛はしっかり生えてた。
俺のは普通サイズ。毛も普通。って俺は思ってる。

「おし!じゃあ目つぶれ!」

「え?あ、うん」

頭からシャワーをコウスケにかけられる。そして俺の髪をコウスケが洗い出した。

「ちょい待った!」

俺はシャワーを逃れて、長くない髪をかきあげて言った。

「べつに自分で洗うよ」

ガキ扱いはごめんだ。俺はコウスケからシャワーを奪おうと手を伸ばす。

「まぁまぁ、そう言うなって!俺が汚したんやから、俺が責任もって洗わんとおかしいやろ?」

コウスケは俺の手をかわして、そう言い、白い歯を見せて、俺の髪をシャンプーで洗い始めた。
俺はこの笑顔に弱いのかもしれない。俺は目をつぶって言った。

「ただ触りたいだけだろ?そこまで言うなら、ちゃんと洗え。あと変なとこ触んな」

「ん?変なところってどこのことや?ここか?(笑)」

俺はアソコを軽く揉まれるのを感じた。

「おい!マジ調子乗んな」

俺は目をつぶったまま言った。

「お、すまんすまん。あれ、でも立ってきてるで、ジュンキの(笑)」

俺は自分のアソコが変化していくのに気付いて、顔が赤くなった。

「俺やっぱあとでひとりでシャワー浴びる」

俺は怒って言った。

「ごめんって!ジュンキ。誰にでも起こることやって!ほれ、俺のも」

俺は片目を開けてコウスケのアソコを見た。
コウスケのアソコも立ってきてた(笑)
俺は吹いてしまった。

「別に見せんでええし(笑)しかも俺、コウスケと同類かよ(笑)コウスケほどエロくないのに(笑)」

「まぁ、そういうことやな(笑)おし、流すぞ」

俺は再び目をつぶる。

引用なし


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コウスケ13
 じゅんき  - 10/7/25(日) 17:09 -
部屋は真っ暗だ。

「ジュンキ、好きだ」

コウスケはそう言って、俺にキスした。
俺は黙ってそれを受け止める。
唇だけじゃなくて、鼻と鼻も重なるから、酒の臭いがプンプンするコウスケの息を吸うしかなかった。温かい。
俺はコウスケの舌を受け入れた。
俺の口の中をかき回すそれは柔らかくて、熱い。
俺も負けじと舌を絡めた。その音はなんともいやらしく響く。
俺を抱きしめるコウスケの腕が緩まり、その手は俺の腹に回った。
シャツをめくられ、俺の腹をたどるようにして、胸で止まる。
ウッ……
俺は緊張で力を入れてしまい、コウスケの口の中に声をもらした。
コウスケの唇が離れ、俺を見ている。
コウスケの表情はいままでに見たことないようだった。
優しげで、寂しげだ。
コウスケは何も言わず、馬乗りになった状態で俺からシャツを脱がた。
俺を見下ろして微笑み、再び俺の上に倒れて、キスを求めた。
再び舌を絡めながら、俺はコウスケの肉体を直に感じる。分厚い胸筋が柔らかく俺を包んでる気がした。
俺はゆっくりと腕を伸ばし、コウスケの背中に回してみる。そのまま強く抱きしめた。
コウスケが微笑んだような気がした。
俺は自分のベルトが緩むのに気付いた。コウスケの手が俺のズボンをゆっくりと脱がしていく。
俺は少し腰を上げた。ズボンは脱ぎ取られ、俺もコウスケと同じ格好になった。
俺のアソコはトランクスを押し上げている。
それをコウスケの手が何度も触る。
俺も恐る恐るコウスケのアソコに手を伸ばしてみた。
するとコウスケが俺の腕を掴んで、俺の腕をコウスケのトランクスの中へ導いた。
俺の手に固くて熱いモノが当たっている。
俺はそれを優しく扱ってみた。先端はヌルヌルしていた。
ウッ……
今度はコウスケが声をもらした。
コウスケは自分のトランクスを脱ぎ、俺のも脱がした。
俺のアソコもコウスケに扱われる。
ウッ……
俺は感じてしまう。
するとコウスケは俺の耳に囁いた。
舐めて……
え?……
俺は驚いて聞き返した。俺はこういうことに無知だった。
コウスケは体の向きを変えた。
俺の目の前にコウスケのアソコが現れた。
暗くてよく見えないが、それはでかかった。
突然俺のアソコが熱くなるのを感じた。
熱くて柔らかい、ヌルヌルしたものが俺のアソコを包んでるような。
ウッ……
気持ちいい。なんでこんなことが気持ちいいんだろ?
俺は何度も声を漏らしながらそんなことを思った。
俺もコウスケのために。
そう思って目の前にあるアソコの先端に恐る恐る舌を近づけた。
ねっとりしていた。ひと舐めで気持ち悪くなったが、覚悟を決めておもいきりそれを口に含んでみた。
目をつぶり、必死に舌を動かす。太くて熱かった。
俺のアソコがやられてる所を俺も舐めた。
ときどきお互いの体がビクついたり、声がもれたりした。
コウスケの舌に俺は完全に酔ってしまい、ついに限界がきた。
ウッ……
俺はすぐにコウスケの口から俺のアソコを抜いた。
出てしまった。その液は俺とコウスケの体にかかった。
ウッ……
コウスケの体がビクついた。
俺の口からコウスケのアソコが抜かれ、その瞬間、白い液が飛ぶのが見えた。
それは俺の体にかかり、顔にも少しかかった。
コウスケは息を荒げて俺に向き直った。そして俺の顔にある液を指で拭きとって、再び俺の上に倒れてきた。
俺とコウスケの火照った体は重なり合って、コウスケの体重を俺は心地良く感じる。

風呂は明日でいいか……

俺はそうつぶやいて、コウスケの背中に腕を回し、おもいきり抱きしめながら目を閉じた。

引用なし


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コウスケ12
 じゅんき  - 10/7/25(日) 17:07 -
リンゴ鍋は……鍋だった。
コウスケがあんなに頑張って擦ったにもかかわらず、リンゴは力を発揮することなく、鍋の味に負けてしまっていた(笑)つまり、ごく普通の鍋。
俺は安心して最後までたいらげることができた。

「美味かったな。普通に(笑)」

「え?ああ。リンゴが上手く隠し味になったってことやな」

コウスケは不満そうだ。もっと違う味を期待してたんだろう。

「隠れすぎな気もするけどな(笑)けど、マジで美味かった!コウスケって料理とかするんだ?」

「軽くな。ジュンキは逆にしなさすぎやろ(笑)白菜ズタズタやったぞ(笑)おし!もう1本いくか!」

コウスケはそう言うと、また新しく缶ビールを開けた。俺のと合わせてこれで4本目。
実際俺の分もほとんどコウスケが飲んでる。

「ジュンキ、注いで。お前ももっと飲めって!今日はおもいきり酔うぞ」

コウスケの弱々しくなった動きを見かねて、俺はコウスケのグラス満タンにビールを注いだ。
俺はもう飲まない。というか、中ハイなら飲んだことあるが、ビールというものには苦みしか感じられない。
コウスケはグビグビと飲み干していく。
こういうところが俺をガキっぽくしてるのだろうか?
俺はなにかとコウスケに頼っている気がした。

……2時間後。時刻は夜11時を回っていた。

コウスケはトランクス1枚になっていた(笑)目はトロンとして、顔が赤い。
全身赤かった。綺麗に割れた腹筋も、膨らみをもった胸筋も、発達した肩も腕も。
俺はついつい見惚れてしまう。

「暑くないか〜?ジュンキ〜……」

コウスケはそう言いながら、俺の頬を触ろうとしてきた。でもいつもより動きが鈍い。
俺はその手をかわして言った。

「お前が飲みすぎなんだよ。おい、どこ行く気?」

コウスケはフラフラと立ち上がった。

「小便……おっと…」

よろけそうなコウスケをほっとけず、俺は立ち上がり、コウスケの隣についた。そしてコウスケに肩を貸す。コウスケの体重がグッとかかった。

「ほんと大丈夫かよ?小便までは手伝わんぞ」

「ん〜?ちゃうわ、もう寝る」

バカになったコウスケは向きを変えて、自分の部屋に行こうとする。

「は?寝るって、小便はええんか?それに、風呂入らんの?」

「おん、ジュンキと寝る」

コウスケは俺の話を聞いていない。俺はしかたなくコウスケの部屋にバカになったコウスケを支えて連れていった。
ようやくベットの前までたどりついた。ベットは1つしかない。

「おし、着いた。コウスケ?俺はどこで寝ればいんだよ?」

俺に完全にもたれかかったバカになったコウスケに聞いた。

「俺らええ夫婦になれそうやな」

バカになったコウスケが微笑んで俺に言った。

「そうだな。で、俺はどこで……うわっ!?」

バカになったコウスケはそのままベットに倒れ込み、それが俺まで倒した。
気付くと、俺の上にコウスケが乗っかっている。

「ジュンキ〜寝るぞ〜」

「お、おい!バカ!重いって!お前ほんと酔いすぎだから!」

俺はバカをどかそうとしたが、体格差でもたついているうちに、バカにおもいきり抱きしめられて、身動きがとれなかった。
コウスケの酒臭い息と、体重と、綺麗に発達した肉体を感じて、俺はなにもできなかった。

引用なし


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コウスケ11
 じゅんき  - 10/7/25(日) 17:06 -
コウスケの家はマンションの4階で、中はさっぱりとしていた。

「お邪魔します。お!キレイな家だな。花とかあるし。いい匂いがする」

俺は靴を脱いであがる。コウスケが後に続いてあがった。

「まぁな。俺お坊ちゃんやから。なら、荷物は俺の部屋にでも置いてくれ。そこ行って右」

俺は言われたとおりコウスケの部屋に入った。
見ると、部屋の壁にはコウスケの17年間の思い出が写真となって飾られている。
前の学校の友達と楽しそうに写ってたり、集合写真だったり、野球チームとの写真だったり。
俺はそれを眺めていた。そうしていると、なんだか寂しくなった。
改めて、コウスケが何度も転校してたことがわかって、同じように、いつかここからもいなくなってしまうような気がした。

「おい!ジュンキ。鍋作るぞ!」

コウスケが俺を呼びにきた。

「あ、おう!」

俺はコウスケの後について、キッチンへ。

「なぁ、コウスケ?転校って辛かったりすんの?」

俺は慣れない手つきで白菜を切りながら聞いてみた。
コウスケは俺の隣で手際よく下ごしらえを済ませていく。

「ああ、多少わ。俺、なんとか友達には恵まれてたから、辛いときもあった。でも馴れた」

「そっかぁ」

俺は手を止めてコウスケを見ていた。
コウスケはちょうどリンゴを擦ろうしている。

「どしたんや?ジュンキ。やっぱリンゴはやめとくか?」

コウスケも手を止めて俺を見た。

「いや、俺、転校とかしたことないから、どんな感じなんかなぁって。そんなに頻繁にはしないんだろ?転校。卒業まではおるよな?」

うんと言ってほしい。

「どうやろな。でも俺もここで卒業したいかな。なんやジュンキ、俺のことを心配してくれとるんか?」

コウスケはふざけてそう言った。
それに対して、俺はつよがってしまう。

「いや、コウスケはどうなんかなって思っただけだから。まぁお前はどこ行っても上手く生きていけそうだよな(笑)」

俺はそう言って笑った。
でも今度のコウスケはふざけてなかった。

「なぁ、キスしてええか?」

言うと同時にコウスケの顔が近づいてきた。
俺はそのままキスされた。
それは一瞬だった。
コウスケはすぐにもとに戻って言った。

「大丈夫やって。今はこうやっておるやろ?ジュンキと一緒に」

コウスケは優しげに微笑んで、俺の頭を撫でた。
そしてリンゴを擦り始めた。

俺は少ししてから我に返った。

「リンゴでまずくなったら、責任とれよ!」

俺はガキのように扱われたのが恥ずかしく感じて、またつよがった。

引用なし


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コウスケ10
 じゅんき  - 10/7/25(日) 17:05 -
そして土曜日。

コウスケがスポーツ店に行きたいと言い出して、俺らは昼にツタヤに集合してスポーツ店へ。

「おーい!まだか?手袋1枚に何時間かけんだよ」

「…ん?お、ジュンキ。これどう思う?」

コウスケは白い野球用の手袋を見せてきた。

「いいんじゃね?白ってとこが斬新だよな!」

正直どれも同じに見えてどうでもよかった。早く決めて次に行きたい。もうかれこれ1時間はここで過ごしてる。俺は暇になり、陸上用具を見たりしたが、陸上って見るのシューズくらいだから、またすぐに暇になっていた。
コウスケは俺の適当な返事を見破った。

「ホンマは思ってないやろ?」

「いや、思ってるよ!こんなにも白が似合う奴、コウスケ以外におらんなぁって。ちょい、付けてみ?」

俺はとにかくコウスケをせかす。コウスケはしぶしぶ付けた。

「ほれ!イケメンコウスケがますますかっこよくなったで!(笑)」

「ジュンキ、お前笑っとるやないか(笑)もうええ、これに決めた!こういうんは付ける人間によるんや!」

コウスケはそう自分に言い聞かせてレジに向かった。
スポーツ店を出たころには3時を回っていた。

「おし!サンキュウな!ジュンキ。お前はどっか行きたいとこないんか?」

「ああ、特にない」

「そうか?じゃあスーパー行くで!今夜は鍋や!」

「あ、だからそんなボロいバック持ってるんだ(笑)」

「ボロ言うな!世界を救うエコバックやぞ!」

コウスケはそう言って、そのボロバックを丁寧に折り曲げてポケットにしまった。
コウスケは案外そういうとこがちっちゃくて、俺はそんなコウスケをかわいいと思った(笑)

スーパーで、コウスケはかなり張り切っていて、俺はコウスケの指示どおりの材料を探したり、2人で隠し味は何がいいかを考えたりして、結局リンゴっていうありきたりな物に決まったのだが、それらを2時間かけて選び歩いた。その2時間はあっという間だった。
ずっと笑ってた気がする。

「ホンマに合うのか?鍋にリンゴって。カレーじゃなくて鍋だろ?」

「俺も知らん。もう買ったんやから今さら言ってもしゃあない。それにありえんくらい美味いかもしれんやろ?」

俺らはスーパーを出て、コウスケの家に向かった。
ボロバックがコウスケに似合ってなくて笑える。

「まぁ、今日は全てコウスケに任せることになってるし。頼むで!」

俺がそう言うとコウスケは急にニヤついた。

「おう!なんや俺ら、同棲しとるみたいやな(笑)買い物行って、これから一緒に料理作って」

「え?んー、まぁ、そうかもな」

俺は否定しようと思ったけど、うなずいた。
コウスケを見ると、おなじみの白い歯を見せて笑っていた。

引用なし


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コウスケ9
 じゅんき  - 10/7/25(日) 17:04 -
あの日からコウスケは俺をよく触るようになった。
毎日一緒に帰るようになって、そのときに俺の頬とか、髪とか、背筋とか(笑)ちょくちょく触ってくる。
俺はコウスケほど大胆にそんなことはできなかった。

「この土日俺、部活休みらしい」

駅の改札を出た帰り道でコウスケが言った。

「ほぅ、よかったな。たまには体休めろよ」

「じゃなくて、ジュンキどうせ暇だろ?なぁ?」

そう言ってコウスケは俺の肩に腕を回して、頬を触ってきた。

「どうせとか言うなよ。俺と遊んでほしいんだろ?あ、人見てるから」

俺は頬を触る手をどけて言った。
コウスケの大胆さにはたまにあきれる。俺は人目を気にしてしまう。

「ええやろ。頬触っとるだけやないか。照れすぎやぞ、ジュンキ。で、そうそう、土曜もやし、日曜も遊べるってわけ!何やる?(笑)」

「照れるとかの問題じゃないから。お前顔エロくなってるぞ(笑)俺はずっと寝ときたい」

「おし!決定やな!一緒に寝て遊ぶか(笑)」

「だまれ〜(笑)なんでそっちにもっていくかな。とにかく外は寒いから出たくない」

「かわいくねぇぞ!ジュンキ!俺に対しても遠慮がちだったころのお前に戻ってくれ(笑)山本くんって言ってみ?(笑)」

コウスケのからみはたまにめんどくさい(笑)

「山本くん、じゃあ君は何がしたい?」

コウスケは顔をニヤつかせて言った。

「俺ん家に来たまえ。吉田君。俺以外におらんから。みんな俺を置いて親戚の結婚式に行くんやと。つまり、俺ら2人で朝までワイワイやろうや!」

俺はまだコウスケの家に行ったことがなかった。というか、コウスケは部活で忙しいからまともに遊んだこともなかった。
コウスケの家かぁ。もしかして泊まりってことか?

「へぇ、山本くんの家かぁ。まだ行ったことないし、ええよ」

「ほんまか!?泊まりやけど、大丈夫なんか?」

コウスケは嬉しそうだ。

「おう!泊まりっていっても近所だし、いざとなったら帰るから」

「なんやいざって?全部俺に任しときゃええぞ。寝る時もな(笑)」

「勝手に言っとけ〜(笑)まぁ丁重にもてなしてくれ、山本くん」

「おう!もちろん!じゃあまた今日8時な!ランニング。あ、あとやっぱコウスケって呼んでくれ(笑)」

コウスケは嬉しそうにそう言うと、4階に自分の家のあるマンションに入っていった。

俺にとっても楽しみだ。
俺はいろいろ期待しながら帰宅した。

引用なし


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コウスケ8
 じゅんき  - 10/7/25(日) 17:03 -
下手に話し掛ける勇気もなくて、俺はただコウスケの背中についていった。

俺らは住宅地を過ぎて、川沿いを走っていた。
電灯も点々としかなく、薄暗い。
突然コウスケが土手を降りていき、空き地になっているところで止まった。
そこは2,3こベンチがあるくらいで、真っ暗だ。
俺はゆっくりとコウスケに近づいていった。
コウスケが振り返り、俺を見ている。
俺は目を合わさずに、横を向いて黙った。

「…俺、中2の時に初めてああいうDVD見たんや。女が裸になったやつ。友達とな」

俺は黙ったままコウスケの話に耳を向けた。

「周りのやつらは興奮しとった。けど俺にはようわからんかった」

コウスケの言いたいことがなんとなくわかった。

「そんな感じで、高2になって転校してきて、ジュンキを見つけた。そんで俺…ようわからんのやけど……ええなぁって思うようになって…ジュンキを……つまりな、俺もジュンキも男やろ?おかしいのはわかっとるんやけど…」

コウスケが言葉に詰まって、それでも俺に伝えようとしてるのが伝わる。
けど俺はコウスケを直視できない。

「で、いろいろ試してみた。触ったり、いろいろや。じゅんき、案外嫌がらんから、もしかしたら思うて……でも確信がもてんくて、俺どうすればええんやろってずっと考えとった。でも俺アホやから、考えてもしゃあない思って……」

「…ジュンキも、俺と一緒なんやろ?……だから、男が好き…て意味で……」

コウスケの声が震えている。なんだかかわいそうに思えた。無理してるのがバレバレだ。
俺はなんと言えばいい?
はい、そうです。
こう言ってしまえば楽になるんか?
でもそう言ってしまえば、自分が『普通』じゃなくなる気がした。
俺はこういう自分を今までずっと隠してきたわけで、それをこんな簡単にバラしていいのだろうか?
俺はなんとも言えず黙ってしまった。
コウスケのことは好きだが、いざとなると踏み切れない自分に情けなくなった。

「なぁ、ジュンキ?」

簡単なことじゃないかもしれない。コウスケだってこの言葉を言うまで悩んでただろう。
コウスケの気持ちを無駄にしたくない。
それに、ここで否定したら絶対後悔するだろう。
俺はゆっくりとうなずいた。

「…うん。俺もコウスケと……一緒だと思う」

言った。言ってしまった。言えたんだ。

「好きってことか?」

コウスケは信じられないというように聞いてきた。

「ああ、たぶん。よくわからんけど」

俺は今だにコウスケを直視できず、横を向いたまま答えた。

突然自分の頬に温かさを感じた。
コウスケの手が俺をコウスケの顔に向けた。
いつもよりキリッとした、優しげな表情だった。
俺はたぶん無表情だと思う。
コウスケは白い歯を見せて、俺にキスした。
俺はそれを受け止めた。
コウスケの吐息を間近で感じ、その息を俺は吸った。
唇は思った以上に柔らかくて、熱かった。
コウスケの腕が俺を包むのを感じた。
しだいにそれは強くなった。
俺も無意識にコウスケの背中に腕を回していた。
コウスケが口を開けたから、俺もそうした。
舌ってこんなに熱いのか。
俺らは何度も舌を絡めた。
無我夢中だった。

コウスケの唇が離れ、密着も解かれた。

コウスケが微笑んできた。

ここで初めて恥ずかしさというものが俺の全身を走った。
俺は顔が熱くなるのを感じでうつむいた。

引用なし


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コウスケ7
 じゅんき  - 10/7/25(日) 17:01 -
その日から毎晩8時にコウスケと走るのが日課になった。
待ち合わせ場所はツタヤの中。明るいし、室温もちょうどよかったから。
俺も前はよくランニングしてたから、お気に入りのコースを教えたりした。
俺らは親友と呼べるほど仲良くなったし、お互いのこともわかってきた。


コウスケの家族は転勤族で今まで何度も地方を転々としてきたらしく、これで転校は4校目らしい。そう話すコウスケは少し寂しそうだった。
小3から野球を始めて、甲子園は諦めたけど、大学でも野球は続けると言う。
大学へは体育推薦でいくつもりで、そのために日々筋トレやランニングに励んでいるのだと。そのせいか、頭が良いとはいえなかった(笑)

俺はコウスケのことをもっと知りたいと思った。
俺のことをどう思ってるかとか。

コウスケは俺のことはあまり聞いてこなかった。それなのに、俺の気持ちを察するのが上手かった。

ほとんどがしょうもない話で、たまに真剣な話もあったけど、なぜだか恋愛についてはお互い避けてた。
俺は自分が女に興味が湧かないから避けてたのだが、コウスケがそういう話をしてこないのが不思議だった。

12月だった。

俺は10分遅れてツタヤに着いた。コウスケはだいたいCDを視聴して待っているのだが、今日はそこにいない。
しかたなくDVDコーナーをうろついていると、コウスケが18禁コーナーに入っていくのが見えた。
コウスケも男なんだなぁ。と思い、なんだかガッカリしたが、それは違った。
俺は驚かしてやろうと思って近づき、声を低くして言った。

「こら!ここは君が入る場所じゃないぞ!」

俺はふざけてそう言ったのだが、コウスケはいつもと違った。

「お!ジュンキ。お前こういうの興味ある?」

そう言って渡されたのは、裸の女性が何人もいるDVDだった。
俺はどう反応すればいいのか困惑した。

「は?そりゃ多少はある…かな。でもまだそんな年じゃないから俺は遠慮しとく」

嘘をついた。いつかは本当のことを言いたいけど、言ったところで良いことはないんだ。

「そっかぁ。じゃあお前こういうの見ると、立つの?アソコ」

俺はコウスケがふざけているのかと思ったが、コウスケを見ると真剣な表情だった。

「え?(笑)なんでそんなこと言わんといけ…うわっ!おい!コウスケ!?」

俺のアソコをコウスケが握ってきた。俺はビックリしてその手を振り払うこともできず、周りに人がいないか確認して、コウスケを見た。

「フニャフニャだぞ?立ってないじゃん、ジュンキの」

俺は1歩さがって、やっとその手から逃れた。顔が熱くなるのがわかる。

「俺…だって……ていうか触んなよ、急に」

俺は動揺を隠せずに、下を向いた。コウスケは試すように俺を見ている。
コウスケの視線をと感じる。

沈黙だった。

「………俺も。たぶんジュンキと一緒や思う」

「…え?何が?」

「おし!とにかく走るか!」

コウスケは俺に背を向けて歩き出した。
俺は状況を理解できずに3歩ほど距離を置いてコウスケについていく。

俺も?一緒?
何の話だ?
ていうかバレたのか!?

俺達は外に出て、いつものコースを走り出した。

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コウスケ6
 じゅんき  - 10/7/25(日) 17:00 -
電車を降りるころには、俺らはかなり打ち解けていて、俺はコウスケのペースにも馴れていた。

「野球部と陸上部って隣で練習してるだろ?だから俺たまにジュンキが走ってるとこ見てたよ。いっつも無表情で走ってるんやなって思ってた(笑)」

俺らは改札を出て、同じ方向にある家へと歩いていく。

「いやぁ、だってあの時は大会直前だったから。それにあの大会で俺引退するかもしれなかったし。実際にそうなったけど…」

俺は、あの大会で成績を残せないと引退するという約束を親としていた。親は受験勉強を望んでたから。

「じゃあもう走るのやめたんか?俺はジュンキともう1回走ってみたいけどな」

コウスケを見ると、おなじみの白い歯を見せて微笑んできた。

「俺もコウスケと走ってみたいかな。だって体育祭であんな形で負けるとか、俺らしくねぇもん(笑)」

微笑み返してみた。俺もコウスケと走ってみたかった。勝負とかじゃなくて、一緒に。

「おっしゃ!なら今日飯食ったらここ集合な!8時頃やな。俺ここに越してきてからずっと走っとるんや。トレーニングの一環として。軽いランニング。ええやろ?」

コウスケはツタヤを指差して嬉しそうにそう言った。ちょうどツタヤの前まで来ていた。

「今日!?いきなりすぎじゃね?まぁ大丈夫だけど」

「おし!じゃあまた8時に!俺こっちやから!じゃあな!」

そう言うとコウスケは軽やかに走り出し、ツタヤを右に曲がっていなくなった。

「え?俺もこっちなんだけど」

俺はそうつぶやいて、コウスケが曲がった方向にある自分の家へ歩いていった。

変わった奴だ。
突然現れて、急な提案をし、突然いなくなる。
不意にコウスケの笑顔が浮かんできて、笑けてきた。

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コウスケ5
 じゅんき  - 10/7/25(日) 16:59 -
電車の中は混んでいた。

俺とコウスケは流されるように乗り込み、窮屈を耐えたが、次の停車でさらに人が乗り込んできて、ますます窮屈になった。
俺は反対のドアに寄りかかり、コウスケが俺の前にいるという形になった。

いつもはうんざりする窮屈感も今日は許せた。

「わりぃな、ジュンキ」

この混雑のせいで、俺とコウスケは密着してしまうのだ。
コウスケは申し訳なさそうに、でも少し楽しそうに俺にそう言った。
背の高いコウスケの首元に俺の鼻がくるから、さっきのシーブリーズで酔いそうだったけど、それにもすぐに馴れた。
少し手を動かせば、コウスケのアソコを触れるのだが、それは絶対に許されないことで、そんなことを考えてしまう自分が情けなかった。
ただ、もうすでにこの密着度で俺は満足していた。
コウスケの胸や太ももを俺は感じていた。

「うわっ」

突然俺は自分の太ももが揉まれるのを感じた。
俺は変人がいるのかと思って周りを見渡した。
コウスケを見ると、クスクス笑っている。

「触ったろ?コウスケ!」

俺は不意を打たれて動揺。俺が逆に触られるなんて思ってなかったから。

「おん。軽く揉んだ(笑)ジュンキ感じすぎだろ?(笑)」

「は?感じてねぇし。ビックリしただけだし」

「太もも揉まれて感じる奴は毎日オナニーしてるっていう言い伝えが(笑)ジュンキ、そうなんか?(笑)」

コウスケはケラケラ笑い出した。俺はむきになった。

「は?そんなにやってねぇし!最近なんかほとんどやってねぇわ!だいたいそんな言い伝え…うわっ」

また揉まれた。今度は反対の太ももを。

コウスケは必死に笑いを堪えている。
俺は恥ずかしくて顔が熱くなった。そして黙った。

「なぁ、ジュンキ。わるかったって(笑)もうしません。あと言い伝えも信じま…うおっ」

俺は笑いを堪えた。今度は俺が反撃した。コウスケの太ももを揉んでやった。

「ジュンキ、お前。それは卑怯やぞ(笑)」

「感じてんなよ!(笑)オナニーもほどほどにしとけよ(笑)」

「うるせぇ(笑)そんな言い伝え信じんなや(笑)ジュンキなかなかやるなぁ」

そう言って、俺とコウスケは顔を見合わせて笑った。

そんな感じで俺らは会話の途中に何度かそれを繰り返して、お互い感じないように我慢しながら、満員電車を満喫した。

それにしてもコウスケの太ももは意外と柔らかかった(笑)

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コウスケ4
 じゅんき  - 10/7/25(日) 16:57 -
その日俺はすぐに帰って、タオルは明日返せるように洗濯した。
1位にはなれなかったけど、コウスケと仲良くなれたと思うと、悪くない1日だったと思った。
そしてコウスケにもっと近づきたいとも思った。

次の日、移動教室が重なって、なかなかコウスケに会えなかった。
結局放課後まで持ち越してしまい、コウスケの部活が終わるのを待つことにした。
俺は受験のためにこの夏の大会で引退してたから、部活はせずに、陸上部の部室の前で野球部の練習を眺めてた。

コウスケは転校してきたばっかり、といってももう5ヶ月だっけ?とにかく転校生なのに、チームのまとめ役で、みんなから慕われてるのがよくわかった。
あの優しさは誰に対しても平等なのか。
と思って、自分の気持ちが焦るのを感じたが、それが普通なんだと自分に言い聞かした。

そんなことを考えながら遠くにいるコウスケの姿を眺めていると、コウスケと目が合った。
コウスケは昨日みたいに微笑んで、こっちへ走ってきた。

「お!じゅんき!タオルだよな?練習終わってからでいいか?あとちょいで終わるから。で、よかったら一緒に帰ろうや!」

そう言うとコウスケはチームメイトに呼ばれて、そっちのほうに走っていった。

俺はまたしてもコウスケのペースに呑まれていた。
一緒に帰ろうって、方向一緒なんか?俺電車だし。
とにかく待つしかないから、またコウスケの練習姿を眺めることにした。

30分後に練習は終わり、コウスケが着替えをすましてやってきた。

「お疲れ!これ、ありがと!ちゃんと洗濯したから」

俺はタオルを返した。

「おん!確かに。ジュンキの匂いや(笑)」

コウスケはタオルを嗅いで笑った。

「じゃ、帰ろうか!兄弟!」

そう言ってコウスケは腕を俺の肩にかけてきた。
シーブリーズの香りと汗が混ざったような匂いがする。

「おう!行こうぜ!弟!」

俺はコウスケのペースになんとか付いていくためにそう言った。

「俺、弟かよ!まぁええわ。ジュンキ、ノリよくなったな(笑)」

コウスケは嬉しそうに言った。

「コウスケって電車?俺電車なんだけど」

俺は『コウスケ』と呼ぶことにぎこちなさを感じながら言った。

「おん、電車。ていうか同じ駅でおりるし。俺けっこう電車でジュンキ見るで」

「マジで!?全然気付かんかった。じゃあ家はどの辺なん?」

「ツタヤの近く」

「嘘!?俺ん家もあの辺!ってもしかしてこのことも知っとった?」

「おう(笑)眠そうに登校しとるジュンキを何回か見たしな(笑)」

俺は全く知らなかった。コウスケと自分は全く縁のない者同士だと思っていたのに、家が近所だったとは。しかもけっこう見られてたなんて(笑)

「まぁ話は帰りながらしようで!」

コウスケはそう言って肩を組んだまま歩き出した。

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コウスケ3
 じゅんき  - 10/7/25(日) 16:56 -
コウスケに支えられて、洗い場着いた。
俺はシャツを脱いで肘を洗う。
横目でコウスケを見ると、コウスケは俺の体をまじまじと見ている。

「何?もしかして俺、背中も怪我してる?」

コウスケはハッとしたように我に返った。

「あ、いや、ジュンキの体、思った以上にムキムキやから…見惚れてた(笑)」

俺は嬉しかったが、気にしてないふうに装って、泥を落とすのに専念する。

「ああ、ずっと陸上してたから。それなりには筋肉あるかな。けどよく言われるよ。顔に似合わずマッチョだな。とか(笑)しかも……うわっ!」

突然背中に何かが触るのを感じた。
俺はビックリして振り返った。
するとコウスケがニヤついていた。

「わりぃ、ジュンキ(笑)背筋ヤバイなぁって思って、触ってみた(笑)それにしても、驚きすぎだろ?(笑)」

「え?あ…ごめん」

ってなんで俺が謝ってるんだ?
俺はまたしてもコウスケのペースについていけない。

「ていうか、誰でもビックリするだろ!?急に触んなよ」

「おう!すまん!じゃあ、ちょい力入れてみて」

「え?あ、うん」

俺はなぜだか言われるがままで、背筋に力を込める。
コウスケの指がゆっくりと押したり、摘んだりするのがわかる。

「うわ!カチカチやな!筋肉のIT革命や〜!」

コウスケは興奮ぎみに訳のわからんことを言っている(笑)
俺は照れて顔が赤くなる。

「なんだよそれ!(笑)もういいだろ?男2人でこんなことやってたら、勘違いされるって。山本くん興奮しすぎ(笑)」

「そうやな。あんがと!このこと女子に言ったら興奮するで!(笑)え〜私もジュンキ君の触りたかった〜。とかな(笑)」

コウスケはふざけながらそう言って、洗い終えた俺にタオルを渡してきた。

「あ、これ、山本くんの?使っていいん?血とか付くかも」

「ええって!洗って返せよ(笑)それと、コウスケって呼べよ!じゃあ、俺片付けあるから、またな!お大事に!」

そう言うと、コウスケはまた白い歯を見せて、運動場の方へ走っていった。
俺はコウスケのタオルを無意識に嗅いでいた。
これが、コウスケの匂いなのか。と思って、なんだか照れてしまった。

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コウスケ2
 じゅんき  - 10/7/25(日) 16:55 -
「ああ、えっと…野球部の…転校生?だよな?」

名前が出てこない。たしか、山本…だったような?
陸上部と野球部は隣で練習していたから、奴が野球部だということは知っていた。
けどその他のことは全く知らなかった。

「おう!野球部!そんで転校生!でも転校してきて、もう5ヶ月経ってるんやけど。山本浩介な!」

また白い歯を見せた。人懐っこい笑顔だ。

「あ、よろしく。俺は吉田…」

「ジュンキやろ?」

「あ、うん。吉田純基。なんで知ってんの?」

「みんながそう呼んどった。うちのクラスの女子がすげぇ心配しとったで(笑)ジュンキ君大丈夫かなぁ、って。ジュンキってモテモテなんやな(笑)」

山本はニヤつきながらそう言うと俺の顔を覗き込んできた。

俺はこの童顔のせいで、今までも女子から余計な世話を何度も焼かれてきた。
別に嫌ではなかったが、どうでもよかった。

ていうか、さっそく俺のことを『ジュンキ』と言っているとこに気付いた。

「まぁ女子が言うのもわかるわ!ジュンキの顔整ってるもん。今流行りのカッコかわいいって感じや」

初対面でなんなんだコイツは!?
俺はけっこう人見知りな方だから、山本のペースに全くついていけない。

「あ、じゃあ俺…行くわ。泥落とさないと」

そう言ってこの場から逃げようとしたけど、だめだった。

「1人で大丈夫かよ?戦友として最後まで見届けるって!」

そう言うと、山本は俺の肩に腕を回してきた。

「いや、俺歩けるから」

そう言いながら山本を振り払おうとすると、バランスを崩してよろけてしまった。
すぐさま山本が俺を支えた。

「おし!行くぞ!」

山本はそう言うと俺をしっかりと支えて歩き出した。
俺はなんだか不意を打たれてしまい、何も言えず体を預けてしまった。

山本は俺より背が高く、野球してるだけあって、ガッチリしていて、筋肉が発達しているのがわかった。
見上げると、山本の日焼けしたスッキリとした顔がこっちを見て、白い歯を見せた。

このとき俺は初めて山本、というかコウスケを意識するようになった。

引用なし


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コウスケ
 じゅんき  - 10/7/25(日) 16:53 -
何年か前に投稿してたものです。
続きを書こうと思ったので、とりあえず最初から貼ってきます。
よかったら読んでください。

コウスケは高2の始めに転校してきた。
初めてコウスケと話したのは高2の9月。


体育祭もいよいよクライマックス。
最後の競技「クラス対抗リレー」で俺は2年4組のアンカーを任された。
夏まで陸上部で走ってたから足には自信があったけど、体は少し鈍ってた。

気付いたらリレーはもう始まっていて、とうとう俺の番に回ってきた。
定位置に着いて周りを見渡すと、4組と6組が先頭を争っている。

「ええ勝負やな。まぁ勝つのは6組やけど」

隣からそう言われ、振り向くと6組のアンカーが俺の肩をポンと叩き、すぐに走る構えに入った。
俺は突然のことで、何も言えなかった。
そうしているうちに、4組のランナーが6組を抜き、先頭を維持したままこっちに走ってきた。

ついに俺にバトンが回り、俺は全速で先頭を維持したままゴール!

するはずだった。

「あー!先頭を走る4組が転倒!6組が抜きました!」

実況の声で俺は状況を把握した。
俺はあと半周というところでカーブで足を滑らし、こけてしまい、6組に抜かされたのだ。

最悪だ。
これで負けたらマジ情けねぇ!

俺はすぐに立ち上がり、さっき話し掛けてきた奴の背中を無我夢中で追いかけた。
距離は徐々に縮まってきた。でも奴も速い。

あと少しだった。

1位6組。2位4組という結果だった。

「ドンマイ!ジュンキ!気にするなって!」

クラスのやつらに励まされるのが苦になり、俺は閉会式には出ずに泥を落とすためにひとり洗い場に向かった。

走ってるときには気付かなかったが、俺の体は見るも無惨な状態だった。
頬や髪は砂で白くなり、右肘と左膝からは血が出ている。
情けねぇ。

「おい!4組のアンカー!」

あの声だ。振り返るとアイツが息を切らしながら近づいてきた。

「ええ勝負だったな!」

そう言って奴は手を差し出してきた。
握手?俺はゆっくりと手を出した。
奴の手がガッチリと俺の手を掴む。

「マジで焦ったよ。お前足速いんだな!抜かれるか思ったで」

奴はそう言うと白い歯を見せて手を放した。

これがコウスケとの出会いだった。

引用なし


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