Page 3184 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼後輩との関係21 優 06/10/8(日) 15:22 ┣Re(1):後輩との関係21 ミカド 06/10/9(月) 6:06 ┣Re(1):後輩との関係21 な 06/10/9(月) 23:52 ┗Re(1):後輩との関係21 空也 06/10/10(火) 21:42 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 後輩との関係21 ■名前 : 優 ■日付 : 06/10/8(日) 15:22 -------------------------------------------------------------------------
| 窓の外はすっかり暗くなっていた。月が雲に隠れているせいもあるんだろう。もうすぐ桜が芽吹く季節と言っても、日が沈むのは夏と比べ物にならないくらい早く、気温もかなり下がる。俺は部員全員で選んで買ったお揃いのジャージ(ナイロンのような生地で、黒ベースに赤のラインが入っている)を着ている。ユニフォームやジャージは、県内でもかっこいい方だと俺らは自負している。 体育館玄関に向かう廊下を照らす明かりは、脱出口を示す緑のランプだけだ。暗闇ってこんなに怖かったっけ?と思い、自然に歩く速さが増した。すると、同じように俺の後ろを足音が追いかけてくる。自分の足音だとわかっているのに、何か得体の知れないモノが追いかけてくるように錯覚した。怖がりで悪かったなっ!! 体育館の入り口のところで足を止めた。扉を開け、中へと一歩入る。ここも静寂と暗闇に包まれていた。俺は、目を閉じ部員全員の顔を思い浮かべた。 『みんなに謝らなきゃ・・・今まで迷惑かけた分、これから頑張ろう』 青木先生が言っていた練習試合まで残り2週間を切っていた。と言っても、俺にとっては明日が勝負のときなのだ。俺は自分を奮い立たせ体育館を後にした。 部活動をする生徒しか使わない体育館玄関の下駄箱には俺の靴しか残っていなかった。当たり前だ、この学校に残っているのは見回りの先生と青木先生と俺くらいだろう。 俺はナイキのダンクLOWを履き立ち上がろうとした、そのとき、強化ガラスで出来たスライドドアの向こうの石段に誰かが座っているのに気が付いた。先程までの恐怖心が再び俺を包んだ。目を凝らしたが、暗くて誰なのか全く判別がつかない。もしかしたら、部員の誰かなのだろうか、だけど部活が終わってから1時間以上経っている・・・そうなると変質者か?俺は意を決して、なるべく音をたてないようにドアを開けた。と、その音に反応しその人物が振り返った。 「・・・本間?!」と俺は驚きの声を上げ、続けて言った。「どうしてお前がここにいるんだよ??」 「どうしてって、お前を待っていたに決まってんジャン」本間は立ち上がり、腕一本分のところまで歩み寄り、しばらくして言った。「・・・ごめんな、辛く当たって、、」 え、あれ、、すぐそばにいる本間が霞んで見える・・・。もうっ、なんでこう今日は涙腺が緩いんだよっ!! 「ば、ばかっ、なんで泣くんだよ?!」 「うるさいなっ・・・見ンなよ、ばかっ!」 俺は俯き、本間の胸を寄り掛かるように拳で叩いて言った。「・・・ありがと、な、、」 と、そのとき、次から次へと涙が溢れ出てきた。まるで、涙でいっぱいになったダムが耐え切れず決壊したかのように。必死で嗚咽を堪えようとするが、全く言うことを聞かない。俺は手に持っていた部活動具を投げ出し、左手で眼を覆った。 「なぁ、泣くなよ・・たくっ」頭に何か暖かで大きなモノが触れ、そして、本間の胸に吸い込まれていった。「もう、お前ってほんっとバカだな・・」と、本間は俺の頭抱えながら言った。 一瞬何が起こったのかわからなかった。何が起こったのか理解出来た時には、もう抵抗するのには遅すぎた。というか、俺よりも一回り大きな身体は暖かでとても心地良かった。それを振り切る力なんて俺には残っていなかった。 俺は嗚咽を堪えながら言った。 「、、ばかば、かって、、いうな、よっ」 「泣くかしゃべるかどっちかにしろよ」と苦笑いしながら言った。「また明日から頑張るんだろ?」 俺は本間の胸に向かってしっかりと頷いた。 「なら、今のうちに泣けるだけ泣いとけよ、」 本間の腕が俺の背中に回され、優しく包み込むように抱き締められた。 その後、少しだけ泣いた。本間は何も言わずにずっと抱きしめてくれていた。ほんとはもっともっと涙は出て来そうだったけど、なんとか我慢した。だって、正直言って恥ずかしかったんだ・・・。 泣き止んだ俺は、本間の腕の中でもぞもぞと動いた。 「ぉ、おい!人の服で拭いてんだよっ」 「・・・だってお前が抱き締めてて自分のじゃ拭けないじゃん、、てか、きついんだけど」 「ぁ、わりぃ!」本間は背中に回していた腕を慌てて放した。そして俺を見ていきなり笑い出した。 「優、目ぇ真っ赤だぜ」 「仕方ないだろっ!たくっ、さっさと帰ろうぜ、お前も歩きなんだろ?!」 俺は、地面に投げ出してあった俺と本間の分の荷物を両手に持ち、片方を本間に差し出す。 「・・・重いんだからさっさと取れよっ、おい、聞いて、んっ・・・」 俺の言葉は途中で遮られ、唇には柔らかでひんやりとした感触が伝わってきた。車の通る音すらしない暗闇にドスッと二人分の荷物が落ちる音が響く。目の前には、やや傾けられた本間の端整な顔があった。瞑った眼の上に長い睫が微か揺れている。その時、初めて自分が眼を開けたままだったことに気が付いた。それは、友達にするような触れるだけのキスだった。 本間は唇を離し、無言で地面に落ちていた自分の荷物を拾い上げ、先に歩き出していた。俺は呆然とその背中を眺め、ハッと我に返った。 「なぁ、ちょっと待てよ!」俺は自分の荷物を拾い上げ、本間の後を追った。「ちょっと待ってて!!」 本間は、無言のままズンズンと長い足を前に出していく。俺は、その斜め後ろを早足でついて行く。 どうして本間が俺にキスなんかするんだ?こいつにはめちゃくちゃ可愛い彼女がいるはずなのに・・・・・ 「歩くの速いって!」と俺は言った。「さっきのは何のつもりだよっ」 本間は急に立ち止まり、俺のほうを振り返って言った。 「・・・嫌だったか?」 「ぇ、嫌ではなかったけど・・・・」と俺は答えた。「だからってなんで俺にすんダヨ」 「別にそんな気にすることじゃねーじゃん、小学生のときもしてるンダし」 一瞬何のことかわからなかった。確かあれは小学校5年生のときだったと思う。俺の家に本間が泊まりにきたとき、『キスってどうやんのかなぁ?』と俺が言ったのだ。それで、試してみるかって話になってお互い照れながら唇が触れるだけのキスをしたんだった。そんなことはすっかり忘れていた。もちろん、その当時の俺は男に対して恋愛感情を抱いたことなんて全くなかった。 「・・・ガキんときの話だろ、よく覚えてんな」 「そりゃー、俺のファーストキスだったからな」本間は苦笑しながら言い、今度はゆっくりとしたペースで歩き出した。 俺は本間に追いつき、ぴったりと横に並んだ。本間の体温が俺の左半身に感じられるような気がする。 「こうやって歩いて一緒に帰るのって小学生以来だな・・」と本間が言った。 「・・・そうだな、なんかすげぇ懐かしい、、毎日のように一緒に帰ってたもんな。。」 「まぁ今はあんときより身長差が広がったみたいだけど」と俺の頭の上に手を置き言った。 「うっせぇよっ、」俺は本間の手を振り払った。「中学入ってから俺のこと子供扱いし過ぎ!!」 俺らは、しばらく無言で歩を進めた。歩いていると清水さんの家(表札を見た)からカレーの匂いが漂ってきた。『最近カレー作ってなかったな、、今度作ろうかな』と思いながら清水さん宅を通り過ぎ、田んぼに囲まれた道に出た。 「・・・なぁ、俺と賭けしねぇ?」本間が唐突に言った。 賭けって何やるつもりだっ!と身構えて俺は答えた。 「いきなりなんだよ、どんな賭け?」 「今度の練習試合でお前が出た試合全てで12点以上取れればお前の勝ち、取れなきゃ俺の勝ち。」本間はニヤリと笑って言った。「勝った奴は一つだけ負けた奴に命令できるってのでどうだ?」 俺は答えに詰まった。本来中学バスケというのは1クォーター7分の4クォーター制だ(今は違うかもしれないけど当時はそうだった)。だが、練習試合は2クォーターで行うのが一般的だ。14分間で12点。俺にとって出来るか出来ないか微妙な条件だが、それくらい当たり前のようにやらなきゃスタメンとして失格だ。問題は試合数だ。 「何試合やるかわかるか?」 「うちを入れて6チームでやるらしいから、少なくても5試合だと思うぜ。」本間はそこで言葉を区切り、心底面白そうに言った。「ちなみに、先生は全試合スタメンでお前を出す気らしいぜ?」 結局、俺はその賭けを受けてしまった。本間に命令したいことが特にあったわけではないけれど、賭けをすることで普段よりも攻め気が出てくるんじゃないだろうか、そう考えた。12点なんて3Pを4本入れればいい話じゃないか。そんくらいやってやろーじゃないかっ!俺はとことん馬鹿らしい。 |
| 話の展開が変わってきましたね♪続きたのしみです(^O^) |
| 元晴くんは? |
| つづきまってますねぇ(^з^)-☆Chu |