Hな体験談、作り話の投稿の場です。
以下は削除されます。
・仲間探し(出会いのコンテンツへ)
・悩み相談(「悩み相談 」へ)
・疑問や質問(「Q&A 」へ)
・内輪話(チャットや「雑談 」へ)
・否定的なコメント
・実話か創作かの議論
※ここはゲイサイトです。
返信は記事右上 のメールマークより匿メールをお使い下さい。
詐欺被害の報告が多発しています。 売り専の勧誘、薬物・物品販売などのメールは無視して下さい。
管理人を騙ったメールが送信されていますが、当サイトから警告や通報のメールを送ることはありません。
サポの書き込みはサポ専用掲示板 に。18禁、マジメ、写真での募集投稿は削除します。
じゅんき
- 10/7/25(日) 18:37 -
俺たちは無言で走るだけ。
ただお互いの呼吸を隣で感じて、同じペースで並んで走る。
コウスケが野球で夜も練習してるから、夜8時からのランニングは早朝6時にすることになっていた。
最近は毎晩のように練習で疲れたコウスケが俺の家に泊まって帰るから、俺たちは共に朝を迎えて、そのままランニングに入る、というかたちが続いている。
やる夜もあれば、ただ寝るだけの夜もある。
どっちにしろ、1つのベットに男2人が寝るのは少々不都合ではあるが、俺は満足している。
ランニングコースは山の中腹にある神社まで。
この前コウスケと見つけた場所で、そこからの眺めが気に入って、俺らはここ最近ずっとこのコースだ。まだ気温が低く、かすみがかった街を見渡せる。
「そろそろここも飽きてきたな。ほれ、コウスケ」
俺は神社の横にある自販機で缶コーヒー2本買い、街を眺めているコウスケに渡した。
「おお、サンキュウ。そうか?俺はずっとこのコースでもええけどな」
俺はコウスケの横に腰を下ろし、コウスケと同じように眺めに浸ってみる。
「青春やな。山から眺める朝の街並み。手元には缶コーヒー。隣には、ジュンキや」
横でコウスケが言った。たまにコウスケはこういう臭いセリフを言う(笑)
そして俺に同意を求めるように、俺の肩に腕をのっけてくるのだ。
「青春…まぁ、確かにいい眺めだよな。俺らのどっちかが女だったら、完璧なのにな」
俺は冗談で言ってみた。俺たちは女を好きになれない。
そんなことはわかっているのに、最近たまに俺は不安になることがある。
「なんやジュンキ?痛いところ突くなや(笑)まぁ俺はジュンキを女やと思って接しとるけどな。愛しとるぞ(笑)」
笑いながらコウスケはそう言って、俺の肩に乗せた手を俺の頬に移してきた。
その指が優しくなでるから、くすぐったい。
「はいはい。くすぐったいから(笑)」
俺はその手を掴み、コウスケと向かい合った。
「なぁ。青春って時期過ぎたら、俺らただのオッサンになるんだよな」
オッサンになれば、こんなこといつまでもできないだろう。
「さあな。そんなことより、ここでキスしたら、完璧や思わん?恋愛青春ストーリー(笑)」
おなじみの白い歯を見せて、コウスケは俺の肩を両手でつかむ。
「お前は結局そこに行き着くのかよ(笑)今のセリフも臭すぎ(笑)」
そんなことを言いつつ、俺は周りに誰もいないか見渡して、目をとじる。
俺の体はグッと抱き寄せられ、温かいものを唇に感じた。
こんな時、俺は不安になる。
青春っていつまでも続かないだろ?
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 18:35 -
俺は保守的で、少々消極的で、かなりの奥手で、必要以上のプライドを手放せず、下手なつよがりをしてしまうようだ。
コウスケに出会ってから、俺は俺の性質を思い知らされた。
それは「性格」ではなくて、「性質」といえるほど、俺の中に頑固に居座っていて、俺はこの性質をたやすく変えられそうにないということも、コウスケと関わっていくうちにわかってきた。
ただ俺は、あの日(コウスケと1年ぶりに再会を果した日)以来、変える努力はしている。
コウスケもそれを少しは感じてくれているようだ。たぶん。
「ピッピピ、ピッピピ、ピッ」
俺は手探りで携帯を探し出し、アラームを切った。
眠たい目をこすりながら、ゆっくりと上体を起こす。
閉め切ったカーテンの隙間から、朝日が漏れている。
その光の先には、精悍で男らしい、整った寝顔がスヤスヤと寝息をたてている。
「なんでこいつは起きないんだ?(笑)」
俺はひとりでつぶやき、俺の左足の上に乗っかっている鍛えられた右足をどかす。
俺もコウスケも素っ裸だ。俺の部屋のひとつしかない俺のベットに2人で朝を迎えている。最近はこんな感じだ。
今日からこの大学も夏休みらしい。
初めて経験する、大学での夏休みだ。
「コウスケ、起きろ」
返事はない。あいかわらず、寝息をたてている。
俺はこの寝顔が好きなんだと思う。
俺のそばで、安心して眠っているコウスケをなんだかかわいいと思えてくる。
俺は、この無防備な頬を軽くつねった。
「起きろ。おい、コウスケ」
コウスケの体がゆっくりと動き出し、かすかに目を開けた。
「ん、んお?ジュンキ、おはようさん」
かすれた声がまだ眠そうに言うと、突然俺は引き寄せられて、その唇に俺の頬がぶつかった。
「うお!?おい!コウスケ!?放せって!ウッ、臭っ!」
どうして寝起きなのにこんな力が出せるんだ?こいつ
寝ぼけてるのか?ていうか、酒臭い
あいかわらず、コウスケの力には対抗できず、俺はもがきながら、ようやくその突然すぎる抱擁&キスから逃れた。
「なんやジュンキ、お目覚めのキスや。そんなビビらんでもええやろ(笑)」
コウスケはそう言うと、大きく欠伸をして起き上がった。
「そんな酒臭いキスがあるかよ(笑)お前は突然すぎるんだよ」
俺は頬を拭ってベットから降りた。コウスケは俺の裸体をニヤニヤと見つめている。
「ジュンキ、お前興奮しすぎやぞ(笑)」
コウスケは俺のアソコを指差して笑った。
見ると、俺のアソコは朝立ちをしている。全裸だからそれははっきりと目立っている(笑)
俺は恥ずかしくて、すぐにコウスケに背を向けてパンツをはいた。
そして俺も負けじと背を向けたまま言う。
「コウスケも言えんだろ?俺より激しいぞ(笑)」
俺は勘で言ってみたのだが。
「おお!ホンマや(笑)気付かんかった(笑)」
ほんとにそうだったようだ(笑)
「もういいから(笑)早く着替えろよ」
俺はズボンをはきながら言った。
「おう。このチンコがパンツに収まったらな(笑)」
「はいはい、ええから早くしろ」
こんな感じで、俺たちは朝を迎えた(笑)
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:32 -
しばらくの間、コウスケは震える俺を何も言わずに抱きしめてくれた。
その温かさを全身で感じているうちに、高まった俺の気持ちはしだいに落ち着いてきた。
こんな風に甘えきってる自分には嫌気がさすけど、今はただこの懐かしさを一心に感じていたい。
「ジュンキ?良うなったか?お前は今は休んどけ」
俺の落ち着きに気がついて、コウスケが俺の顔の覗き込んで言った。
俺は急に恥ずかしくなって、涙を拭いた。
他人にこんなにも感情をさらけ出したのは初めてだった。
「おし!飯は俺が作ったる!ジュンキは横になっとけ。風邪悪化したら困るやろ」
そう言って、コウスケは白い歯を見せて微笑んだ。
食料を届けてもらった上に、これ以上コウスケに世話をかけるのは気が引ける。
「いや、俺もう大丈夫だから。コウスケは明日大丈夫なのか?」
「ジュンキがこんな状態やのにほっとけるわけないやろ。飯作ったるけど、そのかわりに俺も食ってええか?(笑)」
昔と同じ笑顔だ。
その笑顔につられて、俺も少し微笑んだ。
「おっしゃ!台所借りるで。即行で作ったる。鍋でええやろ?」
そう言ってコウスケは台所に向かった。
頭痛はやっぱりひどいから、俺はベットに横になり、黙々と作業をするコウスケの背中を眺めることにした。
今こうやって、コウスケが目の前にいることを改めて実感する。
俺は自然に口を開いていた。
「コウスケ。ありがとう」
俺の声は死に逝く病人のようだったかもしれない。
コウスケは背中を向けたまま、少し照れくさそうに返事をした。
「ん?お、おう」
風邪をひいているのと泣いたことのせいなのか、俺はいつもより意識がぼんやりとしてて、自然と思ったことを言えてしまう。
「なぁ、コウスケ?俺が昨日言ったこと、信じてほしい」
俺は背中に病人のような声で話しかけた。
一瞬コウスケの動きが止まったが、すぐに作業に戻った。
「おん。信じとるよ。信じとるし、なんや、嬉しかったわ」
その背中はまた照れくさそうに、優しく言った。
「ならよかった。なぁ、コウスケ?風邪治ったら、一緒に走ってほしい。俺、コウスケが転校してってから、毎日走った。またコウスケと一緒に走れるようにって。やっぱりダメか?」
少しの沈黙の後、コウスケが言った。
「あんな、ジュンキ。俺、ジュンキに謝らんといけんって、昨日あの後気付いたんや」
コウスケは背中を向けたまま、ゆっくりと話し始めた。
「俺、転校してもジュンキのこと忘れれんくて、ずっと後悔しとった。何も言わずに去ったやろ。それで俺、イライラしとって、それを紛らわすために、俺、出会い系に走ってしもうたんや。ジュンキを忘れるために、ようわからん奴とヤッテしもうた。俺、最低やろ……やから、ジュンキの気持ちには前みたいに応えられん思う」
そうだったのか
だから昨日あんなこと言ったんだ
コウスケも俺と同じように後悔してたのか
コウスケの気持ちは痛いほどわかる。
「俺、コウスケのこと最低なんか思わんよ。今こうやって、充分応えてくれてるだろ?最高だよ。なぁ、また走ってよ」
「ええんか?ジュンキ。俺、こんなんやぞ?」
コウスケが振り返って、俺を一心に見た。
「俺、好きだから。コウスケのこと。だから、どんなんでもいい」
今夜の風邪は俺に魔法をかけているようだ。
俺は初めてコウスケに好きだと言った。
それは自然に言えていた。
そして、コウスケの表情は緩んでいき、おなじみの白い歯を見せた。
「ジュンキ、変わったな。俺ますます好きになったぞ(笑)」
コウスケは笑顔を輝かせながら、俺に飛びついてきた。
重くて動けないけど、その重みが心地いい。
コウスケは俺の上に乗って、俺は唇を重ねた。
抱きしめる腕はさらに強くなり、俺もそっと背中に腕を回した。
俺もコウスケもお互いをいままでよりもいっそう強く感じた。
台所の鍋からは、いつかのリンゴがほのかに香っている。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:30 -
「コウスケ……」
この状況を飲み込めない。
「入学式の後、西田に会った。そしたらジュンキのこと頼むって言われて、西田の代わりに俺が来ることになった。ジュンキが風邪にいたんは、俺のせいや思うし」
コウスケはあいかわらず俺に目を合わせないし、ボソボソと言った。
見ると、コウスケの右手には、いつかのボロバックがぶら下っている。
「レンジでチンすればすぐ食えると思う。今夜の分と、明日の分もある。あと水分とるとええから、スポーツドリンクも」
俺を拒んでおきながら、どうしてまた俺のためにここまでしてくれるんだろう
なつかしのボロバックは重そうに膨らんでいて、食べ物や飲み物がたくさん入っている。
急に目の前がぼやけてきた。
なぜだか俺の目は涙で溢れ出した。
涙はどうしようもなく流れ出て、肩の震えも止まらない。
俺は感謝の言葉ひとつ言えずに、泣いているのだ。
なんでなのかは俺自身わからない。
ただコウスケを感じて、泣いてしまう。
「お、おい……ジュンキ?どしたんや?」
久しぶりにコウスケと目が合う。それなのに、涙でにじんでぼやけてしまう。
「いや……なんでもないって…ただ俺……」
この後の言葉を言ったら、コウスケはどう思うだろう
また拒まれるだろうか
それでも俺は言ってしまいたい
俺は声が震えるのをこらえて言った。
「……必要だ…コウスケ……」
俺の弱い弱い本音が涙とともに流れていった。
すると、俺の体は一気に包まれた。
「すまん、ジュンキ。ホンマにすまんかった。俺やっぱ、ほっとけん、ジュンキのこと。なぁ、泣くなって」
俺を包むコウスケが俺に囁く。
久しぶりに聞く、優しい声だ。
それがまた俺を泣かせる。
コウスケは震える俺を強く抱きしめる。
それがまた俺を泣かせる。
コウスケの体は温かくて、それがまた俺を泣かせる。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:27 -
気付いたら次の日になっていた。
俺は髪も服もまだ濡れたままの状態で、ベットの上にいた。
あの後の記憶が全くない。どうやってここまで帰ってきたんだ?
今のこの状態からして、だいたい予想はついた。
俺は雨に濡れながら帰ってきて、そのままベットに倒れこんだ。
起き上がると、頭がガンガンと痛む。寒気も感じる。
どうやら風邪をひいたようだ。
俺はふらつきながら風呂に行き、シャワーを浴びた。
あいかわらず頭は痛むし、寒気もおさまらないけど、意識がしっかりしてきた。
鏡に自分の裸体が写っている。
いつだったか、リレーでこけたときの傷の跡が俺の目にとまる。
ジュンキが変わったように…俺だって変わったんや…俺は前みたいに、ジュンキの気持ちに…応えてやれん……
コウスケの声が俺の中で響く。
俺は俺の気持ちをコウスケに伝えられたと思う
それでもコウスケは俺を拒んだ
これ以上俺は何をすればいい?
コウスケが俺の気持ちに応えられないってどういうことだよ?
変わったって、何がだよ?
今度は頭ではなく、俺の中身が痛んだ。
俺はこんな状態だから、入学式には行かずに、布団にもぐりこんだ。
打たれ弱い自分を情けなく思った。
昼ごろ、腹が減ってきたから飯を食おうと思い、ふたたび起き上がったのだが、状態はさらに良くないようで、熱を測ると38度を超えている。
おまけにすぐに食えるものがなくて、あるのは米、野菜、肉といった調理が必要なものしかない。
独り暮らしの洗礼をこんなに早く味わうとは思わなかった。
俺は、地元が同じで一緒にこの大学に来た、西田にメールした。
『俺、風邪で動けない。俺を助けれるのはニッシンだけだ。頼む、すぐに食えるものを買ってきてくれ。金は倍にして返すから』
より危機感を表現するために、片言な内容で送った。
ニッシンとは西田のことだが、俺の家を知ってるのはニッシンだけで、俺はこの頼みの綱を当てにして、ふたたび眠りについた。
起きたら夜の8時になっていた。
まだ頭は痛むし、寒気と気持ち悪さも感じる。
横になったまま玄関を見ても、食料らしきものは届いていない。
携帯を見ても、ニッシンからの返信はなし。
俺は舌打ちして、携帯を閉じた。
軽いものでもいいから、自分で調理しようと覚悟を決めて、重い体を起こしたその時だった。
「ピーンポーン」
チャイムが鳴った。
さすがニッシン!少々遅い気もするけど、ナイスタイミングだ!
俺はそう思って、フラフラと歩いていき、ドアを開けた。
「サンキュ!ニッシン……」
目の前にはニッシンよりも背の高くてガッシリとした体があった。
そしてまた、コウスケは突然現れたのだった。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:24 -
「ごめん…コウスケ…」
一心にコウスケを見つめて、俺は言う。
「俺…わかったんだ……コウスケがいなくなって、何も手につかなくて…コウスケのことしか考えてなかった…」
俺は必死に訴えるが、コウスケは目を合わせてくれない。
「俺さぁ…後悔しか残ってなくて……俺の変なプライドのせいで、コウスケの気持ちに全然応えれてなかったんだなって…もっと素直になれてたら、もっと変わってたんだろうなって…」
俺の声にだんだん力が込もっていく。うつむいているコウスケに俺はただ必死に言った。
「…俺…会いたかった……会って、どうしてもコウスケに謝りたい……だから、その…コウスケがこの大学行くって聞いて…そのために俺……会いにきた…」
言いたいことがありすぎて、上手く言えない。
1年前には言えなかったこととか、素直に言わないと…今言わないと
「なぁ…コウスケ……俺、前みたいにコウスケと……走れないか?」
これを言うためにここに来たんだ
コウスケと一緒に走りたい
もっといろいろ言いたいし、聞きたい
もう失いたくない
俺は必死に言った。
それでもコウスケはずっと黙っている。
何か言ってくれよ…
俺はさらに力を込めて言おうとした。
「なぁ…コウスケ…また一緒に俺と走っ…」
「遅いんや……」
うつむいたままコウスケが言った。
「全部遅いんや……ジュンキは…遅すぎる……今さらもう遅いわ……」
力ない声で、コウスケは言い放った。
遅いって、もう無理ってことか?
もう一緒に走れないのか?
「なんで?……こうやって会えただろ?ならまた一緒に走れるじゃん…遅いって…なんでだよ?」
「ジュンキが変わったように…俺だって変わったんや…俺は前みたいに、ジュンキの気持ちに…応えてやれん……」
正直俺は、俺が素直になれさえすれば、やり直せると思っていた。
会って、謝って、素直に言えば、コウスケとまた走れると信じていた。
でも実際はそうじゃないのか?
もう二度とコウスケは俺と走ってくれないのか?
遅すぎるって、俺が変わるだけじゃダメなのか?
なんでだよ?遅すぎるって何だよ?
「なんでだよ?俺もっと素直になるから…走ってくれよ…俺と。なぁ…コウスケ?」
コウスケは目をそらしたまま。
「必要ってわかったんだよ…俺にはコウスケが必要なんだって……なぁ、コウスケ……ひとりで走っても……俺…楽しくねぇよ……」
必死に言う俺の口から、俺の気持ちが素直に出ていく。
それでもコウスケには届かなかった。
「傘やるから……もう…帰れよ」
俺の中で全てが崩れていく。
「コウスケ……なんでだよ………」
俺の声に力はなくなり、体は静かにドアを開けて、外に出ていた。
もちろん傘なんて持っていない。
ドアがゆっくりと閉まっていく。
コウスケは最後まで俺と目を合わさなかった……
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:22 -
「コウスケ……」
俺の声は雨の中に消え入りそうだった。
今俺の目の前にいる人間がコウスケなのか…
俺は確かめるようにつぶやいていた。
「……コウスケ?…」
「ジュンキ……」
俺は暗闇の中で一心にコウスケを見つめた。
コウスケと目が合う。
暗くて表情までは読み取れないが、驚いているのはわかった。
「…あ、俺、その…なんていうか、俺も…ここなんだ、大学…」
突然すぎて、俺は他に言うことができず、慌てて言った。
そりゃ驚くよな
俺は無理やり笑顔をつくった。
コウスケはまだ信じることができないようだ。
コウスケはただ俺をじっと見たまま止まっている。
「えっと…だから、俺……」
なんて言えばいいんだ?
あれだけ考えていたのに…
言葉が浮かんでこない。
いざ実際にコウスケを目の前にして、俺は嬉しいという感情よりも、空虚感に覆われて言葉に詰まる。
沈黙だ。
雨が激しくなってきた。
そうだ、謝らないと
俺は沈黙を破ろうと、再び口を開く。
「コウスケ…俺…」
「とりあえず、来いよ…ここだと、濡れるやろ……俺の家、すぐそこやから…」
片言でコウスケが言った。
やっぱり怒ってるのだろうか
その声の調子から、俺はそう思った。
コウスケは俺から目をそらして、寮がある方へ歩き出した。
俺は黙ってそれに従い、その背中についていく。
コウスケは振り返ることなく、無言で、足早に歩いていく。
コウスケの部屋に着いた。
コウスケは何も言わないまま、部屋の中に入っていき、タオルを2枚持ってきて、戻ってきた。
俺はどうしていいかわからず、玄関に突っ立っていた。
「タオル…」
そう言って、コウスケは俺にタオルを渡した。
その声はやはり片言だった。
部屋の明かりでコウスケが無表情なのがわかった。
俺をまっすぐに見ようとしない。
コウスケに何と思われてても、俺は謝らないと
俺はタオルを握ったままで、このままだと再び沈黙が訪れてしまう気がした。
俺は唾を飲み込んで、口を開いた。
「ごめん…コウスケ……」
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:20 -
俺は勉強に励んだ。
その大学に行けば、コウスケに会える。
そのために勉強した。
そのためにランニングを続けた。
コウスケに会い、また一緒にランニングできるように。
それに……謝らないとな
3月になった。
俺は無事合格した。
大学は住宅地を離れた、ほどよく自然に囲まれたところにある。
部屋も見つかった。独り暮らしだ。
そこは良い街だった。
落ち着いた雰囲気で、都会とはいえないが、少し行けばオシャレな店もあるし、電車も混まない。なにより、道が広くて、ランニングには最適だった。
毎回新しいコースに見つけては、コウスケの姿を探した。
そして、入学式前日。
俺はいつものようにランニングするために夜8時に家を出た。
今日も俺は大学の周りを走ってみた。
そのコースは大学生の寮が並んでいて、大学の所有するテニスコートやサッカー場、そして野球場がある。
だから俺はもう何度もここを走っていた。
コウスケが本当にこの大学に進学しているのかなんて確信はなかったが、そう信じて走っていた。
ちょうど野球場のそばを走っていると、ポツポツと雨が降り出した。
雨が激しくなる前に帰ろうと思い、スピードを上げたその時だった。
野球場から足早に走ってくる人影がこちらに近づいてきた。
暗くてよく見えなくて、俺はそのまま通り過ぎるつもりだった。
しかし俺は足を止めた。
相手も同じように立ち止まった。
……コウスケだった。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:19 -
俺は3年になった。
塾もやめて、勉強に身が入らないまま高校最後の夏休みがとくに思い出もなく終わろうとしていた。
この時期にはもう進路についての話も具体的になり、担任との面談で俺はなんとなく、そこそこ名の知れた大学を希望した。
「お前、あの大学はけっこうレベル高いぞ。大丈夫か?」
俺の担任は野球部の顧問もしている。
「あ、はぁ」
俺は弱気な返事をした。
「まぁ、これからの頑張りしだいだな。そういえば、山本もあの大学行くって言ってたぞ。野球部におっただろ?転校してしまったけど…」
俺は顔を上げて、まっすぐに担任を見た。
山本なんて名前を聞くのも久しぶりだったし、それがコウスケのことだったから。
「…まぁアイツは体育学部のほうだけどな。それにしてもホンマにすごい奴だよ。この前野球部で県外の大会行ったら、アイツに会ってな、しっかりチームをまとめとったわ。天性の才能なんだろうな。みんなを惹きつける才能っていうんか。わしも見抜いとったけど…」
コウスケが俺と同じ?
あの大学に行くのか?
「先生、それ本当なんですか?」
俺は担任の目に浮かぶコウスケを見つめて言った。
「ん?もちろん。アイツの才能は初め見たときから…」
「そうじゃなくて、僕と同じ大学を目指してるんですか?山本」
「あ、ああ。あの大学は野球も強いからな。お!そうだそうだ。その時に山本もお前のこと聞いてきたぞ…」
そうか。一緒の大学か。また会えるのか?
ん?コウスケが俺のことを聞いてきた?
「…なんか真剣な顔で、吉田は元気にしてますか?って聞いてきたぞ。だからわしが今担任しとるって…」
コウスケ…
俺のこと覚えてるのか…
心配してくれてるのか?
俺の中で何かがじわりと沁み込んで、締め付ける。
たまらなく会いたくなった。
「…そしたらショートのやつがエラーするわ…」
「先生、俺、じゃなくて、僕、塾あるんでそろそろいいですか?」
俺は担任の返事を待たずに立ち上がった。
「失礼しました」
俺は担任に軽く頭を下げて職員室を出た。
この締め付けを緩めようと、深く息を吸ってみる。
やっぱり締め付けはおさまらない。
しかしそれはだんだんとある希望に変わっていった。
また会えるかもしれないという希望に。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:16 -
俺は結局、最後まで何もできなかった……
コウスケは俺を避けるようになった。
学校で見かけても、すぐにいなくなる。
目が合っても、俺は苦笑い、むこうはすぐにそらしてしまう。
声をかけたらどんな反応するだろうか?
その前に何て声かければいい?
俺が悪いんだよな…
なんて謝ればいんだろ?
今さら謝ってどうにかなるのか?
やっぱ俺にはどうすることもできんよ…
俺はコウスケを見るのが苦痛になった。
俺は塾のない日はランニングに行き、いつもどうりツタヤで待ってみるのだが、コウスケが現れることはあの日以来なくなった。
ひとりで走るのは、とてもつまらなくて、コウスケの気持ちがわかる気がした。
ひとりで走っても楽しゅうない
走ってるとき、俺の中で何度もその声が響いた。
そんな感じで、1日が過ぎ、1週間、2週間と日々は淡々と過ぎていき、3学期は終わり、春休みになっていた。
俺は結局、最後まで何もできなかった……
コウスケは転校した。
それは突然だった。
塾の帰りに、俺はいつもコウスケの家の前を通るのだが、その日、4階にあるコウスケの家の明かりは消えていた。
カーテンもなく、真っ暗だった。
車も、自転車もなくなっていた。
コウスケは去ってしまった。
俺が塾でつまらないことをしているうちに、去ってしまった。
俺がつまらないつよがりにしがみついているうちに、去ってしまった。
俺に何も言わずに、突然去っていった。
その次の日も、さらに次の日も、コウスケの家は真っ暗だった。
俺はマンションの前を通るたびに、コウスケがいないということを実感させられた。
俺はコウスケの存在をあたりまえだと思い込んでいた。
俺は塾をやめた。
ランニングはやめなかった。毎日走った。
それが償いになると思った。
毎日走れば、コウスケに会えるんじゃないか。そんなことを考えて。
俺は結局、最後まで何もできなかった……
p.s.
まだ終わりじゃありません。
この続きは、新しい項目で書こうと思います。
今度もよろしくです。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:14 -
「俺、転校することになった……」
耳を疑うってのは、まさにこういう状況を言うんだろう。
この状況に脳がついていけていない。
「前からそんな話は聞いてたんやけど……昨日、それが確実に決まってしもうた…」
その声はただの音のようだった。俺の耳に響くだけ。
音はだんだんと弱くなり、小さくなっていく。
「…3学期まではおれるらしい……3年からは…他の学校や……」
そうか。コウスケは転校するのか。
そんな気はずっと前からしてた。
でも、また急なんだな。
他の学校ってどこだろう?
野球部強けりゃいいけど。
俺の脳はしだいに状況を把握して、回転を増していく。
「…すまん、ジュンキ」
見下ろすと、弱々しくて真剣な目がこっちを見ている。
脳は誤った方向に俺を導いた。
「なんでコウスケが謝るんだよ(笑)決まったことはしょうがねぇし。なんとなく、そんな気してた。お前って、いつも突然いなくなるからな(笑)まぁ、コウスケなら他の学校でも大丈夫だろ。それに、俺がどうこう言ったって、変わんないしな(笑)」
苦しい笑いを含んで俺は言った。
なぜ俺はいつもこうなんだろう?
相手の気持ちはわかってるのに、つよがってしまう。
コウスケが今俺になんて言ってほしいか、わかってるのに。
嫌だ。行かないでくれ。俺にはコウスケが必要なんだ。嘘って言えよ。
俺にはどうしてもそんな甘えた言葉が許せなかった。つまらないつよがりのせいで。
「俺は……俺は嫌や。転校なんかしとうないし、ひとりでランニングしても楽しゅうない……」
コウスケは立ち上がり、俺の肩をつかんで言った。
目の前のコウスケの痛々しい眼差しが俺にぶつかる。
俺は耐えられず、目をそらす。
「しょうがねぇよ。決まったことだろ……」
俺の声にも力がない。
沈黙がつづいた。
俺の肩をつかむコウスケの手が弱まり、すっと離れる。
「やっぱ俺……ジュンキのこと、ようわからん……」
コウスケがゆっくりと離れていく。
その背中は今にも消え入りそうだ。
俺は口を開いたが、声は出なかった。
ジュンキのこと、ようわからん
ジュンキのこと、ようわからん
俺の中で、それは何度も繰り返される。
俺だって、わからんよ……
気付くと俺は、公園にひとり取り残されていた。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:12 -
俺たちの関係が恋愛と呼べるのかはわからないが、恋愛って良いことばかりじゃないんだと思う。
俺たちはあいかわらず、一緒に帰り、8時にランニングし、しょうもない話で盛り上がったりしていた。
でもそれも3学期になって、少々事情が変わってきた。
というのも、原因は俺にあった。
俺の成績が下がったことで、俺はほとんどの日を塾に費やさなければならなくなったのだ。
必然的にコウスケと過ごす時間は減っていた。
「もしかして、今日も塾か?」
放課後、コウスケが聞きにきた。
「ああ。明日も」
俺は苛立ちを隠しながら答えた。
「そうか。まぁ、俺は毎日走っとるから、もし早く終わったら来いよ。じゃあな」
「ああ。じゃあな」
俺がそう言うと、コウスケは少しつまらなさそうに部活へ向かっていった。
俺はここ最近ランニングに行ってない。塾が終わるのはだいたい9時を過ぎる。
だからランニングはコウスケ1人で、俺はたまに参加できるくらいだ。
それでもコウスケは毎日のように、今日は走れるかどうかを俺に聞いてくる。
正直俺は苛立っていた。
何のためなのかもよくわからない勉強を強いられ、そのためにコウスケからの誘いを何度も断らなければならない。
コウスケはそんなことおかまいなしに、俺を誘っては残念そうに去っていく。
好きな野球やランニングができて、気楽に生きるコウスケを俺はしだいにうらやましく、また疎ましくさえ思うようになっていた。
そしてこの苛立ちが俺とコウスケとの関係を少しずつぎくしゃくさせていった。
2月を過ぎた頃だった。
俺は5日ぶりにコウスケとのランニングに参加できた。
ランニングを終えて、俺たちは近くの公園で休むことにした。
「ハァ、走ったらやっぱ温まるな、体。それにしてもジュンキ、少し体力落ちたんやないか?」
俺たちは電灯にぼんやりと照らせれているベンチに座った。コウスケが隣で言った。
「そうかもな。5日ぶりだから。塾では走ることないし」
今日の俺はコウスケのペースについていくのがやっとだった。それをコウスケに気付かれないように走ったのだが、やっぱりバレてた。
「なぁ、塾ってそんなに楽しいか?ジュンキはそんなに勉強してどうしたいんや?」
コウスケはぼそりと言った。
それは俺の痛いところをかすめる。
「楽しいわけないだろ。でも、将来のためだし、大学とか……」
そんなこと俺にもわからない。
「でも俺、そんなに焦ってやらんでもええ思うけど。なんやジュンキ、無駄に焦っとるように見えるで」
それはまた痛いところをかすめた。
これが自分の望んでることじゃないことくらいわかってる。ただ周りに流されてるだけってことも。
俺は言い返す言葉が見つからない。
「塾、減らせよ。そうすればこうやってランニングできるやろ?一緒に」
またかすめる。
そんなこともわかってる。俺だってそうしたい。
俺はコウスケから目をそらした。
「……俺、最近のジュンキが、ようわからん…」
それはついに突き刺さった。
「…でも、わかっとるつもりや。ジュンキやってホンマは…」
「わかってない」
俺の口から言葉がこぼれる。それは冷たく、沈んでいく。
「……わかるわけないだろ…俺だってわかんないんだよ。好きなことだけやって、気楽に生きてるコウスケにはわからない……わかるはずない……」
「でもな、ジュンキ…」
「俺だって走りたい。でも今はそんなことより大事なことがあるんだよ……」
「大事なことって?俺はジュンキとこうやって走りたい。それじゃダメなんか?大事なことって何や?」
「それは………とにかく…俺を弱気にするようなこと言うのはやめてくれ……俺だっていろいろ考えてんだよ……もうこの話はやめよう」
俺は逃げ出したくてベンチから腰を上げた。コウスケの目は見れない。
すると、寂しそうな声がこう言った。
「俺、転校することになった……」
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:10 -
「やっぱ狭くないか?俺、コウスケの後でええよ」
「大丈夫やって!ジュンキはここに立っときゃええ」
昨日のことは夢だったような気がする。寝起きのせいか、意識がぼんやりしてるからか。
でも確かに昨日俺はコウスケと寝た。
起きたらお互い全裸で寄り添ってたもんな。俺は昨日のことを思い出すと恥ずかしくなった。
俺が起きるとコウスケも起きて、昨日の汚れを洗い流すため、風呂に入ろうって話になった。
そして今コウスケと2人で、2人で入るには少し狭いバスルームに入ったところだ。
昨日は暗くてわからなかったが、コウスケの体は俺なんかよりはるかにムキムキで、動くたびにそれが現れる。そして、アソコもでかい。スネ毛とかは薄いのに、アソコの毛はしっかり生えてた。
俺のは普通サイズ。毛も普通。って俺は思ってる。
「おし!じゃあ目つぶれ!」
「え?あ、うん」
頭からシャワーをコウスケにかけられる。そして俺の髪をコウスケが洗い出した。
「ちょい待った!」
俺はシャワーを逃れて、長くない髪をかきあげて言った。
「べつに自分で洗うよ」
ガキ扱いはごめんだ。俺はコウスケからシャワーを奪おうと手を伸ばす。
「まぁまぁ、そう言うなって!俺が汚したんやから、俺が責任もって洗わんとおかしいやろ?」
コウスケは俺の手をかわして、そう言い、白い歯を見せて、俺の髪をシャンプーで洗い始めた。
俺はこの笑顔に弱いのかもしれない。俺は目をつぶって言った。
「ただ触りたいだけだろ?そこまで言うなら、ちゃんと洗え。あと変なとこ触んな」
「ん?変なところってどこのことや?ここか?(笑)」
俺はアソコを軽く揉まれるのを感じた。
「おい!マジ調子乗んな」
俺は目をつぶったまま言った。
「お、すまんすまん。あれ、でも立ってきてるで、ジュンキの(笑)」
俺は自分のアソコが変化していくのに気付いて、顔が赤くなった。
「俺やっぱあとでひとりでシャワー浴びる」
俺は怒って言った。
「ごめんって!ジュンキ。誰にでも起こることやって!ほれ、俺のも」
俺は片目を開けてコウスケのアソコを見た。
コウスケのアソコも立ってきてた(笑)
俺は吹いてしまった。
「別に見せんでええし(笑)しかも俺、コウスケと同類かよ(笑)コウスケほどエロくないのに(笑)」
「まぁ、そういうことやな(笑)おし、流すぞ」
俺は再び目をつぶる。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:09 -
部屋は真っ暗だ。
「ジュンキ、好きだ」
コウスケはそう言って、俺にキスした。
俺は黙ってそれを受け止める。
唇だけじゃなくて、鼻と鼻も重なるから、酒の臭いがプンプンするコウスケの息を吸うしかなかった。温かい。
俺はコウスケの舌を受け入れた。
俺の口の中をかき回すそれは柔らかくて、熱い。
俺も負けじと舌を絡めた。その音はなんともいやらしく響く。
俺を抱きしめるコウスケの腕が緩まり、その手は俺の腹に回った。
シャツをめくられ、俺の腹をたどるようにして、胸で止まる。
ウッ……
俺は緊張で力を入れてしまい、コウスケの口の中に声をもらした。
コウスケの唇が離れ、俺を見ている。
コウスケの表情はいままでに見たことないようだった。
優しげで、寂しげだ。
コウスケは何も言わず、馬乗りになった状態で俺からシャツを脱がた。
俺を見下ろして微笑み、再び俺の上に倒れて、キスを求めた。
再び舌を絡めながら、俺はコウスケの肉体を直に感じる。分厚い胸筋が柔らかく俺を包んでる気がした。
俺はゆっくりと腕を伸ばし、コウスケの背中に回してみる。そのまま強く抱きしめた。
コウスケが微笑んだような気がした。
俺は自分のベルトが緩むのに気付いた。コウスケの手が俺のズボンをゆっくりと脱がしていく。
俺は少し腰を上げた。ズボンは脱ぎ取られ、俺もコウスケと同じ格好になった。
俺のアソコはトランクスを押し上げている。
それをコウスケの手が何度も触る。
俺も恐る恐るコウスケのアソコに手を伸ばしてみた。
するとコウスケが俺の腕を掴んで、俺の腕をコウスケのトランクスの中へ導いた。
俺の手に固くて熱いモノが当たっている。
俺はそれを優しく扱ってみた。先端はヌルヌルしていた。
ウッ……
今度はコウスケが声をもらした。
コウスケは自分のトランクスを脱ぎ、俺のも脱がした。
俺のアソコもコウスケに扱われる。
ウッ……
俺は感じてしまう。
するとコウスケは俺の耳に囁いた。
舐めて……
え?……
俺は驚いて聞き返した。俺はこういうことに無知だった。
コウスケは体の向きを変えた。
俺の目の前にコウスケのアソコが現れた。
暗くてよく見えないが、それはでかかった。
突然俺のアソコが熱くなるのを感じた。
熱くて柔らかい、ヌルヌルしたものが俺のアソコを包んでるような。
ウッ……
気持ちいい。なんでこんなことが気持ちいいんだろ?
俺は何度も声を漏らしながらそんなことを思った。
俺もコウスケのために。
そう思って目の前にあるアソコの先端に恐る恐る舌を近づけた。
ねっとりしていた。ひと舐めで気持ち悪くなったが、覚悟を決めておもいきりそれを口に含んでみた。
目をつぶり、必死に舌を動かす。太くて熱かった。
俺のアソコがやられてる所を俺も舐めた。
ときどきお互いの体がビクついたり、声がもれたりした。
コウスケの舌に俺は完全に酔ってしまい、ついに限界がきた。
ウッ……
俺はすぐにコウスケの口から俺のアソコを抜いた。
出てしまった。その液は俺とコウスケの体にかかった。
ウッ……
コウスケの体がビクついた。
俺の口からコウスケのアソコが抜かれ、その瞬間、白い液が飛ぶのが見えた。
それは俺の体にかかり、顔にも少しかかった。
コウスケは息を荒げて俺に向き直った。そして俺の顔にある液を指で拭きとって、再び俺の上に倒れてきた。
俺とコウスケの火照った体は重なり合って、コウスケの体重を俺は心地良く感じる。
風呂は明日でいいか……
俺はそうつぶやいて、コウスケの背中に腕を回し、おもいきり抱きしめながら目を閉じた。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:07 -
リンゴ鍋は……鍋だった。
コウスケがあんなに頑張って擦ったにもかかわらず、リンゴは力を発揮することなく、鍋の味に負けてしまっていた(笑)つまり、ごく普通の鍋。
俺は安心して最後までたいらげることができた。
「美味かったな。普通に(笑)」
「え?ああ。リンゴが上手く隠し味になったってことやな」
コウスケは不満そうだ。もっと違う味を期待してたんだろう。
「隠れすぎな気もするけどな(笑)けど、マジで美味かった!コウスケって料理とかするんだ?」
「軽くな。ジュンキは逆にしなさすぎやろ(笑)白菜ズタズタやったぞ(笑)おし!もう1本いくか!」
コウスケはそう言うと、また新しく缶ビールを開けた。俺のと合わせてこれで4本目。
実際俺の分もほとんどコウスケが飲んでる。
「ジュンキ、注いで。お前ももっと飲めって!今日はおもいきり酔うぞ」
コウスケの弱々しくなった動きを見かねて、俺はコウスケのグラス満タンにビールを注いだ。
俺はもう飲まない。というか、中ハイなら飲んだことあるが、ビールというものには苦みしか感じられない。
コウスケはグビグビと飲み干していく。
こういうところが俺をガキっぽくしてるのだろうか?
俺はなにかとコウスケに頼っている気がした。
……2時間後。時刻は夜11時を回っていた。
コウスケはトランクス1枚になっていた(笑)目はトロンとして、顔が赤い。
全身赤かった。綺麗に割れた腹筋も、膨らみをもった胸筋も、発達した肩も腕も。
俺はついつい見惚れてしまう。
「暑くないか〜?ジュンキ〜……」
コウスケはそう言いながら、俺の頬を触ろうとしてきた。でもいつもより動きが鈍い。
俺はその手をかわして言った。
「お前が飲みすぎなんだよ。おい、どこ行く気?」
コウスケはフラフラと立ち上がった。
「小便……おっと…」
よろけそうなコウスケをほっとけず、俺は立ち上がり、コウスケの隣についた。そしてコウスケに肩を貸す。コウスケの体重がグッとかかった。
「ほんと大丈夫かよ?小便までは手伝わんぞ」
「ん〜?ちゃうわ、もう寝る」
バカになったコウスケは向きを変えて、自分の部屋に行こうとする。
「は?寝るって、小便はええんか?それに、風呂入らんの?」
「おん、ジュンキと寝る」
コウスケは俺の話を聞いていない。俺はしかたなくコウスケの部屋にバカになったコウスケを支えて連れていった。
ようやくベットの前までたどりついた。ベットは1つしかない。
「おし、着いた。コウスケ?俺はどこで寝ればいんだよ?」
俺に完全にもたれかかったバカになったコウスケに聞いた。
「俺らええ夫婦になれそうやな」
バカになったコウスケが微笑んで俺に言った。
「そうだな。で、俺はどこで……うわっ!?」
バカになったコウスケはそのままベットに倒れ込み、それが俺まで倒した。
気付くと、俺の上にコウスケが乗っかっている。
「ジュンキ〜寝るぞ〜」
「お、おい!バカ!重いって!お前ほんと酔いすぎだから!」
俺はバカをどかそうとしたが、体格差でもたついているうちに、バカにおもいきり抱きしめられて、身動きがとれなかった。
コウスケの酒臭い息と、体重と、綺麗に発達した肉体を感じて、俺はなにもできなかった。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:06 -
コウスケの家はマンションの4階で、中はさっぱりとしていた。
「お邪魔します。お!キレイな家だな。花とかあるし。いい匂いがする」
俺は靴を脱いであがる。コウスケが後に続いてあがった。
「まぁな。俺お坊ちゃんやから。なら、荷物は俺の部屋にでも置いてくれ。そこ行って右」
俺は言われたとおりコウスケの部屋に入った。
見ると、部屋の壁にはコウスケの17年間の思い出が写真となって飾られている。
前の学校の友達と楽しそうに写ってたり、集合写真だったり、野球チームとの写真だったり。
俺はそれを眺めていた。そうしていると、なんだか寂しくなった。
改めて、コウスケが何度も転校してたことがわかって、同じように、いつかここからもいなくなってしまうような気がした。
「おい!ジュンキ。鍋作るぞ!」
コウスケが俺を呼びにきた。
「あ、おう!」
俺はコウスケの後について、キッチンへ。
「なぁ、コウスケ?転校って辛かったりすんの?」
俺は慣れない手つきで白菜を切りながら聞いてみた。
コウスケは俺の隣で手際よく下ごしらえを済ませていく。
「ああ、多少わ。俺、なんとか友達には恵まれてたから、辛いときもあった。でも馴れた」
「そっかぁ」
俺は手を止めてコウスケを見ていた。
コウスケはちょうどリンゴを擦ろうしている。
「どしたんや?ジュンキ。やっぱリンゴはやめとくか?」
コウスケも手を止めて俺を見た。
「いや、俺、転校とかしたことないから、どんな感じなんかなぁって。そんなに頻繁にはしないんだろ?転校。卒業まではおるよな?」
うんと言ってほしい。
「どうやろな。でも俺もここで卒業したいかな。なんやジュンキ、俺のことを心配してくれとるんか?」
コウスケはふざけてそう言った。
それに対して、俺はつよがってしまう。
「いや、コウスケはどうなんかなって思っただけだから。まぁお前はどこ行っても上手く生きていけそうだよな(笑)」
俺はそう言って笑った。
でも今度のコウスケはふざけてなかった。
「なぁ、キスしてええか?」
言うと同時にコウスケの顔が近づいてきた。
俺はそのままキスされた。
それは一瞬だった。
コウスケはすぐにもとに戻って言った。
「大丈夫やって。今はこうやっておるやろ?ジュンキと一緒に」
コウスケは優しげに微笑んで、俺の頭を撫でた。
そしてリンゴを擦り始めた。
俺は少ししてから我に返った。
「リンゴでまずくなったら、責任とれよ!」
俺はガキのように扱われたのが恥ずかしく感じて、またつよがった。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:05 -
そして土曜日。
コウスケがスポーツ店に行きたいと言い出して、俺らは昼にツタヤに集合してスポーツ店へ。
「おーい!まだか?手袋1枚に何時間かけんだよ」
「…ん?お、ジュンキ。これどう思う?」
コウスケは白い野球用の手袋を見せてきた。
「いいんじゃね?白ってとこが斬新だよな!」
正直どれも同じに見えてどうでもよかった。早く決めて次に行きたい。もうかれこれ1時間はここで過ごしてる。俺は暇になり、陸上用具を見たりしたが、陸上って見るのシューズくらいだから、またすぐに暇になっていた。
コウスケは俺の適当な返事を見破った。
「ホンマは思ってないやろ?」
「いや、思ってるよ!こんなにも白が似合う奴、コウスケ以外におらんなぁって。ちょい、付けてみ?」
俺はとにかくコウスケをせかす。コウスケはしぶしぶ付けた。
「ほれ!イケメンコウスケがますますかっこよくなったで!(笑)」
「ジュンキ、お前笑っとるやないか(笑)もうええ、これに決めた!こういうんは付ける人間によるんや!」
コウスケはそう自分に言い聞かせてレジに向かった。
スポーツ店を出たころには3時を回っていた。
「おし!サンキュウな!ジュンキ。お前はどっか行きたいとこないんか?」
「ああ、特にない」
「そうか?じゃあスーパー行くで!今夜は鍋や!」
「あ、だからそんなボロいバック持ってるんだ(笑)」
「ボロ言うな!世界を救うエコバックやぞ!」
コウスケはそう言って、そのボロバックを丁寧に折り曲げてポケットにしまった。
コウスケは案外そういうとこがちっちゃくて、俺はそんなコウスケをかわいいと思った(笑)
スーパーで、コウスケはかなり張り切っていて、俺はコウスケの指示どおりの材料を探したり、2人で隠し味は何がいいかを考えたりして、結局リンゴっていうありきたりな物に決まったのだが、それらを2時間かけて選び歩いた。その2時間はあっという間だった。
ずっと笑ってた気がする。
「ホンマに合うのか?鍋にリンゴって。カレーじゃなくて鍋だろ?」
「俺も知らん。もう買ったんやから今さら言ってもしゃあない。それにありえんくらい美味いかもしれんやろ?」
俺らはスーパーを出て、コウスケの家に向かった。
ボロバックがコウスケに似合ってなくて笑える。
「まぁ、今日は全てコウスケに任せることになってるし。頼むで!」
俺がそう言うとコウスケは急にニヤついた。
「おう!なんや俺ら、同棲しとるみたいやな(笑)買い物行って、これから一緒に料理作って」
「え?んー、まぁ、そうかもな」
俺は否定しようと思ったけど、うなずいた。
コウスケを見ると、おなじみの白い歯を見せて笑っていた。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:04 -
あの日からコウスケは俺をよく触るようになった。
毎日一緒に帰るようになって、そのときに俺の頬とか、髪とか、背筋とか(笑)ちょくちょく触ってくる。
俺はコウスケほど大胆にそんなことはできなかった。
「この土日俺、部活休みらしい」
駅の改札を出た帰り道でコウスケが言った。
「ほぅ、よかったな。たまには体休めろよ」
「じゃなくて、ジュンキどうせ暇だろ?なぁ?」
そう言ってコウスケは俺の肩に腕を回して、頬を触ってきた。
「どうせとか言うなよ。俺と遊んでほしいんだろ?あ、人見てるから」
俺は頬を触る手をどけて言った。
コウスケの大胆さにはたまにあきれる。俺は人目を気にしてしまう。
「ええやろ。頬触っとるだけやないか。照れすぎやぞ、ジュンキ。で、そうそう、土曜もやし、日曜も遊べるってわけ!何やる?(笑)」
「照れるとかの問題じゃないから。お前顔エロくなってるぞ(笑)俺はずっと寝ときたい」
「おし!決定やな!一緒に寝て遊ぶか(笑)」
「だまれ〜(笑)なんでそっちにもっていくかな。とにかく外は寒いから出たくない」
「かわいくねぇぞ!ジュンキ!俺に対しても遠慮がちだったころのお前に戻ってくれ(笑)山本くんって言ってみ?(笑)」
コウスケのからみはたまにめんどくさい(笑)
「山本くん、じゃあ君は何がしたい?」
コウスケは顔をニヤつかせて言った。
「俺ん家に来たまえ。吉田君。俺以外におらんから。みんな俺を置いて親戚の結婚式に行くんやと。つまり、俺ら2人で朝までワイワイやろうや!」
俺はまだコウスケの家に行ったことがなかった。というか、コウスケは部活で忙しいからまともに遊んだこともなかった。
コウスケの家かぁ。もしかして泊まりってことか?
「へぇ、山本くんの家かぁ。まだ行ったことないし、ええよ」
「ほんまか!?泊まりやけど、大丈夫なんか?」
コウスケは嬉しそうだ。
「おう!泊まりっていっても近所だし、いざとなったら帰るから」
「なんやいざって?全部俺に任しときゃええぞ。寝る時もな(笑)」
「勝手に言っとけ〜(笑)まぁ丁重にもてなしてくれ、山本くん」
「おう!もちろん!じゃあまた今日8時な!ランニング。あ、あとやっぱコウスケって呼んでくれ(笑)」
コウスケは嬉しそうにそう言うと、4階に自分の家のあるマンションに入っていった。
俺にとっても楽しみだ。
俺はいろいろ期待しながら帰宅した。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:03 -
下手に話し掛ける勇気もなくて、俺はただコウスケの背中についていった。
俺らは住宅地を過ぎて、川沿いを走っていた。
電灯も点々としかなく、薄暗い。
突然コウスケが土手を降りていき、空き地になっているところで止まった。
そこは2,3こベンチがあるくらいで、真っ暗だ。
俺はゆっくりとコウスケに近づいていった。
コウスケが振り返り、俺を見ている。
俺は目を合わさずに、横を向いて黙った。
「…俺、中2の時に初めてああいうDVD見たんや。女が裸になったやつ。友達とな」
俺は黙ったままコウスケの話に耳を向けた。
「周りのやつらは興奮しとった。けど俺にはようわからんかった」
コウスケの言いたいことがなんとなくわかった。
「そんな感じで、高2になって転校してきて、ジュンキを見つけた。そんで俺…ようわからんのやけど……ええなぁって思うようになって…ジュンキを……つまりな、俺もジュンキも男やろ?おかしいのはわかっとるんやけど…」
コウスケが言葉に詰まって、それでも俺に伝えようとしてるのが伝わる。
けど俺はコウスケを直視できない。
「で、いろいろ試してみた。触ったり、いろいろや。じゅんき、案外嫌がらんから、もしかしたら思うて……でも確信がもてんくて、俺どうすればええんやろってずっと考えとった。でも俺アホやから、考えてもしゃあない思って……」
「…ジュンキも、俺と一緒なんやろ?……だから、男が好き…て意味で……」
コウスケの声が震えている。なんだかかわいそうに思えた。無理してるのがバレバレだ。
俺はなんと言えばいい?
はい、そうです。
こう言ってしまえば楽になるんか?
でもそう言ってしまえば、自分が『普通』じゃなくなる気がした。
俺はこういう自分を今までずっと隠してきたわけで、それをこんな簡単にバラしていいのだろうか?
俺はなんとも言えず黙ってしまった。
コウスケのことは好きだが、いざとなると踏み切れない自分に情けなくなった。
「なぁ、ジュンキ?」
簡単なことじゃないかもしれない。コウスケだってこの言葉を言うまで悩んでただろう。
コウスケの気持ちを無駄にしたくない。
それに、ここで否定したら絶対後悔するだろう。
俺はゆっくりとうなずいた。
「…うん。俺もコウスケと……一緒だと思う」
言った。言ってしまった。言えたんだ。
「好きってことか?」
コウスケは信じられないというように聞いてきた。
「ああ、たぶん。よくわからんけど」
俺は今だにコウスケを直視できず、横を向いたまま答えた。
突然自分の頬に温かさを感じた。
コウスケの手が俺をコウスケの顔に向けた。
いつもよりキリッとした、優しげな表情だった。
俺はたぶん無表情だと思う。
コウスケは白い歯を見せて、俺にキスした。
俺はそれを受け止めた。
コウスケの吐息を間近で感じ、その息を俺は吸った。
唇は思った以上に柔らかくて、熱かった。
コウスケの腕が俺を包むのを感じた。
しだいにそれは強くなった。
俺も無意識にコウスケの背中に腕を回していた。
コウスケが口を開けたから、俺もそうした。
舌ってこんなに熱いのか。
俺らは何度も舌を絡めた。
無我夢中だった。
コウスケの唇が離れ、密着も解かれた。
コウスケが微笑んできた。
ここで初めて恥ずかしさというものが俺の全身を走った。
俺は顔が熱くなるのを感じでうつむいた。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>
じゅんき
- 10/7/25(日) 17:01 -
その日から毎晩8時にコウスケと走るのが日課になった。
待ち合わせ場所はツタヤの中。明るいし、室温もちょうどよかったから。
俺も前はよくランニングしてたから、お気に入りのコースを教えたりした。
俺らは親友と呼べるほど仲良くなったし、お互いのこともわかってきた。
コウスケの家族は転勤族で今まで何度も地方を転々としてきたらしく、これで転校は4校目らしい。そう話すコウスケは少し寂しそうだった。
小3から野球を始めて、甲子園は諦めたけど、大学でも野球は続けると言う。
大学へは体育推薦でいくつもりで、そのために日々筋トレやランニングに励んでいるのだと。そのせいか、頭が良いとはいえなかった(笑)
俺はコウスケのことをもっと知りたいと思った。
俺のことをどう思ってるかとか。
コウスケは俺のことはあまり聞いてこなかった。それなのに、俺の気持ちを察するのが上手かった。
ほとんどがしょうもない話で、たまに真剣な話もあったけど、なぜだか恋愛についてはお互い避けてた。
俺は自分が女に興味が湧かないから避けてたのだが、コウスケがそういう話をしてこないのが不思議だった。
12月だった。
俺は10分遅れてツタヤに着いた。コウスケはだいたいCDを視聴して待っているのだが、今日はそこにいない。
しかたなくDVDコーナーをうろついていると、コウスケが18禁コーナーに入っていくのが見えた。
コウスケも男なんだなぁ。と思い、なんだかガッカリしたが、それは違った。
俺は驚かしてやろうと思って近づき、声を低くして言った。
「こら!ここは君が入る場所じゃないぞ!」
俺はふざけてそう言ったのだが、コウスケはいつもと違った。
「お!ジュンキ。お前こういうの興味ある?」
そう言って渡されたのは、裸の女性が何人もいるDVDだった。
俺はどう反応すればいいのか困惑した。
「は?そりゃ多少はある…かな。でもまだそんな年じゃないから俺は遠慮しとく」
嘘をついた。いつかは本当のことを言いたいけど、言ったところで良いことはないんだ。
「そっかぁ。じゃあお前こういうの見ると、立つの?アソコ」
俺はコウスケがふざけているのかと思ったが、コウスケを見ると真剣な表情だった。
「え?(笑)なんでそんなこと言わんといけ…うわっ!おい!コウスケ!?」
俺のアソコをコウスケが握ってきた。俺はビックリしてその手を振り払うこともできず、周りに人がいないか確認して、コウスケを見た。
「フニャフニャだぞ?立ってないじゃん、ジュンキの」
俺は1歩さがって、やっとその手から逃れた。顔が熱くなるのがわかる。
「俺…だって……ていうか触んなよ、急に」
俺は動揺を隠せずに、下を向いた。コウスケは試すように俺を見ている。
コウスケの視線をと感じる。
沈黙だった。
「………俺も。たぶんジュンキと一緒や思う」
「…え?何が?」
「おし!とにかく走るか!」
コウスケは俺に背を向けて歩き出した。
俺は状況を理解できずに3歩ほど距離を置いてコウスケについていく。
俺も?一緒?
何の話だ?
ていうかバレたのか!?
俺達は外に出て、いつものコースを走り出した。
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618; .NET4.0C) @z154.58-98-117.ppp.wakwak.ne.jp>