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 ▼わたしの青春とわたしの愛----中国からあなたに伝えたいこと(1)  伊剛 04/5/24(月) 18:20
   ┗わたしの青春とわたしの愛----中国からあなたに伝えたいこと(2)  伊剛 04/5/29(土) 11:39

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 ■題名 : わたしの青春とわたしの愛----中国からあなたに伝えたいこと(1)
 ■名前 : 伊剛 <zhangwen27@hotmail.com>
 ■日付 : 04/5/24(月) 18:20
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わたしの青春とわたしの愛----中国からあなたに伝えたいこと(1)
                         晨光 作
                         山野宇克 伊剛 訳

>>>上海で弁護士をしている晨光が危険な目に遭った時、同飛に助けられ、二人は急に仲良しになった。晨光はゲイなので、同飛に特別な感情を持ったが、告白はしていない。
やがて、同飛は南京へ働きに行き、半年後、集団レイプ事件に加わってしまう。そして逮捕され、懲役6年の刑を言い渡される。
逮捕された同飛を助けるために、晨光は初めて同飛の双子の兄・同寒に会う。偶然のことに同寒もゲイだった。そこで、3人の間に感動的な同性愛のドラマ(実話)が展開されることになる。<<<
       

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私はもう四日間、一言もしゃべっていない。

飛行機に乗っているが、私の心はうつろで、何も感じない。何かに心が抑えつけられて苦しい。外を見ると、一かたまりの雲が後ろへ後ろへと流れていくその様子は、たよるところが何もなく、まさに今の私にそっくりだ。

私の頭は混沌として自分で整理できない。休もうと思うけど、どうしても眠れない。飛行機は気流の悪いところを通過して揺れ始めた。耳元には安全確認を呼びかけるアナンスの声が伝わってくるのだが、私は、彼女が何をいっているのか、ちっとも聞き取れなかった。が、思わず、びっくりして膝の上に置いている遺骨をしっかりと両手で抱きしめた。上半身を曲げた時、涙がまた思わず流れた。

スチューワデスが近づいてきて、静に言った。「お客様、後ろにもたれられたらいかがですか。気流の悪いところを通過していますので。」

わたしは答えることもできず、涙がどっとあふれ出た。

同寒、驚いていないかい。安心して。私がついているから、ゆっくりお休み。これから南京へ行くよ。私は心の中で言った。

スチューワデスがいつのまにか、私のそばに立っていて、静に言った。

「お客様、座席に置かれてお休みになったら。」

私は身震いして力強く頭をふった。スチューワデスはしかたなく去っていった。しばらくして、スチューワデスは小さな毛布を持ってきて、わたしの身体にかけてくれ、おしぼりで私の顔をつたう涙をふいてくれた。この時、わたしは、こんなにも助けを必要とする自分を確認し、再び心がばらばらにちぎれてしまうのだった。

飛行機に乗っている数時間の間に、乗務長からスチューワデスに至るまで、何度も何度も私のそばに来てくれ、できるかぎりのことはしてくれたけど、私の心は死んでしまったようで、何も必要としない。スチューワデスが届けてくれた食事と飲み物は、となりの席のテーブルに置いたまま、さわりもしなかった。

昆明空港で、雲南武装警察本部の幹部は二枚の南京行きのチケットを買ってくれた。一枚は私のために、もう一枚は同寒の遺骨のために。しかし、どうしてこんな時、同寒を一人ぼっちにさせることができようか。できるはずがない。こんな時こそ、彼には私のあたたかさとおもいやりが最も必要だから。

しかし、同寒、君が逝ってしまって、これから誰が私のことを思いやってくれるだろう。こう思うと、又涙があふれ出てしまった。(つづき)

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 ───────────────────────────────────────  ■題名 : わたしの青春とわたしの愛----中国からあなたに伝えたいこと(2)  ■名前 : 伊剛  ■日付 : 04/5/29(土) 11:39  -------------------------------------------------------------------------
   同寒の遺骨を南京まで送って埋葬するにあたって、実は、雲南武装警察本部は2名の職員の同行を申し入れていた。しかし、同寒の母親はどうしてもそれを承知しなかった。そしてこう言ったのだ。
 
「阿寒(注1)が国に命をささげたのは悲しいことですが、阿寒は国によって育てられた警察官です。そして国から多大な名誉を与えられました。特に、故郷の南京に眠っている父親のそばに眠らせることが許されたのは、私と死んだ父親の最大の願いでした。

 晨光に任せましょう。ここ数年来、晨光はもうこの家の一員になっていて、阿寒とは兄弟のように親しかったのだから、阿寒のことは晨光にまかせても安心できます。しかも、阿寒の弟の阿飛が南京で受刑をしていて、あと一日で出獄するのですから、阿寒の最後の世話は阿飛にも手伝わせましょう。」

 わたしは、たとえ雲南武装警察本部(注2)が許可してくれなくても、同寒のこの世での最後の花道を共に歩こうと決めていた。意外にも、警察本部がしぶしぶと最後に許可してくれた。そして南京にある江蘇武装警察本部に同寒の功績及び烈士に追認されたことを報告し、故郷で父親のそばに埋葬するため協力してほしいと要請してくれた。

 
 昆明にて。斎場から出てきて、わたしは両手で最愛の人の遺骨を抱えてワゴン車に乗り込んだ。黒い布と大輪な白い花が付けてある車は、昆明の広い道路をゆっくりと走っている。幹線道路を一周し、同寒が13年も暮らし、働き、ついに命も捧げたこの町を後に走っていく。

 そして、車は空港へ向かう。雲南武装警察の幹部と兵士は、すでに整列して待っていた。大佐から少尉まで、帽子を脱いで敬礼し、26歳の若さで殉職した烈士同寒に最後の別れを告げた。

 同寒の姉は、悲嘆にくれている病気の母親の面到を見るために、同行できない。

わたしは、震える両肩を同寒の姉の体にもたせて、別れのあいさつをする。二人とも顔中に涙を流しながら。姉は頭を下げて弟の写真に口づけして、わたしがタラップを昇って飛行機に乗り込むのを見送っていた。飛行機の入り口に入った瞬間、「阿寒」と、心をちぎるような呼び声が聞こえてきた。振り向いて見ると、姉が二人の職員に支えられて、気を失ったようだった。空には、「阿寒……阿寒……阿寒……」と、彼女の声がこだましていた。

 機内に入り、スチューワデスにビジネスシートに案内された。スチューワデスは遺骨を窓際の席に置くようにとすすめてくれたが、わたしは頭を振って断った。席にゆっくりと腰をかけ、遺骨を膝の上に載せて、両手を遺骨の上に置いた。

 わたしは分かっている。こんな時こそ、同寒はわたしがそばにいることを必要としているのだ。どうして同寒を一人ぼっちにすることができるのだろう。

4年前に知り合ってから、3年前に愛の約束をしてくれるまで、わたしは、一生彼しか愛さないと決めて、一生共にしてもらうことを願っていた。ところが、彼は逝ってしまった。たった一度だけ怒ったまま、わたしに何も言わずに彼は出かけていき、それが永遠の別れになってしまったのだ。

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注1:中国では、友達同士の間では、名前で呼ぶのが一般的ですが、家族のような親しい関係なら、名前の最後の字に「阿」を付けて呼ぶところが多いのです。

注2:中国の武装警察は軍隊と警察の中間にある職業です。中国では、未だに同性愛に対する差別が強く、兵隊さんの烈士がもともと同性愛者だということはこの尊敬すべき職業のイメージを傷つけると思われるのです。雲南武装警察本部も、同寒の遺骨を南京まで送ることを晨光にまかせたいという遺族の申し入れには相当悩んでいたでしょう。

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